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    元スレ番長「SOS団?」

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    1 :

    >うっ……。

    ???「おや、お目覚めですか」

    >どうやら長机に突っ伏して寝てしまっていたようだ。

    >見知らぬ部屋だ……ここは。それに、あなたは。

    ???「起き抜けに質問ですか。僕としてはこちらから質問をしたかったのですが」

    >見知らぬ制服を着た学生風の男に問いかけられた。

    >部屋には彼と自分しかいないようだ。

    ???「僕が来たときにはあなた一人で突っ伏して寝ておられましたよ」

    >……。

    ???「困惑していらっしゃるようですし、いいでしょう。質問にお答えします」

    ???「そうですね、場所は県立北高です。さらに言うなれば旧校舎文芸部部室」

    >北高……? 文芸部……?

    2 = 1 :

    古泉「……それと僕の名前でしたね。名前は古泉一樹と申します。所属は1年9組」

    >どうやら、とある高校と、その生徒のようだ。

    古泉「こちらからもいくつかお聞きしてもいいでしょうか」

    >なんだろうか。

    古泉「まずお名前を教えていただいてよろしいですか」

    >自分の名前を伝えた。

    古泉「ふむ、聞き覚えはないですね。
       仲間内からもこの部内でもあなたの名前が出たことはありません」

    古泉「もう一つよろしいでしょうか。あなたは、北高の生徒ですか?」

    >八十神高校の2年生であることを伝えた。

    古泉「ヤソガミ高校……あなたの着ている制服から北高の生徒ではないことは察せましたが、
       聞いたことのない高校ですね。少なくともこの学区内ではないようだ」

    >聞いたことがない……? ここは八十稲羽市ではないのだろうか。

    3 :

    面白そう

    4 :

    キョンの空気化が予想される

    6 = 1 :

    古泉「ヤソイナバシ、それも聞いたことがありません」

    古泉「どうやらあらゆる意味で僕とあなたは初対面のようだ。
       もし昔の知り合いで忘れていたのなら失礼でしたから、よかったです」

    >如才のない笑みを浮かべ、ふうとため息をついている。

    古泉「しかし、それはそれで困りましたね」

    古泉「僕の知る限り、ヤソイナバシはこの日本には存在していない」

    >……!?

    古泉「しかし……おそらく、あなたの言っていることは本当なのでしょう。
       なにか犯罪的な目的でここに忍び込んでいたとしても、全く存在しない架空の地名を言う意味がない。
       逆に怪しい人物として疑われるだけですからね」

    >犯罪者に見えるのだろうか……。

    古泉「いえ、そのようなことは。むしろ話した限りでは正反対の印象です。
       この北高文芸部に不法侵入している一点を除けばですけどね」

    古泉「詐欺師なのだとしたら、才能がおありだと思いますよ」

    >あまり嬉しくない褒め言葉だ。

    7 :

    主人公が喋らない安心感

    8 = 1 :

    古泉「ふふ、冗談です」

    古泉「あとは、そうですね。架空の地名を言って相手を困惑させる趣味がおありですか?」

    >そんなものはないと伝えた。

    >逆に、自分が騙されているのではないだろうか不安になってきた。

    古泉「そうですね……あなたのおっしゃるヤソイナバシが
       存在しないことを証明することはできるかと思います」

    >どうやって?

    古泉「簡単ですよ、そこのパソコンから検索すればいいのです。
       幸いインターネットにも繋がっていますしね」

    >借りてよいだろうか。

    古泉「ええ、どうぞ。現在のこの部屋の管理者として許可しますよ」

    >パソコンのある席に座り、インターネットブラウザを立ち上げ検索エンジンへアクセスした。

    古泉「使い方は、わかるようですね」

    >古泉一樹と名乗った生徒は後ろからパソコン画面をのぞきこんでいる。

    古泉「僕のことは気にせず、どうぞ」

    9 = 4 :

    ペルソナ使いは超能力者の括りでいいんだろうか

    10 = 1 :

    >……。"八十稲羽市"と、検索窓に入力し検索ボタンをクリックする。

    古泉「なるほど、八十稲羽市と書くのですか」

    >検索結果は、なんとゼロ件だ。

    古泉「ゼロ件ですか」

    >続いて、"八十神高校"と入力し検索を掛けた。

    >……!!

