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元スレ紳士「私はもう……小便小僧じゃないんだ……」

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1 : 以下、名無しにか - 2013/06/12(水) 20:31:31.13 ID:JudZF5gY0 (+125,+30,-80)
<公衆トイレ>

紳士「あの……」

清掃員「はい?」ゴシゴシ

紳士「大変申し訳ありませんが、用を足してもよろしいですか?」

清掃員「あ、どうぞどうぞ」

紳士「では失礼して」スッ

清掃員(ずいぶん礼儀正しい人だな)

ズボンのチャックを開き、立ち小便を始める紳士。

紳士「…………」ジョボジョボ…
2 : 以下、名無しにか - 2013/06/12(水) 20:32:50.10 ID:nEViFWKs0 (+19,+29,-5)
清掃員(酷い包茎だな・・・)
3 : 以下、名無しにか - 2013/06/12(水) 20:34:21.54 ID:JudZF5gY0 (+95,+30,-43)
清掃員「…………」ゴシゴシ

紳士「…………」ジョボジョボ…

清掃員「…………」フキフキ

紳士「…………」ジョボジョボ…

清掃員「…………」ゴシゴシ

紳士「…………」ジョボジョボ…

清掃員「…………」フキフキ

紳士「…………」ジョボジョボ…

清掃員(──長っ!)
4 : 以下、名無しにか - 2013/06/12(水) 20:35:06.52 ID:CO7euBld0 (-27,-13,+0)
糞スレ
5 : 以下、名無しにか - 2013/06/12(水) 20:35:59.30 ID:VPgmSa4k0 (+5,+15,+0)
尿スレ
6 : 以下、名無しにか - 2013/06/12(水) 20:38:20.45 ID:JudZF5gY0 (+90,+30,-128)
紳士「…………」ジョボジョボ…

清掃員(全っ然、途切れない!)

清掃員(いくらなんでも長すぎるだろ!)

清掃員(普通小便なんて、長くてもせいぜい数十秒ってとこだろ!?)

清掃員(いったい何リットル小便出してんだ!?)

紳士「……ふぅ」ブルッ

清掃員(あ、やっと終わった)

紳士「では失敬」ペコッ

清掃員「い、いえ」

清掃員(しかも──)チラッ

清掃員(あれだけ小便を出したのに、便器の外にはまったく飛び散っていない……)

清掃員(長年この仕事やってるけど、こんな人を見るのは初めてだよ)
7 : 以下、名無しにか - 2013/06/12(水) 20:43:39.99 ID:JudZF5gY0 (+95,+30,-156)
<町>

紳士(やれやれ、さっきは掃除の人に迷惑をかけてしまったな)

紳士「──ん?」



「マッチはいかがですか~! マッチョもいかがですか~!」

マッチョ「いかがですかぁ~」

「あたしのマッチは世界でイチバン!」

「マッチョは一時間につき銅貨一枚でどんな力仕事でもやりまぁ~す!」

マッチョ「どんな、はちょっと誇大広告じゃないかな……」



紳士(そういえば、この町には──)

紳士(マッチを売る少女と、力仕事の依頼を受けるマッチョのコンビがいると聞いた)

紳士(なんでも二人は同い年のみなしごで)

紳士(町の人からは『マッチョ売りの少女』と親しまれているという)

紳士(……多分、彼らのことだな)
8 : 以下、名無しにか - 2013/06/12(水) 20:47:27.01 ID:JudZF5gY0 (+95,+30,-111)
紳士は少女とマッチョに声をかけることにした。

紳士「こんにちは」

「あ、こんにちは~! マッチはいかがですか?」

「マッチョもいかがですか?」

マッチョ「ボクは……力だけなら自信あります」ムキッ

紳士「たしかにすごい筋肉だね。だが、今はあいにく間に合っていてね」

紳士「だけど……せっかくだからマッチを一ついただこうかな」

「ありがとうございま~す!」

マッチョ「ありがとうございます」

紳士(──む、これはなかなかいいマッチだ)

