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元スレ女騎士「ついに仕えるべき主を見つけました!」 魔王「はっ?」

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女騎士「あなたこそ私が仕えるべき人です!」
魔王「なぜ俺が?」
女騎士「さきほどの一件、拝見させていただきました」
魔王「何の話だ」
女騎士「十人余りの男に絡まれる町娘をただ一人颯爽と助け出した貴方こそ、私が仕えるべき主なのです!」
魔王「あれはあいつらが道を塞いでいたから退かしただけで」
女騎士「謙遜なさる必要などありません! そう、騎士が仕えるべき主とは斯くあるべきというその姿を体現した貴方こそが――」 ウンヌン
魔王(こいつ、話が通じない人種だな)
魔王「なぜ俺が?」
女騎士「さきほどの一件、拝見させていただきました」
魔王「何の話だ」
女騎士「十人余りの男に絡まれる町娘をただ一人颯爽と助け出した貴方こそ、私が仕えるべき主なのです!」
魔王「あれはあいつらが道を塞いでいたから退かしただけで」
女騎士「謙遜なさる必要などありません! そう、騎士が仕えるべき主とは斯くあるべきというその姿を体現した貴方こそが――」 ウンヌン
魔王(こいつ、話が通じない人種だな)
女騎士「――なのです! どうか私を貴方の騎士に」
魔王「断わる」
女騎士「えっ」
魔王「人手なら足りている。他を当たれ」
女騎士「見返りを求めるつもりはありません! どうか貴方様に仕える栄誉を私に!」
魔王「精神を患っているのか? 今さっき出会った相手をなぜ主と仰ぐ?」
女騎士「騎士の直感です」 ムンスッ
魔王(ダメだこいつ……)
魔王「断わる」
女騎士「えっ」
魔王「人手なら足りている。他を当たれ」
女騎士「見返りを求めるつもりはありません! どうか貴方様に仕える栄誉を私に!」
魔王「精神を患っているのか? 今さっき出会った相手をなぜ主と仰ぐ?」
女騎士「騎士の直感です」 ムンスッ
魔王(ダメだこいつ……)
魔王「とにかく俺に騎士など必要ない。失せろ」
女騎士「……わかりました」
魔王「やっと納得したか」
女騎士「私の実力を疑っているのですね?」
魔王「なぜそうなる」
女騎士「無論私とて、主に力も示さずに仕えようなどと思っていません。たとえどれほど過酷な試練を与えられようと乗り越える覚悟で――」 ウンヌン
魔王「……ああ、そう、そうだ。試練を与えるつもりだったのだ」
女騎士「やはり!」
女騎士「……わかりました」
魔王「やっと納得したか」
女騎士「私の実力を疑っているのですね?」
魔王「なぜそうなる」
女騎士「無論私とて、主に力も示さずに仕えようなどと思っていません。たとえどれほど過酷な試練を与えられようと乗り越える覚悟で――」 ウンヌン
魔王「……ああ、そう、そうだ。試練を与えるつもりだったのだ」
女騎士「やはり!」
魔王「遠くに霞むあの山が見えるか?」
女騎士「ええ!」
魔王「あそこの山頂近くには大きな洞穴があり、そこには無数の魔物が住んでいるそうだ。そしてその最奥には一匹の龍がいてだな」
女騎士「その龍を倒せばいいのですね!!」
魔王「まあ。そんな具合だ」
女騎士「承知しました、我が主! その命必ずや果たして御覧に見せましょうっ!!」 メラメラ
魔王「頑張ってくれ」
女騎士「はい! ……ああ、これこそ私が求めていた冒険、騎士道……主に課せられた試練を越えてこそ真の絆が――」 ウンヌン
魔王(ふぅ、これで付き纏われることもないだろう)
女騎士「ええ!」
魔王「あそこの山頂近くには大きな洞穴があり、そこには無数の魔物が住んでいるそうだ。そしてその最奥には一匹の龍がいてだな」
女騎士「その龍を倒せばいいのですね!!」
