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元スレほむら「ムジュラの仮面?」
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魔法少女たちの間に伝わる神話
そこにひとりの少女が登場する
巨悪と戦い、世界を救ったのち、彼女は、神話から姿を消した……
時をこえた戦いを終え、彼女は人知れず旅に出た
冒険の終わりで別れた、かけがえのない友を探す旅に……
そこにひとりの少女が登場する
巨悪と戦い、世界を救ったのち、彼女は、神話から姿を消した……
時をこえた戦いを終え、彼女は人知れず旅に出た
冒険の終わりで別れた、かけがえのない友を探す旅に……
――どこかの森――
ほむら「……」
QB「……」
ほむら「……いやに瘴気が濃いわね」
QB「……そうかい?」
ほむら「そうかいって、あなたには感じないの?」
QB「たしかに異様な雰囲気はあるけれど、魔獣のそれとは違う気がするよ」
ほむら「まあ、魔獣ではなさそうね」
ほむら「……」
QB「……」
ほむら「……いやに瘴気が濃いわね」
QB「……そうかい?」
ほむら「そうかいって、あなたには感じないの?」
QB「たしかに異様な雰囲気はあるけれど、魔獣のそれとは違う気がするよ」
ほむら「まあ、魔獣ではなさそうね」
ズボッ
ほむら「!?」
ほむらとキュゥべえの足元が急にくぼんだ。
次の瞬間には、一人と一匹は深い穴の底にいた。
ほむら「……」
QB「ほむら、大丈夫かい?」
ほむら「……」
QB「……気絶しているようだ」
「ヒヒヒッ」
ほむら「!?」
ほむらとキュゥべえの足元が急にくぼんだ。
次の瞬間には、一人と一匹は深い穴の底にいた。
ほむら「……」
QB「ほむら、大丈夫かい?」
ほむら「……」
QB「……気絶しているようだ」
「ヒヒヒッ」
QB「?」
スタルキッド「引っかかったぞ、マヌケが」
QBが上方を仰ぎ見ると、二匹の妖精を従えた少年がこちらを覗いていた。
QB「(妖精……? まあ珍しくもないけど、この地球になぜ妖精が?)」
QB「(それに……、あの少年のつけている仮面。あまりに禍々しい形相をしている。僕には分からないが、人間が見たら恐怖を抱くのだろうね。ただの仮面ではなさそうだ)」
スタルキッド「何かいいモン持ってそうだ!」
少年は妖精と共に穴の中に滑り下りてきた。
スタルキッド「引っかかったぞ、マヌケが」
QBが上方を仰ぎ見ると、二匹の妖精を従えた少年がこちらを覗いていた。
QB「(妖精……? まあ珍しくもないけど、この地球になぜ妖精が?)」
QB「(それに……、あの少年のつけている仮面。あまりに禍々しい形相をしている。僕には分からないが、人間が見たら恐怖を抱くのだろうね。ただの仮面ではなさそうだ)」
スタルキッド「何かいいモン持ってそうだ!」
少年は妖精と共に穴の中に滑り下りてきた。
スタルキッド「お、コイツのリボン!」
トレイル「キレイ……」
チャット「あんたは触っちゃダメよ?」
スタルキッド「ヒヒヒッ」
少年はほむらの頭からリボンを外すと、穴をよじ登り、どこかへ消えていった。
QB「……」
ほむら「う……ん……」
QB「気が付いたかい、ほむら」
トレイル「キレイ……」
チャット「あんたは触っちゃダメよ?」
スタルキッド「ヒヒヒッ」
少年はほむらの頭からリボンを外すと、穴をよじ登り、どこかへ消えていった。
QB「……」
ほむら「う……ん……」
QB「気が付いたかい、ほむら」
ほむら「ええ……。ここは?」
QB「落とし穴に嵌ったようだ。今、この罠を仕掛けたと思われる少年が君のリボンを盗っていったよ」
ほむら「リボン……ない! どうして止めなかったのよ!?」
