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    元スレ勇者「さて、魔王を倒すか」

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    101 = 1 :

    勇者「(死んでも倒す、と言っていたか)」

    勇者「(最初から知っていたのだろう)」

    勇者「(先の勇者達の魂から受け継いで、分かっていたのだろう)」

    勇者「(魔王の、真の力を事を)」

    勇者「(・・・あの輝き)」

    勇者「(あれは恐らく、魂を転移させる秘宝)」

    勇者「(その身から、魂を転移させ)」

    勇者「(魔王の身体を持つ勇者は、その身を切らせた)」

    勇者「(最初から狙っていたのだろう)」

    勇者「(最後の勇者は魔王を確実に倒すこと方法を考えた)」

    勇者「(殺す為に死ぬ。・・・狂気の沙汰だ)」

    勇者「(しかし、勇者は死ななかった)」

    勇者「(魔王は死に、勇者は生きている)」

    勇者「(私は、勝ってしまった)」

    勇者「・・・」

    102 = 86 :

    なんかわからんくなってきた

    103 = 87 :

    入れ替わったのか・・・

    104 :

    誰得エンド

    105 = 96 :

    だから勇者が「従者ー!」って叫んだのか

    106 = 100 :

    理解理解!

    107 = 86 :

    なるほど

    108 = 1 :

    (従者「魔王さま、ごはんですよ」)

    勇者「・・・」

    (従者「魔王さま、今日は暇ですね!」)

    勇者「・・・」

    (従者「あ、あの。私、もしかして、また寝ちゃいました?」)

    勇者「・・・」

    (従者「魔王さま、私はとても嬉しいです」)

    勇者「・・・」

    (従者「魔王さま、私は幸せですよ」)

    勇者「・・・」

    (従者「魔王さま・・・。魔王さま・・・。魔王さま・・・。」)

    勇者「・・・」

    (従者「大好きで・・すよ・・魔王・・・さま・・・。愛して・・・いま・・・す・・・」)

    勇者「・・・っ」

    勇者「・・・私は・・・」

    109 = 100 :

    え…
    私?

    111 :

    スレ隊からこうなることを誰が予想できただろうかいやできない

    113 = 1 :

    勇者「私は・・・あの時・・・私は・・・」ブツブツ

    勇者「従・・・私は・・・何故・・・あの時」ブツブツ

    「なぁ、アンタ」

    勇者「あの時・・・どうして・・・何故・・・・」ブツブツ

    「後悔してる事があるんだろう」

    勇者「私は・・・してれば・・・どうして」ブツブツ

    情報屋「俺は情報屋だ。アンタ、後悔してる事があるんだろう?」

    勇者「私は・・・あの時・・・」ブツブツ

    情報屋「過去を改変できる宝玉のことを知っているかい?」

    勇者「私は・・・」

    情報屋「変えてみればどうだ?」

    勇者「・・・」

    情報屋「変えたい過去を。あるんだろう?」

    勇者「・・・。話を・・・、話を聞こう」

    情報屋「そうこなくちゃね」

    114 = 86 :

    ほう

    115 = 104 :

    こいつは絶対に情報屋ではない

    116 = 100 :

    頑張って~

    117 = 1 :

    超展開わかる

    118 = 87 :

    ほほう

    119 = 1 :

    情報屋「時を過去に戻す宝玉の話だ」

    情報屋「お代はいらないよ。どうせみんな死ぬんだろうし」

    情報屋「あんたは普通の人間と違う。その装備、身体を見れば分かる」

    情報屋「この世界を変えられる・・・、かは分からないけどさ」

    情報屋「変えることができそうな奴から片っ端に声をかけてる」

    情報屋「この街を西に二日も歩けば洞窟がある、野蛮でどう猛な魔族のなわばりらしい」

    情報屋「そこは問題じゃないんだ、その洞窟の中にある祠が。どうやっても開かないらしい」

    情報屋「どうやら呪いで封じられているとか。しかし、聖水やらの解呪魔法が一切効かないのだと」

    情報屋「で、これは眉唾な情報だが」

    情報屋「中身の宝玉は、聖なる力がないと発動すらしないただの綺麗な石ころ、とかなんとか」

    情報屋「呪いで封じられた聖なる宝玉ってのも、なんだか変な話だよな」

    情報屋「あんたなら過去を変えられるか?この今を変えることができるか?」

    情報屋「・・・この世に人が残ってて、生きている限り、俺は色んな奴にこの話を伝え続けるつもりなんだ」

    情報屋「終わろうとする世界で情報屋の俺に出来ることは、せいぜいこれくらいの事だからな」

    情報屋「・・・希望は生れたかい?」

    120 :

    まおゆう

    121 :

    かっこいいな情報屋の言い回し

    123 = 1 :

    ―洞窟―

    勇者「・・・」

    勇者「・・・希望か。都合の良い言葉だ」

    勇者「私の国のこんな辺ぴな場所にある洞窟に、時を過去に戻す宝玉だと?」

    勇者「だが、立ち止まって考えている暇は。もう無い」

    勇者「・・・ここか。これが祠だな」

    勇者「これは・・・」

    勇者「魔族が発動した宝物用の保護印」

    勇者「・・・口術で解ける類の簡易なものだ」

    勇者「▼▼▼■■▲■」

    勇者「開いた」

    勇者「人間はこれを呪いと勘違いしていた訳か?」

    勇者「聖水など効くはずがない、そもそも呪いとは仕組みが違う」

    勇者「これが宝玉・・・か」

    勇者「どこかの下級魔族が発動しない宝玉を見つけ、価値も分からずしまい込んでいた、というのが真相か」

    124 = 86 :

