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元スレ春香「こんな奴らのために、もう誰かの涙はみたくない!」
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――――はじめまして! 私、天海春香、17歳の女の子です。
あ、普通の女の子じゃないんですよ? そう、なにを隠そう……アイドルなんです!
……と言っても、所属アイドルも私だけの小さな事務所なんですけれど……
それでもプロデューサーさんはとっても頼りになる人で、いつかトップアイドルになりたいなって
そんな私ですが
「ボセ ゼガド バギング ドググド パパン ビンバガ ビザバガギバ」
絶賛大ピンチ中です
「み、みみみ……未確認……!」
あ、普通の女の子じゃないんですよ? そう、なにを隠そう……アイドルなんです!
……と言っても、所属アイドルも私だけの小さな事務所なんですけれど……
それでもプロデューサーさんはとっても頼りになる人で、いつかトップアイドルになりたいなって
そんな私ですが
「ボセ ゼガド バギング ドググド パパン ビンバガ ビザバガギバ」
絶賛大ピンチ中です
「み、みみみ……未確認……!」
~~~~少し前~~~~
P「春香ー! 今日はライブだぞ、ライブ!」
春香「プロデューサーさん、私のセリフとらないでくださいよ!」
P「おう、すまんすまん……ついテンションがあがってな」
春香「まったくもう……でも、がんばりましょうね!」
P「そうだな、まだ小さいけど……いつかはドームだ!」
春香「はい!」
P「よーし、衣装についてなんだが……ん? ニュース速報……ちょっと音量上げるぞ」
TV[番組の途中ですが、速報です。未確認生命体12号が現れ……]
春香「……」
P「未確認、か……」
P「春香ー! 今日はライブだぞ、ライブ!」
春香「プロデューサーさん、私のセリフとらないでくださいよ!」
P「おう、すまんすまん……ついテンションがあがってな」
春香「まったくもう……でも、がんばりましょうね!」
P「そうだな、まだ小さいけど……いつかはドームだ!」
春香「はい!」
P「よーし、衣装についてなんだが……ん? ニュース速報……ちょっと音量上げるぞ」
TV[番組の途中ですが、速報です。未確認生命体12号が現れ……]
春香「……」
P「未確認、か……」
春香「……怖い、ですよね……」
P「警察も対処を考えてるっていうけどなぁ……」
春香「それでも襲われる人のニュースも少なくないですし……はぁ……」
P「まぁ……俺達ははちあわせないよう祈るぐらいしかできないか」
春香「いやですよね、気軽に出かけることもできませんよ……」
P「アイドルが気軽にでかけられるのも複雑だけどな?」
春香「むっ、そのうち歩いてるだけで声かけられちゃうトップアイドルになってみせますよ?」
P「はははっ、期待してるよ」
春香「……あんまり期待してるいいかたに聞こえないんですけれど?」
P「まだまだ未熟だからな、上ばっかりみてると足をすくわれるぞ?」
春香「むむむ……転びませんよ!」
P「いろんな意味で、転ばないよう気をつけたいよな」
春香「からかわないでくださいっ!」
P「警察も対処を考えてるっていうけどなぁ……」
春香「それでも襲われる人のニュースも少なくないですし……はぁ……」
P「まぁ……俺達ははちあわせないよう祈るぐらいしかできないか」
春香「いやですよね、気軽に出かけることもできませんよ……」
P「アイドルが気軽にでかけられるのも複雑だけどな?」
春香「むっ、そのうち歩いてるだけで声かけられちゃうトップアイドルになってみせますよ?」
P「はははっ、期待してるよ」
春香「……あんまり期待してるいいかたに聞こえないんですけれど?」
P「まだまだ未熟だからな、上ばっかりみてると足をすくわれるぞ?」
春香「むむむ……転びませんよ!」
P「いろんな意味で、転ばないよう気をつけたいよな」
春香「からかわないでくださいっ!」
春香「……それにしても、未確認……怖いなぁ」
P「……4号には頑張ってほしいな」
春香「4号って……まさか、プロデューサーさんは信じてるんですか?」
P「ん? まぁな……本当かもしれないじゃないか、未確認を倒す未確認」
春香「要するに怪物の仲間割れじゃないですか? そんなのアテになりませんよ」
P「そうかな? 仲間達を裏切って戦う怪人……妖怪人間とかデビルマンっぽくてかっこよくないか?」
春香「偶然そんなふうに見えてただけかもしれませんよ?」
P「それでも、助けてくれるヒーローがいるって信じるのは悪くないさ」
春香「プロデューサーさんは子供っぽすぎますよ……」
P「いいじゃないか、夢見るのはタダだ」
春香「本当に犠牲になってる人もいるんです、不謹慎ですってば!」
P「……そりゃ、そうだが……」
春香「っ……す、すいません……いいすぎました」
P「いや、すまん……そうだよな。考えが足りな過ぎた」
春香「……ごめんなさい」
P「……4号には頑張ってほしいな」
春香「4号って……まさか、プロデューサーさんは信じてるんですか?」
P「ん? まぁな……本当かもしれないじゃないか、未確認を倒す未確認」
春香「要するに怪物の仲間割れじゃないですか? そんなのアテになりませんよ」
P「そうかな? 仲間達を裏切って戦う怪人……妖怪人間とかデビルマンっぽくてかっこよくないか?」
春香「偶然そんなふうに見えてただけかもしれませんよ?」
P「それでも、助けてくれるヒーローがいるって信じるのは悪くないさ」