魔王「まあ。そんな具合だ」
女騎士「承知しました、我が主! その命必ずや果たして御覧に見せましょうっ!!」 メラメラ
魔王「頑張ってくれ」
女騎士「はい! ……ああ、これこそ私が求めていた冒険、騎士道……主に課せられた試練を越えてこそ真の絆が――」 ウンヌン
魔王(ふぅ、これで付き纏われることもないだろう)
女騎士「――では我が主、行って参ります!」
魔王(ただの人間が準備もなく山を登れば、それだけで死ぬと思うのだが)
魔王(まあ、これでようやく、人間の国の偵察に専念できるか)
魔王「酒場にでも行って様子を探ってみるか」
魔王(ただの人間が準備もなく山を登れば、それだけで死ぬと思うのだが)
魔王(まあ、これでようやく、人間の国の偵察に専念できるか)
魔王「酒場にでも行って様子を探ってみるか」
>>10
もしもしROMれ
もしもしROMれ
酒場のマスター「――ってぇわけで、もうじき大遠征が行われるってぇ話だ」
魔王「どの国も大変な時期なのだな」
酒場のマスター「魔物の奴らが侵略して来るってぇ話だ、先に殺りゃにゃ殺られるってもんだよ」
魔王「……ありがとう、面白い話だった」
酒場のマスター「構わねえさ。羽振りの良い客にゃサービスするのが俺の流儀だ……それと」
魔王「ん?」
酒場のマスター「今は傭兵連中が集まってきて治安が悪ぃ、旅人さんも気を付けた方がいいぜ。……奴らも客だから大きな声じゃ言えねえがな」
魔王「ご親切痛み入る」
魔王「どの国も大変な時期なのだな」
酒場のマスター「魔物の奴らが侵略して来るってぇ話だ、先に殺りゃにゃ殺られるってもんだよ」
魔王「……ありがとう、面白い話だった」
酒場のマスター「構わねえさ。羽振りの良い客にゃサービスするのが俺の流儀だ……それと」
魔王「ん?」
酒場のマスター「今は傭兵連中が集まってきて治安が悪ぃ、旅人さんも気を付けた方がいいぜ。……奴らも客だから大きな声じゃ言えねえがな」
魔王「ご親切痛み入る」
魔王「はっ、はははっ、口先だけなら何とでも言え……」
女騎士「龍の牙を折って参りました」
魔王「えっ」
女騎士「私一人で運ぶには無理がありましたので、馬に背負わせていますが」
魔王「お前、本当に倒したのかっ!?」
女騎士「かの者はその体躯に劣らぬ力を持っていましたが、私とて“国に女騎士有り”と謳われ……」
魔王「……誰だって?」
女騎士「ああ、これは申し訳ありません! きちんと名乗りもせず! 私は女騎士という者で、貴族の娘に生まれ――」 ウンヌン
魔王(……女騎士といえば、今、最も勇者に近いと言われる要注意人物ではないか……)
女騎士「龍の牙を折って参りました」
魔王「えっ」
女騎士「私一人で運ぶには無理がありましたので、馬に背負わせていますが」
魔王「お前、本当に倒したのかっ!?」
女騎士「かの者はその体躯に劣らぬ力を持っていましたが、私とて“国に女騎士有り”と謳われ……」
魔王「……誰だって?」
女騎士「ああ、これは申し訳ありません! きちんと名乗りもせず! 私は女騎士という者で、貴族の娘に生まれ――」 ウンヌン
魔王(……女騎士といえば、今、最も勇者に近いと言われる要注意人物ではないか……)
女騎士「――という長い旅の末、ようやく我が主に出会えたのです!」
魔王「……そうか」
女騎士「そういえば、まだ我が主の名を聞いておりませんでした。お名前はなんと?」
魔王「そうだな……。今はまだ名乗る時ではない、とだけ言っておこう」
女騎士「……っ」 ズキューンッ
魔王「あ?」
女騎士「で、出すぎたことを言い申し訳ありませんでしたっ! ……ああ……素晴らしい……やはりこの人こそ私の――」 ブツブツ
魔王(……殺れるか? だが相手の力が未知数では、もし万が一……)
女騎士「――はっ、たびたび申し訳ありませんっ! では私の宿へご案内します、そこで証拠の御確認を!」