紳士「このマッチ、試しに一本ここですってみてもいいかね?」

「もっちろん! どうぞどうぞ!」
9 : 以下、名無しにか - 2013/06/12(水) 20:48:53.09 ID:fDGFiqzr0 (-20,-8,-1)
支援
10 : 以下、名無しにか - 2013/06/12(水) 20:49:31.61 ID:oVL6u2w+O (+28,+30,-201)
初春「糞スレが伸びてる理由もわかりませんし」

初春「百番煎じのSSは、タ書いてる奴も読んでる奴も何考えてるんですかねぇ」

初春「独自性出せないなら創作やるんじゃないっつーの」

初春「臭過ぎて鼻が曲がるわ」

初春「結果スとして面白くないのは許せます。許せるだけで面白くはないんですが」

初春「パクリ二匹目のドジョウ百番煎じは許ケせませんね。書いてて恥ずかしくないんですか?」

初春「ドヤ顔してる暇があればとっとと首吊って死ねよ」

初春「まあ、一番の害悪はそういったSSを持テち上げてる人たちなんですが」

佐天「初春?」

初春「そうネットに書いてありました」

佐天「なんだネットか」
11 : 以下、名無しにか - 2013/06/12(水) 20:50:21.68 ID:JudZF5gY0 (+95,+30,-77)
紳士「…………」シュッ

ボッ……

紳士(ふむ……)

紳士(火は大きすぎず、小さすぎず)

紳士(穏やかで、それでいてマッチとしての使命を果たそうという力強さがある)

紳士(なんというか……心の中まで灯されるようだ)

紳士「このマッチは……実にいいマッチだね」

「!」ピクッ
12 : 以下、名無しにか - 2013/06/12(水) 20:53:20.52 ID:JudZF5gY0 (+95,+30,-104)
「でしょでしょ~!? なんたって、このあたしが作ってるんだから!」

紳士「え、このマッチを……君が?」

「マッチなんてみんな同じ、なんていう人もいるけど」

「やっぱり見る人が見ると分かってくれるのよねぇ~!」

「おじさん、さてはプロね!?」

マッチョ「……なんのプロなんだよ」

マッチョ「でも……分かってくれる人に出会えて、よかったね」

マッチョ「こんなふうに褒められるのは初めてだものね」

「うん!」
13 : 以下、名無しにか - 2013/06/12(水) 20:56:52.38 ID:JudZF5gY0 (+95,+30,-107)
紳士「その若さでこれほどのマッチを作れるとは、大したものだね」

紳士「もしかして……君はマッチに特別な思い入れがあったりするのかい?」

「あっ……」

マッチョ「…………」

紳士「?」

マッチョ「実はボクたち……昔、大きな火事にあったことがあるんです」

紳士「!」

紳士「そうだったのか……。すまなかったね、変なことを聞いてしまって」

「ううん、いいの!」

「また来てね、おじさん!」

紳士「ああ、また来るよ」

紳士(……火事、か)
14 : 以下、名無しにか - 2013/06/12(水) 20:59:20.44 ID:JudZF5gY0 (+95,+30,-101)
その夜──

<紳士の家>

紳士「今月分の原稿です」

編集者「ありがとうございました」

編集者「先生はいつも締め切りをきっちり守って下さるので助かりますよ」

紳士「それだけが取り柄だからね」

編集者「ところで先生はなぜ、こうも頻繁に引っ越しをされるのです?」

紳士「…………」

紳士「いやなに、つまらない理由さ」

紳士「同じ場所にずっといるより、色んな場所で暮らした方が筆が進むんだよ」

編集者「なぁるほど、さすがは先生!」 

紳士(嘘だ)

紳士(私はただ逃げているだけ……)
15 : 忍法帖【Lv= - 2013/06/12(水) 21:02:33.87 ID:i0+Vjjbu0 (+5,+15,-12)
しえん
16 : 以下、名無しにか - 2013/06/12(水) 21:05:24.14 ID:JudZF5gY0 (+95,+30,-193)
紳士「ところで、読者からの評判はどうだね?」

