元スレ兄「線路に石置いたらどうなるのかな」 妹「中入っちゃ危ないよ!」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★
1 :
妹「たくさんお菓子買っちゃったね」
兄「帰ったらスマブラな。おれフォックス使うから」
妹「じゃあたしカービィ!」
小学4年生の夏。
その日の出来事を、わたしは生涯忘れないだろう。
妹「爺ちゃんにもらった小遣い、もう無くなっちゃいそお」
首にかけた財布から、ちゃりんちゃりんと小銭の跳ねる音がした。
兄「おまえ、使いすぎなんだよ」
妹「なんで兄ちゃんはそんなにいっぱいお金もってるの?」
兄「ん、内緒」
妹「……知ってるよ、お母さんのお金でしょ?」
兄「違うし!」
妹「兄ちゃんが財布からお金盗ってるの、みたもん」
兄「あーうるさいうるさい」
兄ちゃんは私から逃げるように小道を駆け出した。
ひまわり畑のみえる森のほうから、せみの声が聴こえてくる。
2 :
妹死ぬな、これ
3 :
>>2
妹主観の話なのに?
4 :
ともあき「破ァ!!」
5 = 2 :
>>3
そして、兄が一生罪を背負って生きていくって話だと予想
6 :
スレタイの段階で私の精神ポイントが赤くなった
7 :
その日の出来事をわたしは生涯忘れないだろうって言ってるのに?
8 :
妹の死後の回想なら何の問題もない
9 = 1 :
妹「待ってよ、兄ちゃん」
兄「追いついてこれないだろ!」
もすうぐ中学生を迎えるお兄ちゃんの駆け足があまりにも速くて、少しずつ大人の体に成長しているんだと思い知らされた。
兄「おせーよ、急げ!」
カンカンと騒ぎ立てる線路の踏み切りの向こうで、兄ちゃんが手を招く。
兄「早く!」
妹「……待って、サンダルが」
そしてついに遮断機が降りてしまう。
妹「はあ、はあ」
肩で息をしながら、二つの棒の奥にいるお兄ちゃんの姿をみた。
10 = 1 :
大きなマンションのある方から、電車がゆっくりと近づいてきた。
地面の砂が跳ねて、それからあっという間に兄ちゃんとわたしの間に壁を作った。
ぶんなぐるような風がわたしの前髪を持ち上げて、はっと呼吸を止めてしまう。
妹「……」
時間が止まったように感じられた。
息を取り戻すみたいに、警報音がやんで、遮断機が上がった。
妹「先にいかないでよ、もうー」
その場に立ち尽くす兄ちゃんの表情は、呆気に取られていた。
思えば、電車が目の前を通り過ぎる光景なんて、何度も見てきたはずだったのに。
妹「いこっ」
兄「なあ……」
11 :
詩的だ
12 = 2 :
誤字は気になるけど、かなり好きな文体
13 = 11 :
ほ
14 = 1 :
鉄板の上みたいに熱いコンクリートの上を、蟻の列がちょこちょこと歩いていた。
兄「おもしろいこと思いついちゃった」
妹「えっ、どこいくの?」
踵を返したかと思うと、兄ちゃんは蟻の列を踏んづけて、草むらの中から大きな石を拾い上げた。
兄「これをさ…」
妹「そんな石どうするの?」
父ちゃんの皮の剥けた足よりも、兄ちゃんの丸い顔よりも、一回り大きい石だった。
妹「あっ……」
兄ちゃんがイタズラをするときの、いつもの笑みだ。
目をキラキラさせながら、口元を少しつりあげて、そして線路の上に置いた。
兄「さあて、どうなるかなあ」
妹「……」
そんなことをしたらいけないって分かっているはずなのに、ほんの好奇心もあったせいか
このときわたしは何も注意できなかった。
16 :
やめろ
やめろ
17 = 11 :
なんかセピア色イイ
18 :
踏切の置き石はまじ死ね
19 :
小学校の頃、何度も注意喚起があったわ
こういうことやる奴って頭悪いの?
21 :
怖い怖い怖い
構わん続けろ
22 = 11 :
>>18-19
たぶん伏線かと。
23 :
実際その程度で脱線するの?
24 = 2 :
蟻を踏んづける描写が素敵
25 :
26 = 1 :
妹「ねえ、早く行こうよお」
兄「ちょっと待ってって。少しだけ見てようよ」
手を引っ張っても、兄ちゃんはその場にしゃがみ込んだまま動こうとしなかった。
嫌な予感がした。
妹「もうっ、先帰るから。砂かけババアに怒られても知らないよ」
砂かけババアというのは、すぐそこの畑の民家に住んでる怖い顔をした叔母さんのことだ。
兄ちゃんがいつも畑にイタズラをして怒鳴られているところを、保育園のときからよく憶えている。
兄「ほら、もうすぐ電車がくるよ」
警報音が鳴り出して、すぐに遮断機が降りた。
妹「ばいばい」
急に怖くなって、お菓子の袋をぎゅっと掴んで、兄ちゃんに背を向けて歩き出した。
27 = 19 :
>>22
SSの流れについて言ってるわけじゃないんだが
28 :
置き石
↓
電車が跳ねる
↓
妹直撃
29 :
電車
↓
妹が跳ねる
↓
置き石直撃
30 :
置き石
↓
電車が跳ねる
↓
砂かけババアに直撃
↓
やっほおおおおおおおおおおおおおおお
31 = 16 :
>>30が理想
32 :
これ、リアルにヤバいからな…
34 :
置石
↓
電車が飛ぶ
↓
そのまま空へ
↓
兄、銀河鉄道の夜
35 = 11 :
嫌な予感がした。
ゾクッ
36 :
置き石
↓
電車が跳ねる
↓
兄覚醒
↓
世界を粛清する
37 :
置き石
↓
電車が跳ねる
↓
おーおー好き勝手やりなさる
38 = 18 :
>>23
列車が速ければ石は砕ける
列車が中速度だと跳ねて脱線
低速だと通ったときガタついて脱輪
踏切によっては監視カメラをつけて異常感知機をつけてるところも
39 = 11 :
ほ
40 :
どうなる
41 = 1 :
兄ちゃんの白いシャツと一緒に、振り返り際にみた、入道雲が今も目に焼きついている。
夏の暑さに歓喜するようなせみの大合唱。
ゾウの鳴き声みたいな電車の警笛が、その中でたしかに鳴り響いた。
兄「あっ」
ボコン、という音がしたと思う。
わたしが振り向いたときには、一番前の車両がフェンスを突き破っていた。
捻じ曲がるようにして半回転しながら、少しだけ上に浮いて、わたしのいる場所に大きな影を作った。
そのとき長四角の窓に見えた人たちが、箱の中のおもちゃを揺するみたいに、バラバラに宙を舞っていた。
妹「……」
爆発したような大きな音と、ものすごい土煙だった。
そこで初めて、わたしは地面にお菓子の袋を落としていたことに気付く。
42 = 30 :
あかん
43 = 11 :
えええっ
44 = 7 :
表現がなんかいいな
45 :
あーあ
47 = 23 :
そういえば、線路に石敷き詰めてる理由ってなんだろうな
48 :
VIPでこんなもん読むとは思ってなかった
49 = 11 :
ペース遅いけど、さるさんエラーよけか?
50 :
>>47
排水性うp
荷重の分散→騒音、振動減少 だっととおも
みんなの評価 : ★
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