元スレ恒一「始めまして、変態の榊原恒一です」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ☆
101 = 1 :
鳴「この目、前にも見せたよね」 スッ
恒一「うん。きれいな目だね。隠さなくてもいいのに」
鳴「4歳の時に目に腫瘍ができてね、手術の時に死にかけたらしいの。なんとなく覚えてる」
恒一「臨死体験ってこと?」
鳴「死はね、優しくなんかない。暗くて、どこまでも一人っきりなの」
恒一「一人っきり・・・」
鳴「でもそれは生きていても同じこと。私も恒一くんも。・・・未咲だってそう」
恒一「鳴ちゃんは、一人じゃないよ」
鳴「どうして?」
恒一「天使の羽を生やした未咲ちゃんが、雲の上に寝転がって鳴ちゃんを優しく見守ってる」
鳴「ふふ、意外と乙女チックな事言うのね」
恒一「だから、未咲ちゃんも一人だなんて思ってない」
鳴「・・・そうだと、いいな」
102 :
桜木「都内の私立校なんですよね。どうして引越しを
103 = 83 :
無理して書かなくていいぞ>>1
105 = 1 :
恒一「おはよう。って、僕いないものだったっけ」
桜木「あっ・・・!」
恒一(あ、ゆかりちゃん!もう学校に来れるようになったんだ。よかった) ニコッ
桜木「っ・・・」
勅使河原(うっ・・・)
恒一(勅使河原くん、この前はごめんね) ニコッ
勅使河原(!) ビクッ
桜木「わ、私・・・榊原くんを”いないもの”になんてしたくありません・・・」 メソメソ
杉浦「ゆかりからすれば自分と母親の命の恩人なわけだし、そんな人をいきなり無視しろ、なんてね・・・」
綾野「私だってそうだよ。・・・ちょっと、心が痛い」
赤沢「皆の意見ももっともだし・・・難しいわね・・・」
勅使河原(こえぇ・・・サカキこえぇよ・・・!)
恒一「zzz」
106 = 1 :
恒一(ゆかりちゃんと話したいけど・・・そうだ、手紙を書こう) カリカリ
桜木(わっ、何か飛んできた。手紙?誰から・・・)
”ゆかりちゃんへ
また会えてよかった。僕はいつでも、ゆかりちゃんを見守ってるから。
お母さん、はやく良くなるといいね。”
桜木(っ・・・!) クルッ
恒一(あ、いないものに反応したら駄目だよゆかりちゃん) ニコッ
桜木(さ、榊原くん・・・!) ブワッ
桜木「こ、こんな手紙もらったら・・・私は無理です!」 ブワッ
杉浦「あー・・・これはくるね」
中尾「うっ・・・俺こういうのダメなんだ」
桜木「私が”いないもの”になりますから・・・私が・・・なりますからぁ・・・」 ブワワッ
赤沢「どうしたらいいの・・・!と、とりあえず今日は我慢して!明日になったら考えるから!」
恒一「zzz」
107 = 12 :
いいぞ
108 = 1 :
恒一「かわいい子とのお昼ごはんターイム!」
鳴「おいしそうなお弁当」
恒一「鳴ちゃんはサンドイッチ?」
鳴「・・・あまりおいしくないの。霧果の作るものって」
恒一「そうなんだ。鳴ちゃんは作らないの?」
鳴「私は全然。レトルトを暖めるくらいしか」
恒一「そっか。はい、あーん」
鳴「あーん」
恒一「おいしい?僕の手作りなんだ」
鳴「うん。って・・・な、何させるのよ・・・」
恒一「鳴ちゃん真っ赤だよ。犯罪級のかわいさだなぁ」
鳴「・・・そういうの、やめて」
109 :
アカザーさん安定の無能っぷり
110 = 1 :
桜木「めそめそ・・・めそめそ・・・」
恒一(ゆかりちゃん元気ないなぁ。無力な自分が恨めしいよ)
赤沢(ごめん、ゆかり・・・)
恒一(なんとかして泉美ちゃんの許しを貰おう。簡潔なほうがいいかな) カリカリ
赤沢(ん?手紙?誰から)
”ごめんね。
いないものより”
赤沢(っ・・・恒一くん・・・?) クルッ
恒一(心の底から申し訳なさそうな笑顔!こんな感じかな) ニコッ
赤沢(な、何よ、その悲しげな笑顔・・・ごめんって、どういうこと・・・)
111 = 1 :
恒一(~♪) カリカリ
赤沢(授業も聞かずにずっとノートを・・・)
恒一(・・・うーん、杏子ちゃんのたてる物音が気になって集中できない。場所を変えよう) ガタッ
赤沢(ノートとペンを持ってどこに・・・?まさか屋上なんてことは・・・)
久保寺「赤沢さん、どうされました?」
赤沢「あ、その・・・具合が悪いので保健室に行ってきます!」
恒一(~♪)
赤沢(”いつでも見守ってる”・・・それに”ごめんね”って・・・やめてよ・・・)
恒一(~♪)
赤沢(お昼も教室にいなかったし、休憩時間も元気がなかった・・・)
恒一(~♪) ガチャ
赤沢(ほ、本当に屋上に・・・あのノートには、きっと遺言が・・・)
恒一(~♪) スタスタ
赤沢(お願い神様・・・恒一くんを止めて・・・!)
