私的良スレ書庫
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元スレ男「仔犬? 捨て犬か……」
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男「それじゃ、ここで待てだ。いいね?」
仔「あい!」
男「何か欲しいものある?」
仔「ガジガジするやつが欲しいです。」
男「ガムか? そう言えば前のは噛み千切ってしまったな。」
仔「次はもっと硬いのがいいです。」
男「それは歯が生え換わってからな。」
仔「くぅ。」
男「すぐ戻るからな。」
男「おとなしくしてた……ぬ?」
仔「ご主人……」
男「やられたな。随分と凛々しい眉毛だ。」
仔「小梅は我慢しました。偉いですか?」
男「偉いぞ。こんなことする奴、抵抗したら何してくるかわからんからな。」
仔「あ、あの人達です。あそこに居る人が小梅の顔を……」
男「いいから、知らん顔してろ。」
「……フン、骨折くらいが妥当か……思い知れ。」
男「何だって?」
仔「あれ? 今、おねーさんの臭いがしませんでしたか?」
男「え? いいや?」
――――――――――
今日はお買い物に行きました
待っている間に知らない人に眉毛を描かれてしまいました
その人たちはなぜか大声で叫びながら透明なドアに体当たりして
ピーポーで運ばれていきました
良い子にしてたのでおやつを2こ貰いました
またおねーさんの臭いがしました
どうして姿が見えないのでしょう?
恥ずかしがり屋ですか? 小梅に会いたくないですか?
小梅はおねーさんに会いたいです
――――――――――
半「ふむ、もうしっかりと主従関係が結ばれているようだな。」
男「なんだお前か。久しぶりだな。」
半「里親探しは捗っているのか?」
男「分かってて聞いてるんだろ?」
半「まあ無理だろうな。今さら手放す事などできはしまい。」
男「お前の目論見通りになったってワケだ。」
半「そうでもないぞ。実を言うと、ここまで望んではいなかった。」
男「飼うのは俺じゃなくてもよかったって?」
半「お前が選ぶ里親なら、心配はいらないだろうと思ったからな。」
男「コラ。」
半「ん……お前ではなく、ご主人様だったな。」
男「お前はどうするつもりなんだ?」
半「どうしたものかな……」
男「やっぱり、混じってるのが問題か?」
半「いや、ここ最近こ奴の自我がしっかりと固まって来ている。容易に抜けられよう。」
男「なら何を迷う事がある?」
半「私には実体が無い。抜け出たところで顔を合わす事は出来ん。」
男「そうか、どっちにしろ小梅に会う事にはならないか。」
半「それにな……いや、止しておくか。」
男「何だよ? 気になるじゃねえか。」
半「言いたくない。それに、言ったところでどうにもならん。」
男「お前はどう思ってる?」
半「何に対してだ?」
男「小梅の事だよ。お姉さんって慕われてるけど、迷惑か?」
半「悪い気分ではないな。だが、妬ましくもある。」
男「穏やかじゃないな。」
半「私は人に飼われるという事が無かったからな。」
男「自分も可愛がって欲しいってことだな?」
半「そ、そんなことない!」
男「ヨーシヨシヨシ!ヨーシヨシヨシヨシヨシ!んっばばばばあ!」
半「ひゃめるりらば、しょんられ!おぶぶっぷぁ……」
男「喋るな、舌噛んじまうぞ。ヨーシヨシヨシ……」
――――――――――
犬「ご主人様! 散歩の時間です。散歩! 散歩!」
男「じゃあ行くか。」
犬「また紐つけるですか? 小梅は勝手に逃げたりしませんよ?」
男「世の中には犬を見て怖がる人もいるからね。」
犬「小梅はそういう人を見分けられるので、近付いたりしません。」
男「でも、その人達は繋がれてない犬を見るのが凄く恐ろしいんだ。」
犬「困った人たちですね。」
男「そういう人みんなに怖いのを我慢しろって頼むより、小梅が我慢した方が簡単だろ?」
犬「そうですね。」
男「んー、そろそろ首輪を新しくするか?」
犬「大丈夫です。まだ苦しくなってません。」
男「でももう最後の穴だしな。うん、今度買いに行こう。」
犬「あい。」
男「今日はフリスビーにする?」
犬「びゅいーんしてパックンですか?」
男「そう。」
犬「ボールがいいです。」
男「この前、興奮しすぎた誰かさんがパンクさせたから無理。」
犬「はう……」
――――――――――
面白くない
まったくもって面白くない
妬ましい、羨ましい、忌々しい
私とて優しい人間に出会いさえすれば
こんな薄汚れた存在に身を窶す事は無かったのだろうか
この身体の主を恨むわけではない
恨むべきは実体を持たぬ自分自身だ
それはわかっているつもりだが
連れ添って歩くのも
指示に従って褒美を授かるのも
それらはすべてが魅力的で、私はそれを嫉むのみだ
恩に報いるということ
それはいつまで続ければ報いたことになるのだろう
礼を言われるまでか? 自分の気が済むまでか?