春香「プロデューサーさんは子供っぽすぎますよ……」
P「いいじゃないか、夢見るのはタダだ」
春香「本当に犠牲になってる人もいるんです、不謹慎ですってば!」
P「……そりゃ、そうだが……」
春香「っ……す、すいません……いいすぎました」
P「いや、すまん……そうだよな。考えが足りな過ぎた」
春香「……ごめんなさい」
>>5
クウガだな
クウガだな
P「いや、春香が正しいさ……俺も現実逃避したかったのかな」
春香「そんなこと……」
P「いや、あるんだよ……なんてな。暗くなったよな、すまん。 もうでるか!」
春香「……はい」
P「……気にするなよ?」
春香「……はい」
P「……ほれっ」グニッ
春香「はっ、はんでふか?」
P「これはひどい顔だ。お宝映像として保存しようか……なっと」グニー
春香「は、はにふるんれふかふろりゅーさーさん!」
P「ははは、しょんぼりしてるよりこっちのほうがかわいいぞ春香」パッ
春香「もう! ……そう、ですよね」
P「あぁ、俺達にできるのはステージでパフォーマンスを魅せる。いつも通りの仕事ぐらいだよ」
春香「……それで、いいんですかね?」
P「いやいや、笑顔になってもらえるって素敵じゃないか。たとえ気を紛らわせられるだけでもさ」
春香「そんなこと……」
P「いや、あるんだよ……なんてな。暗くなったよな、すまん。 もうでるか!」
春香「……はい」
P「……気にするなよ?」
春香「……はい」
P「……ほれっ」グニッ
春香「はっ、はんでふか?」
P「これはひどい顔だ。お宝映像として保存しようか……なっと」グニー
春香「は、はにふるんれふかふろりゅーさーさん!」
P「ははは、しょんぼりしてるよりこっちのほうがかわいいぞ春香」パッ
春香「もう! ……そう、ですよね」
P「あぁ、俺達にできるのはステージでパフォーマンスを魅せる。いつも通りの仕事ぐらいだよ」
春香「……それで、いいんですかね?」
P「いやいや、笑顔になってもらえるって素敵じゃないか。たとえ気を紛らわせられるだけでもさ」
春香「……そうですか?」
P「あぁ、 暗いニュースに事件、だからこそ笑顔は忘れちゃいけないだろ」
春香「そう、ですよね……」
P「うん。だから笑顔を届ける側が暗い顔してちゃダメだろ?」
春香「……はい」
P「よし、じゃあ深呼吸して……」
春香「……すぅー、はぁー」
P「スイッチ入れ直して! 飯食って会場いこう!」
春香「はいっ!」パァン
春香「いたい……」
P「強く叩きすぎだな。顔に跡つけてどうするんだ」
P「あぁ、 暗いニュースに事件、だからこそ笑顔は忘れちゃいけないだろ」
春香「そう、ですよね……」
P「うん。だから笑顔を届ける側が暗い顔してちゃダメだろ?」
春香「……はい」
P「よし、じゃあ深呼吸して……」
春香「……すぅー、はぁー」
P「スイッチ入れ直して! 飯食って会場いこう!」
春香「はいっ!」パァン
春香「いたい……」
P「強く叩きすぎだな。顔に跡つけてどうするんだ」
P「さて、移動だなーっと……春香は食いたいものとかあるか?」ブロロロロロ
春香「うーん……特にないです」
P「んー、じゃあ適当なところにでも寄るかぁ……お」キッ
春香「……喫茶店?」
P「こういうところのコーヒーがうまかったりするんだよ、ここにしよう」
春香「そういう直感で入って、結構失敗しましたよね?」
P「人の目が何故前についてると思う?」
春香「ごまかさないでください」
P「のヮの」
春香「……」
P「……ま、まぁまぁ。本当にここに入ったほうがいい気がするんだよ! 俺の勘に間違いは……ない!」ドヤッ
春香「それも何回目だと思ってるんですか……まったく。いいですけれどね?」
P「さすが春香! 話がわかる! さぁ入ろう」
春香「プロデューサーさんってば……『ポレポレ』……変な名前」
カランカラーン
春香「うーん……特にないです」
P「んー、じゃあ適当なところにでも寄るかぁ……お」キッ
春香「……喫茶店?」
P「こういうところのコーヒーがうまかったりするんだよ、ここにしよう」
春香「そういう直感で入って、結構失敗しましたよね?」
P「人の目が何故前についてると思う?」
春香「ごまかさないでください」
P「のヮの」
春香「……」
P「……ま、まぁまぁ。本当にここに入ったほうがいい気がするんだよ! 俺の勘に間違いは……ない!」ドヤッ
春香「それも何回目だと思ってるんですか……まったく。いいですけれどね?」
P「さすが春香! 話がわかる! さぁ入ろう」
春香「プロデューサーさんってば……『ポレポレ』……変な名前」
カランカラーン
男「いらっしゃいませ、オリエンタルな味と香り、ポレポレへようこそ!」
春香「お、オリエンタルって……ちょっと変わったお店ですね……?」
男「いやいや、結構いいお店ですよ? ご飯もおいしいですし、おやっさんは面白いし」
P「へぇ……失礼ですが、あなたはおやっさんって年には見えないんですけれど」
男「あぁ、今ちょっと留守にしてて任されてるんですよ。だからできないメニューもあるんですけど……」
P「なるほど。 ……あ、じゃあオススメとかあります? それとコーヒーとかは?」
男「オススメはカレーですよ! コーヒーは……うーん。一応おやっさんほどじゃないですけれど技に入ってます。おいしいですよ?」
P「技?」
男「あぁ、俺こういうものです」サッ
P「あ、どうも……2000の技を持つ男……五代、雄介……さん?」
雄介「はい!」グッ
春香「お、オリエンタルって……ちょっと変わったお店ですね……?」
男「いやいや、結構いいお店ですよ? ご飯もおいしいですし、おやっさんは面白いし」
