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    元スレ七咲「先輩、部活やめちゃいました」

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    251 : 以下、名無しにか - 2012/10/17(水) 23:27:57.85 ID:uQIJEkEc0 (+33,+30,-252)
    ~~~~~

    「……おお」チャプ

    七咲「どうですか?」

    「うん、とっても暖かい」

    七咲「ふふっ、全身にたっぷりと浸かってくださいね」

    「お、お言葉に甘えて…肩まで入ろうかな…ふぉおおおおっ…!」ぶるぶる…

    七咲「くすっ」

    「これが本当に天然の温泉なのか…気持ちよすぎるだろう…ふへぇ~…」

    七咲「いいなぁ、私も入りたいです」

    「じゃあ、入る七咲?」

    七咲「先輩みたいに、なんでもかんでも融通は利かないんですっ」

    「それ、僕が馬鹿だって言ってない?」

    七咲「ええ、もしかしたら」

    「…やっぱり…あ、でももったいないよこれは…本当にいいや…ふぃー」
    252 : 以下、名無しにか - 2012/10/17(水) 23:31:42.44 ID:XfjJGjzR0 (-24,-12,-1)
    253 : 以下、名無しにか - 2012/10/17(水) 23:32:32.65 ID:uQIJEkEc0 (+35,+30,+0)
    七咲「………」

    「んー……ねえ、七咲」

    七咲「どうしました?」

    「塚原先輩って…放課後に会った?」

    七咲「塚原先輩、ですか? ……えーっと、今日は会ってませんね」

    「本当に? そっか、それじゃあ後で色々と報告を…」

    (怒るだろうなぁ…塚原先輩。でも、僕の覚悟はやっぱり変わらなかったんだ、ちゃんと言わなくちゃ)

    「──って、ちょっと待ってくれ!」

    七咲「はい?」

    「七咲、さっきなんていった?」

    七咲「さっきって……私も入りたいってことですか?」

    「ち、違う違う! 戻り過ぎ!」

    「塚原先輩と会ったかって、聞いたよね僕?」

    七咲「ええ、会ってませんと答えましたけど…」
    254 : 以下、名無しにか - 2012/10/17(水) 23:36:41.84 ID:uQIJEkEc0 (+35,+30,+0)
    「それって……放課後の話だよね?」

    七咲「いえ、だから今日は会ってません」

    「え?」

    七咲「塚原先輩と、今日は会ってませんよって」

    「…で、でも…先輩に聞いた時…七咲の事教えてくれたよ?」

    七咲「わ、私の事ですか? え、えっと…それは? どういうことを?」

    「他愛もないことだったけど…頑張ってるのか、元気にしてるかって…」

    七咲「…そんなことを、でも先輩」

    七咲「──私、一カ月ぐらい塚原先輩と会話してませんよ?」

    「………」

    七咲「色々とごたごたがあるらしくて、塚原先輩と会話する機会がめっぽう減ってしまって」

    七咲「だからその、橘先輩が私の事を聞いたのって…本当に最近の私のコト、なんですか?」
    256 : 以下、名無しにか - 2012/10/17(水) 23:44:32.26 ID:RidY8qdL0 (+14,+29,+0)
    いいよいいよ
    257 : 以下、名無しにか - 2012/10/17(水) 23:45:21.30 ID:uQIJEkEc0 (+35,+30,-196)
    「それは…」

    七咲「確かに会話をしてないだけで、見かけることは沢山ありましたけど…」

    七咲「…私の体調やら、頑張ってるかなんて事を知れるほど……近くに居ませんでしたけど…?」

    「………」


    『何時も通りよ、以前通り頑張ってるわ』


    「…塚原、先輩…?」


    『気になる事は当たり前じゃない、大切だった人の事を思うのに、なにが悪い事があるの?』

    『あの子は頑張ってる。誰に頼る事もなく、一人の力で頑張り続けてる』

    『───だから敢えて言わせてほしいの、ありがとうと。きみに』


    「今日に、限ったことじゃない…今までこの一ヶ月間…ずっと僕に伝えてくれたのは…?」


    『いいえ、大したものよ。尊敬しちゃうわ』
    258 : 以下、名無しにか - 2012/10/17(水) 23:51:53.57 ID:uQIJEkEc0 (+35,+30,+0)
    「………」