QB「無茶言わないでくれ。そもそも彼には僕の姿が見えていないんだ」
ほむら「そ、そいつはどこへ行ったの?」
QB「とりあえず穴から出ようよ」
QB「落とし穴に嵌ったようだ。今、この罠を仕掛けたと思われる少年が君のリボンを盗っていったよ」
ほむら「リボン……ない! どうして止めなかったのよ!?」
QB「無茶言わないでくれ。そもそも彼には僕の姿が見えていないんだ」
ほむら「そ、そいつはどこへ行ったの?」
QB「とりあえず穴から出ようよ」
ほむらたちが穴から出ると、森の土の上に足跡が長く続いていた。
ほむら「物盗りをやるには少し頭が足りていないようね。追うわよ」
足跡は洞窟の中へと続いていた。
ほむら「こっちね」
QB「ちょっと待ってよ。まさかこの洞窟に入るのかい? 悪いけど、リボンひとつにそこまでこだわるなんて理解できないよ」
ほむら「あのリボンはまどかが存在した唯一の証なのよ」
QB「やれやれ、また『まどか』かい。まあ既に感情という精神疾患を持つ君が、さらに精神を病んだところで僕には関係のない話だけど」
ほむら「撃ち抜いてやりたいところだけど今は勘弁してやるわ。行くわよ」
ほむら「物盗りをやるには少し頭が足りていないようね。追うわよ」
足跡は洞窟の中へと続いていた。
ほむら「こっちね」
QB「ちょっと待ってよ。まさかこの洞窟に入るのかい? 悪いけど、リボンひとつにそこまでこだわるなんて理解できないよ」
ほむら「あのリボンはまどかが存在した唯一の証なのよ」
QB「やれやれ、また『まどか』かい。まあ既に感情という精神疾患を持つ君が、さらに精神を病んだところで僕には関係のない話だけど」
ほむら「撃ち抜いてやりたいところだけど今は勘弁してやるわ。行くわよ」
洞窟の中はかなり複雑な構造になっており、高低差が激しいなど、運動能力の高いものでなければ通り抜けられなさそうだった。しかし魔法少女であるほむらは難なく洞窟の奥へと足を進めていった。
ほむら「くっ……! いったいどこまで逃げたのよ……。そろそろ普通の人間が通れるような道じゃなくなってきたわよ」
QB「……人間?」
ほむら「え?」
QB「ああ、僕にとっては意味のない差異だったから言わないでいたけど、彼は恐らく人間ではなかったよ」
ほむら「そういうことは早く言いなさいよ!」
ほむら「くっ……! いったいどこまで逃げたのよ……。そろそろ普通の人間が通れるような道じゃなくなってきたわよ」
QB「……人間?」
ほむら「え?」
QB「ああ、僕にとっては意味のない差異だったから言わないでいたけど、彼は恐らく人間ではなかったよ」
ほむら「そういうことは早く言いなさいよ!」
QB「だから僕にとってはたいして変わりないんだって。そうだね。あれは……小鬼とかいうのかな。
妖精を従えていたし。もっとも小鬼自体が何か特殊な能力を持ち合わせているわけではない。思うにあの仮面が……」
ほむら「仮面? ……きゃっ!」
ほむらは足を滑らせた。道の先が崖になっていたのだ。
落ちてゆく時ほむらには、数多の「顔」が自分の前を通り過ぎていった気がした……。
気が付くとほむらたちは地の底にいた。眼前には小さな沼が広がる。
その沼を超えた暗がりの中に、小鬼はいた。
妖精を従えていたし。もっとも小鬼自体が何か特殊な能力を持ち合わせているわけではない。思うにあの仮面が……」
ほむら「仮面? ……きゃっ!」
ほむらは足を滑らせた。道の先が崖になっていたのだ。
落ちてゆく時ほむらには、数多の「顔」が自分の前を通り過ぎていった気がした……。
気が付くとほむらたちは地の底にいた。眼前には小さな沼が広がる。
その沼を超えた暗がりの中に、小鬼はいた。
>>18
エッ!?
エッ!?
