私的良スレ書庫
不明な単語は2ch用語を / 要望・削除依頼は掲示板へ。不適切な画像報告もこちらへどうぞ。 / 管理情報はtwitterでログインするとレス評価できます。 登録ユーザには一部の画像が表示されますので、問題のある画像や記述を含むレスに「禁」ボタンを押してください。
VIP以外のSS書庫はSS+をご利用ください。
元スレ勇者「感情が無い」
SS スレッド一覧へ / SS とは? / 携帯版 / dat(gz)で取得 / トップメニューみんなの評価 : ★
レスフィルター : (試験中)
勇者「……お前の主というのは魔王ではないのか?」
側近「魔王?! なんだそのふざけた話は!! 人間達の間ではそんな流言があるのか?!」
勇者「魔王じゃないのか? 人間は魔物が現れたから魔王が復活したものだと考え」
勇者「魔王がいた城であるここ魔王城に魔王がいるものとし、勇者の末裔達が討伐に向かったんだ」
側近「なんと……そんな馬鹿な。それに魔物だと?! 一体何時奴等が……」
勇者「魔物なら一年以上前から現れていた。この辺りにはいなかったのか?」
側近「一年以上……馬鹿な、一度も観測されなかったぞ」
勇者「お前達は一体何者なんだ……?」
側近「……」
側近「魔王?! なんだそのふざけた話は!! 人間達の間ではそんな流言があるのか?!」
勇者「魔王じゃないのか? 人間は魔物が現れたから魔王が復活したものだと考え」
勇者「魔王がいた城であるここ魔王城に魔王がいるものとし、勇者の末裔達が討伐に向かったんだ」
側近「なんと……そんな馬鹿な。それに魔物だと?! 一体何時奴等が……」
勇者「魔物なら一年以上前から現れていた。この辺りにはいなかったのか?」
側近「一年以上……馬鹿な、一度も観測されなかったぞ」
勇者「お前達は一体何者なんだ……?」
側近「……」
側近「我々はお前達が魔王と呼ぶ者と同じ種族だ」
勇者「種族……なのか」
側近「正確には違うがそう捕らえればよい。私と陛下、そしてお前達が魔王と呼ぶ者の三名のみだ」
勇者「他にはいないのか? いや、話が大きく逸れそうだし本命の話を聞かせてくれ」
側近「我々はお前達の先祖、初代勇者の頃から生きている。そして陛下は魔王の封印の礎としてここにいたのだ」
勇者「封印……礎……」
側近「遥か昔、魔王を絶命させるに至れなかった。そこで我が主は同じ種族の責務として」
側近「彼を封印する事を勇者に持ちかけた。結果、封印を維持する為、我々はずっとここで暮らしてきていたのだ」
勇者「……」
勇者「種族……なのか」
側近「正確には違うがそう捕らえればよい。私と陛下、そしてお前達が魔王と呼ぶ者の三名のみだ」
勇者「他にはいないのか? いや、話が大きく逸れそうだし本命の話を聞かせてくれ」
側近「我々はお前達の先祖、初代勇者の頃から生きている。そして陛下は魔王の封印の礎としてここにいたのだ」
勇者「封印……礎……」
側近「遥か昔、魔王を絶命させるに至れなかった。そこで我が主は同じ種族の責務として」
側近「彼を封印する事を勇者に持ちかけた。結果、封印を維持する為、我々はずっとここで暮らしてきていたのだ」
勇者「……」
勇者「その封印は、最近不安定ではなかった?」
側近「……確かに、ここ数年はな。だが魔王が復活できるほどではなかったのだ!」ダン
勇者「魔王は……随分と頭が回る者なのだな」
側近「なに……?」
勇者「魔王と魔物の関連性はよく知らないが、お前達に気付かれずに魔物を放ち、人間に被害を与える」
勇者「そうすれば人間は魔王が蘇ったと考え、この城にいる者を討つよう動く」
勇者「そしてお前の主が死ぬのと同時に魔物を引き揚げれば、それが魔王だと……魔王を倒したのだと判断する」
側近「まさか……そんな、これがあの者の策略だと……」
勇者「……想像ならいくらだってできるが、そんな感じなのだろう」
側近「……確かに、ここ数年はな。だが魔王が復活できるほどではなかったのだ!」ダン