    七咲「…先輩?」

    「───七咲、一か月前にぐらいに…塚原先輩が何か言ってなかった?」

    七咲「一か月前、ですか……特に何もなかったような」

    七咲「あ、そういうば少し不思議な事を言っていたような…えーっと…こうだった、かな」


    七咲「───まだ終わることは出来ない、って呟いてたような…」


    「…出来ない? 終わる事が? どうしてそれが気になってるんだ七咲?」

    七咲「えっと、その……それ以来から塚原先輩と会話してない、からだと思います」

    「それが最後に塚原先輩が言った言葉だから?」

    七咲「はい、多分そうだと思いますよ」

    「……」

    七咲「あの、先輩? なにをさっきからそこまで悩んでらっしゃるんですか?」
    259 : 以下、名無しにか - 2012/10/17(水) 23:57:00.34 ID:uQIJEkEc0 (+35,+30,+0)
    「…あのさ、七咲」

    七咲「はい?」

    「あえて聞かないように、いや…
       もしかしたら聞かされてないようにされてたかもしれない、なのかな」

    七咲「…先輩?」

    「ごめん、唐突すぎるけど……七咲って、どうして骨折したの?」

    七咲「えっ……」

    「教えてくれないか、七咲」

    七咲「…その、知らなかったんですか? 今まで?」

    「うん、だってそれは…」

    (…塚原先輩が、七咲が怪我をした事を言ってくれたから知ったんだ)

    「…知る機会がなかったんだ、もちろん美也にだって聞いてなかったし」

    七咲「はぁ、凄いですね先輩…怪我の原因も知らなくて…医者になるとか言ったんですか?」

    「それは謝るよ、とにかく教えてくれないかな」
    260 : 以下、名無しにか - 2012/10/17(水) 23:58:48.94 ID:05zo/lL40 (+17,+29,-1)
    おいまさか
    261 : 以下、名無しにか - 2012/10/18(木) 00:01:36.42 ID:AoeddquB0 (+35,+30,-289)
    七咲「わかりました、そんなせっかちな先輩へ特別に教えてあげます───」


    七咲「──もとの骨折の原因は部活です、そこで折ってしまったんですよ」


    「部活…やっぱりそうだよね、一番考えられる原因だよ」

    七咲「でしょう」

    「というか僕だって、それとなく部活だろうって思ってたけど…」

    「…まあ聞きたいことはそれだけじゃなくてね、七咲」

    七咲「まだあるんですか」

    「その原因って、折るまでに至った経緯はどんな感じだったの?」

    七咲「経緯…実はちょっとよく憶えてないんですけど…えっと…」

    七咲「あれは水泳部のみんなと、ランニングに行った時でした───」
    262 : 以下、名無しにか - 2012/10/18(木) 00:03:33.39 ID:IOlE36KM0 (-24,-12,-1)
    263 : 以下、名無しにか - 2012/10/18(木) 00:08:43.75 ID:AoeddquB0 (+35,+30,-237)
     何時も通り、なにも変わらないランニングだったと思います。

    七咲「はっ…はっ…」

     私は人よりちょっと長く走るよう意識してたので、周りはだれ一人いませんでした。

    七咲「はっ…はっ…ふぅ…」

     ちょうど車が来たので足を止め、軽く息を整えようとして、そこからまた走り出そうと

     ───した所までは憶えてるんです。

    七咲「──……え……」

     気がついて目を開けたら、塚原先輩がいました。

    塚原「七咲っ…! 七咲! しっかりして、おねがい!」

     後で聞いた所によると、私は車道に飛び出して車に引かれそうになって。

     それでも間一髪避けたらしく、それから草むらへと倒れ込んで。

    ~~~~~~

    七咲「近くにあった斜面でゴロゴロって転がった所、足がぽっきり折れてしまったと」
    264 : 以下、名無しにか - 2012/10/18(木) 00:11:23.48 ID:ApH9sm1f0 (+22,+29,-3)
    これはまさか……

