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    元スレタモリ「世にも奇妙なニートの物語」

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    タグ : - ニート + - 世にも奇妙な物語 + - 短編集 + - 神スレ + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    1 :

    タモリ「ニート」

    タモリ「働き盛りの年齢であるにもかかわらず働かない人々、を指す言葉として」

    タモリ「今や世の中に広く浸透しています」

    タモリ「生活するにはお金がいり、お金を得るためには働かねばなりません」

    タモリ「にもかかわらず、彼らはなぜ働かないのか? あるいは働けないのか?」

    タモリ「もしかすると、我々が予想だにしない奇妙な背景が潜んでいるのかもしれません」

    タモリ「──さて、今回は幸か不幸かそんな奇妙に巻き込まれてしまった」

    タモリ「四人のニートの奇妙な物語をお送りします」

    2 = 1 :

    『俺だけの才能』



    < 家 >

    テレビ『空飛ぶ円盤が多数目撃されているこの町では』

    テレビ『町おこしのために、円盤のマスコットキャラ“エンちゃん”を作り~』

    ニート「アホくせぇ、どうせ町内会の自作自演だろうがよ」

    ニート「もっと面白い番組ねえかな~」

    コンコン

    ドア越しに会話する母子。

    ニート「なに?」

    「ご飯作っておいたから、あとでチンして食べてね」

    ニート「あいよ~」

    3 = 1 :

    「あと……」

    「ちゃんと仕事探してる?」

    ニート「探してるよ! パソコンでも仕事は探せるんだよ!」

    「そう、分かったわ、ごめんね」ササッ

    ニート「……ちっ」

    ニート(あ~あ、このままじゃまずいよなぁ)

    ニート(かといって、一度この生活に浸かっちまうと、もう働くなんて考えられねえ)

    ニート(朝早く起きて、日が変わるぐらいに帰る生活とか、やってられっか)

    ニート(なにか俺にしかできないような仕事でもあれば──)

    ニート(それこそマイペースでできるんだがな。なんたって俺にしかできねえんだから)

    ニート(だけど、んなもんあるわけねえ)

    ニート(俺がこなせる仕事は、だいたいの人ができるだろうからな……)

    4 = 1 :

    数日後──

    コンコン

    ニート「なに?」

    「居間に料理用意しておいたからね~」

    ニート「あ~い」

    居間に行くニート。

    ニート「!?」

    ニート「な、なんだぁ!?」

    5 :

    はい

    6 :

    続けて

    7 = 1 :

    ニート(なんかやたら料理が豪勢なんだけど……)ゴクッ

    ニート「これなんか、すげぇいい肉なんじゃねえの? 多分」

    ニート「盛り付けとかも手間かけすぎだろ……」

    ニート「…………」モグモグ…

    ニート「うん、うまい」

    ニート(どうしたんだ、いったい……)

    ニート(俺へのエールのつもりなのか?)

    ニート(っつっても、なぁ……働く気にはなれねえや)

    ニート(ごめんよ、母さん)

    10 :

    それっぽい
    続きはよ

    11 :

    タモリの声とBGMが脳内再生余裕

    12 = 5 :

    これはまさか…

    13 = 1 :

    さらに──

    ニート(朝っぱらから、部屋の外から怒鳴り声が……うっせえな)ムニャ…

    ニート(ん、親父と母さんがなんか喧嘩してる)



    「会社に……会社に行かなければ!」

    「ダメよ! そんな体で! 熱が39度もあるのよ!?」

    「うるさい! 会社に行かなければぁっ!」ダダダッ

    「ああっ、もう!」



    ニート(つくづく社畜してんなぁ、親父……)

    ニート(ま、そのおかげで俺はこうしてニートしてられるんだが)

    ニート(定年も近いだろうに、いくらなんでも会社に命捧げすぎだろ……)

    14 :

    これは面白そう

    15 :

    ほう

    16 = 1 :

    ニート(あれからというもの──)

    ニート(母さんの料理はますます豪勢になり)

    ニート(なんかもう、近々料理の大会でも開かれるのかって勢いだ)

    ニート(カリスマ主婦でも目指してるんだろうか?)