勇者「魔王は……随分と頭が回る者なのだな」
側近「なに……?」
勇者「魔王と魔物の関連性はよく知らないが、お前達に気付かれずに魔物を放ち、人間に被害を与える」
勇者「そうすれば人間は魔王が蘇ったと考え、この城にいる者を討つよう動く」
勇者「そしてお前の主が死ぬのと同時に魔物を引き揚げれば、それが魔王だと……魔王を倒したのだと判断する」
側近「まさか……そんな、これがあの者の策略だと……」
勇者「……想像ならいくらだってできるが、そんな感じなのだろう」
勇者「だとしたら……数ヶ月前感じた悪寒は」
側近「陛下の死によって一時的とは言え、封印に大きな穴ができた所為だろう」
側近「それに合わせて魔王も全力を賭したようだが、封印を破るに至れず」
側近「その後、封印本来の機能である程度修復はされたが……」
勇者「礎を失い封印は徐々に」
側近「……もう、後半年も残ってはいまい」コクリ
勇者「……魔王と魔物の関係性を聞かせてもらえないか?」
側近「魔王はその絶大な魔力で異世界より魔物を召喚している」
側近「だがそれは大気や大地に魔力がある場所のみ」
側近「故に封印内で魔物は召喚できず、封印を破る手立てにはならず」
側近「陛下の死によって一時的とは言え、封印に大きな穴ができた所為だろう」
側近「それに合わせて魔王も全力を賭したようだが、封印を破るに至れず」
側近「その後、封印本来の機能である程度修復はされたが……」
勇者「礎を失い封印は徐々に」
側近「……もう、後半年も残ってはいまい」コクリ
勇者「……魔王と魔物の関係性を聞かせてもらえないか?」
側近「魔王はその絶大な魔力で異世界より魔物を召喚している」
側近「だがそれは大気や大地に魔力がある場所のみ」
側近「故に封印内で魔物は召喚できず、封印を破る手立てにはならず」
勇者「なら封印の中には魔王のみか」
側近「ああ、そうだが?」
勇者「お前はこれからどうする? 封印の礎になっている訳ではないとしたら一体?」
側近「どうもしない……もう、どうにもならん。世界が終わるのを見守るだけだ」
勇者「礎になる事はできない、あるいはなる力が無いか」
側近「そうだ……それに仕える主を失った今となっては」
勇者「……」
勇者「逆にその封印に人を送る事はできるか?」
側近「なに……?」
側近「ああ、そうだが?」
勇者「お前はこれからどうする? 封印の礎になっている訳ではないとしたら一体?」
側近「どうもしない……もう、どうにもならん。世界が終わるのを見守るだけだ」
勇者「礎になる事はできない、あるいはなる力が無いか」
側近「そうだ……それに仕える主を失った今となっては」
勇者「……」
勇者「逆にその封印に人を送る事はできるか?」
側近「なに……?」
勇者「俺が魔王を止めてくる」
側近「無謀だ。人間如きが彼を止めるなど」
勇者「もう諦めたのなら、どちらに転んでも問題ないだろう?」
勇者「仮に封印が解けるのを早めたとしても、な」
側近「……」
側近「絶望的な戦いだ。何故、お前はそれをなそうとする」
勇者「……」
勇者(何でだろうか)
勇者(そもそも俺は魔王を倒す事自体に興味は無かったはずだが)
側近「無謀だ。人間如きが彼を止めるなど」
勇者「もう諦めたのなら、どちらに転んでも問題ないだろう?」
勇者「仮に封印が解けるのを早めたとしても、な」
側近「……」
側近「絶望的な戦いだ。何故、お前はそれをなそうとする」
勇者「……」
勇者(何でだろうか)
勇者(そもそも俺は魔王を倒す事自体に興味は無かったはずだが)
勇者(勝てない、生還できない、かもしれない。寧ろそうなるだろう)
勇者(ならば少しでも長く生きた方が、師匠の下で暮らした方が得ではないだろうか)
勇者「いや……そうか」
側近「?」
勇者「俺を慕ってくれた人、認めてくれた人がいる」
勇者「だから僅かな可能性でも戦う……いや、戦う事で何かを返したい。ただそれだけだ」