    ごくり
    265 : 以下、名無しにか - 2012/10/18(木) 00:14:54.98 ID:AoeddquB0 (+35,+30,+0)
    「……」

    七咲「私のせいですね、どう考えても。車道に飛び出すなんて、本当に私って……はぁ」

    「…憶えてないのに、どうしてそんな詳細を知ってるの?」

    七咲「え? それは勿論、塚原先輩が教えてくれました」

    七咲「どうやら近くまで来てたらしくて、塚原先輩ですし。足の速さは敵いません」

    「……塚原先輩が…」

    七咲「遠くから一部始終を見ていたらしく、それから警察と病院で引っ張りだこだったらしいですよ」

    「……七咲を引きそうになった車の運転手は?」

    七咲「きちんとお見舞いに来てくれてます、その…えっと…」

    「ん? あはは、いいよ。あの時の七咲は色々と複雑な気分だったんだろ?」

    七咲「…ごめんなさい、先輩がお見舞いに来てくれてた事はわかっていたのに…」

    「僕はもう気にしてないよ、あの時の七咲だって、大好きな七咲に変わりは無いから」
    266 : 以下、名無しにか - 2012/10/18(木) 00:14:56.57 ID:HN1J8MdU0 (-22,-10,-1)
    支援
    267 : 以下、名無しにか - 2012/10/18(木) 00:20:47.39 ID:89a9R1c80 (+16,+28,-1)
    私怨
    268 : 以下、名無しにか - 2012/10/18(木) 00:21:06.12 ID:2ltop1hH0 (+17,+29,-3)
    おいおい先輩…
    269 : 以下、名無しにか - 2012/10/18(木) 00:21:27.28 ID:AoeddquB0 (+35,+30,-282)
    七咲「…はい、ありがとうございます…先輩」

    「気にするなって、もう七咲は本当に…」

    「本当に……僕に……前から…付きっ切りで…」


    『──七咲の事、頼むわよ』


    「一人でずっと悩んでばっかり…………」

    七咲「それは…はい、わかってるんです」

    七咲「先輩にずっと依存してる、何て言い方はしたくないですけど」

    七咲「──でも、今回のこの骨折で…色々と知ることができました」

    七咲「歩けなくなって、不便でしたけどね…」

    七咲「…だからこそ、普段では見えなかったものを見る事が出来たんです」

    七咲「私はずっと先輩に、付きっ切りだったと」

    七咲「…頑張ることを、忘れてしまっていたと」
    270 : 以下、名無しにか - 2012/10/18(木) 00:25:34.44 ID:ApH9sm1f0 (+27,+29,-30)
    塚原先輩がいつから善人だと思っていた?
    271 : 以下、名無しにか - 2012/10/18(木) 00:27:16.06 ID:AoeddquB0 (+35,+30,-242)
    七咲「一人で出来る努力の仕方を忘れてしまっていた、だけど…もう思い出しましたから」

    七咲「もし足が治ったのなら、
       私は以前の私より…ずっと頑張り屋になってると思います」


    七咲「今まで以上に、大好きな水泳をやりきれると思ってるんです!」


    ばしゃぁ!

    七咲「え、きゃああっ!? せ、せんぱいっ…前っ!」ばばっ

    「………」ポタポタ…

    七咲「な、何を急に立ち上がってるんですかっ…!? ま、丸見えだったじゃないですかもうっ!」

    「……わかったんだ」

    七咲「え?」ちらっ

    「そういうことか……ぜんぶ、全部…あの人が…」

    「っ!」バチン!
    272 : 以下、名無しにか - 2012/10/18(木) 00:29:36.82 ID:ApH9sm1f0 (+17,+29,-15)
    クロ塚原先輩か
    273 : 以下、名無しにか - 2012/10/18(木) 00:31:47.22 ID:O6Me7CBK0 (+9,+21,+0)
    名探偵シンシ
    274 : 以下、名無しにか - 2012/10/18(木) 00:33:31.50 ID:AoeddquB0 (+35,+30,-265)
    七咲「ちょ、先輩!? 頬叩いてなにを…っ?」