P「へぇ……失礼ですが、あなたはおやっさんって年には見えないんですけれど」
男「あぁ、今ちょっと留守にしてて任されてるんですよ。だからできないメニューもあるんですけど……」
P「なるほど。 ……あ、じゃあオススメとかあります? それとコーヒーとかは?」
男「オススメはカレーですよ! コーヒーは……うーん。一応おやっさんほどじゃないですけれど技に入ってます。おいしいですよ?」
P「技?」
男「あぁ、俺こういうものです」サッ
P「あ、どうも……2000の技を持つ男……五代、雄介……さん?」
雄介「はい!」グッ
春香「か、変わった人ですね。プロデューサーさん……大丈夫でしょうか?」ボソボソ
P「いやいや、ちょっと変わってるけどいい人っぽいじゃないか。ユーモアセンスもあって」ボソボソ
雄介「はは、結構言われますよ」
P「……聞こえました? すいません……」
雄介「いえいえお気になさらず。あぁ、そういえばご注文は?」
P「オススメはカレーでしたっけ、それと……技を使ってるところもみたいですしコーヒー。ブレンドで」
春香「じゃ、じゃあ私は……サンドイッチと、バナナジュースで」
P「バナナジュースねぇ……」
春香「い、いいじゃないですか! たまに飲みたくなりません?」
雄介「大丈夫、バナナジュースもおしいですから!」グッ
春香「ほら、店員さんもこういってますよ!」
P「……んー、まぁいいんだけどな。やっぱりまだまだお子様だなぁ」
春香「乙女なんですーっ!」
P「いやいや、ちょっと変わってるけどいい人っぽいじゃないか。ユーモアセンスもあって」ボソボソ
雄介「はは、結構言われますよ」
P「……聞こえました? すいません……」
雄介「いえいえお気になさらず。あぁ、そういえばご注文は?」
P「オススメはカレーでしたっけ、それと……技を使ってるところもみたいですしコーヒー。ブレンドで」
春香「じゃ、じゃあ私は……サンドイッチと、バナナジュースで」
P「バナナジュースねぇ……」
春香「い、いいじゃないですか! たまに飲みたくなりません?」
雄介「大丈夫、バナナジュースもおしいですから!」グッ
春香「ほら、店員さんもこういってますよ!」
P「……んー、まぁいいんだけどな。やっぱりまだまだお子様だなぁ」
春香「乙女なんですーっ!」
雄介「まぁまぁそこらへんで。カレーにもよくあいますよ? 辛さを消してくれますし」
春香「うーん、私はこのあとのこと考えるとにおいが強い料理はちょっと……かなって」
P「俺は甘いのはちょっと……」
雄介「そうですか? じゃあサンドイッチと、バナナジュースと、コーヒーにカレーですね、ちょっと待ってください」
春香「はい……あの、プロデューサーさん?」
P「ん、どうした?」
春香「……いえ、プロデューサーさんの勘にしては珍しくいい雰囲気のお店ですね」ボソボソ
P「だろ? 俺の勘はあたるんだよ」ボソボソ
春香「だからそれが当たった試しがなかったじゃないですか?」
P「いやいや、よかっただろこの前の店とか」
春香「いきなりマジックショー始まって失敗して、痛い空気に包まれるのがいいお店ですか?」
P「……それまではよかったじゃないか?」
春香「……そういう意味ではここでもなにがあるかわからないですけれど」
雄介「~♪」
春香「うーん、私はこのあとのこと考えるとにおいが強い料理はちょっと……かなって」
P「俺は甘いのはちょっと……」
雄介「そうですか? じゃあサンドイッチと、バナナジュースと、コーヒーにカレーですね、ちょっと待ってください」
春香「はい……あの、プロデューサーさん?」
P「ん、どうした?」
春香「……いえ、プロデューサーさんの勘にしては珍しくいい雰囲気のお店ですね」ボソボソ
P「だろ? 俺の勘はあたるんだよ」ボソボソ
春香「だからそれが当たった試しがなかったじゃないですか?」
P「いやいや、よかっただろこの前の店とか」
春香「いきなりマジックショー始まって失敗して、痛い空気に包まれるのがいいお店ですか?」
P「……それまではよかったじゃないか?」
春香「……そういう意味ではここでもなにがあるかわからないですけれど」
雄介「~♪」
雄介「~♪ ~♪……あ、そういえばどうしてここに?」
P「え?」
雄介「いやぁ、馴染みのお客さん以外の人って珍しいなぁって」
P「通りかかってティン! ときたんで思わず……面白い店員さんにあえてよかったですよ」
雄介「あはは、光栄です……はい、お待たせしました。サンドイッチとカレーです」カタッ
春香「わぁ、おいしそう……いただきます!」
P「俺も……いただきます」
雄介「どうぞ、めしあがれ! はい、バナナジュースとコーヒー」
春香「んー……おいしい!」
P「……おぉ、うまいですね。コーヒーもまたいい酸味が効いてて」
雄介「でしょ? 結構自信あって……ってお客さんなのにちょっとなれなれしいですかね」
P「いえ、全然気になりませんし普通に話してくださいよ……五代、さん?」
雄介「あはは、ありがとうございます。 嬉しくなってくるとつい……」
春香「んー、バナナジュースもおいしい! 私も、気になりませんよ!店員さん」
雄介「あはは、ありがとう! 五代でいいよ? ……じゃあお礼に技のお披露目でもしましょうか?」
P「え?」
雄介「いやぁ、馴染みのお客さん以外の人って珍しいなぁって」
P「通りかかってティン! ときたんで思わず……面白い店員さんにあえてよかったですよ」
雄介「あはは、光栄です……はい、お待たせしました。サンドイッチとカレーです」カタッ
春香「わぁ、おいしそう……いただきます!」
P「俺も……いただきます」
