私的良スレ書庫
不明な単語は2ch用語を / 要望・削除依頼は掲示板へ。不適切な画像報告もこちらへどうぞ。 / 管理情報はtwitterでログインするとレス評価できます。 登録ユーザには一部の画像が表示されますので、問題のある画像や記述を含むレスに「禁」ボタンを押してください。
VIP以外のSS書庫はSS+をご利用ください。
元スレ菫「銀の竜の背に乗って」

みんなの評価 : ★
レスフィルター : (試験中)
ツンツン
――あの……生きてますか?
ツンツン
――どうしよう、ほっといたら狼に襲われちゃうし……
ペロ
菫「っ……?」
「目……覚めました?」
菫「うあっ」
尭深「ひあっ」ズサ
ペロペロ
菫「ここは……? なんだこいつ、羊?」
尭深「はい、うちの子たちです。ごめんなさい、お顔が汚れてしまったようで」フキフキ
菫「えっと、渋谷……?」
尭深「……? 以前どこかでお会いしましたか?」
菫「お前、何言ってんだ。!!っ、いつつ……。どこだここ?」
尭深「オクタマーの森です。もしかして記憶が……」
菫「ちょっと待て。なんだか話が見えてこないぞ。私はなぜこんなところにいる?」
尭深「それは私に聞かれましても」
菫「???」
尭深「珍しい格好ですね。外国からのお客様ですか?」
菫「いや……お前と同じ高校の制服なのだが……。ん?」
菫(こいつこそ中世の牛飼いのような服装だ)
菫「渋谷。冗談はやめろ。このイタズラの黒幕は誰だ? 淡、照のどちらだ」
尭深「な、なぜそこで王の名が……」ドサリ
菫「王? そういう遊びなのか?」
尭深「こないで……私は何も見てない何も聞いてないっ!」
菫「お、おい」
菫「これイタズラじゃないのか?」
尭深「そんな大それたことできません……! その上王の名を語るなど、」
菫(周りを見る限り、どこぞの山道)
菫(私の前に沢山の羊と犬笛を首にかけた渋谷。似合ってるな)
菫(やりすぎ、というより異常だ)
菫(……夢?)
菫「……」ホッペムニー
菫「痛い」ナミダメ
尭深「あの……じゃあ私はこれで、」ガシ
菫「待て」
尭深「ひ」
菫「落ち着け。……少し記憶が飛んでしまっててな。もしよければだが、私を連れて行ってくれないか?」
尭深「」ポー
尭深「あ、あ、はいっ。こんな私でよければ」モジモジ
菫(ここ、日本だよな……杉とかいっぱい生えてるし)
菫(しかし、道がてんで舗装されてない。奥多摩にもこんなところが、)
尭深「あの」
菫「ん?」
尭深「お名前、お教えしてもらっても」
菫「……」
尭深「ももも申し訳ありませんっ、立場をわきまえず失礼なことを」
菫「弘世菫だ」
尭深「菫様……?」
菫「……」ムズムズ
菫「さん付けでいいよ。別に私は差別主義者じゃないし」
尭深「ありがとうございます! 私、渋谷尭深っていいますっ」パァー
菫「お前そんなキャラだったか」
尭深「え? ――あ、ご存知でしたよね。失礼しました」
菫(かわいいなこいつ)
菫(しかし、道がてんで舗装されてない。奥多摩にもこんなところが、)
尭深「あの」
菫「ん?」
尭深「お名前、お教えしてもらっても」
菫「……」
尭深「ももも申し訳ありませんっ、立場をわきまえず失礼なことを」
菫「弘世菫だ」
尭深「菫様……?」
菫「……」ムズムズ
菫「さん付けでいいよ。別に私は差別主義者じゃないし」
尭深「ありがとうございます! 私、渋谷尭深っていいますっ」パァー
菫「お前そんなキャラだったか」
尭深「え? ――あ、ご存知でしたよね。失礼しました」
菫(かわいいなこいつ)
「ワンワン」
尭深「ん? どうしたのセーコ」
セーコ「ワン!」
菫「その犬セーコっていうのか」
尭深「はい。私の相棒です」
セーコ「クゥン」
尭深「ごめん、どうしたの」
セーコ「ワンワン!」
尭深「へ?」
菫「言葉わかるのか?」
尭深「菫さん、少し急ぎます」グイ
菫「え? わああっ」
ダダダダダ…
???「ふぅーむ、なるほどなるほど~」
尭深「ん? どうしたのセーコ」
セーコ「ワン!」