    「…これはね七咲、自分の事を怒ったんだ」

    「──憶測で人を疑ったことにね、いくらなんでもそれないってさ」

    七咲「は、はあ…?」

    「だけど、それは本当の事なのかもしれない。色々と気になる事も聞いてるし…」じゃばっ

    七咲「あっ…先輩っ! 何処に行くんですか!?」

    「塚原先輩に会いに行ってくる」

    七咲「べ、別に構いませんけど……下山ルートわかるんですか?」

    「………」

    七咲「もうすぐ叔父が来ると思いますので、もう少しだけ待っててください」

    「……」

    七咲「それに……聞かせてもらいますよ、先輩が考えてること」

    七咲「全部です」
    275 : 以下、名無しにか - 2012/10/18(木) 00:35:24.01 ID:Irv7sID80 (-22,-10,-1)
    支援
    276 : 以下、名無しにか - 2012/10/18(木) 00:39:48.33 ID:AoeddquB0 (+35,+30,+0)
    ~~~~

    七咲「──着きましたね、ここでいいんですか?」

    「……七咲…その…」もじっ

    七咲「今さら恥ずかしがってもしょうがないじゃないですか…」

    「で、でもっ…!」

    七咲「叔父にだって、可愛いと言われてたじゃないですか。なら平気ですよ」

    「七咲のお、叔父さん半笑いだったよ!?」

    七咲「当たり前です、迎えに来たら先輩がいたんですから。笑うにきまってるでしょう」

    「僕ってそんなに面白いかな……ぐすんっ」

    七咲「今現在を持って、面白くないことはないですね」

    「ななさきぃ~っ…!」

    七咲「ああ、もう…しっかりしてください! これから塚原先輩に会いに行くんでしょう!」

    「だ、だけどっ…この格好はないよっ! いくらなんでも!」

    「──スカートだよ!? それにフリフリの可愛い服っ…ぐぁー!」ふりふり
    277 : 以下、名無しにか - 2012/10/18(木) 00:41:43.05 ID:2h7zfevMO (+14,+29,-15)
    塚原響鬼ちゃん
    278 : 以下、名無しにか - 2012/10/18(木) 00:42:21.18 ID:TYfBLygB0 (+25,+30,-16)
    橘さんイケメンだし女装したらそれなりになると予想
    279 : 以下、名無しにか - 2012/10/18(木) 00:44:54.66 ID:2ltop1hH0 (+28,+30,-20)
    なぜだ、橘さんの女装に違和感を感じない
    280 : 以下、名無しにか - 2012/10/18(木) 00:45:34.90 ID:AoeddquB0 (+35,+30,-259)
    七咲「叔父だって男ものの着替えを持ってるわけないじゃないですか」

    「じゃ、じゃあ僕の家に帰ってから着替えを取りに行ってもいいだろう!? 嘆いちゃうよ! 僕泣いちゃうよ!?」

    七咲「私の服がすんなり入ったことに、私は嘆きたいんですけど…」

    七咲「──というか大丈夫ですよ、ちゃんと女の子に見えますから」

    「心配してるのはそこじゃないよ七咲…」

    七咲「じゃあこれでもつけててください、可哀そうだと思ってつけませんでしたけど」

    ぽすんっ

    「…え? これって…カツラ!?」

    七咲「叔父が劇団をやってるんです。車に入ってたのを見つけて、黙って持ってきちゃいました」

    「………」

    七咲「…なんていうか、意外にそう悪くないのが……」

    「っ…うわあああああん…!」

    七咲「…はいはい、ごめんなさい先輩…」なでなで
    281 : 以下、名無しにか - 2012/10/18(木) 00:51:24.37 ID:DslBW78FI (+22,+29,-1)
    俺もなでなでされたい
    282 : 以下、名無しにか - 2012/10/18(木) 00:52:58.36 ID:AoeddquB0 (+35,+30,-225)
    「ひっく…でも、仕方ない…! これでいくしかないからね!」キリッ