魔王「……ああ」
魔王「……そうか」
女騎士「そういえば、まだ我が主の名を聞いておりませんでした。お名前はなんと?」
魔王「そうだな……。今はまだ名乗る時ではない、とだけ言っておこう」
女騎士「……っ」 ズキューンッ
魔王「あ?」
女騎士「で、出すぎたことを言い申し訳ありませんでしたっ! ……ああ……素晴らしい……やはりこの人こそ私の――」 ブツブツ
魔王(……殺れるか? だが相手の力が未知数では、もし万が一……)
女騎士「――はっ、たびたび申し訳ありませんっ! では私の宿へご案内します、そこで証拠の御確認を!」
魔王「……ああ」
魔王「……」
女騎士「どうです?」
魔王「たしかに龍の牙だな」
女騎士「運ぶのに苦労しました。我が愛馬にもずいぶんな重労働を強いてしまい」
馬「ひひぃーんっ」
魔王(古から世界を見てきた龍の最期もこんなものか。哀れなものだな)
女騎士「しかし哀れなものですね」
魔王「……ほう、なぜだ?」
女騎士「この龍も、私に狩られるために生まれたわけではないだろう、と」
魔王「……」
女騎士「余計な話でした」
魔王「構わん」
女騎士「どうです?」
魔王「たしかに龍の牙だな」
女騎士「運ぶのに苦労しました。我が愛馬にもずいぶんな重労働を強いてしまい」
馬「ひひぃーんっ」
魔王(古から世界を見てきた龍の最期もこんなものか。哀れなものだな)
女騎士「しかし哀れなものですね」
魔王「……ほう、なぜだ?」
女騎士「この龍も、私に狩られるために生まれたわけではないだろう、と」
魔王「……」
女騎士「余計な話でした」
魔王「構わん」
女騎士「それで、なのですが」
魔王「お前を俺の騎士にするという話だな」
女騎士「……もしまだ私にその資格がないと考えておられるのなら、いくらでも試していただいて結構です」
魔王「ひとつ聞かせろ。俺に仕えてどうしたい?」
女騎士「どうしたい……」
魔王「俺の素性すら知らずに仕えて、お前は満足か? 俺が悪人であったらどうする?」
女騎士「主様を信頼していますから」
魔王「盲信の間違いだろう」
女騎士「主を信じるのが騎士の務め。もし主が道を違えたなら、その道を正すのもまた騎士たる者の務めです」
魔王(……傀儡にして戦場に立たせれば、人間の士気を挫く効果も絶大か。もし失敗したとしても――)
魔王「いいだろう。お前を騎士として認めてやる。共に来るがいい」
女騎士「あ、ありがたき幸せ! この一命、主に捧げます!」
魔王(――その首を晒すだけで人間達の士気を挫くには充分だろう)
魔王「お前を俺の騎士にするという話だな」
女騎士「……もしまだ私にその資格がないと考えておられるのなら、いくらでも試していただいて結構です」
魔王「ひとつ聞かせろ。俺に仕えてどうしたい?」
女騎士「どうしたい……」
魔王「俺の素性すら知らずに仕えて、お前は満足か? 俺が悪人であったらどうする?」
女騎士「主様を信頼していますから」
魔王「盲信の間違いだろう」
女騎士「主を信じるのが騎士の務め。もし主が道を違えたなら、その道を正すのもまた騎士たる者の務めです」
魔王(……傀儡にして戦場に立たせれば、人間の士気を挫く効果も絶大か。もし失敗したとしても――)
魔王「いいだろう。お前を騎士として認めてやる。共に来るがいい」
女騎士「あ、ありがたき幸せ! この一命、主に捧げます!」
魔王(――その首を晒すだけで人間達の士気を挫くには充分だろう)
魔王「北へ行く」
女騎士「目的地は何処でしょう?」
魔王「俺はあちこちを旅して回っている。つまりは旅人だ」
女騎士「遍歴を通して人助けをしているのですねっ!」
魔王「いや、ちがっ」
女騎士「御謙遜せずとも! 私とて主には敵わぬまでも、この戦乱の世に疲れ果てた人々の力に少しでもなれるようにと――」 ウンヌン