112 = 1 :
恒一「よっこいしょ」
赤沢(す、座った・・・今止めに行けば、でも・・・)
恒一(~♪やばい、ニヤニヤしちゃった。おさえておさえて) カリカリ
赤沢(また、あの笑顔・・・もう、もうやめて・・・私が悪かったから・・・!)
恒一「でーきたー!」
赤沢(っ!) ガバッ
恒一「3年3組 パンチラ観察図鑑!」
赤沢(えっ)
恒一「記念すべき一人目は、No.008、桜木ゆかりちゃん!いっちごーいっちごー」
赤沢(・・・) ヘナヘナヘナ・・・ペタン
恒一「教室の入り口前で寝そべっちゃおっかなー」
赤沢「恒一くん、”いないもの”を解除ずるわ」
恒一「えぇっ!?ふ、複雑・・・」
113 = 1 :
小椋「恒一くん、おはよー」
恒一「おはよう由美ちゃん、初夏を思わせる素敵なライムグリーンだね」
小椋「ちょっ!い、いつの間に見たのよ!」
恒一「さっき。上靴に履き替えてる時」
小椋「全然気づかなかった・・・」
恒一「30mくらい先にいたからね」
小椋「・・・目、いいのね。そうだ、”いないもの”解除おめでと」
恒一「うん、なんでか2日で解除された。こうやって由美ちゃんと会話できることが幸せだよ」
小椋「調子のいいヤツ」
千曳「恒一くん、ん、由美くんも一緒か。ちょっといいかな」
恒一「ビッキー先生?どうしたんですか?」
千曳「ビッキー?」
恒一「千曳だからビッキーです。チビ先生の方がいいですか?」
千曳「・・・いや、ビッキーでいい。とりあえず来てくれ」
115 = 91 :
小椋「恒一くんって・・・やっぱ頭いいのね」
恒一「そうかな?由美ちゃんのかわいさには勝てないよ」
小椋「いや・・・何の勝負?」
116 = 91 :
恒一「久保寺先生のママンが・・・亡くなられたんですか」
千曳「長いこと重病を患っていてね、寝たきりの生活が長かったそうだよ」
小椋「久保寺先生はずっと介護を?」
千曳「そうらしい。長年の介護も空しく、昨日・・・」
恒一「昨日亡くなって・・・今日は?」
千曳「そこが問題なんだ。久保寺先生ね・・・出勤しているんだよ」
小椋「普通、お葬式の準備とかでお休みしますよね」
千曳「うむ。虚ろな表情で、何を聞いても受け答えが曖昧なんだ。辛うじてここまでの話を聞けた」
恒一「解離性障害・・・アパシーやガンザー症候群に近いですね。躁状態からパニック発作を起こしては厄介です」
千曳「何をしでかすかわからない。何かあったらすぐに報告してくれ」
恒一「わかりました。僕と演劇部の由美ちゃんでどうにかします」
小椋「恒一くんって・・・やっぱ頭いいのね」
恒一「そうかな?由美ちゃんのかわいさには勝てないよ」
小椋「いや・・・何の勝負?」
117 = 91 :
久保寺「・・・皆さん、おはようございます」
勅使河原「先生・・・なんか変じゃね?」