    七咲「ええ、そうですよ」

    「んぐっ…はぁ、よし! とりあえず向かうの七咲───」

    「───森島先輩のところだよ!」

    七咲「え? 森島先輩、ですか?」

    「そう、少しだけ話を聞かなくちゃいけないと思うんだ…」

    「…ここ一カ月のことをね」

    七咲「わかりました、では…行きますよ学校の中に」

    「………」

    七咲「…先輩、押してくれないのなら勝手に行きますけど?」

    「…わかった、頑張る」ぐっ

    きぃきぃ…
    283 : 以下、名無しにか - 2012/10/18(木) 00:54:05.44 ID:WwQQouHw0 (+27,+29,-2)
    追いついたけど、こりゃこりゃビックリ
    284 : 以下、名無しにか - 2012/10/18(木) 00:57:23.59 ID:AoeddquB0 (+35,+30,-276)
    ~~~~

    「しつれいしまーす……」がら…

    七咲「…居るんですかね、森島先輩」

    「多分…いつも暇そうにしてるし、まだ帰ってないと思うけど…」

    「──あら、逢ちゃん?」

    七咲「あ、森島先輩」

    森島「はろー! 元気にしてた? んふふ、
       やっぱり逢ちゃんはどんな逢ちゃんでもクールで可愛いわぁ~」

    七咲「…すみません、お久しぶりです」ぺこ

    森島「いいのよ、逢ちゃんだって色々と大変だってわかってるから。それよりも…」

    「…!」

    森島「誰なの? この女の子?」

    「…え? わからないんですか?」

    森島「わお! きみって橘くんの声まね上手ね~!」
    285 : 以下、名無しにか - 2012/10/18(木) 01:01:52.61 ID:AoeddquB0 (+35,+30,-270)
    「ええっ! ち、違いますよ! 僕です僕!」

    森島「ぼく?」

    七咲「森島先輩、これ、本人ですよ」

    森島「……むむむ~?」

    (す、すごく見られてる…っ)

    森島「………もしかして、もしかしてなくても橘くん?」

    「は、はい…橘純一です」

    森島「……」ぷるぷる

    「も、森島先輩…? あれ、七咲大丈夫かなこれ…?」

    七咲「…大丈夫じゃないと思います、きっと」

    森島「───なんっってキューーートなのかしらー!」ぎゅうっ

    「うわぁっ!?」
    286 : 以下、名無しにか - 2012/10/18(木) 01:09:05.39 ID:AoeddquB0 (+35,+30,+0)
    森島「橘くんにこんな才能があったなんて! ぅんん~! 可愛いわぁ! グットグット!」なでなで

    「や、やめてくださいっ…七咲が見てるのでっ…!」

    森島「ありゃ、そうだったわ…ごめんなさい、逢ちゃん…」ちらっ

    七咲「いいですよ、気にしないでやっちゃってください」

    「七咲っ!?」

    七咲「…」ぷいっ

    (へそを曲げていらっしゃる! ま、待ってくれ! 森島先輩に抱き疲れたら誰だって鼻の下伸びるよ!?)

    森島「わお! これってなにか化粧をしてるわけじゃないのね、凄い凄い。だったらそうね~うーんと、良いこと思いついた!」

    森島「──ねぇー皆ぁ! ちょっとカモンカモン!」

    「なになに森島さん、どうしたの?」

    「うわ、背が高い。こんな子いたっけ?」

    「あれ? どこかでみたような……例えばそう、水泳部で見かけたような…」

    ぞろぞろ…

    「えっ…? えっ?」
    287 : 以下、名無しにか - 2012/10/18(木) 01:11:52.91 ID:wKe70c/D0 (+12,+24,-1)
    ええのぅ!
    288 : 以下、名無しにか - 2012/10/18(木) 01:15:12.79 ID:AoeddquB0 (+35,+30,+0)
    森島「ふふっ、実はね? この子は…ゴニョゴニョ」

    「──えー! 男の子!? うそうそ本当に?」

    「良く見ると確かに……本当によく見ると男だわ」

    「やっぱ橘君か! どーりで見た事がある顔だって思った! …今度はそうやって覗くの?」

    「ちょ、ちょっとまってください! ち、近いですって…!」

    森島「照れない照れない、ねえねえ橘くん?」

    「な、なんでしょうか…?」

    森島「──ちょっとこっちに来てくれるかな、この椅子に座るだけでいいの、お願い…ね?」

    「い……いやです!」

    森島「え~どうして~?」

    (何かされるにきまってるよ! この空気!)

