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元スレ淡「陽に照らされて星は輝く」
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数時間後
実況『さあ、Bブロック準決勝も残すところこの副将戦の南場と、大将戦のみとなりました』
実況『先鋒で宮永選手が広げた大量リードを守る白糸台。しかし中堅戦で清澄と姫松に
大量失点を許してしまいました』
実況『続く副将戦、原村和のめざましい活躍により清澄が白糸台に猛追を仕掛けています。
両校の点差は20000点にまで縮まりました。白糸台はこのリードを守りきって
大将に繋ぐことができるのか。そして現在一人沈み状態の有珠山はここから
追い上げることができるのか』
淡「――あんなこと言われてるけど?」イライラ
尭深・菫「……」
淡「尭深……あなた中堅戦で何万点取られたか分かってる?」
渋谷「……」
菫「やめろ大星。個人のミスはチームのミスだ。それが団体戦だろ」
淡「は? で、個人の手柄もチームの手柄ってわけ? 今までそうやってテルの手柄を
自分のものみたいに語ってきたんだ」
菫「……っ」
淡「だいたい菫、あなたもマイナスだったよね。で、誠子もマイナス。……あほらし。
ていうか、なんか菫の試合でなにがあったのかよく覚えてないんだけど」
淡(そういえば、なんか次鋒戦はいつのまにか終わってたな)
菫「姫松と清澄の中堅は強敵だった。尭深には少し荷が重い相手だったんだ」
淡「誠子も苦戦してるっぽいね」
菫「確かに、清澄に追い上げられてるな。だが一位で大星に回すことはできるだろう」
淡「当たり前じゃん。テルが何万点取ったと思ってんの。これで逆転なんかされたら、
もう軽蔑だよ、軽蔑。もう絶対敬語使わないから」
渋谷「……」
淡ちゃん、そんなこと言ってると改心してもチームに居場所なくなるぞ
照「淡」
淡「ん、なぁに、テル」
照「そろそろ淡の番。準備して」
淡「準備なんていらないよ。ふつーに打てば勝てるってば」
照「淡」
照「――言うことを聞け」
淡「――っ」
菫「……!」
菫(照が大星を嗜めた……?)
淡「……テル。本気で思ってるんだね、私が負けるかもしれないって」
照「ああ」
淡「……ふーん」
菫「……」
菫「大星、誰であれ油断は禁物だ。照が言いたいのはそういう――」
淡「黙ってて」
淡「……いいよ」
淡「じゃあテル、賭けない?」
照「賭け?」
淡「私と清澄、どっちが勝つか」
照「……」
菫「おい、馬鹿な話はよせ。これは全国大会なんだぞ。トトカルチョなんて言語道断だ」
照「構わない。その勝負乗る」
菫「お、おい照!」
淡「決まりだね。安心してよ菫。私はもちろん、私の勝ちに賭ける。私が自分から
負けにいくようなことはしない。むしろ、これで心おきなく全力で清澄を潰せるよ」
淡「で、テルは清澄の勝ちに賭けるんだね?」
照「……」
照「いや、勝つのは白糸台だ」
淡「え?」
菫「……? 照……?」
淡「……」
淡「――――ぷ」
淡「あ、あはははははっ。な、なぁんだテル、やっぱり私が勝つと思ってるんじゃん!」ケタケタ
淡「私と清澄、どっちが勝つか」
照「……」
菫「おい、馬鹿な話はよせ。これは全国大会なんだぞ。トトカルチョなんて言語道断だ」
照「構わない。その勝負乗る」
菫「お、おい照!」
淡「決まりだね。安心してよ菫。私はもちろん、私の勝ちに賭ける。私が自分から
負けにいくようなことはしない。むしろ、これで心おきなく全力で清澄を潰せるよ」
淡「で、テルは清澄の勝ちに賭けるんだね?」
照「……」
照「いや、勝つのは白糸台だ」
淡「え?」
菫「……? 照……?」
淡「……」
淡「――――ぷ」
淡「あ、あはははははっ。な、なぁんだテル、やっぱり私が勝つと思ってるんじゃん!」ケタケタ
淡「あーおっかしー……こんなに笑ったの久しぶり。なんだかんだで、テルも勝算のない勝負はできないか。
でもこれじゃあ賭けにならないよ。私もテルも、どっちも私の勝ちに賭けちゃったら、ねえ?」
菫「当たり前だ。だから賭けなんてのはもう――」
淡「はいはい、分かってるよ。この話は終わり。いいよね、テル?」
照「……」
淡「……テル?」
照「――なに言ってる。私がいつ淡の勝ちに賭けたの?」
淡・菫「え?」
照「私は『白糸台が一位通過する』と言ったんだ。『淡が勝つ』とは言っていない」
菫「ど、どういうことだ?」
照「私は――『宮永咲が勝つ』に賭ける」
渋谷・菫「……!?」
淡「……ふーん……? 一位通過するのは白糸台。でも勝つのは清澄の大将。そう言いたいんだね?」
照「そうだ」
菫「得失点差で大星が負ける、ということか?」
淡「ちがうよ菫。見て、あの誠子の無様な対局を。もう清澄と白糸台の点差はほぼ
無いに等しい。白糸台が勝つなら、最低でも私は1万点ビハインドくらいにしかならない。
まあ、別に私が清澄に得失点で100点でもマイナスになったら負け、っていう
条件でもいいけど、テルが言ってるのはそういうことじゃないよね?」
照「ああ」
照「打ってみればいい。淡の実力なら、それでどっちが勝者か判断がつく」
淡「最高に面白いよテル。あなたと打ってるときでも、こんなに武者震いはしなかった」
淡「ペナルティは後払いでいい? とびきりすごいの考えとくから、覚悟しといてね」
照「ああ」
実況『副将戦終了――! 清澄、怒涛の追い上げにより、ついに白糸台を射程圏内に
収めた――!』
淡「ちょうど終わったね。じゃあ、行ってきます」ガタ
バタン
菫「……照、どういうことなんだ? 白糸台が勝つのに、淡が負けるって……」
照「……」
照「点数で勝ったからといって、それが必ずしも勝利を意味するわけじゃない」
菫「……」
照『――強すぎる相手が格下にあわせようとすると――』
菫(照が言ってたのは……まさか……)
廊下
淡「……くそ」イライラ
イライラする。イライラする。イライラする――!