魔王(……妙な幻想を持たれたな)
女騎士「――そう、主が望むのならば、この身潰えるまで悪という悪を打倒し……!」
魔王「とにかく、北だ。いいな?」
女騎士「主の意のままに。……主は馬を何処の宿に置いているのですか?」
魔王「うむ。馬は、街の近くで倒れた」
女騎士「旅の伴侶として死ねて馬も本望だったでしょう。……では、しばらくは相乗りでご辛抱を」
女騎士「目的地は何処でしょう?」
魔王「俺はあちこちを旅して回っている。つまりは旅人だ」
女騎士「遍歴を通して人助けをしているのですねっ!」
魔王「いや、ちがっ」
女騎士「御謙遜せずとも! 私とて主には敵わぬまでも、この戦乱の世に疲れ果てた人々の力に少しでもなれるようにと――」 ウンヌン
魔王(……妙な幻想を持たれたな)
女騎士「――そう、主が望むのならば、この身潰えるまで悪という悪を打倒し……!」
魔王「とにかく、北だ。いいな?」
女騎士「主の意のままに。……主は馬を何処の宿に置いているのですか?」
魔王「うむ。馬は、街の近くで倒れた」
女騎士「旅の伴侶として死ねて馬も本望だったでしょう。……では、しばらくは相乗りでご辛抱を」
魔王(このまま胴を鎧ごと潰してしまえば容易く事は済むのではないだろうか?)
女騎士「主、何か不自由はありませんか?」
魔王「尻が痛い」
女騎士「我が愛馬は利口で大人しい方だと思いますが……もう少し速度を緩めましょうか?」
魔王「いや、いい。……お前はなぜ今まで誰かに仕えなかったんだ?」
女騎士「仕えるべき御人に出会えなかったから、でしょうか」
魔王「仕えるべき主とはなんだ? お前なら王や貴族の誘いもあったろう」
女騎士「己の欲を満たすよりも民に想いを向けられる人こそ、私が仕えるべき主と考えます」
魔王(選んだ相手が魔王では笑い話にしかならないがな)
女騎士「主に出会った瞬間、思ったのです。この人こそが私の運命なのだ、と」
魔王「……道が荒れてきた、気を付けろ」
女騎士「はい、我が主」
女騎士「主、何か不自由はありませんか?」
魔王「尻が痛い」
女騎士「我が愛馬は利口で大人しい方だと思いますが……もう少し速度を緩めましょうか?」
魔王「いや、いい。……お前はなぜ今まで誰かに仕えなかったんだ?」
女騎士「仕えるべき御人に出会えなかったから、でしょうか」
魔王「仕えるべき主とはなんだ? お前なら王や貴族の誘いもあったろう」
女騎士「己の欲を満たすよりも民に想いを向けられる人こそ、私が仕えるべき主と考えます」
魔王(選んだ相手が魔王では笑い話にしかならないがな)
女騎士「主に出会った瞬間、思ったのです。この人こそが私の運命なのだ、と」
魔王「……道が荒れてきた、気を付けろ」
女騎士「はい、我が主」
魔王「……やっと着いたか」
女騎士「北の国に来るのは初めてですが、どうも活気がありませんね」
魔王「街を散策すれば事情もわかってくるだろう。まずは宿を探そう。……そういえばお前、路銀はどれくらいある?」
女騎士「……騎士は名誉のみを求める者ですので……」
魔王(あれだけ魔物を殺し回って金がないとは。土地の領主と交渉すれば金などいくらでも手に入ったろうに)
魔王「お前、さてはバカだろう」
女騎士「主、今なんとおっしゃられたっ?!」
魔王「……あそこの宿なんてどうだ? それなりに小奇麗だし、俺の持ち金だけでも充分払えそうだ」
女騎士「主! 誤魔化さないでください! 今私をバカとおっしゃましたねっ!?」
魔王「わかったわかった、お前はバカじゃない」
女騎士「主っ!!」
魔王「宿を取ったら街を歩く。軽装にして外出の準備をしておけ」
女騎士「……」 プクーッ
女騎士「北の国に来るのは初めてですが、どうも活気がありませんね」
魔王「街を散策すれば事情もわかってくるだろう。まずは宿を探そう。……そういえばお前、路銀はどれくらいある?」
