元スレ皇帝「ど、ど、ど、ど、童貞ちゃうわ!」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★
101 = 1 :
皇帝(しかし、報告が滞っていたとはいえ)
皇帝(最新の報告では地方都市の財政は順調だと聞いていた)
皇帝(税収も特に落ちているということはなかった)
皇帝(これはいったいどういうことだ……!?)
女召使「陛下……お顔が真っ青ですけど……大丈夫ですか?」
皇帝「え、ああ、大丈夫だ。ちょっと驚いただけだ」
皇帝「気を取り直して、役所に向かおう」
102 :
追いついた
こういうの好きだわ
104 = 1 :
役所では、農民らしき男が見張りをしていた。
<役所>
女召使「あのぉ~」
農民「なんだ、おめえたちは!?」
皇帝「皇帝だ」
農民「皇帝!?」
女召使「陛下!」ボソッ
皇帝「い、いや……童貞だ」
農民「なんだ童貞だべか、ビックリしただよ」
皇帝「ここに地方都市の住民が立てこもっていると聞いてな」
皇帝「俺たちも協力したいと思い、やってきたんだ」
農民「そりゃあ、ありがたいことだ」
農民「どうぞ入ってくれい」
105 = 98 :
童貞で納得すんなよ
107 = 1 :
役所の中へ案内される二人。
ワイワイガヤガヤ……
女僧侶「どうぞ、こちらですわ」
皇帝(おお、やはり女がいた! 童貞喪失も夢ではなくなってきたな!)
皇帝(……というか)チラッ
皇帝(反乱軍と聞いてたから多少は身構えていたのだが)
皇帝(軍というか、本当にそこらの住民が集まっただけって感じだな)
109 = 1 :
リーダー「ボクが地方都市住民のリーダーだ」
リーダー「アンタは国中を旅している童貞とのことだが……」
リーダー「なんのためにここにやってきたんだ?」
皇帝「一童貞として、今回の反乱に興味があってな」
リーダー「反乱? なんのことだ?」
皇帝「ここの行政官が、すでに皇帝に報告している」
皇帝「地方都市の住民が結集して、帝国に対して反乱を起こしたと」
リーダー「な、なんだって!?」
ザワザワ……
リーダー「本当なのか、それは!?」
皇帝「ああ、まちがいない」
皇帝(俺が皇帝だしな)
110 = 42 :
俺も今度から困ったときは童貞って言うわ
112 :
童貞って便利な言葉だな
113 = 1 :
リーダー「ボクらが反乱軍だと!?」
リーダー「くそっ、なんてことだ!」
女商人「まんまとやられたわね」
女商人「あの行政官に……!」
皇帝(おお、またもや女!)
皇帝「いったいなにがあったのか説明してくれないか?」
リーダー「童貞に話したところで、今さらどうにもならないが……」
リーダー「いいだろう、話してやろう」
114 = 25 :
童貞の扱いに泣いた
117 = 1 :
リーダー「この地方都市は交通の便が悪く、別段面白いもんがあるワケじゃない」
リーダー「やってくる人間なんてほとんどいない」
女商人「だからこそ、前の皇帝はここに行政官を派遣したのよ」
女商人「手の届かないところをきちんと統治できるようにってことで」
農民「最初はよかったんだがよ……」
農民「だんだんと、アイツは王様みたいに振る舞うようになったんだべ」
女僧侶「苛烈な重税をかけ、地方都市の税として国に納めた後──」
女僧侶「残りを全て自分の懐に入れるようになったのですわ……」
リーダー「いわゆるピンハネだな」
リーダー「他にも陸の孤島なのをいいことに、やりたい放題だ」
リーダー「おかげで、ここ数年で地方都市はあっという間に干からびてしまった」
女召使「そ、そんな……」
皇帝「…………」
120 :
暴れん坊将軍
121 = 1 :
女召使「で、でもそんな不正、すぐバレちゃうんじゃ──」
リーダー「バレるわけがない」
リーダー「地方都市の住民はこの土地を出られないよう監視されていたし」
リーダー「ヤツの部下もみんな甘い汁を吸っていた」
リーダー「首都のヤツらも行政官を信頼しているのか、ここに来ることはなかった」
リーダー「我慢の限界に達したボクらは、役所に襲撃をかけたんだ」
リーダー「警備の兵はいるし、行政官も剣の使い手だから、用心して夜中にね」
リーダー「もちろん、役人を殺せば大問題だ。ハナから殺すつもりなどなかった」
リーダー「拘束して、帝国城に連れていくつもりだった」
リーダー「するとヤツは涙を流し──」
リーダー「“全てを皇帝に話してくるから許してくれ”“それまで役所を預ける”」
リーダー「──といった」
リーダー「ヤツが善政を敷いていた時期も知ってる我々は」
リーダー「その言葉を信用したんだが──」
皇帝「行政官はまんまとお前らを反乱軍にしたというワケだ」
122 = 72 :
面白い
眠れない
123 = 1 :
二人きりになる皇帝と女召使。
女召使「なんだか……思ってたのとだいぶちがいますけど……」
女召使「どうしますか、陛下……?」
皇帝「決まってるだろう」
皇帝「住民と行政官の言い分がこうも食い違う以上、どちらかが嘘をついている」
皇帝「住民と行政官、両方を裁判の場に出して正式に裁く」
皇帝「……十中八九、嘘をついてるのは行政官の方だろうがな」
皇帝「来て正解だった」
皇帝(俺の目論み通り、どうやら平和的解決ができそうだ)
皇帝(そして解決したら正体を明かし、童貞を──)
すると──
農民「た、大変だべ!」
125 = 1 :
農民「帝国の軍隊が、こっちにやって来てるべ!」
リーダー「軍が!?」
女商人「私たちを反乱軍として叩き潰すつもりね……!」
女僧侶「そ、そんな……」
ガヤガヤ……
役所のそばには、帝国軍が迫っていた。
女召使「兵隊がいっぱい来てますね……」
女召使「でもへっちゃらですよね! なんたって、ここには陛下がいますから!」
皇帝「…………」
皇帝「いや、これはマズイかもしれんな」
女召使「え?」
126 = 72 :
しえん
127 = 98 :
紫煙
128 :
オラ支援しちゃるけん
はよせいや
129 = 1 :
行政官「遠慮は無用!」
行政官「役所に立てこもるヤツらは、皆殺しにするのです!」
行政官「後から本隊を率いてくる軍団長殿の手を煩わせてはなりません!」
新兵A「はいっ!」
新兵B「はいっ!」
新兵C「しかし、皇帝陛下の捜索はいかがいたしましょう?」
行政官「…………」
行政官「どうやら知らぬうちに、追い抜いてしまったようですね」
行政官「今は陛下のことは忘れ、反乱軍の駆除に集中するのです!」
行政官「君たちのような新兵に活躍の場を与えてやるのですから、存分に働きなさい!」
新兵C「はいっ!」
131 = 102 :
暴れん坊将軍とストーリー一緒だったら許さんぞ!