久保寺「私は・・・もう、限界です・・・3組の現象のことなど・・・もう、どうでもいい」 スッ
中島「ひっ、ほ、包丁・・・!」
久保寺「・・・どうして、どうしてここまで苦労したのに!人生を棒にまで振ったのに!」
恒一「先生」
久保寺「うるさい!私に話しかけるなぁ!!」
恒一「・・・お母様が、亡くなられたのですね」
久保寺「な・・・どうしてそれを・・・!」
恒一「その事はどうでもいいです。さあ、落ち着いてください」
久保寺「・・・うるさい、うるさいうるさいうるさいうるさい!君に何がわかるというんだ!」
恒一「確かにわかりません。僕の母は産後まもなく亡くなったので」
久保寺「っ・・・そうだ、そういえば君は・・・!」
恒一「ですが、わかる事が一つだけ。お母様は今、とても悲しい表情で雲の上からあなたを見つめていること」
久保寺「そ・・・そんな・・・」
118 = 91 :
恒一「先生が幼かった頃、お母様に学校や友人の事を話したとき、どのようなお顔をされていましたか?」
久保寺「・・・うんうん、と頷きながら、とても嬉しそうに聞いてくれました・・・」
恒一「毎日とは言いません、3日に一度でも、お母様の墓前でその日の出来事を報告なさってください」
久保寺「な・・・何故・・・?」
恒一「うんうん、と、雲の上で嬉しそうに聞いてくれていることでしょう」
久保寺「っ!あ・・・あああ・・・!」
恒一「それが、今のあなたができる唯一の親孝行です」
久保寺「う、ううう・・・私は・・・っ!」 カランッ
恒一「君!包丁を拾って!」
前島「う、うん!」
久保寺「すまない・・・すまない、母さん・・・!」
恒一「死は悲しいものではありません。ですが、今は存分に泣いてください。風見くんの胸で」
風見「えっ、僕?」
小椋(きゅん・・・!)
119 :
小椋ちゃん可愛すぎる
120 = 91 :
三神「久保寺先生は療養ということで、しばらくの間お休みとなります」
千曳「恒一くんたち、久保寺先生を説得できたようだね。よくやってくれた」
小椋「恒一くん、さっきの演技すごかった」
恒一「ううん、由美ちゃんがいてくれたおかげだよ」
小椋「私、何もできなかったけど?」
恒一「由美ちゃんがいるっていう安心感が、僕に勇気をくれたんだ」
小椋「またうまいこと言って。演劇部に入ってみない?歓迎するよ」
恒一「ごめん、由美ちゃんたちと交わりたいけど、僕いろいろと忙しいんだ」
小椋「残念。生まれたときに母親が死ぬなんて、そんな発想浮かばないよ」
恒一「うん、そこは本当のことだからね」
小椋「えっ・・・ご、ごめん!知らなかったから・・・」
恒一「ううん、全然いいよ。ママンもいつだって空から僕を見守ってくれてるから」
小椋「そっか・・・」
恒一「見ないでほしい時は”ちょっとむこう向いてて”って言うけどね」
121 = 91 :
屋上・・・ッ!
