元スレ勇者「さて、魔王を倒すか」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ☆
101 = 1 :
勇者「(死んでも倒す、と言っていたか)」
勇者「(最初から知っていたのだろう)」
勇者「(先の勇者達の魂から受け継いで、分かっていたのだろう)」
勇者「(魔王の、真の力を事を)」
勇者「(・・・あの輝き)」
勇者「(あれは恐らく、魂を転移させる秘宝)」
勇者「(その身から、魂を転移させ)」
勇者「(魔王の身体を持つ勇者は、その身を切らせた)」
勇者「(最初から狙っていたのだろう)」
勇者「(最後の勇者は魔王を確実に倒すこと方法を考えた)」
勇者「(殺す為に死ぬ。・・・狂気の沙汰だ)」
勇者「(しかし、勇者は死ななかった)」
勇者「(魔王は死に、勇者は生きている)」
勇者「(私は、勝ってしまった)」
勇者「・・・」
102 = 86 :
なんかわからんくなってきた
103 = 87 :
入れ替わったのか・・・
104 :
誰得エンド
105 = 96 :
だから勇者が「従者ー!」って叫んだのか
106 = 100 :
理解理解!
107 = 86 :
なるほど
108 = 1 :
(従者「魔王さま、ごはんですよ」)
勇者「・・・」
(従者「魔王さま、今日は暇ですね!」)
勇者「・・・」
(従者「あ、あの。私、もしかして、また寝ちゃいました?」)
勇者「・・・」
(従者「魔王さま、私はとても嬉しいです」)
勇者「・・・」
(従者「魔王さま、私は幸せですよ」)
勇者「・・・」
(従者「魔王さま・・・。魔王さま・・・。魔王さま・・・。」)
勇者「・・・」
(従者「大好きで・・すよ・・魔王・・・さま・・・。愛して・・・いま・・・す・・・」)
勇者「・・・っ」
勇者「・・・私は・・・」
109 = 100 :
え…
私?
111 :
スレ隊からこうなることを誰が予想できただろうかいやできない
113 = 1 :
勇者「私は・・・あの時・・・私は・・・」ブツブツ
勇者「従・・・私は・・・何故・・・あの時」ブツブツ
男「なぁ、アンタ」
勇者「あの時・・・どうして・・・何故・・・・」ブツブツ
男「後悔してる事があるんだろう」
勇者「私は・・・してれば・・・どうして」ブツブツ
情報屋「俺は情報屋だ。アンタ、後悔してる事があるんだろう?」
勇者「私は・・・あの時・・・」ブツブツ
情報屋「過去を改変できる宝玉のことを知っているかい?」
勇者「私は・・・」
情報屋「変えてみればどうだ?」
勇者「・・・」
情報屋「変えたい過去を。あるんだろう?」
勇者「・・・。話を・・・、話を聞こう」
情報屋「そうこなくちゃね」
114 = 86 :
ほう
115 = 104 :
こいつは絶対に情報屋ではない
116 = 100 :
頑張って~
117 = 1 :
超展開わかる
118 = 87 :
ほほう
119 = 1 :
情報屋「時を過去に戻す宝玉の話だ」
情報屋「お代はいらないよ。どうせみんな死ぬんだろうし」
情報屋「あんたは普通の人間と違う。その装備、身体を見れば分かる」
情報屋「この世界を変えられる・・・、かは分からないけどさ」
情報屋「変えることができそうな奴から片っ端に声をかけてる」
情報屋「この街を西に二日も歩けば洞窟がある、野蛮でどう猛な魔族のなわばりらしい」
情報屋「そこは問題じゃないんだ、その洞窟の中にある祠が。どうやっても開かないらしい」
情報屋「どうやら呪いで封じられているとか。しかし、聖水やらの解呪魔法が一切効かないのだと」
情報屋「で、これは眉唾な情報だが」
情報屋「中身の宝玉は、聖なる力がないと発動すらしないただの綺麗な石ころ、とかなんとか」
情報屋「呪いで封じられた聖なる宝玉ってのも、なんだか変な話だよな」
情報屋「あんたなら過去を変えられるか?この今を変えることができるか?」
情報屋「・・・この世に人が残ってて、生きている限り、俺は色んな奴にこの話を伝え続けるつもりなんだ」
情報屋「終わろうとする世界で情報屋の俺に出来ることは、せいぜいこれくらいの事だからな」
情報屋「・・・希望は生れたかい?」
120 :
まおゆう
121 :
かっこいいな情報屋の言い回し
123 = 1 :
―洞窟―
勇者「・・・」
勇者「・・・希望か。都合の良い言葉だ」
勇者「私の国のこんな辺ぴな場所にある洞窟に、時を過去に戻す宝玉だと?」
勇者「だが、立ち止まって考えている暇は。もう無い」
勇者「・・・ここか。これが祠だな」
勇者「これは・・・」
勇者「魔族が発動した宝物用の保護印」
勇者「・・・口術で解ける類の簡易なものだ」
勇者「▼▼▼■■▲■」