相手が恩を着せた事を自覚していなければ
それはどれだけ続けても報いたことにならないのではないか
勘定できるものではないが、もう十分ではないのか
いや、むしろ返しすぎてはいないか
次は私が返される側に違いない
欲しければ奪えば良いではないか
私は常にそうしてきたではないか……
小梅が「仔」じゃなくて「犬」になってる・・・成長したんか・・・
――――――――――
犬「ご主人様、お腹が空きました。」
男「まだご飯の時間じゃない。それに、運動してすぐ食べると危ない。」
犬「む、そうでした。」
男「自分から飯をねだるなんて珍しいな。」
犬「今日はたまたまそういう気分だったんです。」
男「ふーん……気分、ね。」
犬「明日も散歩に行きましょうね。」
男「今まで欠かしたことがあるか? 俺が病気の時以外で。」
犬「いえ、ないですね。」
男「ほれ、ガムでも噛んでろ。」
犬「ガム?」
男「……これでもガジガジしてなさい。」
犬「本能が呼び覚まされますね。」
男「あのさ、お前……まあいいや。」
犬「私がどうかしましたか?」
男「何でもないよ。もう少ししたらご飯にするからな。」
犬「はい!」
――――――――――
犬「ご主人様! 見てください!」
男「なんだいきなり? 腹なんか見せて。」
犬「私の気持ちです!」
男「わかってるよ。別に今さら確認する事でもないだろ。」
犬「もっとです、もっともっと尽くしたいんです。」
男「俺はそんな事望んじゃいないよ。」
犬「しませんか? いえ、しましょう。」
男「何をだ?」
犬「信じて曝け出した服従ぽんぽんが飼い主の兄さんの嗜虐願望にジャストミートしてドヤ顔キープのリバーブローを見舞ってくるなんてごっこです。」
男「何だそれは?」
犬「豚の様な悲鳴を上げます。」
男「……焦ってるのか?」
犬「さあ、思いっきりどうぞ。」
男「そんなことする必要はないよ。」
犬「悲鳴を上げます。豚の様な。」
男「俺はそんな事したくないの。」
犬「ご主人様のためなら、自分の身をも厭わないことを知って欲しいんです。」
男「今さら確認する必要もない。そこまでしないと不安なのか?」
男「要するに、信頼の証明が欲しいんだな。」
犬「はい! ご主人様の為なら何だって耐えてみせますよ。」
男「その代わり、自分だけを見て欲しい。と?」
犬「高望みですか?」
男「こっちへ来て横になりなさい。」
犬「はい! 頑張ります!」
男「その、ぽんぽんがナントカごっこはしねーよ。」
犬「?」
男「俺が良しって言うまで動くなよ。」
犬「あの……これは?」
男「犬枕。」
犬「いぬまくら?」
男「信頼し合った犬と飼い主だけが成し得る究極の芸だ。」
犬「これが究極なのですか?」
男「お前は急所である腹を俺に預ける。」
男「俺はお前が逃げたら床で頭を打つ。」
犬「あ……」
男「なあ、小梅はどうしたんだ?」
犬「え? いえ、私はここに……」
男「お前は小梅じゃない。俺を見くびるな。」
犬「なっ? 一体いつから気付いていた?」
男「おっと、動くなよ。俺が頭を打ってもいいのか?」
犬「あう、それは……」
男「小梅のフリして、小梅に取って代わろうって思ったんだな?」
犬「お見通しか。」
男「お前は私達を飼えって言ったよな? 俺は小梅だけを飼ってるつもりは無いぞ。」
犬「だが、私は……」
男「お前はもう少し甘え方をおぼえた方がよさそうだな。」
犬「くっ……」
――――――――――
私は犬神だ
犬の神と書けば字面はいいが実際は蠱物(まじもの)に過ぎぬ
むしろ神仏とは正反対の汚れた卑しい存在だ
それは我欲の象徴であり、飢えと恨みの権化なのだ
自然の摂理に背き、身体を棄てて
祭祀者の欲を満たすためのみに疾駆するあやかしだ
この男はそれを知っているのだろうか
知っていてなお私の拠り所になろうとしているのだろうか
>>816
鬼畜勇者様見ても同じ事言えんの?