菫「その犬セーコっていうのか」
尭深「はい。私の相棒です」
セーコ「クゥン」
尭深「ごめん、どうしたの」
セーコ「ワンワン!」
尭深「へ?」
菫「言葉わかるのか?」
尭深「菫さん、少し急ぎます」グイ
菫「え? わああっ」
ダダダダダ…
???「ふぅーむ、なるほどなるほど~」
菫「どうしたんだいきなり!」
尭深「今は走ってください」
菫「……っ」
尭深「本当に何も知らないんですか?」
菫「何が」
尭深「いえ、……」
セーコ「バウ!」
ゴオオオオオオオオ
菫「なんだこの風きり音――」
尭深「うそ、なんで、」
菫「あれは、……竜?」
尭深「伏せてくださいっ!」
クロチャー「がおーがおー」ヒュン
菫「うあ」ドサッ
クロチャー「あら? よけられちゃいました」バサバサ
菫「なんだあの、竜、本物?」カタカタ
尭深「っ……、菫さん」
菫「夢だ、これは絶対ぜったい夢だ」
尭深「菫さん、気をしっかりしてください」パシン
菫「夢じゃ、」
尭深「私が時間を稼ぎます。菫さんは逃げてください」
菫「逃げる? 馬鹿言うな。こいつの早さを見たろ。人間の足じゃ無理だ」
尭深「それでもっ! 今は私に任せてください!」
クロチャー「ちょいとおもちのお嬢さん。私は君には興味ないよ。私の目的は後ろのすっこんでるあなた」
菫「わ、私?」
クロチャー「うん。あなた、嘘つきだから殺すね」
菫「何を言って」
尭深「早くっ!!」
ガサガサ
菫「なんで、私が、何をしたって言うんだ」ハァハァ
菫「竜って、ファンタジーかよ、クソッ」
ゴオオオオ
菫「まただ」
菫「だけど、これだけ木が密集してれば、入っ」
クロチャー「ふぁいあーっ」ボボボボボボ
メキメキメキ
菫「」
クロチャー「観念するのですっ」ガシリ
菫「あっ」
クロチャー「安心してください。さっきの子には手を出していません。だから、」
クロチャー「八つ裂きがいいですか? 消し炭がいいですか? それとも丸呑み? 選んでください」
菫「い、や、助けて、」ポロポロ
クロチャー「……」
クロチャー「泣き虫」
クロチャー「私はあなたを尊敬していた」
クロチャー「毅然としていて、戦場で死を間近にしても眉一つ動かさなかった」
クロチャー「だからおねえちゃんとの交遊を認めたのに」
菫「おねえちゃん……?」
クロチャー「信じてたのに。菫ちゃんは絶対に裏切らないと思ってた」
菫「勘違いしてる」
クロチャー「あ?」
菫「私は、竜に知り合いなんていない」
クロチャー「……っ」
クロチャー「うそつきうそつき! 私からおねえちゃんを奪っておいて、よくもそんなこと言えるよ!」ガオー
クロチャー「私のたった一人のお姉ちゃんなのに!」
>>37
野 田 内 閣
野 田 内 閣
菫「……」
菫(この感じ、どこかで……)
菫「姉……宥?」
クロチャー「やっぱり知ってるじゃんかあっ」
菫「宥は竜じゃない」
クロチャー「はあ?」
菫「宥は旅館の娘で、仲のいい妹と暮らしている普通の女の子だ」
クロチャー「へえ……お姉ちゃんを馬鹿にするんだ」
菫「馬鹿になんてしてない」
クロチャー「私達はね、プライドが高いんだよ。別に悪いことだと思ってない。人間と同列なんて虫唾が走る」
クロチャー「だからお姉ちゃんがただの人間だなんて侮辱、許さない」
菫「そうか……わかった」
菫「私は、この世界の住人じゃないんだ」
クロチャー「また意味わかんないこと言って。そんなことで誤魔化しても許してあげない」
菫「……変わらないことがある」
菫「私は宥が好きだ」
クロチャー「っ、」
クロチャー「それが最後の言葉?」
菫「もし、宥に伝えられるなら、『好きでした』って伝えて欲しい」
クロチャー「――きない、」
クロチャー「それができないんだよ! お姉ちゃんが捕まって、菫ちゃんが助けてくれると思って、」
クロチャー「出発の日にっ、菫ちゃんいなくなっちゃってっ、ひっく、いっぱいさがじだのにっ」ボロボロ
クロチャー「お゛ね゛え゛ぢゃあ゛あ゛あ゛ん゛ あ゛い゛だい゛よ゛お゛お゛お゛」