    古泉「やはり、ゼロ件ですね」

    >こんなバカなことがあるのだろうか。

    古泉「いえ、これはこれで有益な情報でしょう」

    >どういうことだろう?

    古泉「それはですね――」

    ガチャ

    ???「よお……ん? なんだ、来客か?」

    >同じように制服を身にまとった男子が現れた。

    11 = 1 :

    古泉「ああ、あなたですか」

    ???「俺じゃ不満のような口ぶりだな」

    古泉「いえいえ、そんなことはないですよ」

    ???「ところで、こちらはどちらさんだ。
        学ラン姿から察するに北高の生徒じゃないみたいだが」

    >自分の出身高校と名前を告げた。

    ???「わざわざ丁寧にどうも。俺は――」

    古泉「彼はここのメンバーから『キョン』と呼ばれていますので、あなたもそう呼んであげてください」

    >ああ、わかった。

    キョン「おい、勝手に俺の呼称を決めるな」

    古泉「いいではないですか。この方だけ別の呼称では混乱してしまいますよ」

    キョン「ったく……この方だけって他の団員が来るまで、この人はいるつもりなのか?
        ってことは古泉、お前の客じゃないのか」

    古泉「ご明察です。僕を目当てのお客様ではありません」

    キョン「俺の後にくる人物の客っていうと、朝比奈さんか長門か」

    古泉「おや、涼宮さんの名前は挙げないのですね」

    12 = 1 :

    キョン「アイツに会いたい奇特なやつがそう何人もいてたまるか。
        それにハルヒが、この見るからに普遍的な他校の男子生徒に興味を持つとは思えん」

    キョン「まあ、学ランの前全開は少しロックだけどな」

    古泉「少し、番長、的な雰囲気が漂っていますね」

    キョン「よし、なら今から呼び名は番長ってことで。
        俺も勝手に呼び名を決められたんだ、文句は言わせないからな」

    >それで構わないと伝えた。

    キョン「おう、よろしくな。で、どっちだ」

    >どっち、というと?

    キョン「朝比奈さんと長門をどっちを待っているんだって話だ。
        ちなみに色恋沙汰を目的にしているな両方とも諦めたほうがいいぞ」

    >誰のことを言っているのだろう……だがなぜか敵意を感じる……。

    古泉「それは、僕からお話しますよ。推察の域を出ない話ですがね」

    キョン「……はぁ? なんで古泉が話すんだ」

    古泉「涼宮さんが来ないうちに話してしまいたいのですよ」

    13 = 1 :

    キョン「ハルヒ? あいつなら今日は来ないぞ。
        用事があるとかで終業のベルと同時に矢の如く教室を飛び出していったからな」

    古泉「それは好都合です。いえ、必然なのかもしれませんね」

    キョン「……? 何を言ってるんだお前は」

    ガチャ

    ???「こんにちはぁ」

    ???「……」

    >女性が2人が入室してきた。

    古泉「これはグッドタイミングですね」

    キョン「朝比奈さん、こんにちは」

    ???「あ、キョンくんこんにちはぁ」

    古泉「彼女が朝比奈みくるさん、もう片方が長門有希さんです」

    >耳打ちをしてきた。

    >長門有希と紹介された寡黙な女子生徒は無言のまま部屋の隅の椅子に着席し、読書を始めてしまった。

    14 = 1 :

    キョン「……長門は、ちがうのか」

    キョン「ってことは朝比奈さんのお客さんですか?」

    みくる「お客さん?」

    キョン「彼ですよ」

    >敵意のない視線を向けられる。

    みくる「はじめ、まして? ですよね? 朝比奈みくるです」

    >ペコリとお辞儀をされた。

    >初対面であることを伝え、自分も自己紹介をした。

    キョン「朝比奈さんの知り合いでもないんですか?」

    みくる「う、うん……」

    みくる「あ、そうだ。お客様でしたらお茶をご用意しますね」

    >なにやら、いそいそと準備を始めたようだ。

    古泉「せっかくですし、長門さんも自己紹介なさってはいかがですか?」

    >読書に向かっていた視線がこちらに向けられる。

    15 = 1 :

