元スレお嬢様「ちょっと、そこの貴方」男「え?」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★★×4
1 :
嬢「ちょっと職員室まで案内して頂けるかしら?」
男「(だ、誰だろうこの子……美人だな)」
嬢「聞いてますの?」
男「えっと、ごめん何だっけ」
嬢「まったく、頭の悪そうな顔してるかと思えば耳まで悪いんですのね」
男「げ……」
嬢「もう一度いいます、この私を職員室まで案内なさい」
男「(な、なんて性格の悪い女なんだ)」
嬢「はぁ……どうして私がこんな庶民の学校に」ブツブツ
男「(転校生……か?)」
2 :
(うわブン殴りてぇ…)
4 = 1 :
男「……はい、ここが職員室」
嬢「まぁ、ここが?」
男「うん?そうだけど……」
嬢「先生方が控えるにしてはあまりにもみすぼらしいのではなくて?」
男「いや、普通だと思うんだけど」
嬢「……まぁ、公立なんてこんなものなんでしょうね」
男「(今までどんな学校に通ってたんだろ)」
嬢「それではごきげんよう。私はここに用事がありますので」
男「はいはい……ふぅ……」
幼馴染「男くーん」
男「お」
6 :
レスがつかないのは見入っているからだ
「やめろ」というレスがつくのは嫉妬だ
「はよ」というレスがつくのは期待されているからだ
7 = 1 :
幼「おはよ」
男「おぅ、おはよ」
幼「なーに、朝からまたなんかやらかしたの?」
男「その発想はなんなんだ」
幼「あはは、なんか男君と職員室だとそういうイメージしかなくって」
男「違うって。人を案内してきただけだよ」
幼「ふぅん、来賓?」
男「さぁ、俺たちと同じ制服着てたけど……」
幼「転校生かなぁ」
男「っぽかったけどな」
8 = 1 :
幼「ふーん、そっかぁ」
男「何?」
幼「じゃあその人が、うちのクラスに来る転校生さんなんだね」
男「えっマジで」
幼「そうだよ……って知らなかったの?」
男「全然」
幼「女子の間では噂になってたんだよー」
男「ふーん……」
幼「ねえねえ、男の子だった?女の子だった?」
10 = 1 :
男「女の子だったけどな」
幼「そっかー、男子が喜ぶね」
男「いや、どうかな……あれはちょっと」
幼「なんで?かわいくなかったの?」
男「可愛い可愛くないの問題じゃない。性格が最悪だ」
幼「ちょっと会っただけなのに、そんなこと言うの良くないよ」
男「ちょっと会っただけで、まがまがしいオーラと言葉を発していったよ」
幼「タイプじゃないとか?」
男「やけに突っ込んでくるなぁ……」
幼「だって……」
男「ん?」
幼「な、なんでもないっ!先に教室行ってるねっ」タタタ
男「なんなんだ一体」
11 :
ふぅ…
12 = 1 :
先生「……という訳で、今日から皆さんと一緒に勉強することになりました」
男「(ほんとに来ちゃったよ……あの女)」
嬢「よろしくお願い致しますわ」ペコリ
男「(なんで貴族風にスカートの裾を……)」
ざわざわざわ
友「うひょーwかわええww」
幼「わぁ、なんかどこかのお嬢様みたいな人だね」ヒソヒソ
男「(みんな見た目で騙されてるなぁ……)」
先生「席は男くんの隣が空いてますね」
嬢「はい」
男「えっ」
13 = 1 :
嬢「あら?あなたは……」
男「……ど、どうも」
嬢「奇遇ですわね、同じクラスだなんて」
男「そ、そうだね」
友「なんだなんだ知り合いかよ」ヒソヒソ
男「いや、そういう訳じゃなくて……」ヒソヒソ
友「先生ー!彼女への質問タイムをぜひー!」
先生「小学校じゃないんだから却下。休み時間にしなさい。授業をはじめますよー」
友「ちっ」
嬢「くすくす、面白い方ですわね」
男「……」
14 = 1 :
男「(まさか席まで隣になるとは……)」
嬢「ちょっと」
男「(まぁいいか……極力関わらないようにすればいいだけだし)」
嬢「ちょっと貴方」
男「え?」
嬢「まったく、耳鼻科に行ったほうがいいのではなくて?」
男「くうっ……な、何か用?」
嬢「教科書がまだ届いて無いの。見せてくださらない?」
男「あ、あぁ……それはいいよ」
嬢「そう。助かりますわ」ニコ
男「う……(わ、笑うとかわいいじゃないか)」
