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元スレ王様「萌え萌え美少女傭兵隊を配下につけてやろう」 勇者「はい?」
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僧侶「その言い方だとあたしは太ってるみたいじゃない!? あたし太ってないよ!?」
勇者「どっちでもいいから貸してやれよ」
僧侶「でもこれだけ着ても横から見えちゃうし、これ取るとあたし、全身タイツみたいな変な格好になっちゃうし……」
勇者「あ、変な格好っていう自覚あったんだ」
魔法使い「狩人ちゃんは……脱げるものないわね」
狩人「無理」
勇者「俺のパンツでよければ貸すけど」ヒラヒラ
村娘「せっかくですけど、それはちょっと」
勇者「じゃあどうするんだ。裸のままじゃ村に入れないぞ」
魔法使い「裸じゃなくて馬鹿には見えない服を着てるんだって言い張るのはどう?」
勇者「根本的な解決にはなってないような気がするな」
僧侶「そんな服が本当にあったとしても、馬鹿な人は裸見放題ってことになっちゃうねっ」
勇者「なあ、魔法使いちゃん、前に自分で素直でいい子とか言ってなかった?」
魔法使い「だから素直に嫌って言ってるのよ」
勇者「いい子なんだろ?」
勇者「どっちでもいいから貸してやれよ」
僧侶「でもこれだけ着ても横から見えちゃうし、これ取るとあたし、全身タイツみたいな変な格好になっちゃうし……」
勇者「あ、変な格好っていう自覚あったんだ」
魔法使い「狩人ちゃんは……脱げるものないわね」
狩人「無理」
勇者「俺のパンツでよければ貸すけど」ヒラヒラ
村娘「せっかくですけど、それはちょっと」
勇者「じゃあどうするんだ。裸のままじゃ村に入れないぞ」
魔法使い「裸じゃなくて馬鹿には見えない服を着てるんだって言い張るのはどう?」
勇者「根本的な解決にはなってないような気がするな」
僧侶「そんな服が本当にあったとしても、馬鹿な人は裸見放題ってことになっちゃうねっ」
勇者「なあ、魔法使いちゃん、前に自分で素直でいい子とか言ってなかった?」
魔法使い「だから素直に嫌って言ってるのよ」
勇者「いい子なんだろ?」
魔法使い「わかったわよ。ほら、このマントを使って」
村娘「ありがとうございます……えっと、あの……前に村に住んでた、魔法使いさん、ですよね?」
魔法使い「そうよ。久しぶりね、村娘ちゃん」
勇者「悪いやつにさらわれそうになって、咄嗟に変化の杖を使って犬に化けて逃げ出した、か……」
魔法使い「犯人の心当たりは?」
村娘「ありません。でも最近、変な新興宗教の人たちがうろついてるという噂を聞いたことがあるので、その人達かもしれません」
僧侶「むー、そんな強引な勧誘をするなんて許せないねっ」
勇者「まだそいつらと決まったわけじゃないけどな。その変化の杖とやらが狙いだったのかもしれん。貴重なアイテムなんだろ?」
魔法使い「身代金目当ての誘拐とか、あるいはこの娘の体自体が目的だったとか」
僧侶「邪神の生贄とかにするつもりだったのかもしれないよっ。もしそうだったら絶対に許さないからねっ」
勇者「僧侶ちゃんはちょっと落ち着け」
魔法使い「まあ何にしても、これはあたしたちの仕事ではないわね。人間相手となると専門外だわ」
勇者「バックに魔物がついてるとかもありそうだけどな」
僧侶「こうして関わったのも何かの縁だし、あたしたちで犯人をつかまえようよっ」
村娘「ありがとうございます……えっと、あの……前に村に住んでた、魔法使いさん、ですよね?」
魔法使い「そうよ。久しぶりね、村娘ちゃん」
勇者「悪いやつにさらわれそうになって、咄嗟に変化の杖を使って犬に化けて逃げ出した、か……」
魔法使い「犯人の心当たりは?」
村娘「ありません。でも最近、変な新興宗教の人たちがうろついてるという噂を聞いたことがあるので、その人達かもしれません」
僧侶「むー、そんな強引な勧誘をするなんて許せないねっ」
勇者「まだそいつらと決まったわけじゃないけどな。その変化の杖とやらが狙いだったのかもしれん。貴重なアイテムなんだろ?」
魔法使い「身代金目当ての誘拐とか、あるいはこの娘の体自体が目的だったとか」
僧侶「邪神の生贄とかにするつもりだったのかもしれないよっ。もしそうだったら絶対に許さないからねっ」
勇者「僧侶ちゃんはちょっと落ち着け」
魔法使い「まあ何にしても、これはあたしたちの仕事ではないわね。人間相手となると専門外だわ」
勇者「バックに魔物がついてるとかもありそうだけどな」
僧侶「こうして関わったのも何かの縁だし、あたしたちで犯人をつかまえようよっ」
魔法使い「そうは言ってもねえ。連続誘拐事件とかなら次もあるかもしれないから、僧侶ちゃんを餌にして囮捜査もできるけど」
僧侶「あ、あたし!?」
村娘「あの……実は、この村では今までにも何件か誘拐事件や誘拐未遂事件が起きてて……」
魔法使い「それを早く言いなさいよ。で、あんたがさらわれそうになったということは、まだ犯人は捕まってないのね」
村娘「はい」
勇者「たぶんだけど、犯人はこの村の住人ではないよな?」
魔法使い「なんでそう思うの?」
勇者「こんな小さい村なら、怪しいやつが住んでたらバレバレじゃん」
魔法使い「ふむ。世間知らずのあんたにしてはまともな推測ね」
勇者「俺も狭い世界で生きてたからわかるんだよ」
僧侶「魔法使いちゃんもこの村の出身だから、ここのことはよく知ってるんだよね?」
魔法使い「しばらく離れてたからその間のことは何も知らないけどね」
勇者「当時からの住人の中に、怪しいやつはいなかったか? 自分以外で」