    ニート(一方、親父も前にも増して帰りが遅くなってる)

    ニート(残業代もつかないだろうに、なにが楽しくて残業してるんだか……)

    ニート(一応子供として心配は心配だが、俺になにかをいう資格はないのは自覚してる)

    ニート(ご苦労なこった、二人とも)

    17 = 9 :

    ほう

    18 :

    面白い

    19 = 1 :

    そんなある日のこと──

    < 家 >

    黒服「こんにちは」

    「失礼ですが……どなたですか?」

    黒服「詳しくは話せませんが、私は政府の密命を受け、動いている者です」

    「せ、政府!?」

    黒服「こちらのご子息がニートだとうかがったのですが、事実ですか?」

    「は、はい……」

    黒服「彼と話がしたいのですが、よろしいでしょうか?」

    「ど、どうぞ……」

    20 :

    何だろう・・・胸が痛い・・・

    21 = 1 :

    ニート「な、なんだよ……アンタ!? 突然俺の部屋に入ってきやがって!」

    黒服「君はニートだね?」

    ニート「だ……だったらなんだよ!?」

    黒服「君は今、まったく働いていないということだね?」

    黒服「働き口を探してすらいない、家のことですらまともにやっていない」

    黒服「そういうことだね?」

    ニート「そ、そうだよ! 悪いかよ!」

    黒服「よろしい」

    黒服「さっそくだが、君を今から連行する。時間がないのだ」

    ニート「えっ、そんな、ちょっと待って……」

    24 :

    ふむふむ

    25 = 1 :

    黒服に連行された先は、さまざまな装置が並ぶ施設だった。

    ニート(……どこなんだ、ここは?)

    白衣「やぁ、いらっしゃい」

    ニート(ムリヤリ連れてきて、いらっしゃいもないだろ……)

    白衣「君の基本的なデータはすでに見せてもらっているが──」

    白衣「君は今まったく働いていないとのことだが、本当かね?」

    ニート「ま、まぁ……そうだけど」

    白衣「ほ、ん、と、う、に?」

    ニート「ホントだよ! 無職ですってウソつく方が珍しいだろ!」

    白衣「ほぉう、これは驚いた! 現代日本にまだ君のような人間がいるとは!」

    白衣「これは急がねばならん! さっそく君の身体検査を行う!」

    ニート(な、なんだってんだよ……!)

    26 :

    俺もニートだから連行されてまうん?

    27 = 1 :

    白衣「仕事は探していた?」

    ニート「いいえ」

    白衣「働いていないことに関して、罪悪感は?」

    ニート「あんまり」

    白衣「機会があれば、働きたいと思う?」

    ニート「いや……全然」

    白衣「自分に向いてる仕事をパッとイメージできる?」

    ニート「すぐには思いつかないです……」

    白衣「ふむふむ……」カリカリ…

    ニート(なんだってんだよ、いったい)

    28 :

    俺を見ているようだ・・・

    29 :

    刺青職人の話みたいな落ちじゃないだろうな

    31 = 1 :

    全ての検査が終わった時には、すでに真夜中になっていた。

    ニートは研究施設に泊まることになった。

    ニート(何十だか何百だか質問に答えさせられたり)

    ニート(髪の毛を切られたり、皮膚をちょっと剥がされたり、血を抜かれたり)

    ニート(まるで実験動物みたいな扱いだ)

    ニート(しかも、なんのためにやってるのかの説明は一切ないし……)

    ニート(どうなっちまうんだ、俺は……)

    ニート(助けて……だれか助けて……)

    33 = 1 :

    翌日、白衣がニートを呼び出す。

    白衣「検査結果が出たよ」

    ニート「…………」ゴクッ

    白衣「ありがとう……! 君は救世主だ!」

    ニート「はい?」

    白衣「実は今、地球上に恐ろしい病気が蔓延している」

    白衣「一度使命感にとらわれると、働かずにはいられなくなるという病気が……!」

    白衣「あえて名づけるとするなら、労働中毒というやつだ」

    白衣「おかげで、今世界中で過労死に向かう人間が続出している」

    ニート(そういえば……心当たりはあるな。ウチの親父と母さんもそうだった)