スタルキッド「ヒヒヒッ」
ほむら「こいつ……」
QB「やはり様子がおかしいね。彼は空中で寝転がるような姿勢をとり、
リボンも手に持っているようで実は宙に浮かせている」
ほむら「魔力の持ち主だということ?」
QB「それがどんな種類のものであれ……ね」
ほむら「でも関係ないわ……リボンを返してもらうわよ」
スタルキッド「ヒヒヒッ、オマエ、自分の立場が分かっていないようだな」
ほむら「こいつ……」
QB「やはり様子がおかしいね。彼は空中で寝転がるような姿勢をとり、
リボンも手に持っているようで実は宙に浮かせている」
ほむら「魔力の持ち主だということ?」
QB「それがどんな種類のものであれ……ね」
ほむら「でも関係ないわ……リボンを返してもらうわよ」
スタルキッド「ヒヒヒッ、オマエ、自分の立場が分かっていないようだな」
ほむら「……あまり調子に乗っているようなら、多少強引な手段に出ても構わないのよ」
スタルキッド「調子に乗ってるのはオマエだよ。そうだな、ナニがいいかな……」
ほむら「何を言ってるの?」
QB「! まずい、ほむら! 逃げるんだ!」
ほむら「……!?」
ここで暁美ほむらの意識は半ば飛んだ。ただ、一瞬、見たこともない、
植物と動物の中間のような、気味の悪い生物に取り囲まれるイメージが見えた気がした。
スタルキッド「調子に乗ってるのはオマエだよ。そうだな、ナニがいいかな……」
ほむら「何を言ってるの?」
QB「! まずい、ほむら! 逃げるんだ!」
ほむら「……!?」
ここで暁美ほむらの意識は半ば飛んだ。ただ、一瞬、見たこともない、
植物と動物の中間のような、気味の悪い生物に取り囲まれるイメージが見えた気がした。
ほむら「……?」
目の前には沼が広がる。その奥には小鬼と二匹の妖精。先ほどと同じ光景だ。
ほむら「(一瞬気が遠くなった気がしたけど……。気のせいね)」
ほむら「(それにしても、ずいぶんと生意気な態度をとってくれるわね。今度はこっちの番……)」
ほむらが違和感の正体に気付くのに、数秒とかからなかった。傍らのキュゥべえが随分大きく見える。機転の効く彼女はすぐに水面に映る自分の顔を覗き込んだ。
ほむら「――っ!!」
ショックだった。自分が、植物とも動物ともつかない奇妙な生物に変わってしまっている。
思わず悲鳴を上げたが、その声ももはや暁美ほむらのものではなかった。
目の前には沼が広がる。その奥には小鬼と二匹の妖精。先ほどと同じ光景だ。
ほむら「(一瞬気が遠くなった気がしたけど……。気のせいね)」
ほむら「(それにしても、ずいぶんと生意気な態度をとってくれるわね。今度はこっちの番……)」
ほむらが違和感の正体に気付くのに、数秒とかからなかった。傍らのキュゥべえが随分大きく見える。機転の効く彼女はすぐに水面に映る自分の顔を覗き込んだ。
ほむら「――っ!!」
ショックだった。自分が、植物とも動物ともつかない奇妙な生物に変わってしまっている。
思わず悲鳴を上げたが、その声ももはや暁美ほむらのものではなかった。
スタルキッド「ヒヒヒッ、いいザマだ……。オマエはずーっとその姿でここにいろ!」
小鬼はそう言うと、空中で寝転がった姿勢を保ったまま、後方に飛んでいった。妖精が二匹、その後に続いた。
ほむら「これはいったいどういうことなの、キュゥべえ!」
QB「分からない。でも、あの小鬼の魔法……そう考えるのが一番自然じゃないかな」
ほむら「そうね。なら元の姿に戻る方法はひとつ……あいつをとっ捕まえるしかないわね」
ほむらは前に踏み出した。身体が軽いせいか、水面を跳ねて進むことができた。
QB「なんだかこの木、君に似ているね」
QBが立ち止まったところには、顔のようにも見える模様のついた枯れ木が生えていた。
ほむら「そんなこと言っている場合じゃないわ。行くわよ!」
小鬼はそう言うと、空中で寝転がった姿勢を保ったまま、後方に飛んでいった。妖精が二匹、その後に続いた。
ほむら「これはいったいどういうことなの、キュゥべえ!」
QB「分からない。でも、あの小鬼の魔法……そう考えるのが一番自然じゃないかな」
ほむら「そうね。なら元の姿に戻る方法はひとつ……あいつをとっ捕まえるしかないわね」
ほむらは前に踏み出した。身体が軽いせいか、水面を跳ねて進むことができた。
QB「なんだかこの木、君に似ているね」
QBが立ち止まったところには、顔のようにも見える模様のついた枯れ木が生えていた。