雄介「どうぞ、めしあがれ! はい、バナナジュースとコーヒー」
春香「んー……おいしい!」
P「……おぉ、うまいですね。コーヒーもまたいい酸味が効いてて」
雄介「でしょ? 結構自信あって……ってお客さんなのにちょっとなれなれしいですかね」
P「いえ、全然気になりませんし普通に話してくださいよ……五代、さん?」
雄介「あはは、ありがとうございます。 嬉しくなってくるとつい……」
春香「んー、バナナジュースもおいしい! 私も、気になりませんよ!店員さん」
雄介「あはは、ありがとう! 五代でいいよ? ……じゃあお礼に技のお披露目でもしましょうか?」
P「それじゃあお願いしてもいいですか?」
雄介「うん、じゃあ……これで」スッ
春香「ボール……ジャグリング?」
雄介「まぁ、ここでお見せできるのだとこれぐらいかなって、ねっ」ヒョイヒョイ
P「おぉ……確かに。でも本当に2000個も?」
雄介「えぇ、小学校の頃に先生と約束してからいろいろやってきてますから……よっと」
春香「小学校から、ですか!? 律儀なんですね……」
雄介「あはは、夢中でやってたらどんどん増えていってて……まだ、その先生にはお披露目できてないんですけれどね」
P「そんなにあると『技の数と順番を覚えておく』なんて技もありそうですね?」
雄介「あ、気づきました?」
P「冗談のつもりでしたよ……本当にあるんですか? なんでもありですね……」
雄介「まぁ、本当にいろいろやってきましたから……ねっ」パシパシッ
春香「わーっ……あの、他の技も見せてもらってもいいですか?」
P「おいおい、仕事中の人にそんな……」
雄介「うん、じゃあ……これで」スッ
春香「ボール……ジャグリング?」
雄介「まぁ、ここでお見せできるのだとこれぐらいかなって、ねっ」ヒョイヒョイ
P「おぉ……確かに。でも本当に2000個も?」
雄介「えぇ、小学校の頃に先生と約束してからいろいろやってきてますから……よっと」
春香「小学校から、ですか!? 律儀なんですね……」
雄介「あはは、夢中でやってたらどんどん増えていってて……まだ、その先生にはお披露目できてないんですけれどね」
P「そんなにあると『技の数と順番を覚えておく』なんて技もありそうですね?」
雄介「あ、気づきました?」
P「冗談のつもりでしたよ……本当にあるんですか? なんでもありですね……」
雄介「まぁ、本当にいろいろやってきましたから……ねっ」パシパシッ
春香「わーっ……あの、他の技も見せてもらってもいいですか?」
P「おいおい、仕事中の人にそんな……」
雄介「うーん、まぁそんなに人も来ないし……おやっさんには後でいえばいいかな……?」
P「ちょ、ちょっと五代さん?」
雄介「大丈夫ですって、時々任されたのにあけちゃうこともあるぐらいですから」ニッ
P「いやいやいい笑顔で言われても……」
雄介「まぁまぁ。 大丈夫ですってば!」グッ
春香「ありがとうございます!」
P「おい春香……すいません。本当に」
雄介「いえいえ、たまには見せないと錆びちゃいそうですし……」
春香「2000個もあるとめったにお披露目しない技とかもありそうですもんね!」
雄介「そんな感じ、ですね? だから大丈夫ですよ」
P「いいんですか? ……それじゃあ、ぜひお願いします」
P「ちょ、ちょっと五代さん?」
雄介「大丈夫ですって、時々任されたのにあけちゃうこともあるぐらいですから」ニッ
P「いやいやいい笑顔で言われても……」
雄介「まぁまぁ。 大丈夫ですってば!」グッ
春香「ありがとうございます!」
P「おい春香……すいません。本当に」
雄介「いえいえ、たまには見せないと錆びちゃいそうですし……」
春香「2000個もあるとめったにお披露目しない技とかもありそうですもんね!」
雄介「そんな感じ、ですね? だから大丈夫ですよ」
P「いいんですか? ……それじゃあ、ぜひお願いします」
雄介「はい、お任せください! えーっと……じゃあ動きがあるやつでも?」
P「動きって……ここで大丈夫なんですか?」
雄介「うーん、できなくはないんですけれど。 どうせなら見やすいほうがいいでしょうし外でどうですか?」
春香「お願いします!」
P「春香、お前なぁ……」
春香「だってプロデューサーさん、2000の技ですよ、2000の技! 気になりませんか?」
P「気持ちはわかるけどな?」
雄介「ほら、そんなに期待されたら応えたくなりますし!」
P「そうですか……じゃあ外でお願いします」
雄介「まぁ、まかせてくださいよ!」グッ
P「動きって……ここで大丈夫なんですか?」
雄介「うーん、できなくはないんですけれど。 どうせなら見やすいほうがいいでしょうし外でどうですか?」
春香「お願いします!」
P「春香、お前なぁ……」
春香「だってプロデューサーさん、2000の技ですよ、2000の技! 気になりませんか?」
P「気持ちはわかるけどな?」
雄介「ほら、そんなに期待されたら応えたくなりますし!」
P「そうですか……じゃあ外でお願いします」
雄介「まぁ、まかせてくださいよ!」グッ
P「……ストンプ、ですか?」
春香「なんですか、それ?」
雄介「うーん、こうやって……」ダンッカンカン
カカカッカン ダンッカカンッカン
雄介「……みたいに、身近なものを奏でるみたいな感じ、ですかね?」
春香「わぁ……すごいです! 私にもできませんかね?」
雄介「じゃあやってみる? 叩いた時の音を考えながら、リズムにのって……」
春香「よーし、せーのっ!」ダンッカンカン
カカカッカンダンガンガラガッシャーン
春香「こ、転んじゃいました……」
P「春香……おまえなぁ……」
