元スレほむら「さやかの唄」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★
51 = 38 :
ほむ
52 = 20 :
ほ
53 = 20 :
ほ
55 :
ほむほむかわいいよほむほむ
57 :
ほむ
58 = 56 :
ほむむむ…
59 = 57 :
ほむ
60 :
>>21
同じく
61 = 57 :
ほーむ
62 :
まさかのクロスなのか
63 = 20 :
ほ
65 :
沙耶の唄はまったく知らんけど面白そうだ
ただグロいな
69 :
井戸魔人の印象が強すぎてセリフやBGMは全然覚えてない
71 :
これは夜まで残っててほしい
74 = 57 :
ほむ
75 :
まーた保守で埋まるクソスレ
76 = 20 :
ほ
77 :
む
78 = 20 :
ほ
79 :
新しく立てさせた方がよくね?
80 = 20 :
寝落ちにしても復帰が遅いからなあ
一体>>1は今どうしてるのか…
81 = 71 :
ほ
82 :
いきてるかな
83 :
ほむ
84 = 20 :
ほ
85 = 1 :
午前中歩いた繁華街を再び例の廃ビルの方へと歩いてゆく。
喧騒の中に聞こえる人々の言葉は正に日常……つまり、何の変哲もない、極めて平凡な生活から生まれる言葉ばかりである。
私達魔法少女とは違い、この世を支えている常識というものが針の穴のような小さな綻びが、決定的な崩壊を導くことなど思ってもいない。
人間の魂というものがかくも汚れやすく流されやすいものだと気づいている者がいたとしてもごく僅かであろう。
日常と非日常はこれほどまでの薄い皮一枚で隔てられているというのに、その皮一枚向こう側を知る、もしくは覗く事ができるのはごく一部の者のみだ。
そしてそんな余りにも残酷で無慈悲な世界を支えているのは脆く儚い思春期の少女達である。この世界は余りにも危うい。
私と杏子は口をつぐんだまま歩みを進めてゆく。
閉店間際の店頭に並んだ液晶テレビから殺人事件の起訴断念を伝える音声が流れている。
5名を殺害し、その肉を食らうという通常では考えられない猟奇的な犯行。このニュースは私もよく記憶していた。
犯人は心神喪失状態の大学生。責任能力を問われるも手術により脳障害を患っており一時期脳外科手術のあり方を世論が激しく非難していたように思う。
たまにこうして思い出したように進展が出される度に人々はそれを思い出すであろうが、もう脳神経医学会の前でデモや抗議をする市民は居ない。
人間は感情に流されやすい。そして事情に染まりやすい。こうしたことからも簡単に分かりそうなものだが。
だが滔々と述べる私もこれを言える立場にはないだろう。何故なら個人的な感情でこの世界を巡り、かき乱しているのだから。
「さあ、ついたわね」
不気味に口を開けた廃ビルの前に立つ。大通りに面しているというのにその入口の近辺の足元だけ嫌に寒い。
本能がこのビルに入ることを拒絶し、頭痛を覚える。だがここで歩みを止めてはいけないと五感が訴えるのである。
笑う膝を叱咤し階段を登る。
87 = 56 :
再開してた
期待
88 = 1 :
鉄の扉を開く。吐瀉物を浴びるような、立っているだけでも辛い臭気に身を侵される。
靴の裏からは外を歩いていた時のような、乾いた音はもうしない。耳障りな湿気を含んだ音が平常心をじわじわと蝕む。
「くっ」
体の細部が腐り落ちてしまうような感覚にとらわれるが、そんな事が実際に起こっているわけではないのはわかっていた。
仮に腐り落ちたとしても、杏子が言っていたように私達の体はソウルジェムがアレば何度でも元に戻るのだから。
「何度来ても酷い臭気だ。君たちのように感情がある人間にはかなり辛いんじゃないかな。
本当はやってはいけないんだけど、今回は特別だ。ソウルジェムの濁りが早かったらグリーフシードを融通してあげよう」
「お前がそんな事言うなんてな、その方がよっぽど気持ちわりいぐらいさ」
「そんな憎まれ口を叩けるぐらいなら、あまり心配しなくてもよさそうだね。
君も言ってくれれば協力するよ、暁美ほむら」
本来ならこんなところで恩を売られて後で何かつけこまれそうだ、と断るところだが、今回はそうも言ってられなそうだ。
事実私のソウルジェムはじわじわと汚れを深めている。私は自動小銃を手に取り、両手で構えながら奥へと足を進める。
ぐちゃぐちゃという咀嚼音にも似た不愉快な音が廊下に響き渡る。
89 = 20 :
ほ
90 :
び
91 = 1 :
遂にコンサートホールへ入る両開きの扉の前へやって来た。
現実離れした抽象的な魔女空間と咬み合わない余りにもリアルな臓物が垂れ下がるそれはかなり不安定な印象を与える。
中からは相変わらず音楽の代わりにうめき声が漏れだし、さながら地獄の扉の前のようだ。
「行くわよ」
「ああ、後ろは任せな」
