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    元スレほむら「さやかの唄」

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    タグ : - QBマンセー + - まどか達に救いはないんですか!? + - 沙耶の唄 + - 魔法少女まどか☆マギカ + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    301 = 242 :

    乙乙乙

    302 :

    さて次は

    304 :

    まずは乙

    305 = 286 :

    なかなかどうして

    よかったよ

    306 = 243 :

    簡単なのでいいならTRUE行く

    307 = 284 :

    >>306
    頼む。

    309 = 263 :

    ほむ……

    310 = 243 :

    >>142から分岐 1

    私は深い悲しみという、濁った水槽の底に閉じこもっていた。
    誰からも愛されない体、そして誰かの幸せを願うことの出来ないエゴ。
    既に詳しいことを思い出すことも出来ないくせに、悲しみと絶望だけが私の首をキリキリと締め付ける。

    「どうしてそう思うの?」

    誰かが問いかけた。
    自分とこんなにも本質の違う、腐った身体を愛してくれるというのだろう?

    「私もそうだった。でもね、ちゃんと愛してもらえたよ」

    でも貴方は今一人じゃないか?

    「うん。元の世界に帰りたいって。普通に戻りたいって言ったから。
     私は、幸せって思ってもらえるなら、それでいいと思った」

    でも、後悔した。

    「沙耶も後悔した。でも、ずっとずっと待っててくれるって、言ってくれた。
     だから……私と一緒に作ろうよ」

    ……私達が、愛してもらえる世界を。

    311 :

    お前は出来る奴だと信じていた

    313 = 243 :

    「貴方にもこれを渡しておくわ。あとこれも」

    私はまどかに自動拳銃と魔法瓶を手渡した。

    「あ、あわわわ……これ……本物の拳銃……!?」
    「そうよ、丸腰で入る訳にはいかないでしょう?
     それに、今回大切なのはその拳銃よりもその魔法瓶よ」

    拳銃に気を取られていたまどかは、もう片方の手に持っていた魔法瓶を改めて見つめた。
    角度を変えて何か変わった点を探しているようだが、瓶自体になにか特殊な加工が施してあるわけではない。

    「中身は液体窒素さ。沸点は摂氏-196度。つまりその液体はそれ以下の温度ということになる」
    「そ、そうなんだ……」
    「とても大切なモノだから絶対に落とさないようにね」

    まどかは首から魔法瓶を下げると、拳銃を片手に持った。

    「準備はいいいかしら?」
    「うん……!」

    私は扉を開き、中へと足を踏み入れた。

    314 = 243 :

    相変わらず下水管を通っているようなベタついた空気ではあるが、今度は私の足に杏子とまどかの命がかかっている。
    ここまできて足元の肉片を気にするのは野暮だ。構わず踏みつけながら中へ中へと進んでゆく。
    一方のまどかは、余りにも歪な空間に足元がふらつき、ほむらからだいぶ遅れを取っていた。

    「無理をせずにゆっくり歩いて来ると言いわ。私は先に行って中の様子を確認するわ」

    インキュベーターとまどかの返事が聞こえた。私は杏子の安否を確認すべく早足に奥へと進む。
    コンサートホールの入り口までやってきた。私はゆっくりと扉を開く。
    昨夜と同じように扉と床の隙間に巻き込まれた肉片が赤黒い跡を残す。どうやらあの後ここにあった「何か」は元通りになったようだ。

    (恐ろしいまでの回復力だわ……)

    ホールをくまなく見渡すが、杏子の姿は見えない。さやかの魔女もおとなしくしており、触手は露出していない。
    ……まさか。そんな事って。



    (ホ蟲騾カ?)

    315 = 243 :

    聞き覚えのある唸り声が聞こえる。怪物特有の、あの湿った言葉が。
    だが、私の耳に聞こえるわけではない。つまりこれの意味するところは。

    (聞コえル插、ホ蟲騾)

    ……やはりそうなのか。

    (杏子……杏子なのね)

    答えを聞きたい。だがこの憶測が事実であることは同時に私にとって恐怖でもあった。

    (盂ン)

    多分これは肯定だ。杏子、貴方もそんな姿になってしまったというの……?
    頬から血の気が引いて行く。方々で怪物が地面を這いずりまわっている。この中の一人が、杏子という事実。

    「……くっ」

    私は強く歯を噛みしめると、一旦扉の向こう側に戻る。
    だが私に杏子を攻める資格など無い。一回目の潜入で散々迷惑をかけた身だ。
    ただ、私と杏子の立場が変わっただけにすぎない……そうに違いない。

    316 = 257 :

    罨蠱…

    318 :

    支ヱン

    319 :

    320 :

    321 = 243 :

    (心ぱ藺澄ナ憑ほ蟲騾)

    扉越しに尚も杏子のテレパシーが聞こえる。
    他の怪物に比べればなんとか彼女の会話を汲み取ることができそうだ。
    心配するな、恐らくそう言っているはずだ。

    (嚮ス縷シカ那華ッたん橢。
     幸イ、テ禮パ弑ナラ、少シ慧聞キ酉ヤ簾イみ弖エ橢)
    (ええ……注意深く聞けば、聞き取れるわ)
    (ア夛シモ龕張禮バお眞エノ言發ガ慧カ縷ヨ)

    私があの怪物のような姿になった時とは違い、どの怪物も人間とはかけ離れた姿をしていた。
    だが、私の潜入に気づいたということは、私から見える位置に居たと言うことになる。つまり。

    (貴方は何処に居るの?)
    (壹リ口ト反體臥ワにい縷。
     時關経っチ眞っ夛聲デス臥夛モ大賦変わっ夛ッ弖、沙耶臥壹ッて夛)
    (時間が……って、姿が……ダイ……変わった?)