魔法使い「そうね、あたし以外には特に変な人はって何言わせんのよこのアホ勇者」
勇者「ははっ。ま、今日はもうこんな時間だし、詳しく調べるにしても明日の朝からかな」
僧侶「あ、あたし!?」
村娘「あの……実は、この村では今までにも何件か誘拐事件や誘拐未遂事件が起きてて……」
魔法使い「それを早く言いなさいよ。で、あんたがさらわれそうになったということは、まだ犯人は捕まってないのね」
村娘「はい」
勇者「たぶんだけど、犯人はこの村の住人ではないよな?」
魔法使い「なんでそう思うの?」
勇者「こんな小さい村なら、怪しいやつが住んでたらバレバレじゃん」
魔法使い「ふむ。世間知らずのあんたにしてはまともな推測ね」
勇者「俺も狭い世界で生きてたからわかるんだよ」
僧侶「魔法使いちゃんもこの村の出身だから、ここのことはよく知ってるんだよね?」
魔法使い「しばらく離れてたからその間のことは何も知らないけどね」
勇者「当時からの住人の中に、怪しいやつはいなかったか? 自分以外で」
魔法使い「そうね、あたし以外には特に変な人はって何言わせんのよこのアホ勇者」
勇者「ははっ。ま、今日はもうこんな時間だし、詳しく調べるにしても明日の朝からかな」
翌日
勇者「さて、まずは武器屋に行こう」
僧侶「武器屋さんに何か手がかりが?」
勇者「いや、弓を買ってみようかなって」
僧侶「なーんだ」
魔法使い「でも、誘拐犯が武装してるかもしれないし、その線から何か掴めるかもしれないわね」
勇者「というわけで魔法使いちゃん、道案内よろしく」
魔法使い「別にいいけど、剣も弓も矢も全部自分で持ちなさいよ。あたしは荷物持ちなんて嫌だからね」
勇者「わかってるって。なあ狩人ちゃん、弓買ったら練習につきあってくれないか」
狩人「……」コク
僧侶「勇者くんって弓の練習はしたことないの?」
勇者「無いよ」
魔法使い「上手くなるまでに時間がかかりそうね」
僧侶「でも勇者くんなら力もあるし、すぐに上手くなるかもねっ」
勇者「どうだろうな。剣を振るのとは使う筋肉が違うような気もするし」
勇者「さて、まずは武器屋に行こう」
僧侶「武器屋さんに何か手がかりが?」
勇者「いや、弓を買ってみようかなって」
僧侶「なーんだ」
魔法使い「でも、誘拐犯が武装してるかもしれないし、その線から何か掴めるかもしれないわね」
勇者「というわけで魔法使いちゃん、道案内よろしく」
魔法使い「別にいいけど、剣も弓も矢も全部自分で持ちなさいよ。あたしは荷物持ちなんて嫌だからね」
勇者「わかってるって。なあ狩人ちゃん、弓買ったら練習につきあってくれないか」
狩人「……」コク
僧侶「勇者くんって弓の練習はしたことないの?」
勇者「無いよ」
魔法使い「上手くなるまでに時間がかかりそうね」
僧侶「でも勇者くんなら力もあるし、すぐに上手くなるかもねっ」
勇者「どうだろうな。剣を振るのとは使う筋肉が違うような気もするし」
狩人「……」コク
勇者「さすがに狩人ちゃんのレベルには追いつけそうな気が全然しないけどさ。何事も経験ってな」
狩人「近くの動かない的に当てるだけなら、すぐにできるようになると思う」
勇者「そっか。そういや狩人ちゃんの弓って変わってるな。なんでそんなにグニャグニャ曲がってるんだ?」
狩人「この方が強い」
勇者「ふーん。武器屋にこういう弓も売ってるかな」
魔法使い「たぶん普通のしか無いと思うわ」
勇者「そっか。まあ普通のでいいや」
武器屋「初心者でも扱いやすい弓か。まああるにはあるけど」
勇者「あまり攻撃力は無い?」
武器屋「そうだな。攻撃力が高い弓は引くだけじゃなくて引いた状態を保持するのにも力がいるからな」
僧侶「たしかに腕がプルプル震えてたら狙いをつけにくそうだねっ」
魔法使い「だったらクロスボウにすればいいんじゃない?」
武器屋「クロスボウか。確かに狙いをつけるのに力は要らないし、地面に伏せた体勢でも使えたりとか、利点も多いんだが」
勇者「さすがに狩人ちゃんのレベルには追いつけそうな気が全然しないけどさ。何事も経験ってな」
狩人「近くの動かない的に当てるだけなら、すぐにできるようになると思う」
勇者「そっか。そういや狩人ちゃんの弓って変わってるな。なんでそんなにグニャグニャ曲がってるんだ?」
狩人「この方が強い」
勇者「ふーん。武器屋にこういう弓も売ってるかな」
魔法使い「たぶん普通のしか無いと思うわ」
勇者「そっか。まあ普通のでいいや」
武器屋「初心者でも扱いやすい弓か。まああるにはあるけど」
勇者「あまり攻撃力は無い?」
武器屋「そうだな。攻撃力が高い弓は引くだけじゃなくて引いた状態を保持するのにも力がいるからな」
僧侶「たしかに腕がプルプル震えてたら狙いをつけにくそうだねっ」
魔法使い「だったらクロスボウにすればいいんじゃない?」
武器屋「クロスボウか。確かに狙いをつけるのに力は要らないし、地面に伏せた体勢でも使えたりとか、利点も多いんだが」
勇者「だが?」
武器屋「あまりおすすめはできないかな。大規模な集団戦ならともかく、あんたらのような少人数のパーティではね」
魔法使い「発射するのに時間がかかって使い勝手が悪い、と?」
武器屋「そういうことだな。ま、普通の弓の方が扱いに熟練を要するから、一長一短ってところではあるが」
勇者「ふーん。じゃあどうしよう、やっぱり普通の弓か」
武器屋「ああ、そういえば……」
勇者「ん?」
武器屋「たまに遊びに来る発明好きの姉ちゃんが変わった弓を作ってたな。個人で使うならああいうのもいいかもしれん」
勇者「へえ、面白そうだな。どんなの?」
武器屋「口で説明するより現物を見せてもらった方が早いな。譲ってもらえるかはわからんが、行ってみたらどうだ?」