鬼畜勇者様見ても同じ事言えんの?
ああ、そうか
この男ならきっとこう言うのだろう
知っていようが無かろうがそんな事は関係ないと
簡単な事だった
単純な事だった
私は求めてもよかった
ただそれだけの事だったのだ
――――――――――
犬「ご主人様、これは何ですか? 変な臭いがします。」
男「それは蚊取り線香。熱いから触るなよ。」
犬「熱い? ああ、中にあるグルグルが燃えてるんですね。」
男「これが燃えると蚊をやっつける成分が周りに広がる。」
犬「蚊は嫌ですね。」
男「次はお薬だ。これを飲め。」
犬「まずそうな臭いがしますよ?」
男「そりゃまあ、薬だからな。」
犬「小梅はなにか病気なのですか?」
男「病気じゃないな。これは予防のために飲むお薬だ。」
犬「予防ですか。」
男「蚊に刺されると、フィラリアっていう怖い病気になる事があるんだ。」
男「この病気にかかった犬を蚊が刺すとするだろ?」
男「その蚊が小梅を刺したら、今度は小梅が病気になるんだ。」
犬「じゃあ、ご近所に病気の犬が居るのですか?」
男「それはわからない。」
男「でも、小梅がフィラリアになったら近所の犬にも病気を広げてしまうかもしれない。」
犬「おねーさんもこの薬を飲みますか?」
男「飲んでるはずだよ。」
犬「じゃあ小梅も飲みます。」
犬「そういえば、おねーさんは最近来ていますか?」
男「うん? いやー近頃はあんまり来てない……かな?」
犬「そうですか……」
男「さ、早く薬を飲みな。ちゃんと飲めたらおやつをあげるよ。」
犬「なでなではしてくれないですか?」
男「そっちの方がいいの?」
犬「うにぃ、おやつも欲しいです。」
男「小梅は欲張りだな。」
犬「じゃあ、おやつを食べる前にお手をするので、なでなでしてください。」
男「薬飲んだら。だぞ?」
――――――――――
ご主人様がうそをつきました
おねーさんは最近は前よりたくさん来ているはずです
前よりもおねーさんの臭いがすることが多くなっています
それに、前とはちがうことがあります
おねーさんの臭いはご主人からするのです
どうしてご主人様はうそをついたのでしょう
ご主人はもうずっとおねーさんが来ても小梅を起こしてくれません
小梅に内緒の事があるのですか?
おねーさんはきっと良い人です
ご主人様に小梅のことをお願いしてくれました
小梅よりも賢くて立派なんだと思います
おねーさんに会ったらお礼を言ってぺろぺろしたいです
でも、ご主人様は譲ってあげません
ご主人様は小梅のご主人様です
だから小梅のことをのけ者にしてご主人と遊ぶのはだめです
ご主人様もそうしないといけないんだと思います
もしかして
おねーさんが居れば小梅はいらない子なのですか?
小梅はおねーさんほど賢くないかもしれません
でも、ご主人様のことは小梅が一番知ってます
ご主人様の一番はおねーさんなのですか?
小梅はどうやったら一番になれますか?
もっとご主人様の為にできることはないのでしょうか
小梅にしかできないことをすれば
もっともっと小梅のことを見てくれますかね
――――――――――
半「今日は私と散歩に行ってくれないか?」
男「それは構わんが、小梅はどうしたんだ?」
半「体調がすぐれないようだ。差し出がましいとは思うが休ませている。」
男「無理矢理入れ替わったんじゃないだろうな?」
半「そんな事はしない。誓ってもいい。」
男「まあ、最近元気が無かったのは確かだからな。」
半「うむ……病むような事はしていないはずだが……」
男「季節の変わり目にあてられたのかもな。」
半「やはり綱は付けなければならんか?」
男「リード嫌なのか?」
半「嫌な思い出しかなくてな……」
男「じゃあ散歩には連れていけないな。」
半「うぐぐ……」
男「残念だなーこれから良い思い出ができるかもしれないのになー」
半「わかった。騙されてやる。だから早く付けろ。」
男「それから、その格好じゃ、外に出してやれないぞ。」
犬「わかっている。これでいいのだろう?」
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