    >読書に向かっていた視線がこちらに向けられる。

    長門「長門有希」

    >それだけ言うと、そのままこちらを見つめてきた。

    >自分も自己紹介をした。

    長門「そう」

    >……もう読書に戻ってしまったようだ。

    キョン「おい、古泉、どういうことだ」

    古泉「それを今から話そうというのですよ、メンバーもそろったことですしね」

    みくる「あれ、涼宮さんは?」

    古泉「涼宮さんは用事があってこられないそうです」

    みくる「あ、そうなんですかぁ。あ、お茶です。熱いので気を付けてくださいね」

    >ありがとう。

    17 = 1 :

    古泉「さて、これから番長氏についてお話しようと思います」

    みくる「番長……?」

    キョン「あだ名ですよ、学ランをロックに着こなしてるんで」

    みくる「あ、キョンくんみたいな」

    キョン「……そうですね」

    古泉「……いいでしょうか。
       番長氏、お手数ですがもう一度出身と高校を教えていただいてよろしいですか」

    >"八十稲羽市"の出身で"八十神高校"の2年生であることを伝えた。

    キョン「って、上級生だったのか……ですか」

    >溢れる寛容力で今まで通りでよいと伝えた。

    キョン「そ、そうか。なんかスンマセンでした」

    >どこか完二のようだ……。

    18 = 1 :

    古泉「番長氏が上級生であることはポイントではありません。
       みなさんは、この地名と高校名ご存知ですか?」

    キョン「知らないな、少なくとも近所じゃないことは確かだ」

    みくる「ごめんなさい、私も知らないです」

    キョン「長門はどうだ?」

    長門「……知らない」

    古泉「ちなみに、僕も全く知りません」

    キョン「お前はどこで、番長に会ったんだ」

    古泉「もちろんこの部室ですよ、あなたが来る30分ほど前でしょうかね。
       時間さえ違えば僕よりあなたが先に会っていたかもしれません」

    キョン「ってことは、まさか不審者なのか……?」

    みくる「えっ、えっ……?」

    >困惑した視線が刺さる。

    19 = 1 :

    古泉「そこもポイントではありません。
       それと話した印象である程度彼の人柄は分かると思うのですが」

    キョン「まあ、な」

    古泉「では、話を戻しますよ。このパソコンの画面を見てください」

    >長門有希以外がディスプレイを見つめた。

    >"八十稲羽市"の検索結果 0件
    >"八十神高校"の検索結果 0件

    みくる「これは……?」

    古泉「つまり、このような地名と高校はこの日本に存在しないのです」

    キョン「じゃあ番長がウソを吐いてるってことか?」

    古泉「このようなすぐバレてしまうウソを吐く意味はありません。
       またここまで具体的な地名や高校名はとっさの嘘では出てきづらいと考えます」

    キョン「ってことは……どういうことだ?」

    古泉「彼は、本当のことを言っているのでしょう」

    21 = 1 :

    キョン「何を馬鹿な」

    古泉「確かに馬鹿なことです。事実、この日本には八十稲羽市も八十神高校も存在していない。
       ですが、この状況にすっきりと説明がつくとある説があります」

    キョン「もったいぶらずにその説とやらを披露しろ」

    古泉「みなさんもわかるのではないでしょうか。
       何よりこの場所に突如現れたことを考えれば察することができるはずです」

    キョン「まさか……」

    古泉「そのまさかです。彼は異世界人である可能性が非常に高い」

    >……!

    みくる「異世界人……ですかぁ」

    長門「……」

    古泉「涼宮さんが望む、そしてまだ唯一埋まっていないパーソナルが異世界人です」

    古泉「僕は、番長氏はいわゆるパラレルワールドの住人ではないかと考えます」

    >ここが、パラレルワールド……!?

    古泉「番長氏からすれば、なぜこのような突飛な発想になったのか疑問に思われるかもしれませんね。
       ですが、僕たちからすればこれはほぼ当然の帰結なんですよ」

    22 = 1 :

    みくる「かもしれませんね」

    キョン「あ、ああ……」

    >どういう意味だろうか?