ほむら「そんなこと言っている場合じゃないわ。行くわよ!」
やがて人工的な通路にさしかかった。ほむらたちはそのまま進んだ。心なしか、通路は次第に捻れていっているような気がした。
どこかから、心の安らぐ、優しい歌が聞こえた。
――時計塔の内部――
ゴトン ゴトン
扉を開けると、巨大な歯車が目に入った。
QB「この歯車……どうやらここは時計塔の内部のようだね」
ほむら「時計塔……。どうも昔のことを思い出させるようで、いい気はしないわね」
「ホッホッホ」
ほむら「?」
ほむらが振り返ると、大きな荷物を背負った男がいた。手をすり合わせ、気味が悪いほどの笑顔を浮かべている。
どこかから、心の安らぐ、優しい歌が聞こえた。
――時計塔の内部――
ゴトン ゴトン
扉を開けると、巨大な歯車が目に入った。
QB「この歯車……どうやらここは時計塔の内部のようだね」
ほむら「時計塔……。どうも昔のことを思い出させるようで、いい気はしないわね」
「ホッホッホ」
ほむら「?」
ほむらが振り返ると、大きな荷物を背負った男がいた。手をすり合わせ、気味が悪いほどの笑顔を浮かべている。
お面屋「散々な目に遭いましたねぇ……」
ほむら「……あなたは?」
お面屋「ワタクシはしあわせのお面屋。古今東西、しあわせを求めて旅を続ける行商人。見たところアナタ……仮面をつけた小鬼を追っているのでは……」
ほむら「ええ。どうして分かったの?」
お面屋「実はあの仮面、もともとはワタクシが持っていたものなのです」
ほむら「……」
お面屋「ところで実はワタクシ、アナタを元の姿に戻す方法を知っているのですが……」
ほむら「え!? ほ、本当!?」
ほむら「……あなたは?」
お面屋「ワタクシはしあわせのお面屋。古今東西、しあわせを求めて旅を続ける行商人。見たところアナタ……仮面をつけた小鬼を追っているのでは……」
ほむら「ええ。どうして分かったの?」
お面屋「実はあの仮面、もともとはワタクシが持っていたものなのです」
ほむら「……」
お面屋「ところで実はワタクシ、アナタを元の姿に戻す方法を知っているのですが……」
ほむら「え!? ほ、本当!?」
デクナッツがデクナッツのままだからなー
ゾーラでオクタヴィアに変身とかはなさそうか
ゾーラでオクタヴィアに変身とかはなさそうか
ゾーラはルルみたいになるんだろ
ミカウイベントがどうなるか知らんけど
ミカウイベントがどうなるか知らんけど
お面屋「ええ。すぐにでも元の姿に戻してさしあげましょう。その代わり……」
ほむら「……。どのみちあの小鬼には用があるわ。仮面をとり返してくればいいんでしょう?」
お面屋「アナタならそうおっしゃってくれると信じていました……。小鬼はこのクロックタウンのどこかにいるはずです……。
出来れば三日以内にお願いします。三日したら、ワタクシはこの街を出ていってしまうので……」
ほむら「そういうワケらしいから、行くわよ。QB」
お面屋「自分の力を、信じなさい、信じなさい……」
ほむらたちは扉を開け、時計塔の外、クロックタウンへと出た。
ほむら「……。どのみちあの小鬼には用があるわ。仮面をとり返してくればいいんでしょう?」
お面屋「アナタならそうおっしゃってくれると信じていました……。小鬼はこのクロックタウンのどこかにいるはずです……。
出来れば三日以内にお願いします。三日したら、ワタクシはこの街を出ていってしまうので……」
ほむら「そういうワケらしいから、行くわよ。QB」
お面屋「自分の力を、信じなさい、信じなさい……」
ほむらたちは扉を開け、時計塔の外、クロックタウンへと出た。
――クロックタウン――
最初の朝 ――あと72時間――
ほむら「……とは言ったものの。どこにいるのかしら、あいつ」
QB「ほむら、君はあのお面屋に関して、何も感じなかったのかい?」
ほむら「……? どういう意味よ」
QB「僕はあのお面屋に、君たちの言葉で言うと恐ろしいものを感じた。
『円環の理』に近い、超越的な何かを……」
ほむら「『円環の理』……。なら問題ないじゃない。行くわよ」
QB「行くって、どこに?」
ほむら「手あたり次第聞き込みよ」
最初の朝 ――あと72時間――
ほむら「……とは言ったものの。どこにいるのかしら、あいつ」
QB「ほむら、君はあのお面屋に関して、何も感じなかったのかい?」
ほむら「……? どういう意味よ」
QB「僕はあのお面屋に、君たちの言葉で言うと恐ろしいものを感じた。
『円環の理』に近い、超越的な何かを……」