女騎士「……騎士は名誉のみを求める者ですので……」
魔王(あれだけ魔物を殺し回って金がないとは。土地の領主と交渉すれば金などいくらでも手に入ったろうに)
魔王「お前、さてはバカだろう」
女騎士「主、今なんとおっしゃられたっ?!」
魔王「……あそこの宿なんてどうだ? それなりに小奇麗だし、俺の持ち金だけでも充分払えそうだ」
女騎士「主! 誤魔化さないでください! 今私をバカとおっしゃましたねっ!?」
魔王「わかったわかった、お前はバカじゃない」
女騎士「主っ!!」
魔王「宿を取ったら街を歩く。軽装にして外出の準備をしておけ」
女騎士「……」 プクーッ
魔王「……荒廃しているな。大通りを離れるとあちこち死体だらけだ」
女騎士「北の国は飢饉だと聞いていましたが、ここまで酷いとは……」
魔王「少ない食料を戦争のために取り上げたのだろう」
女騎士「戦うために国を潰すなど、本末転倒です」
魔王「ほう」
女騎士「……魔物との戦いは避けられずとも、他国と同盟を結ぶなりの手段はあったはずです」
魔王「弱味を見せれば、次は隣国が敵になるかもしれない」
女騎士「それが疑心のために民を犠牲にするより大きな間違いですか?」
魔王「犠牲ですらないのだろう。尊い血筋にない者は、尊い血筋にある者のために生きる、いわば家畜程度の価値しかない」
女騎士「その言葉は本気ですか?」
魔王「この国のお偉方はそう思っているだろうな」
女騎士「間違っています。……絶対に間違ってる!」
女騎士「北の国は飢饉だと聞いていましたが、ここまで酷いとは……」
魔王「少ない食料を戦争のために取り上げたのだろう」
女騎士「戦うために国を潰すなど、本末転倒です」
魔王「ほう」
女騎士「……魔物との戦いは避けられずとも、他国と同盟を結ぶなりの手段はあったはずです」
魔王「弱味を見せれば、次は隣国が敵になるかもしれない」
女騎士「それが疑心のために民を犠牲にするより大きな間違いですか?」
魔王「犠牲ですらないのだろう。尊い血筋にない者は、尊い血筋にある者のために生きる、いわば家畜程度の価値しかない」
女騎士「その言葉は本気ですか?」
魔王「この国のお偉方はそう思っているだろうな」
女騎士「間違っています。……絶対に間違ってる!」
魔王「ならば、どうする?」
女騎士「戦争を止めます」
魔王「方法は? 奴らはとっくに動き出している。今さら歯止めは利かないだろう」
女騎士「……私が、魔王を倒します」
魔王「ほう」
女騎士「各国が戦争に備えているのは魔王の宣戦布告によるもの。ならば」
魔王「魔王さえ倒せば丸く収まると」
女騎士「そうです。魔王の首さえ取れば、いずれこの荒廃した都も平穏を取り戻せるはずです!」
女騎士「戦争を止めます」
魔王「方法は? 奴らはとっくに動き出している。今さら歯止めは利かないだろう」
女騎士「……私が、魔王を倒します」
魔王「ほう」
女騎士「各国が戦争に備えているのは魔王の宣戦布告によるもの。ならば」
魔王「魔王さえ倒せば丸く収まると」
女騎士「そうです。魔王の首さえ取れば、いずれこの荒廃した都も平穏を取り戻せるはずです!」
この女騎士はおバカなライトニングさんですか
それともおバカなアグリアスさんですか
それともおバカなアグリアスさんですか
魔王「お前は俺に仕える騎士だろう。俺の許可なく魔王討伐に行くつもりか?」
女騎士「それは、ですが!」
孤児「……おねえちゃん……」 クイッ
女騎士「えっ?」
孤児「……めぐんでください……」
孤児「おとうとが……まってるの……おねがいします……すこしでいいから……めぐんでください……」
魔王「どうするのだ?」
女騎士「これ、あげるね」 チャリッ
孤児「……おかね……これ、ぜんぶ……いいの……?」