淡「私が負けるって? そんなわけない。私とテルが高校生最強なんだ。そこに
他人が割り込んでくるなんて、ありえない――!」
淡(清澄……潰してやる。もう麻雀が打てなくなるくらいにボコボコにしてやる……! 今日という日を一生のトラウマにしてやる!!)
淡「……ん?」
カツン、カツン
淡「あれは……」
咲「――」カツン、カツン
淡(あの子が――宮永咲)
咲「……あ」
淡「――よろしく、清澄さん」
咲「あなた確か、白糸台の……」
淡「大星淡。あなたは宮永さんだよね?」
咲「はい」
淡「宮永はうちの部にいるから、呼びづらいから咲ちゃんって呼んでいい?」
咲「あ、はい。じゃあ私も淡ちゃんって呼んでもいいですか?」
淡「もちろん。仲良くしてね。あと、同級生なんだから敬語使わないで。なんかムズムズするから」
咲「あ、ごめんなさい」
淡(まあ、今日以降あなたと卓を囲んで会うことはないだろうけどね)ゴォォッ!
咲「あの」
淡「ん、なあに?」
咲「その……お姉ちゃん、元気かな?」
淡(あの子が――宮永咲)
咲「……あ」
淡「――よろしく、清澄さん」
咲「あなた確か、白糸台の……」
淡「大星淡。あなたは宮永さんだよね?」
咲「はい」
淡「宮永はうちの部にいるから、呼びづらいから咲ちゃんって呼んでいい?」
咲「あ、はい。じゃあ私も淡ちゃんって呼んでもいいですか?」
淡「もちろん。仲良くしてね。あと、同級生なんだから敬語使わないで。なんかムズムズするから」
咲「あ、ごめんなさい」
淡(まあ、今日以降あなたと卓を囲んで会うことはないだろうけどね)ゴォォッ!
咲「あの」
淡「ん、なあに?」
咲「その……お姉ちゃん、元気かな?」
淡「――テルのこと? やっぱり姉妹なの?」
咲「え、あ、うん」
淡「ふーん」
淡(そっか……ますます面白くなってきた)
淡「テルなら元気だよ。咲ちゃんも先鋒戦見たでしょ?」
咲「うん。凄かった。お姉ちゃん、びっくりするくらい強くなってた」
淡「……」ピク
淡(強くなってた? なに、その『昔は私の方が強かったのに』みたいな上から目線。
イライラするんだけど)
淡「咲ちゃん、テルと何かあったの?」
咲「え、どうして?」
淡「だってテル、『私には妹なんていない』とか言ってたから。もしかしたら
咲ちゃんのことなんて眼中にないのかも」
咲「……!」ビク
咲「……や、やっぱりそうなのかな……」
淡「うん。きっとそうだよ」ニッコリ
咲「……」グス
咲「私ね、昔お姉ちゃんにひどいことしちゃったんだ」
淡「ひどいこと?」
咲「……お姉ちゃんは、きっとまだ私のこと許してないんだと思う」
咲「だから私、麻雀でお姉ちゃんに伝えたいことがあるの。そのためにも、この試合、
絶対負けられないよ」
淡「ふふ、そうだね。絶対勝たないとね」
咲「うん。この試合で勝って、決勝に行って、お姉ちゃんに会いに行きたい」
淡(――無理だよ、咲ちゃん)
淡(あなた、ここで終わるんだから)ゴッ
※ここから長い麻雀パートに移ります。あまり麻雀得意ではないので、いろいろ
ミスがあると思いますが生温かく見守ってやってください
準決勝大将戦
東一局
白糸台:125000
清澄:113000
姫松:98000
有珠山:64000
親:咲
実況『さあ、ついに準決勝大将戦のスタートです。決勝戦に上がれるのはこの中の上位
二校のみ! いったいどこが勝ち上がるのか――!』
四人「よろしくお願いします」
淡(ラス親か。咲ちゃんは起家)
末原(清澄……借りは返させてもらうで)
東一局
末原(清澄との差は15000。これをなんとか詰めるしかない。振り込まんのは当然やとして、
親の連荘……それしかあらへん)
末原(1000点でも2000点でも、とにかく少しずつ清澄との差を詰める。親が流れたら
絶対に振り込まず、大きい手を狙う。子で安い手を和了って場を進めるわけにはいかんからな)
咲「……」4萬
末原(鳴ける、けど……鳴いたら三色が消えるし手が安くなる。子でそんな手は和了られへん。清澄の親を楽に流させたりしたらあかんねや)
淡「……」カチャ
末原さんに対して咲さんがもう勝てないと言ってたじゃないですか!
咲「――カン」
末原「!」
末原(まずい……!)
咲「――ツモ。嶺上開花。1300オール」
実況『早速宮永選手の嶺上開花が決まった――!』
末原(また嶺上開花……あかん、また差が広がってもうた)
末原(清澄の嶺上開花を止めるには、カン材になりそうなものをなるべく捨てないこと、
順子場を作ること、捨て牌とかから清澄が持ってそうな暗刻を予想して、それから……)
淡「……」
>>448
本音と建前
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