魔法使い「そんな人いたっけ? あたしも知ってる人?」
武器屋「ああ、魔法使いちゃんは知らないだろうな。わりと最近になってから移り住んできた人だから」
僧侶「最近になってから……怪しい……」
武器屋「最近と言っても数年前くらいだよ」
勇者「ああ、そういえば、忘れるところだった。なあ、最近、見慣れないやつが武器買いに来なかった?」
武器屋「あまりおすすめはできないかな。大規模な集団戦ならともかく、あんたらのような少人数のパーティではね」
魔法使い「発射するのに時間がかかって使い勝手が悪い、と?」
武器屋「そういうことだな。ま、普通の弓の方が扱いに熟練を要するから、一長一短ってところではあるが」
勇者「ふーん。じゃあどうしよう、やっぱり普通の弓か」
武器屋「ああ、そういえば……」
勇者「ん?」
武器屋「たまに遊びに来る発明好きの姉ちゃんが変わった弓を作ってたな。個人で使うならああいうのもいいかもしれん」
勇者「へえ、面白そうだな。どんなの?」
武器屋「口で説明するより現物を見せてもらった方が早いな。譲ってもらえるかはわからんが、行ってみたらどうだ?」
魔法使い「そんな人いたっけ? あたしも知ってる人?」
武器屋「ああ、魔法使いちゃんは知らないだろうな。わりと最近になってから移り住んできた人だから」
僧侶「最近になってから……怪しい……」
武器屋「最近と言っても数年前くらいだよ」
勇者「ああ、そういえば、忘れるところだった。なあ、最近、見慣れないやつが武器買いに来なかった?」
武器屋「いや、あんたら以外に余所者は来てないな」
勇者「そっか。じゃあ、その発明家のお姉さんとやらのところに行ってみるか。場所はどのあたり?」
武器屋「魔法使いちゃんなら知ってると思うが、福引所のとこの坂を上ってった先に家があるだろ。そこに住んでる筈だ」
魔法使い「知ってるも何も、そこあたしが前に住んでた家だわ」
武器屋「そうだったっけ。ああそうそう、魔法使いちゃんの一家が村を出た後、空いた家にあの兄妹が引っ越してきたんだっけか」
魔法使い「ふーん、あの家にね。じゃ、そろそろ行くわ。いろいろありがとね」
武器屋「おう、またいつでも遊びに来てくれな」
勇者「いい人だったな。黙って自分のとこの弓を売った方が儲かるだろうに」
魔法使い「まあ、あたしの知り合いだしね」
勇者「あの坂の上かな?」
魔法使い「そうよ」
僧侶「あそこに誘拐犯の隠れ家が……」
勇者「いや違うから。たぶん」
魔法使い「家が見えてきたわ。懐かしいわね」
勇者「そっか。じゃあ、その発明家のお姉さんとやらのところに行ってみるか。場所はどのあたり?」
武器屋「魔法使いちゃんなら知ってると思うが、福引所のとこの坂を上ってった先に家があるだろ。そこに住んでる筈だ」
魔法使い「知ってるも何も、そこあたしが前に住んでた家だわ」
武器屋「そうだったっけ。ああそうそう、魔法使いちゃんの一家が村を出た後、空いた家にあの兄妹が引っ越してきたんだっけか」
魔法使い「ふーん、あの家にね。じゃ、そろそろ行くわ。いろいろありがとね」
武器屋「おう、またいつでも遊びに来てくれな」
勇者「いい人だったな。黙って自分のとこの弓を売った方が儲かるだろうに」
魔法使い「まあ、あたしの知り合いだしね」
勇者「あの坂の上かな?」
魔法使い「そうよ」
僧侶「あそこに誘拐犯の隠れ家が……」
勇者「いや違うから。たぶん」
魔法使い「家が見えてきたわ。懐かしいわね」
勇者「あ、すごい美人というほどでもないけどそこそこ綺麗な女の人がいる。あの人がそうかな?」
魔法使い「こんにちは」
女「はい、こんにちは。なんかちょっと失礼な発言が聞こえてきたような気がしますけど、たぶん気のせいですよね」
勇者「たぶん気のせいです。武器屋のおっさんから聞いてきたんだけど、あなたが発明家のお姉さん?」
女「いえ、発明家ではないですね、わたしは」
勇者「ありゃ、人違いか。道を間違えたのかな?」
魔法使い「自分が住んでた家を間違えるわけないでしょ」
女「ん? 前にここに住んでた方ですか?」
魔法使い「そうだけど、ここに来たのはそのこととは全然まったく何の関係もないわ」
女「ふむ。武器屋さんの紹介と仰いましたね。でしたら心当たりがあります。立ち話も何ですから、中へどうぞ」
魔法使い「こんにちは」
女「はい、こんにちは。なんかちょっと失礼な発言が聞こえてきたような気がしますけど、たぶん気のせいですよね」
勇者「たぶん気のせいです。武器屋のおっさんから聞いてきたんだけど、あなたが発明家のお姉さん?」
女「いえ、発明家ではないですね、わたしは」
勇者「ありゃ、人違いか。道を間違えたのかな?」
魔法使い「自分が住んでた家を間違えるわけないでしょ」
女「ん? 前にここに住んでた方ですか?」
魔法使い「そうだけど、ここに来たのはそのこととは全然まったく何の関係もないわ」
女「ふむ。武器屋さんの紹介と仰いましたね。でしたら心当たりがあります。立ち話も何ですから、中へどうぞ」
女「お茶を淹れますから、ちょっと待っててくださいね」
勇者「いえ、おかまいなく」
女「あ、そうだ。みなさんスイカはお好きですか?」
魔法使い「うん、好きよ」
僧侶「あたしも好きー」
勇者「スイカってなんだ?」
狩人「わたしも好き」
魔法使い「でもなんで? くれるの? 季節外れだと思うけど」
女「ちょっと待ってください。今、ひとりだけ返答がおかしい人がいました」
勇者「誰だ?」
魔法使い「あんたよ」
僧侶「勇者くん、スイカ知らないの?」
勇者「知らない。スイカ? 何それ? おいしいの?」
僧侶「うん、おいしいよ……」
勇者「あ、食べ物なんだ」
勇者「いえ、おかまいなく」
女「あ、そうだ。みなさんスイカはお好きですか?」