春香「あ、あはは……」
雄介「いやいや、でもリズム感はすごかったですよ?」
春香「ほ、ほら! 褒めてくれましたよプロデューサーさん!」
P「いやいやお情けだから調子に乗るなよ?」
春香「なんですか、それ?」
雄介「うーん、こうやって……」ダンッカンカン
カカカッカン ダンッカカンッカン
雄介「……みたいに、身近なものを奏でるみたいな感じ、ですかね?」
春香「わぁ……すごいです! 私にもできませんかね?」
雄介「じゃあやってみる? 叩いた時の音を考えながら、リズムにのって……」
春香「よーし、せーのっ!」ダンッカンカン
カカカッカンダンガンガラガッシャーン
春香「こ、転んじゃいました……」
P「春香……おまえなぁ……」
春香「あ、あはは……」
雄介「いやいや、でもリズム感はすごかったですよ?」
春香「ほ、ほら! 褒めてくれましたよプロデューサーさん!」
P「いやいやお情けだから調子に乗るなよ?」
雄介「いや、本当に転んじゃっただけでリズム感とか……あれ?」
春香「ど、どうかしました?」
雄介「……違ったらごめんね? さっきから違和感はあったんだけど……ひょっとしてどこかで会ったことある、かな?」
春香「ご、ごめんなさい……私のほうに覚えはないです……」
雄介「そう、そうだよね? ごめん! 勘違いかぁ……でもどこかで……」
P「あー……五代さん。実はこいつこれでもアイドルなんですよ。見かけたとしたらそっちかも……」
春香「ちょっと、プロデューサーさんひどいですよ? これでもってなんですかこれでもって!」
雄介「あぁ、なるほど……アイドルさんか、すごいなぁ!」
P「いやいやたいしたことないですよ。まだまだひよっ子で……見覚えあるっていって貰えたのは嬉しいですけれどね」
雄介「そんなことないですよ、本当にリズム感は確かだと思いましたし」
春香「ありがとうございますっ! プロデューサーさん、私褒められてますよ! ねぇねぇ!」
P「アイドルなんだからあって当たり前な気もするんですけれどね?」
雄介「いやいや、ストンプ初めてであれだけってすごいですよ?」
春香「……」ドヤァ
P「……あんまり褒めないでください。図に乗りますから」
春香「ど、どうかしました?」
雄介「……違ったらごめんね? さっきから違和感はあったんだけど……ひょっとしてどこかで会ったことある、かな?」
春香「ご、ごめんなさい……私のほうに覚えはないです……」
雄介「そう、そうだよね? ごめん! 勘違いかぁ……でもどこかで……」
P「あー……五代さん。実はこいつこれでもアイドルなんですよ。見かけたとしたらそっちかも……」
春香「ちょっと、プロデューサーさんひどいですよ? これでもってなんですかこれでもって!」
雄介「あぁ、なるほど……アイドルさんか、すごいなぁ!」
P「いやいやたいしたことないですよ。まだまだひよっ子で……見覚えあるっていって貰えたのは嬉しいですけれどね」
雄介「そんなことないですよ、本当にリズム感は確かだと思いましたし」
春香「ありがとうございますっ! プロデューサーさん、私褒められてますよ! ねぇねぇ!」
P「アイドルなんだからあって当たり前な気もするんですけれどね?」
雄介「いやいや、ストンプ初めてであれだけってすごいですよ?」
春香「……」ドヤァ
P「……あんまり褒めないでください。図に乗りますから」
雄介「それにしても、アイドルの人が来るなんてポレポレも有名になれそうですね?」
P「いやいや、残念ながら春香が通っても宣伝効果は期待できませんよ?」
春香「プロデューサーさん……流石にひどくないですか?」
P「……まぁ、いずれ。トップアイドル天海春香の原点! みたいな話になったら。いいですね?」
雄介「あはは、おやっさんと一緒に期待して待ってますよ」
春香「プロデューサーさん、がんばるのは私たちですよ?」
P「あぁ、そうだよな? こんないいお店なんだからぜひ……って、あっ」
春香「……? どうしたんですか、プロデューサーさん?」
P「時間! ライブ! 小規模だけどステップ!」
春香「あっ、あぁっ!? 時間に余裕持ってたんじゃないんですか!?」
P「その予定だったんだけどな! あぁすいませんお会計は!」
雄介「お急ぎみたいですし、ツケでいいですよ! また来てください!」
P「す、すいません! これ俺の名刺です! 春香、車に乗れ!」ガチャッ
春香「もう、プロデューサーさんも人のこといえないぐらいドジですよね!」バタンッ
ブロロロロロロ……
P「いやいや、残念ながら春香が通っても宣伝効果は期待できませんよ?」
春香「プロデューサーさん……流石にひどくないですか?」
P「……まぁ、いずれ。トップアイドル天海春香の原点! みたいな話になったら。いいですね?」
雄介「あはは、おやっさんと一緒に期待して待ってますよ」
春香「プロデューサーさん、がんばるのは私たちですよ?」
P「あぁ、そうだよな? こんないいお店なんだからぜひ……って、あっ」
春香「……? どうしたんですか、プロデューサーさん?」
P「時間! ライブ! 小規模だけどステップ!」
春香「あっ、あぁっ!? 時間に余裕持ってたんじゃないんですか!?」
P「その予定だったんだけどな! あぁすいませんお会計は!」
雄介「お急ぎみたいですし、ツケでいいですよ! また来てください!」
P「す、すいません! これ俺の名刺です! 春香、車に乗れ!」ガチャッ
春香「もう、プロデューサーさんも人のこといえないぐらいドジですよね!」バタンッ
ブロロロロロロ……
最初にいっておく! 細かい地理、間違ってたり矛盾したらごめん! 謝る!