ほむら「『円環の理』……。なら問題ないじゃない。行くわよ」
QB「行くって、どこに?」
ほむら「手あたり次第聞き込みよ」
QB「聞き込みって……。君は自分が今どんな姿をしているのか、分かっているのかい?」
ほむら「! そういえばそうね。どうしましょう……」
QB「しかし不思議なのは、君は先ほどから街の中心にいるというのに、誰ひとりとして君に興味を示さないことだ。まるで君のような生き物がこの世界にいるのが当たり前のことのように……」
ほむら「……異世界にでも迷い込んだのかしら」
QB「そうかもしれないね。ところでほむら、ひとつ、魔法少女の変身を解いてみてはどうだい?」
ほむら「? まあいいけど」パアア
ほむらは変身を解いた。
ほむら「! そういえばそうね。どうしましょう……」
QB「しかし不思議なのは、君は先ほどから街の中心にいるというのに、誰ひとりとして君に興味を示さないことだ。まるで君のような生き物がこの世界にいるのが当たり前のことのように……」
ほむら「……異世界にでも迷い込んだのかしら」
QB「そうかもしれないね。ところでほむら、ひとつ、魔法少女の変身を解いてみてはどうだい?」
ほむら「? まあいいけど」パアア
ほむらは変身を解いた。
ほむら「!」
ほむら「これは……」
そこにあったのは、普段通りの暁美ほむらの姿だった。
QB「やはりね。姿を変えられたのは変身後だけのようだ」
その後、試しに再び変身してみると、やはりあの奇妙な姿になってしまった。ほむらは溜息をつき、変身を解いた。
ほむら「つまり、魔法少女に変身するとあの姿になってしまうということね……」
QB「ということは、君の武器である弓が使えなくなったわけだ」
ほむら「魔法少女としての身体能力は失っていないようね。ともかく、この姿なら聞き込みも出来るでしょう」
ほむら「これは……」
そこにあったのは、普段通りの暁美ほむらの姿だった。
QB「やはりね。姿を変えられたのは変身後だけのようだ」
その後、試しに再び変身してみると、やはりあの奇妙な姿になってしまった。ほむらは溜息をつき、変身を解いた。
ほむら「つまり、魔法少女に変身するとあの姿になってしまうということね……」
QB「ということは、君の武器である弓が使えなくなったわけだ」
ほむら「魔法少女としての身体能力は失っていないようね。ともかく、この姿なら聞き込みも出来るでしょう」
ほむらたちはしばらく街を散策した後、「マドカマ亭」という宿屋に入った。宿を確保しておきたかったというのもあるし、聞き込みをする目的もあった。
――マドカマ亭――
まずほむらはフロントへ向かった。
ほむら「どこか泊まれる部屋は?」
マドカ「はい。2Fのこの部屋などは……」
ほむら「……!」
ほむらは、自分が声を上げなかったことが不思議なくらいだった。目の前にまどかがいる。ほむらのかつての道しるべ。この世界を構築した魔法少女。
ほむら「(いや……)」
だがそれがまどかではないとすぐに分かった。彼女の耳は、お伽話に出てくるエルフのように長かった。この街の他の住人と同様に。しかし似ている。似すぎている。
――マドカマ亭――
まずほむらはフロントへ向かった。
ほむら「どこか泊まれる部屋は?」
マドカ「はい。2Fのこの部屋などは……」
ほむら「……!」
ほむらは、自分が声を上げなかったことが不思議なくらいだった。目の前にまどかがいる。ほむらのかつての道しるべ。この世界を構築した魔法少女。
ほむら「(いや……)」
だがそれがまどかではないとすぐに分かった。彼女の耳は、お伽話に出てくるエルフのように長かった。この街の他の住人と同様に。しかし似ている。似すぎている。
>>41
ゼル伝の64の二作目
ゼル伝の64の二作目
マドカ「どうかされましたか?」
ほむら「いえ。ごめんなさい。じゃあその部屋をとらせてもらうわ」
マドカ「かしこまりました」
ほむら「ああ、あと……仮面をつけた小鬼を見なかったかしら」
マドカ「小鬼……? うーん……、すみません、ちょっと……」
ほむら「そう。ならいいわ。ありがとう」
その後、ほむらたちは自分たちの部屋に向かった。部屋に入ると、すかさずベッドに寝転がった。
ほむら「いえ。ごめんなさい。じゃあその部屋をとらせてもらうわ」
マドカ「かしこまりました」
ほむら「ああ、あと……仮面をつけた小鬼を見なかったかしら」
マドカ「小鬼……? うーん……、すみません、ちょっと……」