    時間経過とともに体があの怪物に侵食されていく、ということだろうか。
    そうなると早めに杏子を救い出さねばならない。

    322 = 243 :

    私は盾から魔法瓶を取り出すと、その外蓋を取り外し通路に放る。
    入り口のほうからまどかとインキュベーターがやってくるのが見えた。

    「来たようね、自体は思ったよりも深刻よ」
    「そ、そんな……」

    まどかの肩が震えているのがわかる。やはりここまで来るのが精一杯なのだろう。
    だが、これだけは言わなくてはなるまい。

    「まどか、このホールに居る怪物は、絶対に撃ってはいけない」
    「え?」

    まどかの問いかけに答えず、私は扉に向き直った。

    「そして、私が良いと言うまで、貴方はここから出てはいけない」

    そう言うと、再びコンサートホールに踊りでた。

    323 :

    シ宴

    324 = 243 :

    ほむらちゃんが出ていってからもう30分が経過している。
    扉の向こうから微かに漏れている不気味なうめき声と雄叫び、そして銃声が私の両足を床に釘付けにしてしまっていた。

    「ほ、ほむらちゃん、杏子ちゃん……!がんばって……!」

    私はただ、ここでほむらちゃんと杏子ちゃんの無事を祈るしか無い。
    これ以上、誰かに迷惑をかける訳にはいかない。誰かに守ってもらってはいけない。
    ここを飛び出していますぐ二人の助太刀に入りたい衝動に駆られる。
    だがそれは違う。ほむらちゃんは優しいから、彼女は戦うことよりも私を守ることを優先してしまうだろう。
    だから……必要とされるその時まで、私はここで祈り続ける。

    突如、扉の向こうからほむらちゃんの声が聞こえた気がした。
    何か湿ったものが破裂して飛び散る音が聞こえ、続けて何かかなりの質量を持ったものが泥沼に落ちるような音がした。
    だが、そこからは何一つとして人間らしい音は聞こえない。

    「まずい……まずいよまどか……!」
    「えっ、ど、どういうことなのキュウべぇ!?」

    キュウべえは私の肩を離れると出口の方へと走り始めた。

    「逃げるんだまどか!沙耶がほむらと杏子のエネルギーを吸収して巨大……」

    その言葉を遮るようにして、背後から巨大な肉塊が流れこんできた。

    325 :

    ㇹ腫

    326 = 265 :

    ほむ

    327 = 243 :

    私は肉塊の中に溺れた。むせ返るような悪臭と分泌物が私の体を舐めまわす。
    そしてそのまま何処かに引き込めまれて行こうとしているのがわかる。
    パニックに陥った私は無我夢中で藻掻き出す。爪の間に食い込む弾力のある繊維質が指先を溶かしていくような感覚に襲われる。
    努力の甲斐あってか、なんとか首だけをその固まりの外へと出すことに成功した私は、この行為が軽率であったことを知った。

    「いや、いやだあああ!ほ、ほむらちゃん!ほむらちゃああぁぁぁん!」

    肉壁に半ば押し込まれるように覆われたほむらが、口から血の泡を吹いてうなだれていた。
    その姿は既に魔法少女のそれではなく、私と同じ見滝原中学校の制服を纏ってる。
    不意に私も肉壁に押し付けられた。腹部を強く圧迫され、口から体内組織が全て押し出されそうになる。

    「うぁ……ぁ……」

    口から漏れるのはもはや言葉ではなく、不自然に歪んだ声帯を空気が通り抜ける音。
    呪詛にも思える音を発しながら、私の体は触手に蝕まれてゆく。
    遠のく意識の中で、なぜかさやかちゃんが私に謝っている姿が浮かんだ。

    別にいいんだよさやかちゃん……さやかちゃんは悪くないよ、私、わかってるよ……

    328 = 243 :

    間一髪で魔女空間を抜けだしたキュウべえは途方に暮れていた。
    こんな凶悪な外来生物を駆除できるのは、あの二人ぐらいなものだと思っていた。
    ほむらと杏子を取り込み解析されているとすれば、まどかのエネルギーを回収する器官の構築などお手の物だろう。
    破綻だ。もうこのシステムは破綻したも同然だ。
    今空間内のエネルギーは膨大なものとなり、それがこの世界中に解き放たれようとしている。