16 = 1 :
男「えーとじゃあこれ(かわいいは正義ともいうしな……)」パサ
嬢「……貴方、やっぱりバカですの?」
男「は?」
嬢「そんなところに置かれても見える訳ないでしょう」
男「あ、あぁ……じゃ机を寄せてくれ」
嬢「……私が?この私が机を動かすんですの?」
男「えっ」
嬢「レディファーストという言葉もご存じないのかしら……これだから田舎者は」
男「(くっ……やっぱりこいつはダメだ、無しだ無し)」ズズズ←机を寄せている音
嬢「これならよく見えますわ」
男「ふん……」
17 = 1 :
嬢「……」カキカキカキ
男「……」
嬢「……」
男「……(席を寄せると、なんというか顔も近いし……)」
嬢「……」カキカキカキ
男「……(くんくん、なんかすごくいい匂いがするな……)」クンクン
嬢「…ちょっと」カキカキカキ
男「……(黙ってれば、やっぱりすごく可愛いな、この子)」
嬢「ちょっと貴方」
男「はい?」
嬢「さっさとページをめくってくださらない?もう次のページに進んでますわ」
男「うぐっ……(なぜ自分でやらんのだ、このアマ)」ペラッ
18 = 3 :
保守
この時間は激戦区
19 = 1 :
~昼休み~
男「ふぅ……やっと昼飯だ」
嬢「ちょっと」
男「今日は学食にするか、購買か悩むなぁ」
嬢「ちょっと、そこの貴方」
男「え?俺?」
嬢「あなた、恐竜なみに反応が鈍いですわね」
男「あのさ、『ちょっと』だけで主語がないんだからすぐ気づくわけないだろ」カチン
嬢「まぁ、口答えなんて生意気ですわね……」
男「何の用だよ、飯食いに行きたいんだけど」
嬢「それなら好都合ですわ」
男「ん?どういうこと?」
嬢「私もちょうど昼食にしようと思ってましたから。同伴なさい」
男「え、ちょ、ちょっとま」
20 = 1 :
嬢「この学校では、どこで食事を摂るんですの?」
男「……購買か、学食だけど。弁当無いのか?」
嬢「学食……あぁ、カフェテリアね」
男「ハイソな言葉が出てきたな……」
嬢「そこでいいでしょう。案内なさい」
男「なんで俺が」
嬢「嫌なんですの?」
男「御免こうむる」
嬢「……なんでも好きなものを食べていいですわよ。お代は私が持ちます」
男「えっマジで!」
嬢「マ、マジですわ……なんでそんなに食いつきがいいのかしら……」
男「よし行こう」
21 = 15 :
ほ
22 :
素晴らしい
25 :
>>11
はえーよ
27 :
めし?
29 :
いいよーいいよー
32 = 1 :
~学食~
男「ここが学食なんだけど」
嬢「……ずいぶん雑多な雰囲気ですわね。前の学校とは大違いですわ」
男「(ただ飯につい食いついてしまったけど、ストレスが溜まりそうだな……)」
嬢「まぁ、仕方ありませんわね。席に案内してくださいな」
男「この辺でいいだろ」ガタ
嬢「窓際で眺めはいいですわね」
男「さ、注文しにいこうぜ」
嬢「給仕はおりませんの?」
男「そんなのいるわけないだろ!セルフだよ」
33 :
おかえり
34 :
テンプレだな
35 = 1 :
男「A定食にしようかな」
嬢「イタリアンが食べたいですわ」
男「壁のメニュー表、よく見てくれ。そんなもの無いから」
嬢「その『A定食』というのは?」
男「日替わりランチだな。今日はミックスフライのようだ」
嬢「『みっくすふらい』とは何ですか?」
男「えーと……マジで聞いてるの?」
嬢「あまりこういう場所で食事をしたことがありませんから」
男「(もしかして半端ないお嬢様なのでわ)」
嬢「……まぁいいですわ。その『みっくすふらい』とやらを食してみます」
男「了解」
嬢「支払いはこのカードでお願いしますわ」
男「えっ」
嬢「えっ」
36 = 1 :
男「あのさ、学食でそんなの使えるわけないだろ」
嬢「不便ですわね……このカフェテリアは」
男「前の学校では使えたの?」
嬢「いえ、授業料に含まれてましたから必要ありませんでした」
男「なんと……」
嬢「困りましたわね、現金は持ち合わせてないし」
男「くそお、結局俺が二人分払うしかないのか」チャリン
37 = 15 :
>>34
ここは王道と言うべきだろう
38 = 1 :