恒一「勅使河原くん、この前はごめんね?」
勅使河原「お、おう、もう気にしてないからよ」
恒一「鳴ちゃんも”いないもの”解除か。よかったね」
鳴「まあ、よかったのかな」
恒一「僕は色々やりたいこともあったんだけどなぁ」
赤沢「ここか」 ガチャ
恒一「泉美ちゃーん」
赤沢「・・・」 ドスッ
勅使河原「おふっ!な、なんだよ?」
恒一「それ、僕にもやってほしいな」
122 = 1 :
恒一「そういえば昨日、なんで僕を急に”いないもの”解除したの?」
赤沢「・・・まあ、色々考えた結果よ。はぁ・・・」
恒一「溜息をついたら幸せが逃げちゃうよ」
赤沢「こんな優柔不断じゃ私、無能の謗りを受けても仕方なしね」
恒一「そんなことない。泉美ちゃんはいつも精一杯がんばってる」
赤沢「・・・まだ終わってない。災厄も。対策係の役目も」
恒一「それにクラス委員だもん。体には気をつけてね」 ニコッ
赤沢「う、うん・・・お気遣いどうも」
恒一「この先も、何も起きなければいいけどね」
鳴「毎年、夏休みに夜見山から逃げ出す人がいるみたい」
恒一「3組の女子達は僕が守るから、逃げ出そうなんて思わないでほしいな」
勅使河原「あのよ、できれば男子も守ってくれないか?」
恒一「なんで?」
勅使河原「いや、なんでって・・・聞くだけ無駄だったか」
123 = 91 :
恒一「ビッキーせんせーい」
赤沢「・・・お先」 スタスタ
恒一「あれ、泉美ちゃんだ」
千曳「恒一くんか。今日はお手柄だったよ」
恒一「泉美ちゃんも来てたんですね」
千曳「彼女は対策係だからね。強い子だし、本人もそれに自覚的だ」
恒一「そしてかわいいです」
千曳「さっきは三神先生も来られていたよ」
恒一「三神先生が?」
千曳「しばらくの間担任を務めるからね。あらたまって相談に、と」
恒一「ビッキー先生、ハーレムですね」
鳴「ビッキーって何?」
恒一「千曳だからビッキー。本人が”ビッキーでいい”って言うから」
千曳「たしかにそうは言ったが、そういう意味ではないよ」
124 = 83 :
>>82
江藤さんと多々良さんはこんなに頭悪くない
有田さんも低すぎる
風見も桜木のために頑張ってるところなら20番台でもいい
学年ランキングだろ?恒一を過大評価しすぎ
125 = 91 :
千曳「で、君たちは?」
恒一「15年前、災厄が途中で止まったって話を聞いて」
千曳「ああ・・・この名簿を見てくれ」
恒一「8月で災厄が止まってますね」
千曳「その年は、夏休みに合宿を行ってね」
恒一「が・・・合宿・・・? なんて不埒で淫靡な響き・・・」
千曳「夜見山神社へ皆でお参りにいったんだ」
恒一「・・・合宿は、男女一緒ですか・・・?」
千曳「うむ。全員ではないが多数の参加があったようだな」
恒一「そうですか・・・では今年も・・・」
三神「8月8~10日の間、クラス合宿を行います」
恒一「やっほい」
126 = 1 :
綾野「こういっちゃん、階段で何してんの?眉間に皺よせちゃって」
恒一「うん、ちょっと考え事をね・・・」
綾野「ふーん?じゃねー。・・・あっ!パンツ見ようとしてるだけでしょ!」
恒一「なんでわかっちゃったの?」
綾野「そうそう簡単に見せるほどガードは甘くないよーだ!へへへー」
恒一(彩ちゃん、意外と堅いな。小百合ちゃんや幸子ちゃんは思ったより簡単だったのに・・・)
杉浦「何してんの?こんな所で」
恒一「うん、ちょっと考え事をね・・・」
杉浦「教室で考えれば?」
恒一「ここだと考えがまとまりやすいんだ」
杉浦「ふーん?」
恒一(なんと、パーカーと同色・・・芸術点高いよ多佳子ちゃん)
綾野「こういっちゃん、さっき階段でパンツ見ようとしてたよね」
杉浦「なッ!?」
127 = 1 :
恒一「あれ、ゆかりちゃんどうしたの?一緒に帰ろっか」
桜木「あ、あの・・・ちょっと、来てもらってもいいですか?」
恒一「行く行く。階段から転がり落ちてでも行くよ」
桜木「あの、これ、先日のお礼といってはなんですけど・・・」
恒一「何これ?あ、クッキーだ。ゆかりちゃんの手作り?今食べちゃお」