    しえん

    125 :

    紫煙

    126 = 1 :

    勇者「しかし、これは・・・。この宝玉は・・・凄まじい力を持っている」

    勇者「感じる。これは本物だ」

    勇者「聖なる力。つまり、勇者の血か」

    勇者「本当に、本当だったのか・・・」

    勇者「だとすれば、だとするなら。私は、いつを願う?いつに戻る?」

    勇者「・・・」

    勇者「・・・勇者と戦う前に」

    勇者「勇者の狙いが分かっていれば、回避する方法などいくらでも有る」

    勇者「・・・従者」

    勇者「少しだけ待っていてくれ。お前を絶対に死なせはしない」

    勇者「宝玉よ、私の願いを聞け」

    勇者「時よ、時間よ、戻れ」

    勇者「私の・・・希望を・・・」

    勇者「(光が・・・これが・・・時を・・・)」

    128 :

    いっけえええええ

    129 :

    一度で解決できるか多重ループか

    130 = 1 :

    ~時は遡る~

    「・・・」

    「ここは・・・、ここは・・・」

    「祠の・・・何も・・・変わっていない?」

    「しかし、祠の戸が閉じている。時は過去に戻った・・・のか?」

    勇者「では・・・、なぜ・・・!何故私は勇者のままなのだっ!!!」

    勇者「何故だっ!!」

    勇者「何故なんだ・・・っ」

    勇者「・・・」

    132 = 1 :

    時は過ぎる

    勇者「(結果は失敗だった)」

    勇者「(時間を戻す宝玉・・・、正確には時間を遡る宝玉)」

    勇者「(私は時間を超えた)」

    勇者「(そして辿り着いた、魔王と勇者が存在する時間に)」

    勇者「(・・・辿りついた時間には私と、勇者と、私が存在していた)」

    勇者「・・・」

    勇者「(それでも)」

    勇者「(それでも私は勇者を止めようとした)」

    勇者「(勇者に剣を突き立てようとした・・・)」

    勇者「(だが、できなかった)」

    勇者「(魔王を倒す為の歩みを阻止することはできなかった)」

    勇者「(勇者は自らの身に剣を突き立てることができない、勇者の血がさせない)」

    勇者「(勇者自身が、魔王を倒すという使命を止める事ができない、邪魔をすることすら・・・できない)」

    勇者「(なんと忌まわしい体だろうか)」

    133 :

    しえん

    134 :

    ループしてるのか…

    136 = 1 :

    勇者「(魔王と勇者が戦う運命は変えられない)」

    勇者「(魔王は勇者と戦い、勇者は魔王と戦う)」

    勇者「(宿命付けられている)」

    勇者「(その事を理解した私は、また祠へと戻った)」

    勇者「(また、魔王と勇者が戦い始める前に)」

    勇者「(また、従者が命を断つ前に)」

    勇者「(祠へと急いだ)」

    勇者「(そして、時を遡る宝玉に願った)」

    勇者「時よ、時間よ、遡れ」

    勇者「あの日、あの時」

    勇者「勇者が旅に出る前に」

    ~時は遡る~

    137 = 131 :

    なる、そうしてつながるのか

    138 :

    見てる

    139 = 104 :

    バタフライエフェクトパターンか?

    141 = 1 :

    勇者が旅に出る前のこと

    勇者「・・やっと玉座の扉か」

    勇者「ふむ、自分の城とは言え、完全に気配を消して忍び込むのは骨が折れるな」

    勇者「・・・」

    勇者「・・・魔王と勇者が戦う運命は変えられない」

    勇者「勇者が魔王を倒せば、勇者の宿命は終わる」

    勇者「魔王が死ねば、魔王の瘴気が消える」

    勇者「勇者は旅に出ない」

    勇者「出る必要が無いからだ」

    勇者「そして」

    勇者「魔王は家来を雇わない」

    142 = 100 :

    か、悲しすぎる。
    ダレン・シャンみたいだ

    143 = 1 :

    勇者「私が魔王を倒せば、恐らく私の存在は消える」

    勇者「だが」

    勇者「従者は死なない」

    勇者「お前を絶対に死なせはしない」

    勇者「お前の返事はしっかりと受け取った」

    勇者「私も、お前を愛している」

    勇者「ありがとう」

    勇者「私も、お前と一緒だよ」





    ―その勇者の胸には、一輪のガーベラが飾られていた





    勇者「さて、魔王を倒すか」

    END

    147 = 131 :

    愛だな 乙

    150 = 1 :

    ありがとうございました
    ふと、魔王が魔王自身を倒す話って面白いんじゃないかと思い
    初めてで拙い文章ですが投下させて頂きました

    所々小ネタを挟んでいたり、それなりに創意工夫を凝らしたつもりです
    ちなみに、ガーベラの花言葉は希望です

    あと、バタフライエフェクトやシュタゲは大好きなので、かなり影響受けてるかと思います


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