女騎士「うん。これはお姉ちゃんが持ってるより、きみが持ってる方がいいから。ほら、弟くんが待ってるんでしょ? はやく帰ってあげなくちゃ」
孤児「あ……あり、がと……ございます」 ペコリ タッタッタッ
女騎士「それは、ですが!」
孤児「……おねえちゃん……」 クイッ
女騎士「えっ?」
孤児「……めぐんでください……」
孤児「おとうとが……まってるの……おねがいします……すこしでいいから……めぐんでください……」
魔王「どうするのだ?」
女騎士「これ、あげるね」 チャリッ
孤児「……おかね……これ、ぜんぶ……いいの……?」
女騎士「うん。これはお姉ちゃんが持ってるより、きみが持ってる方がいいから。ほら、弟くんが待ってるんでしょ? はやく帰ってあげなくちゃ」
孤児「あ……あり、がと……ございます」 ペコリ タッタッタッ
>>14
ここはひとつ、遍歴の騎士ということで
ここはひとつ、遍歴の騎士ということで
騎士っていう名前なだけで地位とはなんの関係も無いんだよ
板金鎧着てりゃ騎士なんだよ
板金鎧着てりゃ騎士なんだよ
>>33
いいからはよ
いいからはよ
魔王「あれと同じような孤児は数え切れないほどいるだろう」
女騎士「すべての子供達を救える富を私は持っていない……だから申し訳ありません、主。私は」
魔王「明朝、魔王領に向けて出発する」
女騎士「いいのですか?」
魔王「予定通りに移動するだけだ。他の国の事情もある程度はわかった」
女騎士「我が主っ!」 ギュッ
魔王「おい放せ」
女騎士「信じていました、私は信じていましたっ! 主ならばと! 主ならば傷付いた者達を捨て置くはずがないとっ!」 ギュゥゥ
魔王「鬱陶しいっ! 離れろっ!」
女騎士「ああ、私はなんと幸せな騎士なんだろうっ! これほどまでに誇るに値する主を持った騎士がかつていただろうか、いやいないっ!」
魔王(……今抱きしめている者こそが魔王なのだと知った時、お前はどんな顔をするのだろうな)
女騎士「すべての子供達を救える富を私は持っていない……だから申し訳ありません、主。私は」
魔王「明朝、魔王領に向けて出発する」
女騎士「いいのですか?」
魔王「予定通りに移動するだけだ。他の国の事情もある程度はわかった」
女騎士「我が主っ!」 ギュッ
魔王「おい放せ」
女騎士「信じていました、私は信じていましたっ! 主ならばと! 主ならば傷付いた者達を捨て置くはずがないとっ!」 ギュゥゥ
魔王「鬱陶しいっ! 離れろっ!」
女騎士「ああ、私はなんと幸せな騎士なんだろうっ! これほどまでに誇るに値する主を持った騎士がかつていただろうか、いやいないっ!」
魔王(……今抱きしめている者こそが魔王なのだと知った時、お前はどんな顔をするのだろうな)
魔王「……人間どもの国の様子は、そういうわけだ。奴らも戦争の準備はほぼ済んでいると見ていい」
『……そこまで差し迫っているとは』
魔王「直接偵察に来たのは間違いではなかったな。俺が留守の間に何か問題は起きていないか?」
『我らの地へ足を踏み入れる冒険者の数は増えていますが、守護を任せた者が処理しています』
魔王「ならばいい。それと1人、人間を連れて帰る。余計なトラブルにならぬよう伝達を頼む」
『了解しました。帰りの道中も“くれぐれも”無理をなさらず、ご自愛なさるよう願います』
魔王「そう当て付けてくれるな」
『……御帰りをお待ちしております』
魔王「ああ」
コン コン
魔王「……入れ」
女騎士「し、失礼します」 ガチャ
『……そこまで差し迫っているとは』
魔王「直接偵察に来たのは間違いではなかったな。俺が留守の間に何か問題は起きていないか?」
『我らの地へ足を踏み入れる冒険者の数は増えていますが、守護を任せた者が処理しています』
魔王「ならばいい。それと1人、人間を連れて帰る。余計なトラブルにならぬよう伝達を頼む」