側近「……心の底が見えぬ者だ」
勇者「だろうな」
勇者(ならば少しでも長く生きた方が、師匠の下で暮らした方が得ではないだろうか)
勇者「いや……そうか」
側近「?」
勇者「俺を慕ってくれた人、認めてくれた人がいる」
勇者「だから僅かな可能性でも戦う……いや、戦う事で何かを返したい。ただそれだけだ」
側近「……心の底が見えぬ者だ」
勇者「だろうな」
側近「……であれば、私も最大限の支援をしよう」ガラッ
側近「これを持って行くと良い」
勇者「薬草に……この小瓶の液体は?」
側近「双方共に傷を癒す力が非常に高いものだ。緊急時に私と陛下で彼を止める為に用意していたものだ」
側近「どの道ここでお前が潰えれば、この世界に降り立った彼を止める事は敵わん。惜しむ事無く使え」
側近「彼は武器を持っておらんし、身体能力は非常に低い。ただ溢れんばかりの魔力でもって破壊を尽くす」
側近「その魔力さえ尽きれば勝ちだ。期待はしていないが……精々健闘をしてくれ」
側近「これを持って行くと良い」
勇者「薬草に……この小瓶の液体は?」
側近「双方共に傷を癒す力が非常に高いものだ。緊急時に私と陛下で彼を止める為に用意していたものだ」
側近「どの道ここでお前が潰えれば、この世界に降り立った彼を止める事は敵わん。惜しむ事無く使え」
側近「彼は武器を持っておらんし、身体能力は非常に低い。ただ溢れんばかりの魔力でもって破壊を尽くす」
側近「その魔力さえ尽きれば勝ちだ。期待はしていないが……精々健闘をしてくれ」
封印内部
勇者(真っ白い世界だ……空も何も無い白い空間)
勇者(この世界での時間の流れはどんなものなのだろうか)ザッザッ
勇者(実際の時間と同じなら、魔王は良く正気を保っていられるな)ザッザッ
勇者(人影……あれが)ザッザッ
勇者「魔王……お前を殺しに来た」ザッ
魔王「?! 驚いたな……人間がこちらにやってくるとは」
勇者「引導を渡してやる」スラァン
魔王「暇を持て余していたところだ……精々楽しませてくれよ」
勇者(真っ白い世界だ……空も何も無い白い空間)
勇者(この世界での時間の流れはどんなものなのだろうか)ザッザッ
勇者(実際の時間と同じなら、魔王は良く正気を保っていられるな)ザッザッ
勇者(人影……あれが)ザッザッ
勇者「魔王……お前を殺しに来た」ザッ
魔王「?! 驚いたな……人間がこちらにやってくるとは」
勇者「引導を渡してやる」スラァン
魔王「暇を持て余していたところだ……精々楽しませてくれよ」
魔王「業火魔法」カッ
勇者(火炎系最上級の魔法……)ゴオォォ
勇者(こんな容易く放つとは……これは、今度こそは駄目かもしれないな)ジュウゥゥ
魔王「ふむ……その鎧、魔法に対する耐性があるのか」
魔王「人間どもめ、小賢しい知恵を身につけたか」
勇者(……油断しきっているな)バッ
魔王「紫電魔法」ピシャァ
勇者「がああああ!!」バリバリィ
勇者(火炎系最上級の魔法……)ゴオォォ
勇者(こんな容易く放つとは……これは、今度こそは駄目かもしれないな)ジュウゥゥ
魔王「ふむ……その鎧、魔法に対する耐性があるのか」
魔王「人間どもめ、小賢しい知恵を身につけたか」
勇者(……油断しきっているな)バッ
魔王「紫電魔法」ピシャァ
勇者「がああああ!!」バリバリィ
魔王「! まだ生きているのか!」
勇者(……これでは近づくことも出来ない)パァァ
魔王「その薬……なるほど、あの男は生きていて尚、私に歯向かうか」
魔王「はっはっはっ! 力の無い者の癖に、無駄な足掻きよ!」
勇者「……」ダダッ
魔王「隕石魔法」カッ
勇者「う、っお」ドドド
勇者(落石魔法の最上位……文献にしか残っていないほどのものを)ズドドド
魔王「かわすか……やるな」
勇者(……これでは近づくことも出来ない)パァァ
魔王「その薬……なるほど、あの男は生きていて尚、私に歯向かうか」
魔王「はっはっはっ! 力の無い者の癖に、無駄な足掻きよ!」