雄介「あはは、本当にすごい勢いだったなぁ……」
雄介「さて、お客さんはもういないけど……片づけはしとかないとなぁ」
ドアを開けて、店に戻ろうとした時にふと目をやるとバイクに違和感
無線を送られていることを表すランプが点滅している
雄介「……どうしました?」
一条『五代、聞こえるか? 未確認生命体12号が現れた。現在我々が追跡中だ』
雄介「わかりました、場所は?」
一条『港区埠頭から、環状線沿いに逃げ続けている……すまない、頼む』
雄介「今いきます!」
バイクにエンジンをかけ、走らせる
おやっさんには後で怒られよう。今は未確認生命体をどうにかしなくちゃまた誰かが……
雄介「……変身!」
覚悟を込めて、変化する身体をイメージする。赤い戦士―――クウガへと
雄介「さて、お客さんはもういないけど……片づけはしとかないとなぁ」
ドアを開けて、店に戻ろうとした時にふと目をやるとバイクに違和感
無線を送られていることを表すランプが点滅している
雄介「……どうしました?」
一条『五代、聞こえるか? 未確認生命体12号が現れた。現在我々が追跡中だ』
雄介「わかりました、場所は?」
一条『港区埠頭から、環状線沿いに逃げ続けている……すまない、頼む』
雄介「今いきます!」
バイクにエンジンをかけ、走らせる
おやっさんには後で怒られよう。今は未確認生命体をどうにかしなくちゃまた誰かが……
雄介「……変身!」
覚悟を込めて、変化する身体をイメージする。赤い戦士―――クウガへと
P「ゼェ……ゼェ……あぁ、なんとか間に合った……」
春香「プ、プロデューサーさん……なにやってるんですかまったく……」
P「いや、だってなぁ? 五代さんが面白くて……春香こそ気付かなかっただろ?」
春香「ま、まぁそうですけれど……あぁ、メイクしなきゃ!」
ドタドタドタドタガンガラガッシャーン
P「あー……焦ると転ぶぞって手遅れか」
春香「見てないで何か手伝うことはないんですか!」
P「いや、ない。 まじでない」
春香「もうっ……着替えます、楽屋からでてってください!」
P「楽屋っていうか小さな事務所の部屋借りてるだけっていうか」
春香「気分の問題ですっ! 乙女の着替えを見ていようなんてデリカシーにかけますよ!」
P「はいはい、わかったよ」
ガチャッ……バタン
春香「まったくもう、プロデューサーさんは……さて、急がないと」
春香「プ、プロデューサーさん……なにやってるんですかまったく……」
P「いや、だってなぁ? 五代さんが面白くて……春香こそ気付かなかっただろ?」
春香「ま、まぁそうですけれど……あぁ、メイクしなきゃ!」
ドタドタドタドタガンガラガッシャーン
P「あー……焦ると転ぶぞって手遅れか」
春香「見てないで何か手伝うことはないんですか!」
P「いや、ない。 まじでない」
春香「もうっ……着替えます、楽屋からでてってください!」
P「楽屋っていうか小さな事務所の部屋借りてるだけっていうか」
春香「気分の問題ですっ! 乙女の着替えを見ていようなんてデリカシーにかけますよ!」
P「はいはい、わかったよ」
ガチャッ……バタン
春香「まったくもう、プロデューサーさんは……さて、急がないと」
春香「……よし、支度完了! これでよしっと」
ガチャッ
春香「……あれ? プロデューサーさんがいない」
P「へいっ」ピトッ
春香「ひゃっ!? な、ななななにしてるんですか!」
P「いや、本番直前で緊張してるだろうからほぐしてやろうと思ってだな……」
春香「驚かせないでくださいよ! 寿命が縮むかと思いました!」
P「まぁまぁ。今回は本当に小さな会場だけどさ……いつかドームいくんだからこれぐらいで緊張してたらダメだろ?」
春香「緊張って……まぁ、確かにほぐれましたけど。ありがとうございます」ムスッ
P「これからステージにたつアイドルの表情じゃないぞ? ほれスマイルスマイル」ムニッ
春香「ひゃへへふははい、おこひまふひょ?」
P「まぁまぁ……いつも通りやれば、絶対大丈夫だ! がんばれ」パッ
春香「……だからってアイドルの顔をひっぱるのはどうなんですか、まったくもう!」
P「俺なりのエールてんこ盛りだ。いってこい!」
春香「……ありがとうございます。 ふぅ……天海春香、いっきまーす!」
ガチャッ
春香「……あれ? プロデューサーさんがいない」
P「へいっ」ピトッ
春香「ひゃっ!? な、ななななにしてるんですか!」
P「いや、本番直前で緊張してるだろうからほぐしてやろうと思ってだな……」
春香「驚かせないでくださいよ! 寿命が縮むかと思いました!」
P「まぁまぁ。今回は本当に小さな会場だけどさ……いつかドームいくんだからこれぐらいで緊張してたらダメだろ?」
春香「緊張って……まぁ、確かにほぐれましたけど。ありがとうございます」ムスッ
P「これからステージにたつアイドルの表情じゃないぞ? ほれスマイルスマイル」ムニッ
春香「ひゃへへふははい、おこひまふひょ?」
P「まぁまぁ……いつも通りやれば、絶対大丈夫だ! がんばれ」パッ
春香「……だからってアイドルの顔をひっぱるのはどうなんですか、まったくもう!」
P「俺なりのエールてんこ盛りだ。いってこい!」
春香「……ありがとうございます。 ふぅ……天海春香、いっきまーす!」
12号って何か思い出せないと思ったら本編未登場の番号なんだな
序盤のナンバーだからズ族だろうけど
序盤のナンバーだからズ族だろうけど
春香「乙女よ、大志を抱け! 夢見て素敵になれー♪」
P(うん……いいぞ、順調だ。少ないけれどお客さんだって喜んでる)
係員「すいません、プロデューサーの方ですよね?」
P「……あ、はい? どうしました?」
係員「いえ、どうやら近隣で未確認事件が発生したらしくこのライブを中止にしたいと……」
P「なんだって!?」
係員「す、すいません! でも本当に危ないらしくて……」
P「……くそっ、なんでよりによって今日こんな」
係員「……この曲で、〆の方向でお願いできますか?」
P「小さいけれどやっとつかんだチャンスなんですよ……なんで、いったい……」
係員「すいません。 ……お客様や、我々スタッフおよび天海さん自身の安全のためにも……」
P「わかってます。理解はできてるんです……じゃあ曲終わったらいったんハケるよう指示しますから」
係員「……申し訳ございません」
P「……悪いのは、あなたじゃない。未確認でしょう? また後日お願いできますか……?」
係員「えぇ、ぜひともお願いします」
P(うん……いいぞ、順調だ。少ないけれどお客さんだって喜んでる)
係員「すいません、プロデューサーの方ですよね?」
P「……あ、はい? どうしました?」
係員「いえ、どうやら近隣で未確認事件が発生したらしくこのライブを中止にしたいと……」
P「なんだって!?」
係員「す、すいません! でも本当に危ないらしくて……」
P「……くそっ、なんでよりによって今日こんな」
係員「……この曲で、〆の方向でお願いできますか?」
P「小さいけれどやっとつかんだチャンスなんですよ……なんで、いったい……」
係員「すいません。 ……お客様や、我々スタッフおよび天海さん自身の安全のためにも……」
P「わかってます。理解はできてるんです……じゃあ曲終わったらいったんハケるよう指示しますから」
係員「……申し訳ございません」
P「……悪いのは、あなたじゃない。未確認でしょう? また後日お願いできますか……?」
係員「えぇ、ぜひともお願いします」
春香「乙女よ、大志を……」
今日は調子がとってもいい! お客さんだってノってくれてるしこのままいけば……あれ?