    「……」にやにや

    (みんな笑ってるし! なんかこう…酷いよこれって!)

    七咲「…先輩」

    「な、七咲!? た、助けて…もう僕にはどうする事も出来ないから…っ!」
    289 : 以下、名無しにか - 2012/10/18(木) 01:20:18.81 ID:AoeddquB0 (+35,+30,-308)
    七咲「……」

    七咲「…ここは行きましょう、罠だと分かっていてもです」

    「七咲!?」

    七咲「教えてもらうんですから、それなりにお返しが必要だと思いませんか?」

    「そ、それはっ……そうだと思わなくないけど、でもでも!」

    七咲「森島先輩、やっちゃってください」

    森島「わお! 彼の彼女さんからオーケーを貰ったわよ皆!」

    「…ふふ、じゃあちょっとこっちに来てね~」ぐいっ

    「腕が鳴るなぁ、ふははは」

    「サンキュ、七咲」

    「うぉおおおおっ! いやだ! 僕は紳士としてっ…それは! 駄目だって───」

    「──やめてぇえええええええ!!」

    ~~~~~~~

    森島「聞きたいこと? ひびきちゃんのことについて?」すっすっ…

    七咲「はい、ここ一カ月ぐらいのことを聞きたいんです」
    290 : 以下、名無しにか - 2012/10/18(木) 01:25:52.71 ID:AoeddquB0 (+35,+30,-273)
    「あ、これなんてどう? メイド服!」

    「いや、確かにフリルが多くて良いけど…この体型なら薄いのもいけるハズ」

    「じゃあレディスーツとかは?」

    「…出来ればあんまり派手じゃないものとかで…」しくしく

    森島「動かないの、化粧がずれちゃうじゃない」

    「ううっ…すみません…」

    七咲「…それで、なにかありませんか?」

    森島「うーん……なにかって言われてもねえ、何時も通りの響ちゃんだったと思うよ?」

    森島「部活も頑張ってて、私にとおしゃべりして、勉強も頑張ってた」

    七咲「……」

    「塚原さんのこと? 特におかしなことなんて…」

    「別に普通だった気がする」

    「…部活でも部長として頑張ってたよ? 七咲が居ないときも」
    291 : 以下、名無しにか - 2012/10/18(木) 01:28:55.83 ID:aP87GwWI0 (-24,-12,-1)
    292 : 以下、名無しにか - 2012/10/18(木) 01:30:29.67 ID:AoeddquB0 (+35,+30,+0)
    七咲「そう、ですか…」

    七咲「───〝やっぱりそうだったんですか〟…」

    森島「え?」

    七咲「いえ、なんでもないです。どうも、ありがとうございました」ぺこ

    森島「うん…別に構わないけれど、ひびきちゃんに何かあったの?」

    七咲「そんな事は無いです…ただ、ちょっと聞きたい事があって」

    森島「聞きたい事?」

    七咲「はい」

    「…やっぱメイド服だね、譲れないよ」

    「仕方ない、しかしきわどいやつにしよう、ミニスカだ」

    「猫耳もつけようよ! 猫耳! 可愛いよ絶対!」

    森島「そっか、聞きたいことね……よし、出来たよ橘くん!」すっ

    「──一体、何が出来たんですか本当に…」

    森島「そんなことより、さあ着替えるわよ! レッツゴー!」ぐいっ
    293 : 以下、名無しにか - 2012/10/18(木) 01:34:49.48 ID:AoeddquB0 (+35,+30,-243)
    「えっ…着替えぐらい自分で出来ます! やめ、やめって! あー………」