勇者「……」ダダッ
魔王「隕石魔法」カッ
勇者「う、っお」ドドド
勇者(落石魔法の最上位……文献にしか残っていないほどのものを)ズドドド
魔王「かわすか……やるな」
魔王「爆撃魔法」
勇者「爆発魔法ではなく……?」ポポポポ
勇者(光球?! 炸裂魔法の上位は爆発魔法のみではなかったのか!!)カッ
魔王「これでは流石に逃げられまい」ズドドドドォォォン
魔王「やれやれ、爆煙で視界が悪いな」
勇者「」
魔王「ふん、ぼろ衣か」
勇者「う……ぐ」ムクリ
魔王「?!」
勇者「爆発魔法ではなく……?」ポポポポ
勇者(光球?! 炸裂魔法の上位は爆発魔法のみではなかったのか!!)カッ
魔王「これでは流石に逃げられまい」ズドドドドォォォン
魔王「やれやれ、爆煙で視界が悪いな」
勇者「」
魔王「ふん、ぼろ衣か」
勇者「う……ぐ」ムクリ
魔王「?!」
訂正
勇者(光球?! 炸裂魔法の上位は爆発魔法のみではなかったのか!!)カッ
↓
勇者(光球? 炸裂魔法の上位は爆発魔法だけじゃなかったのか)カッ
勇者(光球?! 炸裂魔法の上位は爆発魔法のみではなかったのか!!)カッ
↓
勇者(光球? 炸裂魔法の上位は爆発魔法だけじゃなかったのか)カッ
魔王(なんだこの者は……何故立ち上がれる)
魔王(いくらなんでもあの一撃を受けて生きているなど)
魔王(それだけ人間は強くなったのか? 馬鹿な)
勇者「……」シュゥゥシュゥゥ
勇者(まだだ……まだいける)ダダダ
魔王「むう……ならばその回復薬尽きるまで攻撃してくれよう!」
魔王「凍結魔法!」カッ
魔王(いくらなんでもあの一撃を受けて生きているなど)
魔王(それだけ人間は強くなったのか? 馬鹿な)
勇者「……」シュゥゥシュゥゥ
勇者(まだだ……まだいける)ダダダ
魔王「むう……ならばその回復薬尽きるまで攻撃してくれよう!」
魔王「凍結魔法!」カッ
……
魔王「ぜぇ……ぜぇ……」
魔王(いかん……魔力が尽きてきた……しかしこの男は)
勇者「はぁ……はぁ……」ムク
魔王(何故立ち上がれる……二発耐えられるとは言え、それは死に近い痛みを伴うはずだ)
魔王「何故、数十回も殺されて立ち上がれる!?」ギリ
勇者「はぁ……はぁ……」フラ フラ
魔王「……ぐ!」ブル
魔王(なんだ、今の震えは……たかが人間一人如きに!)
魔王(慌てるな……奴は回復せずにこちらに向かっている)
魔王(物資を温存しているかもしれん。だが、今全力で叩けば!!)
魔王「ぜぇ……ぜぇ……」
魔王(いかん……魔力が尽きてきた……しかしこの男は)
勇者「はぁ……はぁ……」ムク
魔王(何故立ち上がれる……二発耐えられるとは言え、それは死に近い痛みを伴うはずだ)
魔王「何故、数十回も殺されて立ち上がれる!?」ギリ
勇者「はぁ……はぁ……」フラ フラ
魔王「……ぐ!」ブル
魔王(なんだ、今の震えは……たかが人間一人如きに!)
魔王(慌てるな……奴は回復せずにこちらに向かっている)
魔王(物資を温存しているかもしれん。だが、今全力で叩けば!!)
類似してるかもしれないスレッド
- 勇者「魔王捕まえた」 (285) - [54%] - 2011/6/3 0:15 ★
- 勇者「なんかあれだ」 (120) - [50%] - 2013/3/16 5:15 ☆
- 勇者「魔王は死んだ」 (1001) - [50%] - 2011/6/7 4:15 ★★★×4
- 結衣「…気まずい」 (123) - [48%] - 2011/8/21 5:30 ★★
- 岡部「ラボが焼けた」 (269) - [47%] - 2011/9/17 9:45 ★★
- 勇者「ひもじい……」 (244) - [47%] - 2012/4/29 3:45 ★
- 勇者「魔王が弱すぎる」 (178) - [46%] - 2012/11/18 8:30 ☆
トップメニューへ / →のくす牧場書庫について