何かが視界の端でチラつく。プロデューサーさんのほうをみてみるとなにやらカンペをだしているみたい
がんばってるなー! とかの応援かとも思ったけれど……目を凝らしてみれば違う言葉が書いてあるのがわかった
曲が終わったらハケろ? なんで? だって今私……すごく盛り上がってきてて……
春香「……あっ」
音が飛んだ。いけない、曲に集中しなくちゃ
だって今私はステージの上に立っていてお客さんが目の前にいるんだから
皆の前で歌を歌いたいって思って、アイドルになったんだから。精いっぱい歌わないと
そうだよ、だから――――
今日は調子がとってもいい! お客さんだってノってくれてるしこのままいけば……あれ?
何かが視界の端でチラつく。プロデューサーさんのほうをみてみるとなにやらカンペをだしているみたい
がんばってるなー! とかの応援かとも思ったけれど……目を凝らしてみれば違う言葉が書いてあるのがわかった
曲が終わったらハケろ? なんで? だって今私……すごく盛り上がってきてて……
春香「……あっ」
音が飛んだ。いけない、曲に集中しなくちゃ
だって今私はステージの上に立っていてお客さんが目の前にいるんだから
皆の前で歌を歌いたいって思って、アイドルになったんだから。精いっぱい歌わないと
そうだよ、だから――――
春香「いたっ!?」
転んだ。痛い……でも立って歌わなきゃ。だってお客さんの前だから
私はもっと、いろんな人と一緒に、いろんな人の前で歌いたいんだ
だからこんなところで転んでちゃ……顔を上げようとして
そして聞こえる、悲鳴
春香「!?」
そこにはネズミの子を散らすように走って逃げていくお客さん達と
「……ボセ ゼガド バギング ドググド パパン ビンバガ ビザバガギバ」
ネズミによく似た姿をした、未確認生命体がいた
春香「み、みみみ……未確認……!」
転んだ。痛い……でも立って歌わなきゃ。だってお客さんの前だから
私はもっと、いろんな人と一緒に、いろんな人の前で歌いたいんだ
だからこんなところで転んでちゃ……顔を上げようとして
そして聞こえる、悲鳴
春香「!?」
そこにはネズミの子を散らすように走って逃げていくお客さん達と
「……ボセ ゼガド バギング ドググド パパン ビンバガ ビザバガギバ」
ネズミによく似た姿をした、未確認生命体がいた
春香「み、みみみ……未確認……!」
やだ、なにあれ?
さっきまで小規模なりに歓声が沸き上がっていた場所に悲鳴がこだまする
未確認生命体の手は赤くそまっていて、その足元には……
春香「っぐ、おえっ……」
私を、応援してくれていた人……だったものが転がっている
なんで? 今日はとっても調子が良くて……小さいけれどライブのお仕事で……
プロデューサーさんが何か叫んでいる。未確認生命体がこっちをみている
目立つ場所にいる私に興味を持ったのか、こっちへ歩いてくる
春香「あ、あぁっ……」
逃げなきゃ。逃げないと死んじゃう
でも足が動いてくれない。力が入らない
プロデューサーさんがこっちへ走ってきてる。未確認生命体がどんどん近付いてくる
ダメだ、私……死んじゃう…… 目をつむり、せめて見ないようにしようとする
さっきまで小規模なりに歓声が沸き上がっていた場所に悲鳴がこだまする
未確認生命体の手は赤くそまっていて、その足元には……
春香「っぐ、おえっ……」
私を、応援してくれていた人……だったものが転がっている
なんで? 今日はとっても調子が良くて……小さいけれどライブのお仕事で……
プロデューサーさんが何か叫んでいる。未確認生命体がこっちをみている
目立つ場所にいる私に興味を持ったのか、こっちへ歩いてくる
春香「あ、あぁっ……」
逃げなきゃ。逃げないと死んじゃう
でも足が動いてくれない。力が入らない
プロデューサーさんがこっちへ走ってきてる。未確認生命体がどんどん近付いてくる
ダメだ、私……死んじゃう…… 目をつむり、せめて見ないようにしようとする
「うおりゃああぁぁッ!」
その時、風が吹いた。 バイクのけたたましい音と一緒に目の前を通り過ぎる
おそるおそる目を開けると、私に手をかけようとしていた未確認生命体の姿は消え
代わりに―――
春香「……?」
別の未確認生命体が、バイクに乗った状態でこちらに背を向けていた
あれは―――未確認生命体の中でも一番有名な、一番変な個体
人間を助けているとか、未確認生命体を倒す未確認生命体だとか言われている
春香「四号……?」
クウガ「……大丈夫? ケガは?」
春香「え、日本語……?」
混乱する頭をどうにか整えようとして、それでもやっぱり落ち着かない
なんだこれ、なんでしょうかこれ……
その時、風が吹いた。 バイクのけたたましい音と一緒に目の前を通り過ぎる
おそるおそる目を開けると、私に手をかけようとしていた未確認生命体の姿は消え
代わりに―――
春香「……?」
別の未確認生命体が、バイクに乗った状態でこちらに背を向けていた
あれは―――未確認生命体の中でも一番有名な、一番変な個体
人間を助けているとか、未確認生命体を倒す未確認生命体だとか言われている
春香「四号……?」
クウガ「……大丈夫? ケガは?」
春香「え、日本語……?」
混乱する頭をどうにか整えようとして、それでもやっぱり落ち着かない
なんだこれ、なんでしょうかこれ……
クウガ「……ザギジョグブ?ベガザ?」
クウガがグロンギ語話してたら嫌だってレベルじゃないな
クウガがグロンギ語話してたら嫌だってレベルじゃないな
クウガとか正直覚えてないけどバリバリ世代だから嬉しい
一番最初にみた仮面ライダーだし
一番最初にみた仮面ライダーだし
それに、今の声……どこかで聞いたことがあるような気がする
どこでだっけ、つい最近のことのような……
P「春香、おい春香!」
春香「あっ……プロデューサーさん……」
P「しっかりしろ。 くそっ……無理やりにでもその場でハケさせるべきだったよな」
あぁ、ハケる指示は未確認生命体が近づいている情報が入ったからだったのかな?