魔法使い「うん、好きよ」
僧侶「あたしも好きー」
勇者「スイカってなんだ?」
狩人「わたしも好き」
魔法使い「でもなんで? くれるの? 季節外れだと思うけど」
女「ちょっと待ってください。今、ひとりだけ返答がおかしい人がいました」
勇者「誰だ?」
魔法使い「あんたよ」
僧侶「勇者くん、スイカ知らないの?」
勇者「知らない。スイカ? 何それ? おいしいの?」
僧侶「うん、おいしいよ……」
勇者「あ、食べ物なんだ」
僧侶「あー……どっちかというと庶民的な食べ物だし、勇者くんは食べたことないかもねっ」
女「その人、王子様かなんかですか?」
勇者「うん、俺、王子だよ」
女「そうですか。じゃ、裏の井戸で冷やしてあるスイカを取りに行きますから、王子さんは手伝ってください」
勇者「あれ、信じてない?」
女「信じないこともないですけどね。お忍びで旅行中といったところですか。あ、お嬢さん方はそのまま座ってお待ちください」
勇者「ひょっとしてあまりいい印象持たれてない? なんか気に障るようなこと言ったかな」
女「いえ、そんなことはないです。わたし、あなたのようなそこそこかっこいい男の子は好きですよ。さ、行きましょう」
女「その人、王子様かなんかですか?」
勇者「うん、俺、王子だよ」
女「そうですか。じゃ、裏の井戸で冷やしてあるスイカを取りに行きますから、王子さんは手伝ってください」
勇者「あれ、信じてない?」
女「信じないこともないですけどね。お忍びで旅行中といったところですか。あ、お嬢さん方はそのまま座ってお待ちください」
勇者「ひょっとしてあまりいい印象持たれてない? なんか気に障るようなこと言ったかな」
女「いえ、そんなことはないです。わたし、あなたのようなそこそこかっこいい男の子は好きですよ。さ、行きましょう」
勇者「この紐を引っ張ればいいの?」
女「ええ。それを下に引けば井戸からスイカが上がってきますから」
勇者「ふーん。あ、これ滑車ってやつか。便利なもんだな」カラカラ
女「ええ、便利ですよね滑車って。発明した人はとても賢い人だったんでしょうね」
勇者「あ、ひょっとしてお姉さんが滑車を発明したの?」
女「失礼ですね。そんな歳に見えるんですか? 滑車なんてわたしが産まれるよりずっと前からありますよ」
勇者「ありゃ、違ったか。ごめんなさい」
女「というか、わたしは発明家じゃないって言ったじゃないですか」
勇者「そうだっけ。お、上がってきた。これがスイカか。絵本で見たことあるような気がする」
女「では戻りましょうか。落とさないように気をつけてくださいね。割れちゃいますから」
勇者「はいはい。けっこう重いなこれ」
女「ほとんど水分ですからね」
勇者「発明家じゃないとすると、お姉さんは何なの?」
女「あとで、お嬢さん方もいるところで説明しますよ」
女「ええ。それを下に引けば井戸からスイカが上がってきますから」
勇者「ふーん。あ、これ滑車ってやつか。便利なもんだな」カラカラ
女「ええ、便利ですよね滑車って。発明した人はとても賢い人だったんでしょうね」
勇者「あ、ひょっとしてお姉さんが滑車を発明したの?」
女「失礼ですね。そんな歳に見えるんですか? 滑車なんてわたしが産まれるよりずっと前からありますよ」
勇者「ありゃ、違ったか。ごめんなさい」
女「というか、わたしは発明家じゃないって言ったじゃないですか」
勇者「そうだっけ。お、上がってきた。これがスイカか。絵本で見たことあるような気がする」
女「では戻りましょうか。落とさないように気をつけてくださいね。割れちゃいますから」
勇者「はいはい。けっこう重いなこれ」
女「ほとんど水分ですからね」
勇者「発明家じゃないとすると、お姉さんは何なの?」
女「あとで、お嬢さん方もいるところで説明しますよ」
勇者「商人?」シャクシャク
商人「はい。と言っても兄の手伝いをしてるだけで、なかば趣味のようなものですけどね」
魔法使い「ふーん。それでこういう季節外れのスイカとか、珍しいものが手に入るってわけね」シャクシャク
商人「まあそんなところです」
狩人「おいしい」シャクシャク
勇者「うん、うまいなこれ。じゃあ、どっかに店を持ってんの?」
商人「いえ、店は持ってないです。卸売り専門ですから」
勇者「卸売りってなんだ?」
商人「えっと、商売の仕組みを1から説明した方がいいんですかね?」
勇者「あーいや、めんどくさいからそれはいいや。そのうち自分で勉強しとくよ。今日はお兄さんは?」
商人「仕事中ですね。わたしは、サボリです」
勇者「ふーん。ところで俺達ってここに何しに来たんだっけ」
魔法使い「弓でしょ?」
勇者「そうだった。武器屋のおっさんが、面白い弓があるって言ってたんだけど」
商人「ええ、ありますよ。わたしが作りました」
商人「はい。と言っても兄の手伝いをしてるだけで、なかば趣味のようなものですけどね」
魔法使い「ふーん。それでこういう季節外れのスイカとか、珍しいものが手に入るってわけね」シャクシャク
商人「まあそんなところです」
狩人「おいしい」シャクシャク
勇者「うん、うまいなこれ。じゃあ、どっかに店を持ってんの?」
商人「いえ、店は持ってないです。卸売り専門ですから」
勇者「卸売りってなんだ?」
商人「えっと、商売の仕組みを1から説明した方がいいんですかね?」
勇者「あーいや、めんどくさいからそれはいいや。そのうち自分で勉強しとくよ。今日はお兄さんは?」
商人「仕事中ですね。わたしは、サボリです」
勇者「ふーん。ところで俺達ってここに何しに来たんだっけ」
魔法使い「弓でしょ?」
勇者「そうだった。武器屋のおっさんが、面白い弓があるって言ってたんだけど」