編集者「先生の冒険小説は、相変わらず好評ですよ!」

編集者「キャラクターやストーリーがしっかりしていて」

編集者「先生の誠実な人柄があらわれてるような感じですね」

紳士「ありがとう」

編集者「特に最新刊の炎の森からの脱出シーンは好評で……」

編集者「こういった小説を読み慣れてる私も、ドキドキしてしまいましたよ」

編集者「なんというか、ものすごくリアリティにあふれていて……」

紳士「!」ギクッ

紳士「そ、そうかい。それはよかった」
17 : 以下、名無しにか - 2013/06/12(水) 21:07:56.31 ID:KhQVN+u50 (-25,-13,+0)
ts
18 : 以下、名無しにか - 2013/06/12(水) 21:09:19.33 ID:JudZF5gY0 (+95,+30,-204)
編集者「炎の森、といえば思い出しましたが……」

編集者「ウチの記者部で話題になってるのですが」

編集者「最近、あちこちの町や村で大火事が頻発していましたねえ」

編集者「伝説の放火魔が活動を再開したんじゃ、ってハナシもあるんですよ」

紳士「放火魔が……?」

編集者「はい、かつて無数の町や村で大火災を起こしたという……」

編集者「まあ、あくまでウワサ程度のものですけどね」

紳士「…………」

編集者「先生も火の元には、十分気をつけて下さいね」

紳士「ご忠告ありがとう」

編集者「ではまた、来月うかがいますので!」

ギィィ…… バタン

紳士「放火魔……」
19 : 以下、名無しにか - 2013/06/12(水) 21:11:13.53 ID:qJ/etyOLO (+24,+29,-1)
もう一度マッチョ売りの少女を見られて嬉しい
20 : 以下、名無しにか - 2013/06/12(水) 21:13:28.03 ID:VPgmSa4k0 (+17,+22,-5)
支援した方がいいの?
21 : 以下、名無しにか - 2013/06/12(水) 21:14:21.47 ID:JudZF5gY0 (+95,+30,-115)
その頃──

少女とマッチョは、古びた小屋で暮らしている。

<小屋>

マッチョ「あのさ」

「なによ、マッチョ」

マッチョ「昼間に出会ったあの人……。ボクたち、どこかで見たことなかったかな?」

「どこかで? 気のせいでしょ?」

マッチョ「そっかぁ……」

「あ~、それにしても嬉しかったわ」

「やっとあたしの作ったマッチが評価されたんですもの」

「うふふふ……」

マッチョ「あまり調子に乗ったらダメだよ」

「だれが調子に乗ってるってのよ!」ギロッ

マッチョ「ゴ、ゴメン」
22 : 以下、名無しにか - 2013/06/12(水) 21:19:24.14 ID:JudZF5gY0 (+95,+30,-96)
翌日──

<町>

紳士「やあ、こんにちは」

「こんにちはー!」

マッチョ「こんにちは」

紳士「どうだね、商売は順調かい?」

「もうバッチリよ!」

「……でも、おじさんが買ってくれたら、もっとバッチリなんだけどな~」

紳士「ハハ、では一箱買わせてもらうよ。君は商売上手だね」

「毎度あり~!」

マッチョ(すごいなぁ……ボクもあんな風にしゃべれたらなぁ……)

マッチョ(よ、よ~し、ボクだって……)ゴクッ…
23 : 忍法帖【Lv= - 2013/06/12(水) 21:19:40.65 ID:i0+Vjjbu0 (-22,-12,+0)
24 : 以下、名無しにか - 2013/06/12(水) 21:23:20.48 ID:JudZF5gY0 (+95,+30,-142)
突然袖をまくり、右腕に力こぶを作るマッチョ。

マッチョ「紳士さんっ!」ムキッ

紳士「うわっ!?」ビクッ

マッチョ「ボクを使ってくれると……もっとバッチリですよっ!」ムキッ

紳士(おお、すごい力こぶだ!)