今度は私が扉にてをかけた。そしてゆっくりと扉を開く。予想していた以上に重たい。
床の上に張り巡らされた肉塊を扉との隙間に巻き込み、床に赤黒い引きずり痕を残る。
猛烈な吐き気を抑えながら、人一人分開いた扉から静かに中へ忍び込む。
見覚えのある、出来ればもう二度と見たくなかった光景が広がっている。
私は周辺に気を配り、こちらに向かってくる者が居ないか気を配りながら、壁にそって歩き出した。
後ろから同様にして杏子が出てきた。チッ、と小さい舌打ちが聞こえた。
「どうやらこの状態で何人か取り込んでしまったようだよ、ほら」
インキュベーターの言葉通り、ところどころの床の上にあの怪物がずりずりと這いまわっていた。
怪物はこちらの存在に気づいてはいるようだが、襲いかかる様子はない。
「奴らから見ればあたしたちの方が怪物なんだっけな」
「ええ、恐らくこちらに向かってくるのはあの沙耶という怪物だけだと思うの」
そうか、と杏子は胸に槍を抱えるようにして持ちながら答えた。縮こまった背中が、昔の私を彷彿とさせる。
彼女は言葉を続ける。
「なあ、ほむら。お前はその沙耶って怪物は魔女だと思うか?」
「さあ、わからないわ。インキュベーターの言葉を信じるなら違うんじゃないかしら」
「信じるも何も、君たちにだってわかってるはずだ。
杏子が襲われた時ソウルジェムが反応してなかったと言っていたし、ほむらの経験で言えば魔女と言葉が通じるわけがない。
性別はわからないけど、恐らく彼女もまた地球外からきた生命体の一つだと思うよ」
92 = 90 :
ほ
93 = 83 :
む
95 = 1 :
「地球外生命体、ね」
「エイリアンってことか。そんなに大それたものなのか、これが」
「そうさ。ただ、最近そういう生き物がこの星にやってきた痕跡はないから長い間地球で眠っていたんだろう。
そもそも地球上の生命体でこんな内部臓器を保護せずに大気にさらして長時間生きていられる生物は居ないよ」
もしこの怪物が我々と同じような存在だとすれば、恐らくは魂や知能といったものを、一時的に地球上の生命体の部品を使って
適当につなげて外部にアクセスしている外付けハードウェアの類であるといも考えられる。
「もしかしたら僕達以外にも、こういう存在と戦っている連中が居るかも知れないよね。
今までに一度も聞いたことも、接触したこともないけど可能性は無くはないし……」
「無駄話はどうやらここまでのようね」
インキュベーターの言葉を遮り、私は銃口をコンサートホール中央へ向けた。
それに合わせ、即座に杏子も槍を構え腰を落とし身構える。
「あれが……沙耶かい」
「わ、わからねえよ……あんなもんの見分けがつくわけ無いだろ……」
「でも、彼女から微妙に魔女の気配を感じるわ。さやかの魔女と同じ気配だけど」
ふむ、とインキュベーターは何かに納得したように怪物を見つめる。
「ホ蟲騾、ヤッ畭戻っ癡ャッ澹ダ禰」
何かを喋っているようだが、その言葉を聞き取ることはデキなかった。
ずるずると触手と膨れ上がった腫瘍のような体を引きずりながら、こちらへ向かってくる。
「来るぜ」
「ええ、準備はできているわ」
96 = 56 :
ゴボゴボ言ってるの懐かしいな
97 = 20 :
沙耶の唄が唯一持ってるエロゲだったりする
98 = 1 :
だが、私達が一歩を踏み出すより前に動いたのは沙耶ではなかった。
ステージ上にうごめくさやかの魔女……だったものが、突然天井高く伸びたかかと思うと、大きく不気味な雄叫びを上げた。
「淤淤痾痾ア゛ア゛ア゛ア゛アアアァァァ!!」
直後、魔女の体から四方へ沙耶と同じような触手が伸び、それぞれがこちらに向けられた。
伸ばされたそれは明確な敵意を持って私達めがけて振り下ろされる。
間一髪でその場を離れるが、巻き添えを食った付近の肉塊から破片と分泌液が飛び散り、容赦無く体に降り注いだ。
「うっ……」
あの肉片の中で溺れかけた時の記憶が不意に鮮明に蘇り、強い吐き気が私を襲う。
バランスを崩し床にそのまま倒れこむと、既に狂気に侵されつつある精神を奮い立たせ、壁伝いに起き上がり、盾に手のひらをかざした。
杏子はコンサートホールの中階部分に着地したようで、幸いにも怪物からも、さやかの魔女からも遠くへいた。
「時間停止……!」
その瞬間、雄叫びが止み、触手は宙に停止し、すべての動きが止まった。
だがここでこの行動が極めて軽率であったことに気付かされる。
沙耶が元いた場所に居ない。怪物の見分けがつかない私達にとってこれは致命的だ。
……仕方があるまい。どっちにしろ攻撃の主力はあのさやかの魔女だったもの。
杏子には申し訳ないが、まずはそちらを潰すしか無い。
99 = 20 :
ほ
100 = 90 :
び
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