商人「ええ、ありますよ。わたしが作りました」
僧侶「商人ちゃんが作ったの? 発明家じゃなくて商人なのに?」
商人「武器を作るのが趣味なんです。っていうかちゃんづけですか。別にいいですけど」
勇者「20代なかばくらいの人みたいだし、商人さんって呼んだ方がいいんじゃないか」
商人「おっと、これは藪蛇でしたね。わたし、17を過ぎてからは歳とるのやめてますから商人ちゃんでもいいですよ」
魔法使い「でも、お兄さんも商人なら呼び名がかぶっちゃうわね。なんて呼べばいいのかしら」
商人「いえ、普通に名前で呼んでいただければ。そういえば皆さん、親しそうなのになんで職種で呼び合ってるんです?」
狩人「スイカのお姉さんと呼べばいい」
商人「スルーですか。いや、それはやめてください。なんか巨乳キャラみたいじゃないですか。まあ小さくはないですけど」
僧侶「うーん、商人ちゃんは商人ちゃんで、お兄ちゃんの方をお兄ちゃんって呼べばいいんじゃないかなっ」
商人「ちなみにわたしの名前、メアリーっていうんですけど」
魔法使い「僧侶ちゃんがお兄ちゃんって呼んだらあのホモ兄貴と区別がつかないじゃない」
商人「またスルーされちゃいました。聞こえてないんですかね。えっと、わたしの姿は見えてますか?」
狩人「商売男さんと商売女さん」
商人「やめてください。意味が変わってきちゃいます。それなら男商人と女商人でいいじゃないですか。わざとですか」
勇者「そんなことより商人さん、よかったらその弓、見せてくれないか」
商人「武器を作るのが趣味なんです。っていうかちゃんづけですか。別にいいですけど」
勇者「20代なかばくらいの人みたいだし、商人さんって呼んだ方がいいんじゃないか」
商人「おっと、これは藪蛇でしたね。わたし、17を過ぎてからは歳とるのやめてますから商人ちゃんでもいいですよ」
魔法使い「でも、お兄さんも商人なら呼び名がかぶっちゃうわね。なんて呼べばいいのかしら」
商人「いえ、普通に名前で呼んでいただければ。そういえば皆さん、親しそうなのになんで職種で呼び合ってるんです?」
狩人「スイカのお姉さんと呼べばいい」
商人「スルーですか。いや、それはやめてください。なんか巨乳キャラみたいじゃないですか。まあ小さくはないですけど」
僧侶「うーん、商人ちゃんは商人ちゃんで、お兄ちゃんの方をお兄ちゃんって呼べばいいんじゃないかなっ」
商人「ちなみにわたしの名前、メアリーっていうんですけど」
魔法使い「僧侶ちゃんがお兄ちゃんって呼んだらあのホモ兄貴と区別がつかないじゃない」
商人「またスルーされちゃいました。聞こえてないんですかね。えっと、わたしの姿は見えてますか?」
狩人「商売男さんと商売女さん」
商人「やめてください。意味が変わってきちゃいます。それなら男商人と女商人でいいじゃないですか。わざとですか」
勇者「そんなことより商人さん、よかったらその弓、見せてくれないか」
商人「あ、結局そこに落ち着きましたか。まあ何でもいいですけど。ええ、じゃ、お見せしますから隣の部屋へどうぞ」
魔法使い「ここは前に書庫にしてた部屋ね」
商人「今はわたしの趣味の部屋にさせてもらってます」
僧侶「わあ、武器がいっぱいあるねっ」
商人「あくまでも個人的な趣味ですから、実用性があるかどうかは怪しいものですけどね」
勇者「いろいろあるけど、剣が多いな」
商人「ええ、武器なら何でも好きですけど、中でも特に剣が好きですね」
勇者「なんで剣が好きなの?」
商人「特に深い理由は無いですけど、強いて言えば、技が多彩なところですかね」
勇者「まあ確かに」
商人「例えば弓の場合、突き詰めて言えば狙って当てる、それだけですよね。そこが面白いところでもあるとは思うんですけど」
勇者「うん」
商人「剣の場合は基本的な攻撃動作だけでもその軌道は様々ですし、更には敵の攻撃を捌いたり、間合いを詰めたり離したり」
勇者「うんうん」
商人「槍とかと比べてもリーチが短い分、使い手の技量の比重が高くなる傾向がありますよね。そこに魅力を感じます」
魔法使い「ここは前に書庫にしてた部屋ね」
商人「今はわたしの趣味の部屋にさせてもらってます」
僧侶「わあ、武器がいっぱいあるねっ」
商人「あくまでも個人的な趣味ですから、実用性があるかどうかは怪しいものですけどね」
勇者「いろいろあるけど、剣が多いな」
商人「ええ、武器なら何でも好きですけど、中でも特に剣が好きですね」
勇者「なんで剣が好きなの?」
商人「特に深い理由は無いですけど、強いて言えば、技が多彩なところですかね」
勇者「まあ確かに」
商人「例えば弓の場合、突き詰めて言えば狙って当てる、それだけですよね。そこが面白いところでもあるとは思うんですけど」
勇者「うん」
商人「剣の場合は基本的な攻撃動作だけでもその軌道は様々ですし、更には敵の攻撃を捌いたり、間合いを詰めたり離したり」
勇者「うんうん」
商人「槍とかと比べてもリーチが短い分、使い手の技量の比重が高くなる傾向がありますよね。そこに魅力を感じます」
勇者「なるほど」
商人「なんて、素人が本物の剣士さんを相手に語っちゃって恥ずかしいですね。“神に説教”って感じですか」
勇者「いや、俺も剣士であることに多少の誇りは持ってるから、そんな風に言ってもらえるのは嬉しいよ」
商人「そうですか。よかったです」
魔法使い「使い手の優劣に因るところが大きいのがいいと言うなら、武器を持つことすら不要な魔法使いに勝るものはないけどね」
商人「それはそうですけど、わたしの趣味は武器を作ることなので、その範疇での好みに理由付けするなら、ということです」
僧侶「あっ、この剣、面白いねっ。持つところがすごく長いよ」
商人「ああ、それは長巻ですね」