ほむら「そう。ならいいわ。ありがとう」
その後、ほむらたちは自分たちの部屋に向かった。部屋に入ると、すかさずベッドに寝転がった。
――マドカマ亭、ほむらの部屋――
ほむら「さすがに疲れたわ」
QB「しかしあまり休んでいる時間はないみたいだけど。確か期限まであと三日もないんだろう?」
ほむら「分かってるわよ。もうしばらくしたら聞き込み再開よ」
コンコン
ドアをノックする音が聞こえた。ほむらが返事をすると、マドカが入ってきた。
マドカ「食事のメニューです。外で取ってもらっても構いませんが、こちらでも用意しているので。暁美ほむら様」
ほむら「さすがに疲れたわ」
QB「しかしあまり休んでいる時間はないみたいだけど。確か期限まであと三日もないんだろう?」
ほむら「分かってるわよ。もうしばらくしたら聞き込み再開よ」
コンコン
ドアをノックする音が聞こえた。ほむらが返事をすると、マドカが入ってきた。
マドカ「食事のメニューです。外で取ってもらっても構いませんが、こちらでも用意しているので。暁美ほむら様」
ほむら「ほむらでいいわ。どうやらわたしたち、あまり歳も変わらないようだし」
マドカ「えっと……、それじゃあ、ほむらちゃん」
ほむら「(こうしてみると本当にまどかみたいね……)」
マドカ「あ、わたしはマドカっていいます。マドカと呼んでください」
ほむら「マドカ……」
マドカ「それにしても、ほむらちゃんは逃げないんだね」
ほむら「逃げない……?」
マドカ「あ、ごめんなさい。最近皆クロックタウンから避難してるから、
これから泊まろうなんてお客さん、珍しくて。ここだけの話、今このマドカマ亭に泊まってるの、ほむらちゃんだけなんだ」
ほむら「避難? 何かあるの?」
マドカ「えっと……、それじゃあ、ほむらちゃん」
ほむら「(こうしてみると本当にまどかみたいね……)」
マドカ「あ、わたしはマドカっていいます。マドカと呼んでください」
ほむら「マドカ……」
マドカ「それにしても、ほむらちゃんは逃げないんだね」
ほむら「逃げない……?」
マドカ「あ、ごめんなさい。最近皆クロックタウンから避難してるから、
これから泊まろうなんてお客さん、珍しくて。ここだけの話、今このマドカマ亭に泊まってるの、ほむらちゃんだけなんだ」
ほむら「避難? 何かあるの?」
マドカ「あれ、知らない? あの月が落ちてくるって話」
マドカはそう言うと、部屋の窓を開けた。ほむらは促されるまま、開けられた窓から顔を出した。
マドカ「今日も大きくなってるね」
ほむらはマドカの目線の先を追った。そして目を丸くした。そこには、昼間だと言うのに、
ほむらが見慣れていたものに比べてあまりに巨大な月があった。そしてその月には、鬼のような表情をした顔がついていた。
こんなものが空に出ていて今まで気が付かなかった自分もどうかとは思ったが、恐らく疲れていて空を仰ぐ余裕がなかったのだろう。
ほむら「落ちてくるって……いつ頃?」
マドカ「噂だと、三日以内だって」
ほむら「(三日……。あのお面屋がこの街を去ることと何か関係があるのかしら)」
マドカ「あ、ごめんなさい。お客様相手になれなれしかったですよね」
ほむら「いいえ。全然気にしていないわ」
マドカ「何だかほむらちゃんと話していると懐かしい感じがして……。初対面なのに、変だよね」
ほむら「……そうね。変よ」
マドカはそう言うと、部屋の窓を開けた。ほむらは促されるまま、開けられた窓から顔を出した。
マドカ「今日も大きくなってるね」
ほむらはマドカの目線の先を追った。そして目を丸くした。そこには、昼間だと言うのに、
ほむらが見慣れていたものに比べてあまりに巨大な月があった。そしてその月には、鬼のような表情をした顔がついていた。
こんなものが空に出ていて今まで気が付かなかった自分もどうかとは思ったが、恐らく疲れていて空を仰ぐ余裕がなかったのだろう。
ほむら「落ちてくるって……いつ頃?」
マドカ「噂だと、三日以内だって」
ほむら「(三日……。あのお面屋がこの街を去ることと何か関係があるのかしら)」
マドカ「あ、ごめんなさい。お客様相手になれなれしかったですよね」
ほむら「いいえ。全然気にしていないわ」
マドカ「何だかほむらちゃんと話していると懐かしい感じがして……。初対面なのに、変だよね」
ほむら「……そうね。変よ」
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