勇者「開いた」
勇者「人間はこれを呪いと勘違いしていた訳か?」
勇者「聖水など効くはずがない、そもそも呪いとは仕組みが違う」
勇者「これが宝玉・・・か」
勇者「どこかの下級魔族が発動しない宝玉を見つけ、価値も分からずしまい込んでいた、というのが真相か」
124 = 86 :
しえん
125 :
紫煙
126 = 1 :
勇者「しかし、これは・・・。この宝玉は・・・凄まじい力を持っている」
勇者「感じる。これは本物だ」
勇者「聖なる力。つまり、勇者の血か」
勇者「本当に、本当だったのか・・・」
勇者「だとすれば、だとするなら。私は、いつを願う?いつに戻る?」
勇者「・・・」
勇者「・・・勇者と戦う前に」
勇者「勇者の狙いが分かっていれば、回避する方法などいくらでも有る」
勇者「・・・従者」
勇者「少しだけ待っていてくれ。お前を絶対に死なせはしない」
勇者「宝玉よ、私の願いを聞け」
勇者「時よ、時間よ、戻れ」
勇者「私の・・・希望を・・・」
勇者「(光が・・・これが・・・時を・・・)」
128 :
いっけえええええ
129 :
一度で解決できるか多重ループか
130 = 1 :
~時は遡る~
「・・・」
「ここは・・・、ここは・・・」
「祠の・・・何も・・・変わっていない?」
「しかし、祠の戸が閉じている。時は過去に戻った・・・のか?」
勇者「では・・・、なぜ・・・!何故私は勇者のままなのだっ!!!」
勇者「何故だっ!!」
勇者「何故なんだ・・・っ」
勇者「・・・」
132 = 1 :
時は過ぎる
勇者「(結果は失敗だった)」
勇者「(時間を戻す宝玉・・・、正確には時間を遡る宝玉)」
勇者「(私は時間を超えた)」
勇者「(そして辿り着いた、魔王と勇者が存在する時間に)」
勇者「(・・・辿りついた時間には私と、勇者と、私が存在していた)」
勇者「・・・」
勇者「(それでも)」
勇者「(それでも私は勇者を止めようとした)」
勇者「(勇者に剣を突き立てようとした・・・)」
勇者「(だが、できなかった)」
勇者「(魔王を倒す為の歩みを阻止することはできなかった)」
勇者「(勇者は自らの身に剣を突き立てることができない、勇者の血がさせない)」
勇者「(勇者自身が、魔王を倒すという使命を止める事ができない、邪魔をすることすら・・・できない)」
勇者「(なんと忌まわしい体だろうか)」
133 :
しえん
134 :
ループしてるのか…
136 = 1 :
勇者「(魔王と勇者が戦う運命は変えられない)」
勇者「(魔王は勇者と戦い、勇者は魔王と戦う)」
勇者「(宿命付けられている)」
勇者「(その事を理解した私は、また祠へと戻った)」
勇者「(また、魔王と勇者が戦い始める前に)」
勇者「(また、従者が命を断つ前に)」
勇者「(祠へと急いだ)」
勇者「(そして、時を遡る宝玉に願った)」
勇者「時よ、時間よ、遡れ」
勇者「あの日、あの時」
勇者「勇者が旅に出る前に」
~時は遡る~
137 = 131 :
なる、そうしてつながるのか
138 :
見てる
139 = 104 :
バタフライエフェクトパターンか?
141 = 1 :
勇者が旅に出る前のこと
勇者「・・やっと玉座の扉か」
勇者「ふむ、自分の城とは言え、完全に気配を消して忍び込むのは骨が折れるな」
勇者「・・・」
勇者「・・・魔王と勇者が戦う運命は変えられない」
勇者「勇者が魔王を倒せば、勇者の宿命は終わる」
勇者「魔王が死ねば、魔王の瘴気が消える」
勇者「勇者は旅に出ない」
勇者「出る必要が無いからだ」
勇者「そして」
勇者「魔王は家来を雇わない」
142 = 100 :
か、悲しすぎる。
ダレン・シャンみたいだ
143 = 1 :
勇者「私が魔王を倒せば、恐らく私の存在は消える」
勇者「だが」
勇者「従者は死なない」
勇者「お前を絶対に死なせはしない」
勇者「お前の返事はしっかりと受け取った」
勇者「私も、お前を愛している」
勇者「ありがとう」
勇者「私も、お前と一緒だよ」
―その勇者の胸には、一輪のガーベラが飾られていた
勇者「さて、魔王を倒すか」
END
147 = 131 :
愛だな 乙
150 = 1 :
ありがとうございました
ふと、魔王が魔王自身を倒す話って面白いんじゃないかと思い
初めてで拙い文章ですが投下させて頂きました
所々小ネタを挟んでいたり、それなりに創意工夫を凝らしたつもりです
ちなみに、ガーベラの花言葉は希望です
あと、バタフライエフェクトやシュタゲは大好きなので、かなり影響受けてるかと思います
みんなの評価 : ☆
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