勇者「長巻?」
商人「ええ。遠い過去の時代に、異世界で使われていた武器です。これは古い文献を基に再現したレプリカです」
勇者「へえ、異世界の武器か」
商人「はるか遠い昔、今よりも魔法の研究が盛んだった時代には、異世界への扉を開く魔法もあったという話はご存知ですか?」
勇者「うん。俺の爺さんも異世界の武器を使ったことあるって言ってた。古いものだったからすぐ壊れちゃったらしいけど」
僧侶「でもそれで悪いやつをやっつけたんだよね、あたしたちのお爺ちゃん」
商人「? こちらの方も?」
商人「なんて、素人が本物の剣士さんを相手に語っちゃって恥ずかしいですね。“神に説教”って感じですか」
勇者「いや、俺も剣士であることに多少の誇りは持ってるから、そんな風に言ってもらえるのは嬉しいよ」
商人「そうですか。よかったです」
魔法使い「使い手の優劣に因るところが大きいのがいいと言うなら、武器を持つことすら不要な魔法使いに勝るものはないけどね」
商人「それはそうですけど、わたしの趣味は武器を作ることなので、その範疇での好みに理由付けするなら、ということです」
僧侶「あっ、この剣、面白いねっ。持つところがすごく長いよ」
商人「ああ、それは長巻ですね」
勇者「長巻?」
商人「ええ。遠い過去の時代に、異世界で使われていた武器です。これは古い文献を基に再現したレプリカです」
勇者「へえ、異世界の武器か」
商人「はるか遠い昔、今よりも魔法の研究が盛んだった時代には、異世界への扉を開く魔法もあったという話はご存知ですか?」
勇者「うん。俺の爺さんも異世界の武器を使ったことあるって言ってた。古いものだったからすぐ壊れちゃったらしいけど」
僧侶「でもそれで悪いやつをやっつけたんだよね、あたしたちのお爺ちゃん」
商人「? こちらの方も?」
勇者「ああ、うん、俺の従妹だよ」
商人「つまり、王女様ということになるんですかね? そうとは知らず、失礼しました」
僧侶「えへへ、今は一般人として扱ってくれていいよ~」
魔法使い「今更だけど、こんなに気軽に王子だ王女だと名乗っちゃっていいのかしらね」
勇者「なるべく隠しといた方がいいのかもな。でも商人さんはいい人そうだから大丈夫だろ」
商人「そういっていただけると光栄ですね。さて、古い文献を基に再現してみた武器は他にもありまして」
勇者「それが件の弓ってこと?」
商人「はい、正解です。ですからわたしが発明したわけではありません。では、こちらのドアから次の部屋へどうぞ」
魔法使い「そこは倉庫にしていた広い部屋ね」
商人「先程は剣と比べると面白味に欠けるような言い方しちゃいましたけど、弓は弓で面白いんですよね。これがそうです」
狩人「変な弓」
勇者「……あ、これ滑車か」
商人「はい。偏芯滑車を使った高性能な弓です。コンパウンドボウといいます。先程の長巻よりかなり後の時代のものですね」
魔法使い「随分と複雑な構造ね。こんなの実戦で使えるの?」
商人「仰る通り、複雑すぎて耐久性や整備性、量産性に欠けるので、弓兵の制式装備にできるようなものではないと思います」
商人「つまり、王女様ということになるんですかね? そうとは知らず、失礼しました」
僧侶「えへへ、今は一般人として扱ってくれていいよ~」
魔法使い「今更だけど、こんなに気軽に王子だ王女だと名乗っちゃっていいのかしらね」
勇者「なるべく隠しといた方がいいのかもな。でも商人さんはいい人そうだから大丈夫だろ」
商人「そういっていただけると光栄ですね。さて、古い文献を基に再現してみた武器は他にもありまして」
勇者「それが件の弓ってこと?」
商人「はい、正解です。ですからわたしが発明したわけではありません。では、こちらのドアから次の部屋へどうぞ」
魔法使い「そこは倉庫にしていた広い部屋ね」
商人「先程は剣と比べると面白味に欠けるような言い方しちゃいましたけど、弓は弓で面白いんですよね。これがそうです」
狩人「変な弓」
勇者「……あ、これ滑車か」
商人「はい。偏芯滑車を使った高性能な弓です。コンパウンドボウといいます。先程の長巻よりかなり後の時代のものですね」
魔法使い「随分と複雑な構造ね。こんなの実戦で使えるの?」
商人「仰る通り、複雑すぎて耐久性や整備性、量産性に欠けるので、弓兵の制式装備にできるようなものではないと思います」
勇者「冒険者の個人的な装備としては?」
商人「どうですかね。ちょっと重すぎるような気もしますけど、使えないこともないんじゃないですか」
狩人「射てみてもいい?」
商人「いいですよ。試射用の巻藁がそこにありますから、どうぞ」
狩人「まず自分の弓で」ビシュッ ズバーン!
勇者「うお、巻藁を貫通して後ろの板に刺さっちまった」
商人「ああ、その板は矢が逸れても壁を傷つけないようにと置いたものですからご心配なく」
狩人「次はこっちの変な弓で」ビシュッ ズボッ!
勇者「貫通はしなかったな。巻藁に完全に潜り込んだくらいか」
僧侶「反対側から矢のさきっちょが飛び出してるよ。狩人ちゃんの程じゃないけどけっこうすごいねっ」
商人「わたしでもなんとか引ける程度に作ってありますからね。まあそんなもんです」
勇者「ふーん。狩人ちゃん、どうだった?」
狩人「すっごい楽」
勇者「へえ。まあ狩人ちゃんの力なら大抵の弓は楽なんだろうけど」
狩人「違う。引いたときの感覚が普通の弓とはあきらかに別物。これなら力が無くても扱える筈」
商人「どうですかね。ちょっと重すぎるような気もしますけど、使えないこともないんじゃないですか」
狩人「射てみてもいい?」
商人「いいですよ。試射用の巻藁がそこにありますから、どうぞ」
狩人「まず自分の弓で」ビシュッ ズバーン!