桜木「お口に合うかわからないですけど・・・どうですか?」
恒一「うん、おいしいよ。とてもおいしい。ゆかりちゃん料理上手なんだね」
桜木「よかった・・・」
恒一「ゆかりちゃんの優しい気持ちが詰まってるよ。いい奥さんになれるね」 ニコッ
桜木「そ、そんな・・・じゃあ失礼しますっ!」
恒一「パンツも見れて感謝されて手作りお菓子ももらえる。僕は幸せ者だ」
風見「・・・」 ギリギリギリ・・・
128 = 1 :
桜木「榊原くん、わ、私・・・」
鳴「抜け駆けはなし」
綾野「そうだそうだー。こういっちゃんは私のものー!」
小椋「あっ、彩!待ちなさい!」
赤沢「ちょっと!クラス委員の私に優先権はあるのよ!」
鳴「私と恒一くんは家にあがった仲だし」
桜木「それを言うなら私だって、その、見られちゃいましたし・・・」
小椋「私だって見られた!おあいこ!」
綾野「私なんて押し倒されたもんねー!」
赤沢「わ、私だって握手したわよ!」
早苗「こらこらあなた達、ここは大人の出番よ」
恒一「・・・夢、か・・・。さてパンツを洗わなきゃ」
129 = 1 :
恒一「陰嚢屋?」
勅使河原『イノヤだイノヤ。とりあえず直に会って話したいんだよ』
恒一「勅使河原くんと会ってもテンションが上がらないしなぁ」
勅使河原『わかったわかった。なんとかすっから』
赤沢「恒一くん、こっちよ」
恒一「泉美ちゃんだ!来て良かったよ」
赤沢「勅使河原に呼ばれたんでしょ?座ったら?」
恒一「うん。私服かわいいね」
智香「いらっしゃい。泉美ちゃんのお友達?」
赤沢「ええ、クラスメイトの榊原恒一くんです」
智香「始めまして、望月優矢の姉の智香です」
恒一「こんにちわ智香さん。たった今常連になることを決めました」
130 :
>>82
実際恒一は授業出なくても一位取れるだろうな
高校の時センターの数学を式書かずに暗算で解いてた化け物がいたけど、開成とかだと普通なんだろうか
131 = 1 :
智香「お待たせしました」
恒一「・・・あ、苦いけど甘い。おいしいコーヒーだね。エクスタシーだっけ?」
赤沢「エクストラファンシーよ。恒一くんは東京に帰らなかったんだ」
恒一「そんな気はさらさら無かったよ?」
赤沢「・・・あなた、本当は生まれていないのかもしれない」
恒一「何が?」
赤沢「15年前にお母様が亡くなられ、15年後の現在、転校生として3組に復活・・・」
恒一「そ、そんな・・・ママンも変態だったなんて・・・!」
赤沢「・・・ふふふ、冗談よ。変態って自覚はあるのね」
恒一「もう、Sだなぁ」
赤沢「その可能性を考えたのは本当。でもね、握手して」
恒一「喜んで」
赤沢「・・・やっぱりあなたとはどこかで握手してる。記憶には無いけど、体が覚えてる」
恒一「か、体が覚えてる・・・だって・・・?」
赤沢「ええ・・・・・・そろそろ離してもらっていいかしら」
132 :
良いぞ続けろ
133 = 1 :
勅使河原「ごめんごめん、お待たせー」
赤沢「・・・」 スッ
勅使河原「なっ、何だよそれ。俺そんなに嫌われてる?」
赤沢「はっきり言われたい?」
勅使河原「いや、それも悪くねえが・・・今はいいや」
恒一「うん。悪くないね。ところで望月くん、コーヒーは飲める?」
望月「ううん、苦手」
恒一「ちょっとこのコーヒー飲んでみて?飲みやすいよ」
望月「そう?・・・んっ、に、苦い・・・やっぱり僕飲めないよぉ・・・」
恒一「よし」
勅使河原「なにが”よし”なんだ?」
恒一「こういう需要もあるのかなって。ね?泉美ちゃん」
赤沢「・・・何がよ」
134 = 54 :
というかpixivにあるじゃんこれ
135 = 1 :
かくかくしかじか・・・ッ!
勅使河原「・・・でよ、その松永って人に話を聞いてみようと思うんだ」
恒一「でもその人はどこに?」
智香「どこに住んでるかまでは・・・」
赤沢「恒一くん、松永さんの同級生が身近にいなかった?」
恒一「ああ、さすが泉美ちゃん。頭の回転がレブリミットだね」
黄泉のたそ(ry・・・ッ!