    古泉「……お話してもよいのですが、もう少し確証がほしいのです」

    キョン「長門」

    長門「なに」

    キョン「番長のこと、なにかわかるか?」

    >なぜ彼女に聞くのだろうか……。

    >長門有希はこちらをじっと見つめている。

    キョン「どうだ?」

    長門「わからない」

    古泉「わからないというのは……?」

    長門「彼のパーソナルデータを読み込むことは不可能」

    >長門有希は立ち上がり、握手を求めるように手を突き出してきた。

    長門「触れて」

    23 = 7 :

    私怨

    24 = 1 :

    長門「端末である私自身がこのように彼と直接接触すれば、ある程度は読み込める。
       人体を構成する物質はあなた達人間と同じもの。心拍、脳内物質の増減、代謝、全て正常値。
       しかしそれ以上の情報を得ることは不可能」

    長門「彼に対しては、情報操作も情報結合も情報連結もすべて不可能。
       情報統合思念体が私たち端末を介さず直接彼にアプローチを試みたが失敗に終わった」

    長門「私自身も彼の中に不明なパーソナルデータを複数確認、解析を試みたが失敗。解析は不可能と断定」

    長門「情報統合思念体はあらゆる手段を用いて解析を試みたが検出結果から有意性は認められない。
       確かに彼はここに存在している。しかし彼は存在自体の位相がすべての次元から外れている」

    長門「そのため私たち端末以外から情報統合思念体が干渉することも不可能と断定」

    長門「よって、わからない」

    >手を解き、また読書に戻っていってしまった。

    キョン「そうか……」

    古泉「これは決定的といっていいでしょうね」

    長門「……彼から敵性は検知できない。安心していい」

    キョン「ありがとよ、長門。お前がそういうなら、そうなんだろう」

    >何を言っているのかさっぱりわからない……。

    26 = 1 :

    古泉「なるほど、パラレルワールドというより
       完全な別世界からやってきたと考えたほうがいいようですね」

    みくる「別世界の可能性は、かなり早い段階から指摘されていました。
        ですけど、結局観測はできないままでした。まさか、こんなところで……」

    古泉「こちらに街単位で存在しないのです。僕らも彼の世界では存在していないのでしょう」

    古泉「微細にずれた世界なのではなく、まるっきり構造が違うと判断することが賢明でしょうね」

    みくる「なるほど……だから観測できなかったのかな」

    >確かに、この高校名は聞いたことがない。

    キョン「高校名はあまり当てにならんがな」

    古泉「確かに、地名ならともかく高校名ではどうしようもないですね」

    >あたり一帯の地名を聞いた。

    >しかし、心当たりはない……。

    古泉「ふむ、やはりですか」

    >異世界と聞いて真っ先に浮かぶのはマヨナカテレビだ。

    >しかし、霧もない。メガネも掛けていない。どうやらテレビの中の世界ではないようだ。

    27 = 1 :

    古泉「さて、長門さんのお墨付きも出たところで、
       なぜ僕があなたを異世界人であると推察した経緯を説明しましょう」

    古泉「順を追って説明させていただきますので、
       できれば質問などはすべて後回しにしていただけるとありがたいです」

    >わかった。

    古泉「ありがとうございます。
       この部屋は先ほど文芸部部室と説明しましたが、実はもう一つの団体の部室でもあります」

    キョン「SOS団、なんてふざけた名前のな」

    >SOS団?

    キョン「世界を大いに盛り上げる涼宮ハルヒの団、だそうだ」

    >涼宮ハルヒ……? 誰だろうか。

    古泉「そのSOS団は、僕たち4人と現在この場にいませんが、
       先ほど彼が述べた涼宮さんを中心とした5人の団体なのです」

    古泉「何をしている団体なのかは、この際後回しにさせていただきます。
       重要なのはこの団を構成しているメンバーです」

    古泉「この団体の中心人物である涼宮さんは少々特殊な力を持っていましてね。
       自らの願望を無意識のうちに叶えてしまう力を持っているのです」

    28 = 1 :

    >……!?

    キョン「ハルヒの奴は、宇宙人やら未来人やら超能力者みたいな、
        未知の人種に会うことを強く望んでいる節があってな」

    キョン「そのことについては俺のクラスのやつらに言質をとってもらえれば十分確認できる。
        初日にぶちかましやがったからな。忘れようもねぇよ」

    キョン「で、そんときに言ったのが
       『この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい』だ」

    古泉「そして、文字通り集まったのですよ、この学校にね。
       具体的なエピソードは割愛させていただきますが、僕たちは間違いなくそれぞれの属性を宿しています」

    古泉「先ほどあなたと握手をした長門有希さんは、情報統合思念体を母体とするいわゆる宇宙人です」

    >……!?