    ~~~~

    「っ…っ…」ぷるぷる

    森島「…感動してるわ、今」

    「すごい…かわいい…」

    「ふむ…惜しいな、なんで男なんだよキミ」

    「覗き放題だね! もう女の子にしか見えないゾ!」

    七咲「……先輩、ですよね?」

    「ぼ、僕だよっ……橘純一だよっ…!」ぷるぷるっ

    森島「うっ…くっ…だ、だめよ抱きついちゃ…だめだめ…!」

    「落ちついて森島さん! ここはぐっと我慢…だよ?」

    森島「わ、わかってるわ……ふぃ~」

    七咲「それじゃあ行きましょう、先輩」

    「このままの恰好で!? い、いやだって服とかその耳とかは…!?」
    294 : 以下、名無しにか - 2012/10/18(木) 01:36:49.54 ID:ApH9sm1f0 (+31,+29,-18)
    眠いでごわす

    ギャグは良いからはよ終わらせて
    295 : 以下、名無しにか - 2012/10/18(木) 01:39:17.31 ID:AoeddquB0 (+35,+30,-292)
    森島「あ、別に構わないわよ~。何時返してくれてもいいから」

    「うぐっ…だけど、しかしですね!」

    七咲「…先輩」

    「な、七咲っ…これはどう見ても僕、ただの変態だよ!?」

    七咲「女の子にしか見えませんけど…ええ、本当に」

    「え……本当に? そうなの?」

    七咲「自信を持っていいと思いますよ、それぐらいに今の先輩は…可愛いですから」

    「七咲……」

    七咲(この人は可愛いと言って喜ぶんだ…憶えておこう)

    「そ、そうかなっ? えへへ、ちょっとなんだか自信がわいてきたぞっ」

    七咲「その調子です、先輩。その気分のまま、塚原先輩の元へ行きましょう」

    「…うむ、だけどこんなふざけた格好のままで行くのは…」
    296 : 以下、名無しにか - 2012/10/18(木) 01:40:32.11 ID:AGUA0/7g0 (+18,+24,-2)
    >>294
    クソして寝ろ
    297 : 以下、名無しにか - 2012/10/18(木) 01:43:48.91 ID:AoeddquB0 (+35,+30,-257)
    七咲「それも大丈夫です、先輩がその格好だからこそ良いんじゃないですか」

    「え…?」

    七咲「色々と思惑が蔓延ってるようですけど、それは決して簡単なものじゃないと思ってます」

    七咲「…だけど、先輩。私は信じてるんです」

    七咲「──先輩なら、そんな面倒なことも全部一気に切り捨ててくれると」

    「………」

    七咲「面倒な事は、やりたくないことは、大きな想いで退かしてやるんですよね?」

    「……ああ、そうだよ七咲」

    「その通り、僕はやりたいことをやるだけだから」

    「──恰好なんて、関係は無い。大事なのは心だけだ!」

    七咲「ええ、行きましょう先輩」きぃ

    七咲「……私も見つけたいです、あの人の本当の覚悟を」
    298 : 以下、名無しにか - 2012/10/18(木) 01:46:32.22 ID:iWAu08Hf0 (+22,+29,-2)
    終わるまで寝れない支援
    299 : 以下、名無しにか - 2012/10/18(木) 01:48:49.41 ID:AoeddquB0 (+35,+30,-302)
    ~~~~~~~~

    土手

    塚原「……それで、なんなのその恰好は?」

    「勝負服です」

    塚原「…本気で言ってるの?」

    「ええ、もちろん」

    塚原「ふざけないで、いきなり下校中に呼びとめられたと思えば…」

    塚原「…七咲まで連れて、しかもその格好」

    「……」

    塚原「一体何をしているの? 君は?」

    「塚原先輩…」

    塚原「私は言ったわよね、もう七咲とは関わるなと」

    七咲「……塚原先輩」

    塚原「七咲は黙ってなさい」
    300 : 以下、名無しにか - 2012/10/18(木) 01:56:43.83 ID:E64+rb3t0 (+13,+28,-2)
    うんこなげーぞ
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