紳士(といっても、今力仕事はないが……せっかくだ)

紳士「じゃあこれから私は隣町に出かけるのだが」

紳士「このカバンを持ってもらえるかね?」ニコッ

マッチョ(本当はボクを使うような用なんてないのに、わざわざ……)

マッチョ「あ、ありがとうございますっ! 無理をいってすみませんっ!」

紳士「ハハハ、いいよいいよ。一時間は歩くし、ちょうど話し相手も欲しかったしね」

「毎度あり~!」
25 : 以下、名無しにか - 2013/06/12(水) 21:29:18.52 ID:JudZF5gY0 (+95,+30,-128)
スタスタ……

マッチョ「──で、なんで君まで?」

「いいじゃない、別に!」

紳士「ハハ、かまわないさ。短い旅とはいえ、にぎやかな方が楽しいからね」

マッチョ「ところで紳士さんのご用件ってなんですか?」

紳士「取材だよ」

マッチョ「取材?」

紳士「私は小説を書いていてね」

紳士「小説の参考にするために、話を聞きに行くんだよ」

紳士「今日は隣町の女探偵さんを取材するんだ」

「へぇ~、わざわざそんなことするなんて、けっこう大変なのね」

マッチョ「紳士さんはそうやって物語を作るんですね」
26 : 以下、名無しにか - 2013/06/12(水) 21:30:00.38 ID:SreovWnz0 (+16,+26,+0)
なにこれ
面白い
27 : 忍法帖【Lv= - 2013/06/12(水) 21:31:34.84 ID:i0+Vjjbu0 (+17,+27,+0)
ふむ
28 : 以下、名無しにか - 2013/06/12(水) 21:33:22.00 ID:JudZF5gY0 (+95,+30,-172)
一時間後、三人は隣町にたどり着いた。

<隣町>

紳士「さて、と。このあたりでいいかな。どうもありがとう」

紳士「はい、代金」チャリン

マッチョ「え、一緒に歩いただけでこんなに!? わ、悪いですよ。お返ししま──」

「…………」グサッ

マッチョ「いだぁっ!? 肋骨を指で強打するのはやめてよ!」

「マッチョ、親切はちゃんと受け取るのが礼儀なのよ。ね、おじさん」

紳士「ハハハ、そのとおり。受け取ってもらえると嬉しいよ」

紳士「それじゃ、またね」ザッ

少女&マッチョ「さようなら~!」

「うふふ、儲かった、儲かった!」ニタァ…

マッチョ(礼儀のカケラもない笑顔だ)
29 : 以下、名無しにか - 2013/06/12(水) 21:37:20.06 ID:JudZF5gY0 (+95,+30,-123)
<探偵事務所>

紳士「ここか……」

紳士(物語の展開上、探偵を登場させたいが)

紳士(自分の想像で書いていてもどうもしっくりこなかったからな)

紳士(今日の取材が役に立てばいいが……)

コンコン ギィィ……

紳士「失礼します。本日取材させていただく予定になっていた──」

探偵「あ、どうも」

紳士「!」

探偵「!」

紳士「き、君は……!」

探偵「あなたは……!」
30 : 以下、名無しにか - 2013/06/12(水) 21:37:48.51 ID:8I9HZWBRO (+24,+29,-15)
マッチョ売りとか懐かし過ぎんよ
31 : 忍法帖【Lv= - 2013/06/12(水) 21:37:58.01 ID:i0+Vjjbu0 (-22,-12,+0)
32 : 以下、名無しにか - 2013/06/12(水) 21:42:03.02 ID:JudZF5gY0 (+95,+30,-241)
探偵「生きて……いらしたんですね、先輩」

紳士「…………」

探偵「探しましたよ、ずっと」

探偵「消防団を辞めて探偵になったのも、あなたを探すためだったんですから」

探偵「でもまさか……こんな形で再会できるなんて……」

紳士「…………」

探偵「みんな、あの時のことを反省しています」

探偵「私も消防団に戻ってくれとはいいません」

探偵「でも、もう一度消火人としてやり直すことはできないでしょうか……?」

紳士「すまない……」

紳士「これは今日の取材費だ。受け取ってくれ」スッ

探偵「先輩っ!」バッ

バタン……

探偵(いえ……今の私に追う権利なんてないわ……)
33 : 以下、名無しにか - 2013/06/12(水) 21:43:34.01 ID:fsl59Xz40 (+10,+25,-1)
懐かしいな
34 : 以下、名無しにか - 2013/06/12(水) 21:45:22.00 ID:JudZF5gY0 (+95,+30,-64)
紳士(すまない……)