    廃ビルを出ると、街に人の姿がなくなっていた。
    振り返れば廃ビルから巨大な茎のようなものがつきだし、その頂上で大きな蕾が今にも開こうとしていた。

    「……これは、地球上の植物で言うならたんぽぽに近い形状だ」

    誰が聞いているわけでもないが思わずうんちくを垂れる。
    人間たちがいないのはこの植物に本能的危険、つまり恐怖を感じたためだろう。
    だが、もう遅い。これが解き放たれては逃れるすべなど無い。
    一惑星の、一知的生命体の終焉。まあ、なかなかに興味深いが僕達が構築してきたシステムはもう使えないだろう。

    330 = 257 :

    うわぁ

    331 = 243 :

    駅前に行くと、自動車が大渋滞を起こしていた。
    そんな原始的な道具で逃げられるような範囲などたかが知れているというのに、実に非合理的だ。
    僕だったらもう逃げられないことは明白だし、いかによく観察できる場所を探すか、と言うことに駆け回るね。
    人のいなくなった改札を取り抜け、ホームに上がる。
    線路に降り立ちしばらく歩くと高架橋の上から遮蔽物なくあの植物のようなものを観察出来る場所にたどり着いた。

    「人間の言葉を借りるならきっとあれはとても美しいものなんだろうね」

    廃ビルを突き破り、葉が四方へと広がった。あの形状、まさにたんぽぽのそれにそっくりだ。
    逃げ惑う愚かな人間たちよ、そんなに急いで何処へ行く。
    君たちの終焉の時が始まる。いつものように祝えばよいではないか。素晴らしい記念の時なのだから。


    ――花舞う 貴方の空に
                命よ 息吹いて やすらぎの色に

    332 = 265 :

    ふぉああああ

    333 :

    わお

    334 = 243 :

    今まさに沙耶の子供たちがその旅たちを祝福されんとしていた。
    豊かな土壌を見つけた種は、その栄養を借りて花を咲かせ、そして次の土地を探して旅立ってゆく。

    この船出を祝わずにいられようか。
    さあかわいい私の種よ、どこまでも飛んでいって。
    私の最も愛する人の元へ、そして私と貴方の時代の幕開けを美しく彩って。
    いつかきっと、二人が幸せに暮らせる世界来ると信じていた。
    世界中を美しい色に染め上げ、そして美しい歌で満たす。
    ああ、かくも美しく。ああ、かくも雄大な。

    「この世界を、あなたに、あげます」

    この旅立ちがすんだら、貴方に会いに行こう。
    そして、貴方と一緒に愛を唄おう。
    もう悲しむことのない、美しい世界の真ん中で。


    ――スベテヲ アゲルヨ……
                 泣かないで 二人の 時が始まる

    335 :

    これが踏み台クロスってやつか

    336 = 243 :

    気づけば私は空に居た。
    見滝原の、その角張った痛々しい街を見下ろしていた。
    隣りに座った白いワンピース姿の少女が私の手を握る。

    「さやか。私たちの世界が今日、始まるんだよ」

    遠くの空、山の向こうに夕日が沈んでゆくのが見える。
    今、私がどうしてここにいるのかは分からない。なんとなく自分の両手を眺めてみる。
    ……いつもの私の手。私の体。そして身に着けているはずのソウルジェムは何処にも見当たらない。

    「貴方の体だよ。沙耶が再構成してあげたの」
    「そっか……ありがとう」

    恭介、喜んでくれるかな。私のこと、受け入れてくれるかな。
    ……うん。きっと大丈夫。私はもう、ゾンビなんかじゃない。
    本当の気持を、ありのままに伝えようと思う。
    今日から始まる新しい世界に、精一杯の感謝と祝福を添えて。



    ――La_i 怯えないで 優しく 私を呼んで
                    La_i 出会えた奇跡




    337 = 243 :

    またいつか、貴女に出会えると信じている。
    肉体を失ってなお、私は新たな旅立ちを与えられたのだから。
    次出会った時には、絶対に貴女を守ってみせる。

    だから、期待して待っていてね。
    私が絶対、貴女を守るから。
    きっとこれは――しばしの別れにすぎないから。
    さようなら……いいえ。またね、まどか。







    ――愛は この世界に 満ちてゆく



    TRUE END


    338 = 243 :

    まどかも大好きだけど沙耶の唄好きすぎてこんなになっちゃったすみません
    お付き合いありがとうございました

    明日にでも貴方の空に沙耶の祝福があらんことを。

    341 :

    失恋女がワンチャン欲しさに世界を滅ぼすのだからいい迷惑

    って本編と大差ないじゃん乙

    342 :

    沙耶原作と何ら変わらないオチのためにまどほむ杏子はさして意味もなく巻き込まれて殺されたわけですか
    踏み台クロスの上に面白くないとか最悪ですね^^;

    344 :

    >>342
    虚淵原作の代物に何言ってんだこいつ

    乙!

    345 :


    意味もなく死ぬのは虚淵へのリスペクトだろ

    346 = 342 :

    なるほどなるほど
    面白くない踏み台クロスって部分は否定のしようがないってことですねよくわかりました

    347 = 345 :

    面白い面白くないは個人の感想だから否定しようがない

    349 = 344 :

    >>348
    俺は楽しめたよ
    乙!


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