勇者「うお、巻藁を貫通して後ろの板に刺さっちまった」
商人「ああ、その板は矢が逸れても壁を傷つけないようにと置いたものですからご心配なく」
狩人「次はこっちの変な弓で」ビシュッ ズボッ!
勇者「貫通はしなかったな。巻藁に完全に潜り込んだくらいか」
僧侶「反対側から矢のさきっちょが飛び出してるよ。狩人ちゃんの程じゃないけどけっこうすごいねっ」
商人「わたしでもなんとか引ける程度に作ってありますからね。まあそんなもんです」
勇者「ふーん。狩人ちゃん、どうだった?」
狩人「すっごい楽」
勇者「へえ。まあ狩人ちゃんの力なら大抵の弓は楽なんだろうけど」
狩人「違う。引いたときの感覚が普通の弓とはあきらかに別物。これなら力が無くても扱える筈」
魔法使い「面白そうね。あたしでも引けるかな? やってみていい?」
勇者「やめたといた方がいいぞ。魔法使いちゃんじゃどこに矢が飛んでくかわからん」
魔法使い「うるさいわね。矢は番えないで引いてみるだけよ。それならあたしにもできるでしょ?」
狩人「たぶん」
魔法使い「じゃあ、ちょっと貸して。よいしょっ……んっ……」
勇者「引けてないじゃん」
魔法使い「うるさ……んふっ……んぎいいっ……」
僧侶「魔法使いちゃんがんばれー」
魔法使い「んふううっ! んほおおおおっ!」
勇者「力みすぎてうんこ漏らすなよ」
魔法使い「はぁ、はぁ、はぁ……無理だわこれ」
狩人「思った以上に力が無かった」
商人「引き始めの重いところを過ぎれば楽なんですけどねえ、これ」
魔法使い「ふん。弓なんか引けなくてもいいのよあたしは。魔法の方がずっと強いんだから、こんなのいらないわ」
勇者「逆切れすんなよ。ま、俺なら充分使えそうだな。なあ商人さん、この弓、譲ってもらえないか?」
勇者「やめたといた方がいいぞ。魔法使いちゃんじゃどこに矢が飛んでくかわからん」
魔法使い「うるさいわね。矢は番えないで引いてみるだけよ。それならあたしにもできるでしょ?」
狩人「たぶん」
魔法使い「じゃあ、ちょっと貸して。よいしょっ……んっ……」
勇者「引けてないじゃん」
魔法使い「うるさ……んふっ……んぎいいっ……」
僧侶「魔法使いちゃんがんばれー」
魔法使い「んふううっ! んほおおおおっ!」
勇者「力みすぎてうんこ漏らすなよ」
魔法使い「はぁ、はぁ、はぁ……無理だわこれ」
狩人「思った以上に力が無かった」
商人「引き始めの重いところを過ぎれば楽なんですけどねえ、これ」
魔法使い「ふん。弓なんか引けなくてもいいのよあたしは。魔法の方がずっと強いんだから、こんなのいらないわ」
勇者「逆切れすんなよ。ま、俺なら充分使えそうだな。なあ商人さん、この弓、譲ってもらえないか?」
商人「んー、いいですけど、趣味で作っただけですから、あまり耐久性はないと思いますよ」
勇者「そっか。まあ壊れたら壊れたでいいや。この旅の間だけでももてば練習にはなるだろうし。商人さん、ありがとう」
商人「いや、ただでお譲りするとは言ってませんよ?」
勇者「ああうん、もちろん代金は払うよ。いくら出せばいいんだ?」
商人「そうですねえ、これは別にお金儲けのために作ったわけでもないですし、500Gほどいただければ」
魔法使い「そんなもんでいいの? 珍しいものなのに、随分安いわね」
商人「安いですか。じゃあ5000Gで」
勇者「ちょっ、余計なこと言うなよ! 高くなっちゃったじゃん!」
魔法使い「えっ? あ、ご、ごめん」
商人「いや、冗談ですよ?」
勇者「なんだ冗談か。よかった」
魔法使い「ちょっとやめてよ、本気にしちゃったじゃない」
商人「ふふっ、魔法使いさんってなんだか可愛いですね」
勇者「そうなんだよ。こう見えても意外と根は素直でいい子でさ」
魔法使い「褒められてる気がしないわ」
勇者「そっか。まあ壊れたら壊れたでいいや。この旅の間だけでももてば練習にはなるだろうし。商人さん、ありがとう」
商人「いや、ただでお譲りするとは言ってませんよ?」
勇者「ああうん、もちろん代金は払うよ。いくら出せばいいんだ?」
商人「そうですねえ、これは別にお金儲けのために作ったわけでもないですし、500Gほどいただければ」
魔法使い「そんなもんでいいの? 珍しいものなのに、随分安いわね」
商人「安いですか。じゃあ5000Gで」
勇者「ちょっ、余計なこと言うなよ! 高くなっちゃったじゃん!」
魔法使い「えっ? あ、ご、ごめん」
商人「いや、冗談ですよ?」
勇者「なんだ冗談か。よかった」
魔法使い「ちょっとやめてよ、本気にしちゃったじゃない」
商人「ふふっ、魔法使いさんってなんだか可愛いですね」
勇者「そうなんだよ。こう見えても意外と根は素直でいい子でさ」
魔法使い「褒められてる気がしないわ」
僧侶「これで勇者くんも遠距離攻撃ができるようになって戦力アップだねっ」
勇者「まだこれから練習しなきゃだけどな」
魔法使い「上手くなるまでは今まで通り狩人ちゃんとあたしを主戦力にすればいいわ」
勇者「よし、じゃあ、弓も手に入れたことだし」
狩人「わたしもそれ欲しい」
勇者「えっ」
商人「ひとつしか無いですよそれ」
勇者「えっと、じゃあ交換してやろうか?」
魔法使い「あんたのために使いやすい弓を求めて来たのに、それじゃ意味無いでしょ」
勇者「そっか、そうだな。悪いけど我慢してくれ」
