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元スレ男「仔犬? 捨て犬か……」

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男「それでね、ここに居る間は、決まりを守らないといけないんだ。」
半「どんな決まりですか?」
男「一度に言っても覚えきれないと思うから、少しずつ教えていくよ。」
半「あい!」
男「俺の事は、ご主人様って呼ぶこと。できる?」
半「ゴシュジンサマ? ご主人……ご主人様。覚えました。」
男「それから、今日から君の名前は小梅。そう呼ぶから。」
半「小梅ですね。私は小梅ですね。小梅、私が小梅……」
男「小梅。」
半「はい?」
男「……小梅。」
半「はいっ!」
男「ヨシヨシ。」
男「小梅、お腹空いてない?」
半「小梅はお腹が空いてます。」
男「普段は一日何食なの?」
半「決まってないっ! 食べられるときに食い溜めなのです。」
男「そりゃそうか。」
半「でも、好き嫌いはしませんよ!?」
男「むしろ好き嫌いは許さないけどな。」
半「じゃあ、何をくれますか?」
男「いや、まだ食べさせるとは言ってないよ?」
半「ぷー……」
男「働かざる者食うべからずという言葉があってな。」
半「働く? お仕事ですか?」
男「まあ、労働には期待してないから、別のことで貢献ってトコだな。」
半「あい! ご飯のためなら何だってしますよ!」
男「ほう……」
半「でも、貢献というのが良くわかりません。」
男「ほんの少しだけ、ご奉仕をしてもらいます。」
半「わかりました。何をすればいいですか?」
男「もう少しこっちへ来なさい。」
半「何か、さっきから息が荒くないですか?」
男「それは否定しない。久々にスイッチ入っちまってるからな。」
半「なんか怖いんですけど……」
男「何でもするって言っただろ?」
半「やっぱりちょっとタンマで!」
男「だめだ! 今さら後には引けない。」
半「ひっ!」
男「スンスン……スハースハー……クンカクンカ……フンスコ!フンスコ!」
半「何ですか!? 一体何をしてるんですか!?」
男「あぁぁ! これは効く! 獣臭が! 皮脂が! 乾いたヨダレがぁぁ!!」
半「いやぁああぁぁ!!」
男「犬特有の臭いだ! ああ、鼻がもげ落ちそうだ! 犬臭えぇぇぇ! たまらん!」
半「やめてください! もうやめて!」
男「フスー!フスー!……疥癬気味の耳の臭いも素晴らしい!」
半「おかしいです! よくわからないけどこんなのおかしいです!」
男「内臓が弱ってそうな口臭も……フォォォー!!」
男「……ふぅ。」
半「も、もういいですか……?」
男「ああ、存分に堪能させてもらった。」
半「何か……ものすごく酷い事をされたような気がします。」
男「そう思うなら、どうして抵抗しなかったんだ?」
半「してもよかったのか!?」
男「当たり前だ。お前にはちょっと失望したぞ。」
半「…………」
男「抵抗する四肢をかいくぐっての悪臭吸引、これ以上のスキンシップはない。」
半「小梅はそんなに臭いですか……」
男「ああ、バッチリだ! 誇っていいぞ!」
半「喜んでいい事なのでしょうか?」
男「良い事でもあるし、良くないことでもあるな。」
半「あ、でも臭いも個性ですよね。」
男「その通り、お前の臭いはお前の特徴とも言える。」
半「小梅の臭いを気に入ってくれたと言う事ですね?」
男「そうだ。」
半「小梅は良くできました?」
男「うん。良くできました!」
半「じゃあ、嬉しいです。喜びます。」
男「とはいえ、不潔なまま放置は十分虐待だから後で洗ってやるよ。」
男「それじゃ、ご飯だ。今日のところは水かけシリアルで我慢してくれ。」
半「おー! 待ちかねたのだ。お待ちかねなのだ。」
男「おっと、忘れるところだった。」
