のくす牧場
コンテンツ
牧場内検索
カウンタ
総計:127,057,118人
昨日:no data人
今日:
最近の注目
人気の最安値情報
    VIP以外のSS書庫はSS+をご利用ください。

    元スレ幼女「にーさん」

    SS覧 / PC版 /
    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 :
    タグ : 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
    ←前へ 1 2 3 4 5 6 次へ→ / 要望・削除依頼は掲示板へ / 管理情報はtwitter

    201 = 4 :

    202 = 1 :

    「田中さん、って」

    「いつも、おちゃらけてた方です……」

    「肺ガンを患っていたんですが、発見が遅かったせいか治療が間に合わなくて、それで……」

    「……あの人」

    (ガンに掛かってたのか……)



    「すみません。少しだけ落ち着いてきました」

    「田中さん、そんな風には見えなかったんだけどね」

    「……どの患者さんもそうなんです」

    「どんなに重い病気を背負ってても、いつでも明るい方ばかりなんですよ」

    「もちろんそういう仕事だから、割り切って考えなきゃいけない場面もあるんですけど……」

    「……あるん、ですけど」

    「……」

    「俺さ、最初にあの人と会った時に随分と話し込んでたんだ。それでね、幼ちゃんに大分お世話になったからって、伝えたがってたよ」

    「ありがとう、って」

    203 = 1 :

    「……」

    「幼ちゃんの笑顔に救われたんだって」

    「だから笑顔でいてあげよう。じゃないと、またお尻を触りに来るかもしれないよ」

    「……もう一度くらいなら、許してあげようと思ってました」

    「あはは、その言葉を聞いたら喜んで飛びついてくるだろうね」

    「……男さん、」

    「男さんは、大丈夫ですよね?」



    「……大丈夫だよ、たぶん」

    「たぶんじゃダメなんです! お願いです、お願いですから男さんは元気でいてください……!」

    「お願いします、お願いします……!」

    「……」

    (俺だってまだ生きていたいけど、参ったな)

    (最近、足が動かし辛くなってきたばかりで、歩くのも難しくなってきて……)

    (……せめて幼ちゃんに辛い思いはさせたくない。せめて──)

    204 = 4 :

    Oh...

    205 = 26 :

    おいおい、まじかよ……

    206 = 14 :

    足が動かしにくい?
    骨肉腫?

    207 :

    看護師なら病状把握してないといかんだろ

    208 = 1 :

       ───

    「──男さん」

    「やあ、幼ちゃん」

    「……今日のお食事です」

    「いつもありがとう。よいしょっと」

    「……あの、やっぱりわたしが」

    「ううん、いいよ。リハビリにもなるからね」

    「……辛かったらいつでも言ってください」

    「わたしはあなたの手足にだってなることも出来るんですから」

    「ありがとう、ごめんね」

    「……いえ」

    「ところで、箸を持つ方の手ってどっちだっけ?」

    「……普通は、右手ですよ」

    (……じゃあ左手を使わないと。どっちがまともに箸を持てる手かもわからなくなってきたな)

    (左右がわからなかった昔の幼ちゃんに土下座をしに行くレベルだ)

    209 = 110 :

    ただの運動不足であることを祈る

    210 = 43 :

    これはまずい流れ

    211 = 14 :

    俺の涙腺がすごいことになってるのはこのスレのせいなのかClannad見直してるからなのか

    212 :

    アカン

    213 = 1 :

    「美味しいですか?」

    「うん、それなりに。味が控えめで食べやすいね」

    (本当は味なんかも、もうわからない)

    「……今日は、塩分が多めのはずですが」

    「……じゃあ、俺の味覚が変なんだ、はは」

    「……」

    「────男さんっ!」

    「イヤです、もう絶対に離れたくありません!」

    「退院したら、お付き合いするんですよ。その後はあの時みたいに二人っきりで過ごすんです」

    「外に行くことが少なかったから、いろんな所に行きましょう。たくさん写真を撮って、たくさん思い出を作って」

    「結婚もすぐに済ませたいですよね。誰が何と言おうとも、わたしは男さんのお嫁さんになるんですから」

    「子供は二人くらいがちょうどいいと思います。男の子と女の子を産んで、四人で幸せな家庭を築きましょう」

    「老後もずっと一緒です。愛に年齢も、年の差も関係ありません。そして一緒に逝くんです、寄り添いながら」

    「ほら、ほら、人生設計はバッチリでしょう。男さん、男さんっ、だからお願い、一生のお願い、生きて、お願いっ、生きてっ……」

    (……幼ちゃん)