恒一「そっか、鳴ちゃんは一緒に行けないんだ」
鳴「1週間くらいで帰るから、合宿には行くつもり。なにかあったらここに電話して」
恒一「鳴ちゃんの携帯番号?やっほい! 嫌な機械なんて言ってたのに」
鳴「本当に嫌なの。四六時中電波で繋がってるなんて気持ち悪い」
恒一「四六時中僕と繋がるのはどう?」
鳴「・・・ノーコメント」
136 = 1 :
恒一「あーしたーはうーみだー、みーなぎーるぞー♪」
ヴィイイイイ・・・ヴィイイイイ・・・
綾野『もしもし、こういっちゃん?今大丈夫?』
恒一「僕の太陽こと彩ちゃん。更にみなぎっちゃった。どうしたの?」
綾野『うん・・・あのさ、相談があるんだ』
恒一「元気ないね。悩み事?」
綾野『どうしても一人じゃ決められなくて、男子の意見も聞いてみようかなって』
恒一「僕でよかったら。どこかで会おうか?」
綾野『えっ、いいよ。こんな時間に悪いし』
恒一「悩み事でしょ?電話よりも直接話すほうがいいに決まってる」
綾野『・・・そう?じゃあ公園で会おっか』
恒一「うん、わかった。すぐ行くよ。崖から転がり落ちてでも行く」
137 = 1 :
恒一「引っ越すかもしれない?」
綾野「親にさ、学校での災厄の話を打ち明けたんだ。そしたらさ、引越しも視野に入れるって」
恒一「あとは彩ちゃんの気持ち次第ってこと?」
綾野「・・・やっぱさ。死ぬのが怖いんだ。でも、皆とも離れたくないし・・・悩んでる」
恒一「そればかりは、自分で考えることだよ」
綾野「えっ・・・」
恒一「そんな大事なこと、人に決めてもらっちゃいけない。自分の意思で動かなきゃ」
綾野「・・・そっか・・・こういっちゃんなら、引き止めてくれると思ったんだけどな・・・」
恒一「でも僕は前にも言ったよ。彩ちゃんの笑顔は僕が守るって」
綾野「っ・・・」
恒一「ほら、いつもみたいに笑って。太陽が沈んじゃったら、暗くて外を歩けなくなっちゃうよ」 ニコッ
綾野「・・・うん、決めた。私の心は決まったよ」
恒一「それはちゃんとした自分の意思?」
綾野「うん、ありがと!こういっちゃんに相談できてよかった!」
恒一「あ、笑った。やっぱ彩ちゃんは笑顔が一番だね」
138 = 91 :
勅使河原「おはよーっす!」
望月「おはようございます」
恒一「何その荷物?」
勅使河原「いろいろ準備してきたからな」
赤沢「お待たせ」
恒一「全員そろったね。・・・中尾くん、大丈夫?」
中尾「うぅ・・・ど、どうってことねえ・・・ちょっと車酔いが・・・」
恒一「チアノーゼが出てる。ただの車酔いじゃないよ。何があったの?正直に話して」
中尾「じ、実は・・・」
恒一「・・・階段から落ちたって?それでこの症状・・・泉美ダディ、救急車を!」
中尾「い、いや、大丈夫だって・・・行か、なきゃ・・・」
恒一「心配しないで。ほら、1眼レフ用意したから。フィルムも5本ある」
中尾「・・・わかった、頼んだぞ・・・赤沢メインで・・・」
恒一「まかせろー」
139 :
内容は好き
140 :
どうしても、高田純次と被る...
141 = 91 :
勅使河原「さて、と。中尾が早速脱落したわけだが」
杉浦「大丈夫かな。相当具合悪そうだったけど」
恒一「視覚障害や失語も見られなかったし、まだ早期だから大丈夫だよ」
勅使河原「お前詳しいな。医者にでもなるのか?」
恒一「医学書の婦人科のページばかり読んでたんだけど、気づいたら1冊暗記しちゃった」
勅使河原「・・・お前、すげえわ」
赤沢「まあいいわ、行きましょ。メンバー分けはどうする?」
恒一「女子は玲子さんの車、男子は泉美ダディの車にしようか」
勅使河原「ちぇっ、まあいいか」
恒一「よし出発。現地でまた会おう」 ガチャ
勅使河原「ちょっと待てサカキ!なんでお前そっちに乗るんだよ!」
恒一「多佳子ちゃん、よろしくね」
杉浦「あ、うん、よろしく」
143 :
「・・・」は「……」が基本だと思うの。
144 = 91 :
玲子「ったく、チンタラ右走んないでよね」
赤沢「人は見かけによらず、って感じね」