半「早く、早く! よーこーせー!」
男「お手!」
半「オテ?」
男「こう言われたら、俺の手の上に自分の手を乗せるの。お手!」
半「こうですか?」
男「ものわかりがいいな。」
半「食べづらいです。下に置いてください。」
男「あんまり急いで食べるんじゃないぞ。あと、不味くても文句いうなよ。」
半「ほれはアレれす。食へらえるほほにほは――ゴブホッ!」
男「うわっ汚ねえ! 飲み込んでから喋れよ!」
半「ああもったいないもったいない……あむあむ……」
男「待て、床に落ちたのは食うな。舐め取るんじゃない。」
半「うがぁ!!」
男「……ッ!?」
半「これはもう私のご飯だ、私のものを横取りするのなら容赦はしない!」
男「別に取ったりしねーよ。」
半「分かればいいのです。」
男「眼の色変わってるし、食い終わってからだな。」
半「ご主人様……無くなってしまいました。」
男「無くなったんじゃなくて、食べ終わった。な?」
半「でもあの箱にはまだ残っていますよ? 出してくれたらまた食べれます。」
男「今回はそれでおしまい。残りはまた今度だ。」
半「そんな! どうしてまだあるのに食べないんですか!」
男「今食べる必要が無いからだ。」
半「次はいつ食べられるか分からないというのに!」
男「明日も明後日も必要な分は食べさせてやる。」
半「そんなこと言って、本当に食べ――」
男「置いてやると言った以上、お前を飢えさせることは無い。俺を見くびるな。」
半「……あい。」
男「それから、さっき床にこぼれた分まで食ったよな?」
半「それはアレです、もったいないじゃないですか。」
男「床にはワックスが塗ってある。毒じゃないが、身体に良いものでもない。」
半「でも、今のところなんともないですし。」
男「今は平気でも、後々悪くなったらどうする?」
半「それは自分のせいなので、別に文句言ったりしないです。」
男「馬鹿タレ。俺の庇護下に居る間、病むことは絶対に許さん。」
半「はう……」
男「次からはシートを敷いてやる。シートからはみ出たのは絶対に食うな。」
半「シートの上にこぼれたのはセーフですか? 食べてもいいですか?」
男「セーフだ。でも、こぼさずに食えばそんな心配はいらんぞ?」
半「なるほど!」
男「健康管理の観点からして、不衛生過ぎるのはまずいからな。」
半「そんなに汚いとは思わないですけど?」
男「まあ、そんだけ獣臭まきちらして平気なんだから、意識した事はないだろうな。」
半「きゅむう……やっぱり臭いのはダメですか。」
男「個人的には好きだが、飼い主としては沽券に関わる。」
半「今までもそうやって生きてきたので、どうしようもないです。」
男「だったら今日から変えろ。」
半「むちゃくちゃです。」
男「じゃあ、俺が変えさせてやる。まずは風呂だ。」
半「フロ?」
男「身体を洗うんだ。洗って身体についた汚れを落とす。」
半「それをしたら臭くなくなるんですか?」
男「そうだな。人間は毎日入るぞ。」
半「毎日ですか?」
男「お前らは皮脂を落としすぎると皮膚が痛んだりするから、毎日はしないけどな。」
半「今からするですか?」
男「どうした? 今からだと都合が悪いのか?」
半「ご飯食べたら眠くなってきました。」
男「じゃあ仕方ないな。」
半「はふぅ……むにゃ……」
――――――――――
男「くそっ……破壊力高ぇな。」
半「どうだ? ふむ……ほころんだ顔を見るに、何かしら琴線に触れたようだな。」
男「おわっ! 元に戻ったのか!?」
半「いや、本体はあちらだ。私は身体を借りているにすぎん。」
男「汚ねえぞ。あんなの冷たくあしらえるわけがない。」
半「ククク、まさに魔性の女だな。末恐ろしい事だ。」
男「いや、今だけだろ。成長すれば凛々しくはなるだろうが、魅惑の瞳は失うね。」
半「それは自分に言い聞かせているのか?」
男「なあ、姉さんってお前の事だよな?」