    215 = 18 :

    誰が序盤からこゆな流れになることが予想できただろうか

    ↓書籍化決定のAA

    216 = 1 :

    「……幼ちゃんにさ、退院したら渡そうと思ってた物がある」

    「今の俺じゃ買いに行けなかったから、親戚に頼んで代わりに買いに行ってもらったんだけど」

    「その、買った物はね、俺の家に置いてあるんだ」

    「……」

    「場所は変わってない。約束通り、あれから俺は引っ越してないよ」

    「それでね、あの時に渡したスペアの合い鍵、まだ持ってるかな」

    「……大事に、保管してありますよ」

    「よかった。じゃあよく聞いて、もしも俺が──」



    「──たら、幼ちゃんが取りに行ってきてほしいんだ。たぶん、お絵描きする時とかに使ってた机に置いてあるはずだから」

    「……どうして」

    「どうしてそんなこと、言うんですか……」

    「やだ……やだよ」

    「……いやだ……」

    「……ごめんね」

    217 = 192 :

    国語偏差値68の俺には分かる
    男は死ぬ

    219 = 176 :

    国語偏差値71の俺にはさっぱりわからん

    221 = 1 :

       ───

    「……」

    (ここ、懐かしいなあ。全然変わってない)

    (お母さんとよく買い物行く時に使ってた道だけど)

    (……あの人にお使いを頼まれた時の方が、強く印象に残ってる)

    「あのっ、すみません」

    「ん、何かな?」

    「○○スーパーに行きたいんですけど、どこにあるかわからなくなっちゃって……」

    (まだあるんだ、あそこ)

    「ひょっとして、お使い中?」

    「は、はい、そうですっ」

    「偉いね、もうこの歳で……」

    「じゃあ案内してあげるから、付いてきて?」

    「……はいっ」

    (昔のわたしも、こんなことがあったっけ)

    222 :

    死なせないで

    223 = 110 :

    これ以上鬱にしないで。

    224 = 4 :

    静観

    225 = 14 :

    ヤバい、泣きそう

    226 = 1 :

    (わ、変わってない)

    「はい、ここだよ」

    「あ、ありがとうございますっ!」

    (……似てるなぁ)

    「帰り道は大丈夫?」

    「だいじょぶ……です! うんっ、だいじょぶです!」

    「……よし」

    「お使い、がんばって!」

    「はい! ありがとうございました!」

       たたたっ

    「ふふっ」

    (わたしにも、子供が出来たら……)

    (さて、わたしも行かなくちゃ)

    227 = 18 :

    家に向かったってことは既に……

    228 = 198 :

    あう…

    229 :

    「……あ」

    「こんにちは、ネコさん。あなたは日向ぼっこ中?」

    子猫「……うるさいニンゲンがやってきたにゃ」

    「今日は暖かいもんね。ふふ、気持ちよさそう」

    子猫「おかーさんが話してたニンゲンみたいだにゃ、やたら構ってくるヤツだって」

    「あの時のネコさんは元気かな……」

       なでなで

    子猫「にゃっ」

    「……昔ね、ちょうどこの場所にかわいいネコさんがいたんだよ、あなたみたいにふわふわしてて、ぷにぷにした肉球の」

    子猫「……おかーさんは言ってたにゃ、やたらとすぐボクたちに近寄ってくるから、ニンゲンはコワいんだって」

    子猫「でも、オマエはきっとコワくないニンゲンだにゃ」

    「じゃ、またね、ネコさん。暖かくも寒くもなくて、散歩日和の日にまた会えるといいね」

    子猫「……次はゴハンをもってこいよにゃ」

    230 :

    あの猫メスだったのか…

    231 :

    野良猫の平均寿命は2~3年と言われているそうな

    232 :

    「っていう夢を見たんだけどさ」

    233 = 229 :

    (──ここだ)

    (……インターホン、鳴らしてみようか)

    (誰もいないと思うけど)

       ぴん ぽーん

    (……)

    (……とても静か。家そのものが眠ってるみたいに……)

       ごそ

    (初めて使う鍵)

    (本当はずっとずっと行きたかった、来たくて来たくてたまらなかった)