    ニート「な、なんでそんな病気が蔓延してるんです……?」

    白衣「異星人の仕業だ」

    ニート「へ!?」

    34 :

    良いぞ
    このままブラック企業を破滅させてくれ

    37 :

    おもしろい、支援だ

    38 = 1 :

    白衣「これは一部の国の、さらにごく一部の人間にしか知らされていない情報だが」

    白衣「少し前、宇宙から飛来した円盤が世界中にウイルスをばら撒いたのだ」

    ニート(マジか……。そ、そういえば……円盤がどうたらテレビでやってたな)

    ニート「なんのために異星人はそんなことを……!?」

    白衣「理由は色々考えられるが、最終的には地球人を奴隷にでもしたいのだろう」

    白衣「労働中毒になった人間に、強烈な使命感を与えれば何でもやるだろうからな」

    ニート「なるほど……」

    白衣「だが、君のおかげで地球人に希望が見えた!」

    白衣「血液検査で判明したのだが──」

    白衣「君はおそらく世界で唯一、このウイルスに耐性を持つ人間だったのだ!」

    白衣「自堕落だから耐性があるのか、耐性があるから自堕落なのかは分からんが」

    白衣「とにかく! 君の自堕落さが世界を救うことになる!」ガシッ

    ニート「はぁ、どうも……」

    ニート(褒められてるんだか、貶されてるんだか……)

    39 :

    働かないニート自身の肉が生きる前借かとおもった

    40 = 1 :

    ニート(なんかよく分からないけど──)

    ニート(このまま上手くいけば、俺は世界の救世主になれるってことは分かった!)

    ニート(まったく働かず! 世界を救う!)

    ニート(これはまさしく俺の……俺だけの才能!)

    ニート(これこそが世界で俺だけができる仕事だったんだ!)

    ニート(見ろ! 俺をニートだとかいって見下してる世の中の野郎ども!)

    ニート(俺は働かないんじゃない……働かなくても英雄になれるんだ!)

    ニート(頭と体をフルに使っても、食い扶持稼ぐので精一杯なお前らとはちがうんだ!)

    ニート(ハハハハハッ!)

    41 = 1 :

    白衣「ではさっそくワクチンを作るための血液の採取を……」チクッ

    黒服「動かないで下さいね」ガシッ

    ニート(へへへ、これで俺も英雄かぁ……)

    白衣「血をい~っぱい採取して、ワクチンをい~っぱい作らないと」

    黒服「絶対に動かないで下さいね」ギュッ…

    ニート「──ん、白衣さん? いくらなんでも……血を抜きすぎじゃねえか!?」

    ニート「しかも黒服さん力入れすぎだって……痛いってば! 指が食い込んでるよ!」

    ニート「聞いてんのか!? 二人とも……目つきおかしいって!」

    ニート(ま、まるで……こみ上げる衝動を抑えきれないみたいに……!)

    白衣「ワクチン、ワクチン、ワクチン、ワクチン、ワクチン、ワクチン、ワクチン」ガクガク

    黒服「絶対に……動かないで下さい……絶対に……」ギュウウ…

    ニート「うっ……」

    うわぁぁぁぁぁ……!



                                       ~おわり~

    42 :

    これは何かどんでん返しがありそう

    43 = 18 :

    oh…

    44 :

    おわりwwwwwwwwwwwwwwwえっ?wwwwwwwwwwwwwwww

    45 = 5 :

    なるほど…

    46 = 42 :

    と、おもったら終わった

    47 :

    二人も労働中毒だったか

    48 = 32 :

    ああ 病気だったってこと?

    49 = 1 :

    タモリ「益虫、害虫という言葉があります」

    タモリ「文字通り、人間に利益をもたらす虫を益虫」

    タモリ「人間に害を及ぼす虫を害虫、といいますが」

    タモリ「あるニートの男性が出会ってしまった虫」

    タモリ「はたしてそれはどちらだったのでしょうか……?」

    50 :

    2本目だと…


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