半「どうもそう思われているようだな。」
男「姿を見せてやることってできないのか?」
半「同化している間は無理だ。」
男「分離はできないのか?」
半「簡単には、な。」
男「難しいけど無理ではないってことか?」
半「魂の一部が混じってしまっているからな。」
男「小梅の時でもその外見を保ってたり、話せたりするのは混じっているから?」
半「そういう事だ。」
男「風呂入るか?」
半「裸の付き合いがしたいと言う事かな?」
男「お前はもともと裸じゃねえか。」
半「やましい考えが無いのなら構わんが……」
男「それは無理な相談だな。」
半「自分より弱い者に劣情を催すか……救い難いな。」
男「人聞きの悪い事を言うんじゃないよ。」
半「まあ、世話になるからには多少の妥協は仕方ないか……」
男「うんうん、聞きわけの良い子は大好きだぞ。」
半「っ……ば、バカもの!」
半「この中に入ればいいのか?」
男「まずは身体を洗ってからだ。紅梅号の遺品だけどな。」
半「おお! アワアワだ! これを全身に馴染ませればいいのだな?」
男「そういうこと。背中は俺がやってやる。」
半「事故を装って色々なところをまさぐるつもりか?」
男「調子に乗るな。」
半「きゃん。」
男「泡が耳に入らないよう気をつけろよ。」
半「もわもわでモコモコでわしゃわしゃだな。」
男「そろそろ流すぞ。」
半「好きにしろ……」
半「どうした? 不満があるのか? 物足りぬという顔だな。」
男「そうだな。」
半「泡を洗い流したから、次は浴槽に浸かればいいのだな?」
男「おい待てよ。」
半「なぜ止める? 温水とはいえ、濡れたままでは冷えてしまうではないか。」
男「それが理解できているのになぜ気付かない?」
半「何に気付けと言うのだ?」
男「犬なら脱水機のごとく全身を震わせて水を飛ばすだろ?」
半「はぁ?」
男「身体や顔に飛沫を受けて、ぷわっ! こいつぅ~ってのは飼い主の本懐だろ!?」
男「じゃ、湯船に浸かるぞ。いいか?」
半「大げさな……足が付かぬほど深いわけでもあるまいに。」
男「一応、頭までは浸からないように支えといてやる。」
半「ふむ。湯に浸かるのは初めてだが、なかなかに心地良いものだな。」
男「……ダメだ。お前はまるでわかってない。」
半「勝手に期待して、勝手に失望されてもな。」
男「湯船に入ったらパニック起こして脱兎の勢いで逃げようとするだろ、普通!」
半「なぜそれが普通のことなんだ!?」
男「そんで、まだ上がるなって掴まれて、俺に掻き傷、生傷、ミミズ腫れを刻み込むだろ!?」
半「知らぬわ!」
――――――――――
今日はご主人様に会いました
ご主人様と言うのはご主人様です
小梅という名前をつけてもらいました
ヨシヨシしてくれます
小梅を家に住まわせてくれます
ご飯をくれます
小梅が寝てる間に、おねーさんが頼んでくれたようです
いっぱい臭いを嗅がれました
すこし恐ろしかったです
小梅の臭いが好きだって言ってくれました
ご主人様は蹴りません
棒で叩いたりもしません
石を投げたりもしません
お手を教えてもらいました
――――――――――
半「わふっ……」
男「ん、起きたか。」
半「なんだか身体が自分の身体じゃないみたいです。」
男「どういうこと?」
半「体中から知らない臭いがします。」
男「あ、それは犬用シャンプーの臭いだな。」
半「シャンプー?」
男「寝ている間にお風呂で身体を洗ったからね。その時の洗剤の臭いだ。」
半「なんだか変な気分です。」
男「じきに慣れるよ。そのうち元の臭いが戻ってくるし。」
男「小梅。」
半「はい!」
男「こっちへおいで。」
半「あい!」
男「ここに手をついて。じっとして動いちゃだめだぞ。」
半「分かりました。小梅はじっとしてます。」
男「暴れたりするなよ?」
半「暴れるような事するですか?」