    キョン「もっとも本人たちは、宇宙人だなんて呼び方はしていないけどな」

    長門「対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェース」

    キョン「……だ、そうだ」

    古泉「そして、お茶を淹れてくださった朝比奈みくるさんは未来人です」

    みくる「あっ、は、はい……未来から来ましたぁ」

    キョン「俺が何度か一緒にタイムリープは経験してる、それも間違いない」

    30 = 1 :

    古泉「そして、僕がいわゆる超能力者です。かなり限定的ではあるんですがね」

    キョン「最初に言っておくがスプーン曲げとかよく言われる一般的な超能力は期待するだけ損だぞ。
        今のこいつは俺とさして変わらん」

    古泉「ふふ、そうですね」

    キョン「そんで、俺は一般人だ、掛け値なしのな」

    >順当に行けば彼が異世界人では?

    古泉「僕もそれを疑って調査をしましたが、間違いなく一般人ですよ」

    キョン「当たり前だ、俺にへんな属性を付与するな」

    古泉「……と、いうわけで異世界人の席だけぽっかり空いてしまっていたのです」

    古泉「そして、そこに長門さんですら解析ができないあなたが来た」

    古泉「これはほぼ確定的とみなしていいと思います」

    キョン「突然こんなこと言われてもわからないと思うがな」

    >たしかに、にわかには信じられないことばかりだ。

    32 = 1 :

    古泉「僕も、そこが引っ掛かっていました」

    キョン「何がだ」

    古泉「いいですか。基本的に僕たちは自らの意思を持ってこの学校へ来ました。
       人間ではない長門さんですら、正確には情報統合思念体ですが長門さんを送り込んできたわけです」

    古泉「しかし番長氏は、全くこの世界のことを理解していない。
       それどころか現在の状況すらつかめていないのです」

    古泉「現在の状況を理解していないまま来ることがあり得ないのは
       朝比奈さんを見ていればわかります。彼女もちゃんと調査をしたうえでこちらに来ている」

    みくる「そ、それはそうですけど……」

    古泉「それはつまり、彼は自らの意思でここにきているわけではないことを示しています」

    キョン「それがなんだというんだ」

    古泉「いえ……いえ。これは大きな違いですよ。
       僕たちは涼宮さんを目的にしています。しかし番長氏はその涼宮さんすら知らないようだ」

    古泉「これでは、まるで迷子ではないですか」

    キョン「ってことはなんだ、番長はハルヒのはた迷惑な力に巻き込まれただけっていうのか」

    古泉「そう考えるのが妥当でしょうね」

    33 = 1 :

    キョン「長門ですらわからない存在を、ハルヒがねぇ……」

    みくる「あ、あのぉ……いいですか?」

    キョン「朝比奈さん、どうしたんですか?」

    みくる「あのね、説明したのはいいんだけど……理解してもらえたのかなぁって」

    古泉「たしかに、言葉だけでは信じてもらえないかもしれないですね」

    >……。

    キョン「俺だって初めて言われたときは信じられなかったんだ。
        無理もないさ」

    キョン「長門に頼めば一発で証明できるだろうけど……今すぐ雨を降らせるとかでな。
        ただ……」

    >!? そんなことが可能なのだろうか。

    長門「可能」

    キョン「あー、だけどな」

    34 = 1 :

    長門「現在よりこの地域一帯に1時間程度降雨させた場合、237年後に自然界へ影響が出ると予測される」

    キョン「ってことだ。長門を頼るのは無しだな」

    古泉「そうですか、朝比奈さんは」

    みくる「ごめんなさい、わたし以外がTPDDを使用する場合許可がいるんですけど……」

    古泉「……下りそうにないですね」

    古泉「仕方ありません、僕が証明しましょう」

    キョン「……連れて行くのか?」

    古泉「ええ、幸か不幸か近くに極小の閉鎖空間ができています。
       僕一人でも対応ができそうですからね」

    キョン「……随分、番長にご執心だな」

    >何やらキョンと一樹は顔を近づけて話をしているようだ。

    35 = 1 :

    古泉「いいですか、彼は何かしらの力を持っている可能性が高い」

    キョン「チカラ?」

    古泉「異世界人、そう聞けば聞こえはいいですが、
       同じような世界から一般人が紛れ込んだからといって涼宮さんが喜ぶでしょうか」

    キョン「……喜ばんだろうな。異世界人とはいえ、ただの一般人なら隣の県やら海外に住んでいる奴と変わらん。
        そんな土産話を聞いてもハルヒは喜ばんだろうよ」