    (行けば良かった、勉強のことなんて考えなければ良かった)

    (……本当に開くのかな)

    (まさか、あの人が嘘をつくはずない)

       かち

    (……開いた)

    234 :

    >>231
    たまに主みたいな息の長いの要るけどな

    236 = 229 :

    「お邪魔します」

    (……静寂って、このことね)

       すたすた

    「……」

    (変わってないけど、なんだか……)

    (あの時よりも狭くなった? ──いや、)

    「……わたしが大人になったんだ」



    (たしか、ここのタンスの、上から三番目──あった)

    「わあ、懐かしい」

    (まだ、残してくれてたんだ)

    (わたしが描いた絵や、遊び道具とか、いっぱいある)

    「ふふ、あの人の絵ばっかり」

    (……思った以上に緑色。これじゃ変に思われても仕方ないか)

    (それでも、わたしにとってはエメラルドなんだから)

    237 :

    鮮明すぎる程昔の事を覚えているのには違和感あり。











    だがいい。

    238 :

    やっと追いついた

    239 = 229 :

       かた

    「……? あっ」

    (写真立て? いつの間に──)

    「……」

    (小さい頃のわたしと、あの人がピースしてる写真)

    (そうだ、引っ越しする直前に、お母さんに撮ってもらった写真だ)

    (……こんな、昔の……)

       ふるふる

    (ダメ、泣いちゃダメ。わたしは大人だから、)

    (我慢が出来る強い子だって、褒められたんだから……)

    (良い子だって、あの人が……)

    (ううん、わたしはもう大人)

    「……さて」

    (お絵描きをしていた時の机──)

    240 :

    あれ?兄さんからあの人に…。

    241 = 229 :

    「……?」

    (小さな箱、きっとこれのことなんだろうけど。何か書かれてある紙が近くに置いてある)

    (……読んでいいのかな)

    『──言われた通りの品を買ってきたはずだけど、これでいい?』

    『それはそうと。ようやく結婚するんだね、おめでとう』

    『まだ詳しいことは全然聞いてないけど、上手く渡せるといいね!』

    『がんばれ、応援してるよ!』

    (……例の“親戚さん”らしい)

    (それにしても──)

    (何となく、見たことのある箱)

    (……ドキドキが止まらない)

    (ねえ、開けてもいいんですか?)

    (これを開けてしまったら、わたし、きっと……)

    (……いえ、開けますね)

    (あなたがくれたものですから、後悔はしません──)

    242 = 229 :

    「……」

    「……──」

    (鮮やかで、淡い、それでいてとても綺麗な、緑)

    (吸い込まれて溶けてしまいそうな、優しくて幸せな色)

    (……嵌めてしまおうか)

    (……男さん、お願いします)

    (ここです、左手の薬指)

    (ふふ、左手はお茶碗を持つ方の手ですよ)

    (わたしはもう、左右の分別くらい、とっくについてるんですからね……)

       すっ

    (……サイズがぴったり)

    (男さん、わたし、今、)

    (とっても幸せですよ。ありがとうございます)

    (ありがとう……)

    (……)

    243 = 198 :

    おい…おい

    244 :

    うわああああああああ

    245 :

    これあかんやつや

    246 = 234 :

    大人だって泣いていいときぐらいあるんやで…

    247 = 229 :

    「……にーさん」

    「ね、にーさん」

    「にーさんはいつだって、わたしのにーさんでした」

    「尊敬してました、永遠の憧れでした」

    「……愛、してます。にー、さっ……」

    (嬉しいのに、凄く嬉しいのに、目が熱い)

    (頬に滑り落ちて、熱が顔全体に広がって……)

    「ぁ……」

    (……また、指を咬んでた)

    (だけど、指摘してくれる人はここにいない)

    (わたし、まだ幼いままなんだ)

    「にーさん……」

    「わたしね、もっと成長するから、もっと大人になるから……」

    「……愛したままでいてくださいね」

    「──ありがとう、にーさん」

    248 :

    おい                 おい






    おい

    249 :

    うわぁぁぁ;ω;

    250 :

    他のスレ見てないと目がやばい


    ←前へ 1 2 3 4 5 6 次へ→ / 要望・削除依頼は掲示板へ / 管理情報はtwitterで / SS一覧へ
    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 :
    タグ : 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。

    類似してるかもしれないスレッド


    トップメニューへ / →のくす牧場書庫について