男「しないしない。最初は痛いかもしれないけど、すぐ気持ち良くなるよ。」
半「ふぐっ……何か……入って、くる……」
男「大丈夫、心配いらないから。ゆっくりやるからね。」
半「ひぎっ! だめです、これはいけない事な気がします。」
男「こら、逃げるな。手はここ!」
半「あうあう……んひぃっ!」
男「ほら、目を開けて。よく見てごらん。」
半「な、なんですかこれは!? 真っ黒です!」
男「耳疥癬と言ってね、お前の耳には小さいダニがいーっぱい住んでるんだ。」
半「ダニ?」
男「そう、そのせいで痒くなるし、黒い耳垢が溜まるんだ。」
男「よし、終わりだ。もういいよ。」
半「ダニは取れましたか? もう居ないですか?」
男「まだまだ沢山いるよ。」
半「だめです! 全部取って下さい!」
男「綿棒じゃ取り切れないし、あんまりすると耳の中が傷付いちゃう。」
半「でも、ダニは嫌です。」
男「今度お医者さんに行こう。ダニをやっつける薬をもらおうね。」
半「今度っていつですか? お医者さんて何ですか?」
男「いつだろうね? 元気に走り回れるようになったらかな。」
男「お医者さんは、怪我や病気を治してくれる人のことだよ。」
半「わふ……」
――――――――――
「シルビアちゃん、中へどうぞ。」
仔「ご主人様、いろんな犬が居ますね。」
男「こら、外で喋っちゃダメって言っただろ。」
仔「あ、ごめんなさい。」
男「じゃなくて?」
仔「わん!」
「タロウちゃん、中へどうぞ。」
男「返事はしなくていいから、そのまま聞くんだ。」
仔「わふ。」
男「お医者さんに耳の中を見てもらう。」
男「嫌かもしれないけど、我慢してじっとしてろよ。」
仔「ぁおん。」
「コウメゴウちゃん、中へどうぞ。」
男「俺も一緒に居てやるから、そしたら怖くないだろ?」
仔「わん!」
男「あの、号っていうのは敬称なので、ちゃん付けの時は言わなくていいです。」
「す、すみません。失礼いたしました。」
医「耳の診断と、6種混合(:予防接種)ですか。」
男「ええ、黒い耳垢と臭いがあって……耳疥癬だと思うんですが。」
医「良く知ってますね。ひょっとして前にも?」
男「いえ、この子は最近拾ったんです。前にも犬を飼ってて……」
医「じゃあ診てみましょう……ん、おとなしくて良い子ですね。」
――――――――――
仔「ご主人……痛かった。」
男「そうだな。ごめんよ。」
仔「痛かったぁぁぁ……」
男「でもな、あの注射をしないと怖い病気になるかもしれないんだ。」
仔「あんなに痛いなら病気のほうがいいです。」
男「馬鹿な事言うな。ジステンパーなんかだと死んじまうぞ。」
仔「じす? 小梅にはわからないですが、死ぬのは嫌ですね。」
男「お前が死んだら俺はとても悲しむ。」
仔「じゃあ、注射のほうがいいです。」
男「ヨシヨシ。」
仔「ねえ、ご主人……」
男「ん、まだ痛いって言い足りないのか?」
仔「おねーさんは注射してもらいましたか?」
男「へ?」
仔「おねーさんが病気で死んだら小梅は悲しいです。」
男「そうだな。」
仔「だから、おねーさんも注射して病気にならないようにして欲しいです。」
男「じゃあ、今度お姉さんが来たら連れて行こう。」
仔「小梅もおねーさんが怖くないように付き添いますよ!」
男「ああ……そうしような。」
――――――――――
男「今日は買い物に行くぞ。」
仔「お買い物ですか!」
男「買い物は好きか?」
仔「あい! お買いものに行くとおやつを買ってもらえます!」
男「ちゃんと待てができたらな。」
仔「できますよ! 騒がないで待ちます。無駄吠えしません。」
男「他には?」
仔「えーと……知らない人から貰った餌は食べません!」
男「よし。じゃあ、一緒に行こうな。」
仔「わふっ!」
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