恒一「泉美ちゃんは見た目どおりだよね」
赤沢「ふーん、私ってどういう感じなの?」
恒一「気が強くて責任感もあるけど、時折弱い一面も見せる」
赤沢「何それ、そんな風に見られてる?」
恒一「多佳子ちゃんは、自分に自信がないけど、どこか大きく自分を変えたいと思ってる」
杉浦「え、別にそんなことないけど・・・」
玲子「恒一くんは見た目とは裏腹よね。普通の好青年だと思ったのに」
赤沢「ふふふ、確かに」
恒一「よく言われるよ」
望月「・・・静かな車だね・・・」
勅使河原「ああ・・・静かだ・・・」
145 = 91 :
恒一「うーん、リゾート地だね。テンションがフルブーストだよ」
勅使河原「あぢー」
玲子「松永くん、急な出迎えに出てるらしくて・・・」
望月「それまでどうしようか?」
勅使河原「ただ待っててもしょうがないよなぁー?」
恒一「よし、泳ごう!泳ごう!」
玲子「せっかく海に来たんだしね」
勅使河原「さすが話がわかる!うっし、行くぞー!」
杉浦「あ、ちょっと!私何も用意してないんだけど・・・」
恒一「水着ならホテルでも買えるよ。僕が買ってあげる」
杉浦「い、いいよそんな。悪いし・・・」
恒一「多佳子ちゃんに似合う水着をチョイスしてあげるよ。ほら、行こう」
146 = 91 :
望月「海だー!」
勅使河原「夏の海!俺の海!いやっほーう!」
恒一「はは、皆テンション高いなぁ。・・・ん?女人センサーに反応が・・・」
鳴「・・・」
カシャ
鳴「っ」
恒一「スクール水着とか、よくわかってるね。別荘ってこの近くなの?」
鳴「そう。・・・何そのカメラ」
恒一「ダディのを借りてきたんだ。撮るよー」
鳴「恥ずかしいんだけど」
恒一「大丈夫、数枚でいいから。いいよいいよ、その視線を落とした感じ」
鳴「・・・」
恒一「似合ってるよ。麦わら帽子」 カシャ
147 = 1 :
恒一「泉美ちゃーん」 カシャ
赤沢「あら、立派なカメラね。お父様の?」
恒一「うん、拝借してきたんだ」 カシャ
赤沢「まったく、何を撮りにきたんだか」
恒一「何って、女の子をだよ?はいポーズ」 カシャ
赤沢「聞くまでもなかったわね・・・。こんな感じ?」
恒一「うーん、ナイスですねー。ナイスですねー」 カシャ
赤沢「言っとくけど、あまり変なポーズはとらないからね」
恒一「十分だよ。泉美ちゃんはそのままでも画になる」 カシャ
勅使河原「おっ、俺も撮ってくれよ!」
恒一「はい」 カシャ
勅使河原「せめてファインダーくらい覗けよ!」
恒一「あ、望月くんはちゃんと撮るよ」 カシャ
148 = 1 :
恒一「多佳子ちゃーん」 カシャ
杉浦「いや、私はいいって!」
恒一「その水着、よく似合ってるよ。さすが僕チョイス」 カシャ
杉浦「ちょっと派手じゃない?ビキニ系なんて初めて・・・」
恒一「ううん、多佳子ちゃんスタイルいいからよく似合ってる。かわいいよ」 カシャ
杉浦「そ、そんなことない・・・」
恒一「多佳子ちゃんはもっと自分に自信を持たなきゃ。僕のお墨付きなんだから」 ニコッ
杉浦「う・・・うん」
恒一「よし、じゃあちょっと前屈みになってみようか」
杉浦「えーと・・・こう?」
恒一「ナイスですねー。じゃ次はちょっと腕で胸を寄せる感じで」 カシャ
杉浦「そ、それはさすがに・・・ちょっと恥ずかしい」
恒一「大丈夫。その落ち着いたルックスとスタイルのギャップ、とっても滾るよ」 カシャ
149 = 1 :
恒一「玲子さーん、はいチーズ」 カシャ
玲子「いえーい。 そろそろお昼ね」
勅使河原「よっしゃ、現地調達勝負と行こうぜ!」
恒一「女子と僕のチーム、勅使河原・望月ペアでいいよね?」
赤沢「いいんじゃないかしら」
勅使河原「言うと思ったよ!対策係チームといないものチームだ!」
鳴「ひっ・・・!」
恒一「どうしたの?」
鳴「・・・とって・・・!」
恒一「ナイス表情!今撮るよ!」 カシャ カシャ カシャ カシャ
鳴「・・・取って・・・!」
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