じゃあ、私が無理に歌ったからあの人は……
春香「あっ……んぐっ……おえっ……」
また吐き気がこみ上げる。あのカンペを見た時点で察してすぐにライブをやめていればあの人は死ななかったかもしれない
赤い血だまりの中に転がった、私のファンだった人。ファンの人だったもの
ダメだ、気持ち悪い。考えたくない。いやだ
ぐるぐる回る頭を、ちっとも片付かない頭の中身の整理を投げ出して私は意識を手放した
どこでだっけ、つい最近のことのような……
P「春香、おい春香!」
春香「あっ……プロデューサーさん……」
P「しっかりしろ。 くそっ……無理やりにでもその場でハケさせるべきだったよな」
あぁ、ハケる指示は未確認生命体が近づいている情報が入ったからだったのかな?
じゃあ、私が無理に歌ったからあの人は……
春香「あっ……んぐっ……おえっ……」
また吐き気がこみ上げる。あのカンペを見た時点で察してすぐにライブをやめていればあの人は死ななかったかもしれない
赤い血だまりの中に転がった、私のファンだった人。ファンの人だったもの
ダメだ、気持ち悪い。考えたくない。いやだ
ぐるぐる回る頭を、ちっとも片付かない頭の中身の整理を投げ出して私は意識を手放した
ネズマ「……バゼジャラゾ グス クウガ。 ヅギザ ゴドゲデギソ」
クウガ「待てっ!」
あと一歩まで追い込んだところで逃げられてしまった
動きが速い。青の力のほうがいいのかもしれない
追跡しようとトライチェイサーにまたがり……ふとさっきのステージにへたりこんでいた女の子が気になった
あれはたぶん春香ちゃんだ……それも、アイドルとして仕事をしている最中の
アイドルとして、歌っている最中に観客が殺される―――どれだけの衝撃だろう
察するに余りある心境に違いない。ひとりにしていちゃダメだ
クウガ「……いや、近くに人はいるじゃないか」
プロデューサーさんと呼ばれていた。あの人は春香ちゃんと二人三脚でやってきた人のはずだ
なら、彼女のケアは彼に任せるべきなんだろう。今はこの事件を、この未確認を止めないといけない
一瞬戻る方向に切りかけたハンドルを、未確認の走り去った方向へ向ける
そうだ、止めなきゃ……止めないと……また、誰かが
クウガ「待てっ!」
あと一歩まで追い込んだところで逃げられてしまった
動きが速い。青の力のほうがいいのかもしれない
追跡しようとトライチェイサーにまたがり……ふとさっきのステージにへたりこんでいた女の子が気になった
あれはたぶん春香ちゃんだ……それも、アイドルとして仕事をしている最中の
アイドルとして、歌っている最中に観客が殺される―――どれだけの衝撃だろう
察するに余りある心境に違いない。ひとりにしていちゃダメだ
クウガ「……いや、近くに人はいるじゃないか」
プロデューサーさんと呼ばれていた。あの人は春香ちゃんと二人三脚でやってきた人のはずだ
なら、彼女のケアは彼に任せるべきなんだろう。今はこの事件を、この未確認を止めないといけない
一瞬戻る方向に切りかけたハンドルを、未確認の走り去った方向へ向ける
そうだ、止めなきゃ……止めないと……また、誰かが
―――結局、完全に見失ってしまった
五代「……すいません、一条さん」
一条「いや、無理はするな五代。深追いのしすぎでお前にまで必要以上の負担がかかったらどうする」
一条さんは、胸を叩きながら「自分たちの仕事だ」と12号の居場所の特定をしてみせると言ってくれた
本当に心強い。タフだし、まだ短い付き合いだけれどすごくいい人だというのは肌でも感じる
警察との連携がとれているのも、一条さんのおかげだ
五代「……春香ちゃん、大丈夫かな」
今できることは、警察の人たちを信じて待つこと
だけど待つ間にも、できることはある
五代「……あのプロデューサーさんの名刺」
書かれた事務所の場所へ、バイクを走らせる
おせっかいでも、綺麗事でもいい。春香ちゃんが気になるんだ
五代「……すいません、一条さん」
一条「いや、無理はするな五代。深追いのしすぎでお前にまで必要以上の負担がかかったらどうする」
一条さんは、胸を叩きながら「自分たちの仕事だ」と12号の居場所の特定をしてみせると言ってくれた
本当に心強い。タフだし、まだ短い付き合いだけれどすごくいい人だというのは肌でも感じる
警察との連携がとれているのも、一条さんのおかげだ
五代「……春香ちゃん、大丈夫かな」
今できることは、警察の人たちを信じて待つこと
だけど待つ間にも、できることはある
五代「……あのプロデューサーさんの名刺」
書かれた事務所の場所へ、バイクを走らせる
おせっかいでも、綺麗事でもいい。春香ちゃんが気になるんだ
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