菫「!!、うるさっ」
クロチャー「うわぁああああああん」ボボボボボ
菫「うわっ! 火を吐くな!」
菫「私は、この世界の住人じゃないんだ」
クロチャー「また意味わかんないこと言って。そんなことで誤魔化しても許してあげない」
菫「……変わらないことがある」
菫「私は宥が好きだ」
クロチャー「っ、」
クロチャー「それが最後の言葉?」
菫「もし、宥に伝えられるなら、『好きでした』って伝えて欲しい」
クロチャー「――きない、」
クロチャー「それができないんだよ! お姉ちゃんが捕まって、菫ちゃんが助けてくれると思って、」
クロチャー「出発の日にっ、菫ちゃんいなくなっちゃってっ、ひっく、いっぱいさがじだのにっ」ボロボロ
クロチャー「お゛ね゛え゛ぢゃあ゛あ゛あ゛ん゛ あ゛い゛だい゛よ゛お゛お゛お゛」
菫「!!、うるさっ」
クロチャー「うわぁああああああん」ボボボボボ
菫「うわっ! 火を吐くな!」
・
・
・
菫「落ち着いた?」
クロチャー「うん」スンスン
菫「とりあえず降ろしてくれないか? この体勢つらいんだ」
クロチャー「誓ってくれる?」
菫「誓うって?」
クロチャー「この世界の住人じゃないってこと。嘘じゃないなら、誓えるよね」
菫「ああ。けど私には、いっさいそれを証明するものがない」
クロチャー「私の目を見て誓ってくれれば信じる」
菫「わかった……」ジッ
菫「私は嘘をついてない。この世界とは、」
菫「……」
菫(本当に無関係だろうか)
クロチャー「……菫ちゃん?」
・
・
菫「落ち着いた?」
クロチャー「うん」スンスン
菫「とりあえず降ろしてくれないか? この体勢つらいんだ」
クロチャー「誓ってくれる?」
菫「誓うって?」
クロチャー「この世界の住人じゃないってこと。嘘じゃないなら、誓えるよね」
菫「ああ。けど私には、いっさいそれを証明するものがない」
クロチャー「私の目を見て誓ってくれれば信じる」
菫「わかった……」ジッ
菫「私は嘘をついてない。この世界とは、」
菫「……」
菫(本当に無関係だろうか)
クロチャー「……菫ちゃん?」
菫(信じたくは無いが何かの間違いで違う世界に来てしまったようだ)
菫(絵に描いたようなファンタジーの世界)
菫(しかしながら、元いたところと少なからずリンクしている)
菫(そして『この世界』にも弘世菫がいたのだ。間違いない)
菫「……」
菫(宥が――捕まった……?)
菫「……」
菫「……」
菫「宥は連れ攫われてどのくらい経つ?」
クロチャー「二週間、だよ」
菫「そうか」
菫(この世界でも宥は宥)
菫(この竜、たぶん玄さんだろうが、大事な姉を攫われたんだ。狂乱してもおかしくない)
菫「私に協力できることはあるか?」
クロチャー「!! 手伝ってくれるの?」
菫「ここの私がそう約束したのだろう?」
クロチャー「そうだけど……。あなたは関係ないよ」
菫「反故にするのは、もし元の私が戻ってきたときによろしくない。それに宥を助けだすのに理由はいらない」
クロチャー「すみれちゃ~」ウルウル
菫「また泣き出すのは勘弁してくれ」
クロチャー「う、うん。さっきはごめんね」
菫(『もし』かあ、自分で言ってて悲しくなるな)
類似してるかもしれないスレッド
- 菫「やってしまった…」 (173) - [47%] - 2012/11/17 12:30 ☆
- 姫「私はあなたが欲しい」 (1001) - [47%] - 2011/5/25 3:15 ★★★×6
- 兄「妹のデレが来ない」 (1001) - [44%] - 2009/3/30 0:01 ★★★
- 唯「変な線と点が見える」 (290) - [44%] - 2011/11/26 19:45 ☆
- 許嫁「好きって十回言って」 (638) - [43%] - 2011/12/31 0:30 ★★★
- 照「咲に悪い虫がついてた」 (773) - [43%] - 2012/8/14 16:30 ★
トップメニューへ / →のくす牧場書庫について