紳士(しかし、あの頃のことを思い出すたび、私は身震いしてしまうんだ)

紳士(それにしても、まさかこんなところで彼女に会うとは……)

紳士(また近いうちに、引っ越さねばならないようだな)

紳士(もっと遠くの、かつての私を知る者などいない土地に……)

紳士(私は……)

紳士(いったいいつまでこうして逃げ続けるのだろうか……)
35 : 以下、名無しにか - 2013/06/12(水) 21:45:29.00 ID:SAN+p9Ld0 (+19,+29,+0)
元ネタ知らんけど雰囲気良いな
36 : 忍法帖【Lv= - 2013/06/12(水) 21:46:27.62 ID:i0+Vjjbu0 (+22,+27,-1)
元ネタあるんかいな
37 : 以下、名無しにか - 2013/06/12(水) 21:48:42.58 ID:JudZF5gY0 (+95,+30,-130)
一方、その頃──

<町の本屋>

「これよね? あのおじさんの小説って」

マッチョ「うん」

「じゃあさ、さっきおじさんにもらったお金で買いましょ」

マッチョ「えぇ!?」

マッチョ「紳士さんからもらったお金を、そのままこの本の代金に使うのは」

マッチョ「なんだか失礼な気がするんだけどなぁ……」

「アンタってホントそういう細かいこと気にしすぎよ!」

「おじちゃ~ん、この本買うわ」

店主「あいよ~!」
38 : 以下、名無しにか - 2013/06/12(水) 21:52:46.47 ID:JudZF5gY0 (+95,+30,-206)
<小屋>

「おんもしろ~い!」

「マッチョ、早く次のページにいきなさいよ!」

マッチョ「ま、待ってよ。ボク、読むの遅いんだからさ」

「んもう、なんで体は大きいのに文字読むのは遅いのよ!」

マッチョ「体の大きさは関係ないだろ」

マッチョ「でも、本当に面白いね」

マッチョ「特にこの炎の森の描写なんか、思わずあの時のことを思い出しちゃったよ」

「あ、あたしも……」

マッチョ「あの時ボクらを助け出してくれた人、今も元気にしてるかなぁ」

「そうねえ……あの時のおじさんの顔……」

「なんだか急に思い出してきたわ──」

「!」ハッ
39 : 以下、名無しにか - 2013/06/12(水) 21:56:24.61 ID:JudZF5gY0 (+95,+30,-66)
翌日──

<町>

紳士(近いうちに引っ越さないとな……)

紳士(そうだ、引っ越しの時はあのマッチョ君たちに手伝ってもらうか……)

すると──

「あ、いたいた!」

「おじさぁ~ん!」タッタッタ

マッチョ「紳士さん」タッタッタ

紳士「おお、どうしたんだい?」

「ちょっとお話しがあるから、あたしたちの家に来てくれない?」

紳士「?」

紳士「ああ、いいとも」
40 : 以下、名無しにか - 2013/06/12(水) 21:59:18.04 ID:JudZF5gY0 (+95,+30,-79)
<小屋>

紳士「ほう、なかなかいい家じゃないか」

紳士「ところで私に用というのは?」

「それにはまず、あたしたちの昔話を聞いて欲しいの」

紳士「昔話?」

マッチョ「はい、元々ボクらはある田舎の村に住んでたんです」

マッチョ「ボクたち二人とも、物心ついた時には天涯孤独の身だったんですけど」

マッチョ「村の人たちはとてもよくしてくれてました」

「だけど、あの日──……」

………

……

41 : 以下、名無しにか - 2013/06/12(水) 22:01:16.80 ID:PcY5HY+k0 (+24,+29,+0)
やっぱりマッチョ売りの少女かわいいな
42 : 忍法帖【Lv= - 2013/06/12(水) 22:02:10.90 ID:dL4Pr60/0 (+13,+28,+0)
おいついた
43 : 以下、名無しにか - 2013/06/12(水) 22:03:21.71 ID:JudZF5gY0 (+95,+30,-86)
~ 回想 ~