男「ガツガツガツガツ」ハグハグ
嬢「お、落ち着いて食べなさい。はしたないですわよ」
男「昨日の昼から何も食ってなかったんだ。仕方ないだろ」ガツガツ
嬢「……?意味がわかりませんわね」
男「意味も何も、そういうこと」
嬢「ダイエットもほどほどにしないと体に良くありませんわよ」
男「ダイエットって言うか……まぁいいや」
嬢「……っ!!な、何ですかこれはっ!」
男「うぉっ!何事かっ」
嬢「……美味しいですわ。これが『みっくすふらい』なんですね」
男「うんうん、美味しいよな」
嬢「♪」サク
男「(ほんとに美味しそうに食べてるなぁ)」
39 = 1 :
男「ふー食った食った」
嬢「……まぁまぁの食事でしたわね」
男「ごはんお代わりしてたくせに(しかも人に行かせて)」
嬢「んなっ!余計なことは言わなくていいですわっ!」
男「はいはい……ていうかさ」
嬢「何です?」
男「何でこの学校に来たのかなぁって」
嬢「あら、私に興味があるんですの?」ニコ
男「きょ、興味っていうか」
40 :
ふむふむ
41 :
パンツ脱いだ
42 = 1 :
嬢「こちらに引っ越してきたのは単純な理由です。お父様の仕事の都合ですわ」
男「ふーん……左遷とか?」
嬢「社長を左遷させられる会社がどこにあるのです?」
男「しゃ、社長?」
嬢「何か?」
男「いや、なるほど」
嬢「本社の移転に伴い、父もこちらで指揮を執ることになったのです。それで私たち家族も」
男「もしかして、本当にすごいお嬢様なのかな?」
嬢「……そういう呼ばれ方は好きじゃありませんわ」
男「(だったらそういう振る舞いをするなよ……)」
44 = 1 :
男「でも、いいじゃないか。お金があるっていうことは」
嬢「お金だけで、幸せを手に入れることはできなくてよ?」
男「な、なんかそのセリフがなおさら金持ちの余裕に溢れてるな……」
嬢「おかげさまで日々の生活には不自由しませんけど」
男「ふーん……」
嬢「さ、午後の授業までまだ時間がありますわね」
男「そろそろ戻るか」
嬢「何を言ってるんですか?私に校舎を案内なさい」
男「げっ……」
嬢「光栄に思いなさい、ふふ」
男「ほんとうにいるんだなぁ、自分中心に世界が回ってると思ってる人」
45 = 1 :
~放課後~
男「うぅ、今日はなんか疲れたなぁ……」
嬢「それでは皆様、御機嫌よう」
男「(外面はなぜかいいんだよなぁ)」
友「帰っちゃったなぁ、あの子」
男「そうか……」ホッ
友「なんで疲れてるんだ?」
男「いやぁ……」
友「いいなー……お前今日一日つきっきりだったじゃん。くーーーっうらやましい」
男「ちっとも良くないから」
47 = 1 :
友「なんかわからないけど、気に入られたんじゃねーの」
男「ないわー(気に入られても困るし)」
友「ま、ちょっと高嶺の花って感じだけどな」
男「すげー金持ちの家みたいだからなぁ……」
幼「男くーん」
男「んー?」
48 = 1 :
幼「なんだかすっごく仲良くなってたみたいだね」
男「ま、周りからはそう見えるのか」
幼「だって校舎案内してあげたり、移動教室も一緒だったし」
男「いっとくけど多分、下働きの男かなんかと同様の扱いだと思うぞ」
友「おぉ、なるほどなぁ」
幼「あ、車で帰るんだねあの子」
男「うぉ……あんな車テレビでしかみたことないぞ」
友「住む世界が違うな、だがそれがいい」
男「……」
49 :
ええのぉええのぉ
50 = 1 :
幼「それよりさぁ、良かったら放課後どっかいかない?」
男「え……」
友「さんせーい」
男「お前もくんのかい」
友「いいだろ別に」
幼「あはは、私は別にいいよーぅ」
男「ん……悪いけど、俺バイトがあるから」
幼「え……そっかぁ。なら仕方ないね」
友「……あんまり無理すんなよ」
男「っとと、遅刻しちまう……じゃ、悪いなっ!また今度」タタッ
幼「うんっ!またねーっ!」
友「じゃ、二人で遊びに行こうか」
幼「じゃ、友くんもまた明日ね?ばいばい」タタタ
友「ですよねー……」
みんなの評価 : ★★★×4
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