『了解しました。帰りの道中も“くれぐれも”無理をなさらず、ご自愛なさるよう願います』
魔王「そう当て付けてくれるな」
『……御帰りをお待ちしております』
魔王「ああ」
コン コン
魔王「……入れ」
女騎士「し、失礼します」 ガチャ
うるせぇな黙ってろよ、今回はてめえらが悪いだろ……イチ書き手として言わせてもらうがな。
SSってのはな、読者に合わせてムリヤリ書くもんじゃねぇんだよ
書き手がこういうストーリーを文に書きたい、って思いを形にする為にあるんだよ
いちいち、お前らの意見がどうかとか、評価がどうとか、感想がどうとか、くっだらねぇ、どうだっていい。
こっちは、書きたい物を書いてんだわ。それを外からグチグチ文句垂れんじゃねぇ。
ストーリーや、エンドが気に食わないってんならテメェで書けや。それが出来るのがSSだろうが。
与えられたもんを食うだけ食って、いい御身分で文句垂れるしか能が無いてめぇらの方がよっぽど家畜だわ
SSってのはな、読者に合わせてムリヤリ書くもんじゃねぇんだよ
書き手がこういうストーリーを文に書きたい、って思いを形にする為にあるんだよ
いちいち、お前らの意見がどうかとか、評価がどうとか、感想がどうとか、くっだらねぇ、どうだっていい。
こっちは、書きたい物を書いてんだわ。それを外からグチグチ文句垂れんじゃねぇ。
ストーリーや、エンドが気に食わないってんならテメェで書けや。それが出来るのがSSだろうが。
与えられたもんを食うだけ食って、いい御身分で文句垂れるしか能が無いてめぇらの方がよっぽど家畜だわ
魔王「夜も遅くに何の用だ?」
女騎士「その……ま、魔王領への出立の前に、あ、主様に、その……わ、渡したい物が、ある、あります……」
魔王「渡したい物?」
女騎士「わ、私の……私、が、あの……と……」
魔王「と?」
女騎士「と、伽を……夜伽を……し、したいと……お、思い、来ました……」
魔王「……」
女騎士「あ……う……ぅ……」 カァァァ
女騎士「め、迷惑、ですよね、私みたいな、武骨な……」
魔王「入れ」 グイッ
女騎士「あっ」
女騎士「その……ま、魔王領への出立の前に、あ、主様に、その……わ、渡したい物が、ある、あります……」
魔王「渡したい物?」
女騎士「わ、私の……私、が、あの……と……」
魔王「と?」
女騎士「と、伽を……夜伽を……し、したいと……お、思い、来ました……」
魔王「……」
女騎士「あ……う……ぅ……」 カァァァ
女騎士「め、迷惑、ですよね、私みたいな、武骨な……」
魔王「入れ」 グイッ
女騎士「あっ」
魔王「座れ」
女騎士「あ……あの……」
魔王「立ったままでいいなら構わん。……お前が夜伽に来たのはなぜだ?」
女騎士「なぜ……」
魔王「忠義立ての延長か?」
女騎士「違います! わ、私だって、抱かれる相手くらい、自分が好きな相手を選びますっ!」
魔王「なぜ俺だ?」
女騎士「貴方は……私の理想を、私の気持ちをわかってくれた、から……」
魔王「覚えがないな」
女騎士「私が子供に路銀すべてを恵んだ時、貴方は何も言わなかった」
魔王「なぜ俺がお前の金の心配をしなくてはならんのだ?」
女騎士「あ……あの……」
魔王「立ったままでいいなら構わん。……お前が夜伽に来たのはなぜだ?」
女騎士「なぜ……」
魔王「忠義立ての延長か?」
女騎士「違います! わ、私だって、抱かれる相手くらい、自分が好きな相手を選びますっ!」
魔王「なぜ俺だ?」
女騎士「貴方は……私の理想を、私の気持ちをわかってくれた、から……」
魔王「覚えがないな」
女騎士「私が子供に路銀すべてを恵んだ時、貴方は何も言わなかった」
魔王「なぜ俺がお前の金の心配をしなくてはならんのだ?」
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