<村>

「わぁ~い、わぁ~い!」タタタッ

少年「待ってよ~!」タタタッ

「ほら、おいてっちゃうわよ~」タタタッ

少年「うう……っ」ウルッ

「もう、すぐ泣くんだから! この泣きむし!」

少年「ゴ、ゴメン……」グスッ

村人「コラコラ、二人とも仲良くしな」

「はぁ~い!」

少年「はい……」グスッ
44 : 以下、名無しにか - 2013/06/12(水) 22:06:27.69 ID:JudZF5gY0 (+95,+30,-126)
村人「ところで、最近村で何度かボヤが起こってるんだ」

村人「空気が乾燥してるから、それが原因だと思うんだが……」

村人「二人ももし火元を見つけたら、すぐに大人に知らせるんだぞ」

村人「家や畑が燃えたら、一大事だからな」

「はぁ~い」

少年「はい」

「みんな、しんぱいのしすぎよねえ」

「ちょっとボヤがあるぐらいのほうが、おおきい火事にならなくていいのよ」

少年「そのりくつはおかしいと思うなぁ……」
45 : 以下、名無しにか - 2013/06/12(水) 22:11:11.67 ID:JudZF5gY0 (+95,+30,-120)
その夜──

<村人の家>

村人「ぐう……ぐう……」

少年「すう……すう……」

「ちょっと! ねえ、起きて!」ユサユサ

少年「ん? なんだよぉ……」ムニャ…

「ねえ……なんかいいニオイしない?」

少年「……あ、たしかに!」クンクン

「村のだれかが夜食でもつくってるのかも! 行ってみようよ」タタタッ

少年「あっ、待ってよぉ!」
46 : 以下、名無しにか - 2013/06/12(水) 22:12:04.75 ID:moD1J1A20 (+3,+18,+0)
期待してる
47 : 以下、名無しにか - 2013/06/12(水) 22:14:47.55 ID:JudZF5gY0 (+95,+30,-215)
「こっちからだわ……」クンクン

少年「待って。暗くてこわいよぉ……」グスッ…

すると──

メラメラ…… パチパチ……

放火魔「どんな風に焼けるかな? どんな風に燃えるかなァ~?」

放火魔「ボクの特製、超可燃性オリーブオイルで、この村はウェルダンだァ~」カチッカチッ

水筒から垂らしたオリーブオイルに、火打ち石で火をつける放火魔。

ボワァッ……

少年「なにあの人……石をぶつけて火をつけてるよ」ボソッ

少年「どんどん火が広がってく……」ボソッ

少年「どうしよう……村が……!」ガタガタ…

「そんなの決まってるじゃない!」ダッ
48 : 以下、名無しにか - 2013/06/12(水) 22:18:20.13 ID:JudZF5gY0 (+95,+30,-139)
「ちょっとアンタ! なにやってんのよ!?」

少年「あわわ……」ガタガタ…

放火魔「ン~?」

「いますぐ火を消さないと、ひどいめにあわすわよ!」

放火魔「子供か……ボクのファイヤータイムのジャマをしないで欲しいなァ」

放火魔「マイ火打ち石で、ちょっと大人しくしててもらおうか」ブンッ

ガツッ! ゴッ!

少女と少年は、火打ち石であっさり殴り倒された。

「うぅ……っ!」ドサッ

少年「あう……」ドサッ
49 : 以下、名無しにか - 2013/06/12(水) 22:19:14.43 ID:B15/bbZp0 (+24,+29,-18)
よかった紳士は放火魔じゃなかったんだね…
50 : 以下、名無しにか - 2013/06/12(水) 22:20:24.04 ID:ut0rufLb0 (+19,+29,-15)
オリーブオイルとか犯人決まったな
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