狩人「わかった」
商人「時間がかかってもいいならもうひとつ作ってもいいんですけどね」
勇者「そうしてもらおうかな」
商人「でも熟練した人が使うのならシンプルな構造の武器の方が信頼性が高くて使い勝手がいいかもです」
狩人「わかった。わたしはこれでいい」
勇者「まだこれから練習しなきゃだけどな」
魔法使い「上手くなるまでは今まで通り狩人ちゃんとあたしを主戦力にすればいいわ」
勇者「よし、じゃあ、弓も手に入れたことだし」
狩人「わたしもそれ欲しい」
勇者「えっ」
商人「ひとつしか無いですよそれ」
勇者「えっと、じゃあ交換してやろうか?」
魔法使い「あんたのために使いやすい弓を求めて来たのに、それじゃ意味無いでしょ」
勇者「そっか、そうだな。悪いけど我慢してくれ」
狩人「わかった」
商人「時間がかかってもいいならもうひとつ作ってもいいんですけどね」
勇者「そうしてもらおうかな」
商人「でも熟練した人が使うのならシンプルな構造の武器の方が信頼性が高くて使い勝手がいいかもです」
狩人「わかった。わたしはこれでいい」
勇者「狩人ちゃんも素直でいい子だな。それにたまに見せる笑顔も素敵だし意外にお茶目なところも可愛らしいな」
狩人「照れる」
魔法使い「あたしより褒め言葉が多いわ」
勇者「じゃあそろそろ行くか」
僧侶「その前に商人さんにも聞いておこうよ」
勇者「ああそうか。商人さん、最近怪しいやつを見かけたとか、何か変わったことはなかった?」
商人「怪しい人ですか。確かに最近、そういう話は聞きますね。村の外から来てるみたいです」
勇者「どの辺りから来てるかわかる?」
商人「そこまでは。でも軽装らしいので、そう遠くではないようです。どこかに隠れ家でもあるんじゃないですか」
勇者「ふむ……方角だけでもわかればな」
商人「お役に立てなくてすみませんね」
勇者「いや全然そんなことは。来てよかったよ。いろいろありがとう」
商人「いえいえ、わたしも久しぶりに趣味について語りあえて楽しかったですよ。またいつでも遊びにいらしてください」
僧侶「うん、また今度スイカ食べに来るねっ」
商人「いえ、そういつもスイカがあるわけじゃないです。まあその時あるものを何かしらお出ししますけど」
狩人「照れる」
魔法使い「あたしより褒め言葉が多いわ」
勇者「じゃあそろそろ行くか」
僧侶「その前に商人さんにも聞いておこうよ」
勇者「ああそうか。商人さん、最近怪しいやつを見かけたとか、何か変わったことはなかった?」
商人「怪しい人ですか。確かに最近、そういう話は聞きますね。村の外から来てるみたいです」
勇者「どの辺りから来てるかわかる?」
商人「そこまでは。でも軽装らしいので、そう遠くではないようです。どこかに隠れ家でもあるんじゃないですか」
勇者「ふむ……方角だけでもわかればな」
商人「お役に立てなくてすみませんね」
勇者「いや全然そんなことは。来てよかったよ。いろいろありがとう」
商人「いえいえ、わたしも久しぶりに趣味について語りあえて楽しかったですよ。またいつでも遊びにいらしてください」
僧侶「うん、また今度スイカ食べに来るねっ」
商人「いえ、そういつもスイカがあるわけじゃないです。まあその時あるものを何かしらお出ししますけど」
勇者「商人さんもいい人だったな。この村はいい人ばかりだ」
魔法使い「あたしも含めてね」
僧侶「でも外から悪い人が来てるんだよね……」
勇者「どうしよう、手分けして聞き込みでもするか」
魔法使い「あんたの弓の練習は?」
勇者「それもしなきゃいけないんだけどな」
魔法使い「あんたは狩人ちゃんと弓の練習してれば? ここはあたしの地元だし、聞き込みは僧侶ちゃんと2人でもできるわ」
勇者「いいのか? 2人だけだと危ないかも」
魔法使い「あたしも僧侶ちゃんも強いから平気よ。むしろ狩人ちゃんをあんたと2人きりにする方が危険かもね」
勇者「別に変なことはしないよ。嫌われたくないもん」
狩人「わたしの方がするかもしれない」
勇者「大歓迎です」
魔法使い「狩人ちゃんも変な冗談はやめなさい。悪い影響受けてるんじゃないの?」
勇者「人は人と影響を受けあって成長していくものさ」
魔法使い「悪影響じゃ意味無いけどね。じゃ、夕方にまたこの場所で落ち合うわよ」
魔法使い「あたしも含めてね」
僧侶「でも外から悪い人が来てるんだよね……」
勇者「どうしよう、手分けして聞き込みでもするか」
魔法使い「あんたの弓の練習は?」
勇者「それもしなきゃいけないんだけどな」
魔法使い「あんたは狩人ちゃんと弓の練習してれば? ここはあたしの地元だし、聞き込みは僧侶ちゃんと2人でもできるわ」
勇者「いいのか? 2人だけだと危ないかも」
魔法使い「あたしも僧侶ちゃんも強いから平気よ。むしろ狩人ちゃんをあんたと2人きりにする方が危険かもね」
勇者「別に変なことはしないよ。嫌われたくないもん」
狩人「わたしの方がするかもしれない」
勇者「大歓迎です」
魔法使い「狩人ちゃんも変な冗談はやめなさい。悪い影響受けてるんじゃないの?」
勇者「人は人と影響を受けあって成長していくものさ」
魔法使い「悪影響じゃ意味無いけどね。じゃ、夕方にまたこの場所で落ち合うわよ」
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