132 = 128 :
しえーん
133 = 1 :
皇帝「軍を率いてるのは、軍団長じゃなく行政官だ」
皇帝「……それに新兵ばかりだ。多分、俺の顔なんか知らないだろう」
女召使「えっ!? ってことは──」
皇帝「行政官は、ここの住民もろとも俺を殺すつもりのようだ」
皇帝「殺した後は、それを住民の仕業だとなすりつければいい」
皇帝「そうなればもう、自分の不正が明るみに出ることはない」
女召使「ど、どうしましょう……!」オロオロ
女召使「こっちには戦えそうな人なんて、ほとんどいないのに……!」
皇帝(まもなく攻撃が始まるだろう)
皇帝(死んでたまるか……)
皇帝(──童貞のままで!)
136 = 42 :
どうなる
137 = 128 :
遅い
138 = 96 :
童貞の意地が見れそうだな。
139 = 1 :
リーダー(あの帝国軍のいきり立ちようから察するに)
リーダー(まちがいなくヤツらはボクたちを皆殺しにするつもりだ!)
リーダー(こんなことになるなんて……! どうすれば……! あああ……!)
皇帝「おい、リーダー」
リーダー「な、なんだ!?」
皇帝「帝国軍は到着したばかりで、攻撃開始までもう少し時間があるはず」
皇帝「今のうちに仲間に、窓や扉を障害物で塞ぐよう、指示してくれ」
皇帝「あとは大量の砂と、狩猟用の網を持ってこさせてくれ!」
リーダー「そんなことをして、どうなる!?」
皇帝「籠城する」
リーダー「籠城!? こっちは素人集団だ、勝負にならない!」
皇帝「向こうも新兵ばかりだ! 死にたくなければ、さっさとしろ!」
リーダー(通りすがりの童貞のくせして偉そうに……!)
リーダー(だが、なぜだろう……なんだか逆らえない雰囲気がある)
リーダー「わ、分かった……! やってみよう……!」
141 = 1 :
新兵A「い、いよいよか……!」ドキドキ
新兵B「オイ、あまり緊張するなよ! しくじるぞ!」ドキドキ
新兵A「お前こそ!」ドキドキ
行政官(経験を積ませるという名目で連れてきたが、やはり頼りないですね)
行政官(しかし、反乱軍はろくな武器も持たない素人の寄せ集め)
行政官(……十分皆殺しにできる)
行政官(もうあの中にいるかもしれない、皇帝ごとね!)
行政官「よし、準備のできた者から入り口から突入するのです!」
行政官「一人も逃がしてはなりませんよ!」
142 = 120 :
出陣太鼓じゃ!
143 :
145 = 1 :
ガンッ! ガンッ! ガンッ!
新兵A「このドア、ビクともしないぞ!」
新兵B「こっちの窓もだ!」
新兵C「出入り口が全て封鎖されてる!」
行政官「…………」
行政官(籠城か……! てっきり逃げまどうものとばかり……)
行政官(私をあっさり逃したヤツらに、こんな知恵や度胸があるとも思えませんね)
行政官(やはり、中には皇帝がいる!)
行政官(マズイ……後続の軍団長の部隊が到着するまでに)
行政官(なんとしても皇帝を殺さなければ……!)
146 = 111 :
もうちょっとぺーすうp
149 = 1 :
ガンッ! ガンッ! ガンッ!
リーダー「ふぅ、間一髪だったな」
皇帝「この役所は頑丈だ。ヤツらの装備では壁を破壊することはできない」
皇帝「しばらくは持つだろう」
女商人「でも、私らが袋のネズミってことにはかわりないわよ!」
農民「んだんだ」
皇帝「任せろ。俺は攻めるのは苦手だが、守りには長けている」
リーダー(さすが童貞)
女召使(陛下……かっこいいです!)
150 :
つまり俺は守備を固めるのが得意だったのか!
みんなの評価 : ★
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