    古泉「その通りです。能動的にこちらに来たのならともかく、
       涼宮さんの力に巻き込まれたのなら特殊な力を少なからず持っていると思います」

    古泉「そのため、彼の力を見せてもらうために、ある程度こちらも譲歩して
       力を見せなければ信用を得ることはできないでしょう」

    古泉「もし敵だとしても、僕の能力ならある程度公開してもデメリットにはなりません」

    キョン「敵って、まだ信用していなかったのか」

    古泉「誰であろうと、手放しで信用するのは危険だと思いますよ? たとえ長門さんでも朝比奈さんでも」

    キョン「やれやれ……なら、最初から自分で手をあげればよかっただろう。
        どうしてわざわざ長門や朝比奈さんに振ったんだ」

    古泉「いきなり僕が見せると言ったら、変に勘ぐられるかもしれませんからね。
       仕方なしに見せるという演出がほしかった、それだけです」

    キョン「やれやれ……」

    36 = 1 :

    >何を話しているかは聞き取れなかったが、どうやら話は終わったようだ。

    >何か特別な関係かも知れない。

    >そっとしておこう……。

    古泉「では、僕の力をお見せしますよ。校門までご足労願ってよろしいでしょうか」

    >古泉一樹についていくことにした。

    ――北高校門前

    >外に出てみたが、やはり見覚えのない景色だ。

    古泉「こちらです」

    >突然、一樹に手を取られた。

    古泉「少し、目をつぶっていただいてよろしいですか?」

    >どういうことだろうか。

    古泉「大丈夫です、すぐ終わりますから」

    >なぜか悪寒がする……。

    >しかし溢れる勇気と寛容さで目を閉じた。

    古泉「僕がいいというまで眼を閉じていてくださいね」

    37 :

    ハイカラだな

    38 = 1 :

    チョイのみもの作ってくる

    39 :

    これが漢の

    40 = 37 :

    あふれる番長らしさ

    43 = 4 :

    サルったか

    44 = 4 :

    一応だがさるなら他のスレに書き込むと回復する場合がある
    何もしなくても20時には解除されるはずだが

    45 = 1 :

    古泉「では、行きますよ」

    >手を取った一樹はゆっくりと歩いているようだ。

    >どこへ連れて行かれるのだろう……。

    古泉「もう、目を開けていただいて大丈夫ですよ」

    >目を開けると、すべてが灰色の世界が広がっていた。

    古泉「先ほども自己紹介したように、僕は超能力者です。
       この世界限定のですけどね」

    >一樹が赤い光に包まれ、赤い球体へと変貌した。

    古泉「これが僕の能力です、そして――」

    ドォン――

    >何か大きなものが崩れる音がした。

    >!? 何か青白く光っている巨大なものが現れた。

    古泉「では、番長氏。しばしお待ちを。少し仕事をしてきますので」

    >一樹は、球体のまま青白い物体へ飛んで行ってしまった。

    >しかし、この雰囲気は、似てる。

    >マヨナカテレビ……。

    46 = 1 :

    どうせ即興だしさるらない程度にゆっくり書いてく

    47 :

    支援
    ずっと見てる

    49 = 1 :

    >遠目だが、青白く光っている物体の周りを一樹が飛び回っているようだ。

    >よく見ると巨大な人型のようだ。青白い巨人……。

    >あれは、シャドウの一種なのだろうか。

    >しばらくすると、霧散するように青白い巨人は消えてしまった。

    >赤い球体がこちらへ戻ってきた。

    古泉「お待たせしました」

    >赤い球体から、古泉一樹の姿に戻っていく。

    古泉「先ほどの、巨人は『神人』といいましてね」

    古泉「また少し説明しても?」

    >かまわないことを伝えた。

    古泉「涼宮さんが、無意識化に願望をかなえたいと思っているということは
       先ほど説明したとおりですが……」

    古泉「彼女は、突飛な発言や未知への願望を強く持っていますが極めて常識的な人なのです」

    古泉「こんな世界であってほしい、でもあるはずがない。
       そのせめぎ合いの中で発生するストレス、それがこの空間を形成しているのです」

    50 :


    ななこん


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