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    元スレ春香「イン・マイ・ライフ」

    SS覧 / PC版 /
    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 : ★★
    タグ : - アイドルマスター + - 天海春香 + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    201 = 160 :

    しえん

    202 = 1 :

    「如月千早君の門出に、乾杯!」

    「カンパーイ!!!」

    やっぱり照れくさそうな千早ちゃん
    歌うときはあんなに堂々としてるのなぁ

    でも、それが千早ちゃんだもんね
    私の大切な親友

    千早ちゃんがいたから、この1年間をやってこれた気がします

    203 = 191 :

    どうか春香さんよ幸せに

    204 = 1 :

    「千早お姉ちゃん、真美…」

    「はいはい。泣くのは禁止」

    「だってさぁ…」

    「真美は笑って方が可愛いんだから。ね?」

    「うん…」

    こういうところは、ちゃんとお姉ちゃんなんですよね
    あとは意地っ張りなところが改善されれば…

    …やっぱり。このままでいっか
    意地っ張りな千早ちゃんも可愛いですからね

    205 = 1 :

    楽しくても悲しくても、やっぱり時間は過ぎていきます

    夜9時になったところで、送別会はお開き

    この事務所で旅立ちたいから

    千早ちゃんからの要望を受け、私たちは事務所の外まで着いていかないことにしました
    出入り口のドアの前に立ち、私たちにかけるべき言葉を探している千早ちゃん
    不思議と、涙は出ませんでした
    千早ちゃんも泣いてはいません

    206 = 1 :

    「長い間お世話になりました。行ってきます!」

    そう言ったあと、しばらく頭を下げていた千早ちゃん

    行ってらっしゃい!

    みんなの声を受けながら頭を上げると、今まで見た中で一番の笑顔

    そして振り返ると静かにドアを開け、そして閉じました

    行ってらっしゃい、千早ちゃん

    もう一度呟きました

    その声とともに、私たちの青春がまた1つ、幕を下ろしました

    207 :

    続きもの?

    208 = 160 :

    支援、書きはじめの奴と思う

    209 = 1 :

    千早ちゃんのいなくなった765プロ
    10人になってしまったアイドル

    寂しいけど、悲しくはありませんでした
    だって美希も千早ちゃんも、前に進むために飛び立っていったんだから

    そしてもう1人、夢を叶えるために飛び立っていった人がいます
    私の一番大切な人…

    私が青いベンチに腰掛けたとき、公園はあの日と同じように、オレンジ色の夕焼けに包まれていました

    210 = 1 :

    結局考えはまとまらず…
    なんの言葉も用意しないまま、ここに来てしまいました

    このままプロデューサーさんと会って、抱き締められて、キスして、それから…

    されて嫌なことは何一つないけど、もしホントにそうなったら…
    私はどうなっちゃうんだろう?

    何かが崩れていきそうな予感がします
    それが何なのかは、ちっとも分かりませんでした

    211 = 1 :

    「あ…」

    公園の入り口に現れたその姿を見た瞬間、私は立ち上がっていました
    だけど、足を踏み出すことはできません

    近付いてくるその人の姿が次第に滲みはじめました

    「春香」

    1年ぶりに聞いたその声
    1年ぶりに見たその顔

    世界が止まったように感じたそのとき、自分でも予想していなかった言葉が口から飛び出してゆきました

    「ダメです!」

    って言葉が

    212 = 160 :

    むむむ

    213 = 160 :

    さるよけした方がいいんだよね?

    214 = 1 :

    「春香?」

    手を伸ばせば触れられる距離にいるその人に、拒絶の言葉を投げかけた私
    その後は、堰を切ったように言葉が溢れ出してゆきました

    「いま…いま抱き締められたら…私は…もう2度と1人で立てません!歩けません!」

    まだ中途半端な私と、そしてたぶん、まだ未完成なその人
    そんな2人が寄り添っても、何も生まれないと思ったから…
    お互いに寄り添うことでしか、生きていけなくなる気がしたから…

    215 :

    がんばるんばだ

    216 = 1 :

    「勝手なこと言ってごめんなさい…私はあなたが大好きです!だけど…だけどまだダメなんです…私は…何も叶えていないから…」

    言葉が途切れると嗚咽漏れ始めました
    プロデューサーさんはその場に立ち尽くしたまま、私を見つめていました

    どれくらいの時間そうしていたんでしょう?
    やっと嗚咽の止まった私に、プロデューサーさんは言いました

    「変わんないな、春香は」

    私を抱き締めるような、優しい声でした

    217 = 1 :

    「…ごめんなさい」

    「謝らなくてもいいさ。俺が好きになった春香は、そういう奴だ」

    顔を上げた私の目に飛び込んできた、夕焼けに照らされたプロデューサーさんの顔
    太陽の下で見てたら、たぶん、照れて真っ赤になってたんでしょうね

    「俺は…お前に甘えたかったのかもしれないな。夢を追いかけるのは、辛いことの方が多いから」

    「私はまだ…その気持ちに応えることはできません…」

    「いいんだ、春香。もしお前に甘えてたら…俺は終わってた気がする」

    「プロデューサーさん…」

    219 = 1 :

    「帰ってきて良かったよ。また頑張れそうな気がする」

    「私も…私もです!」

    「お互いに得るものはあったか」

    「はい、たくさん!」

    「そうか。良かった」

    言葉の途切れた2人
    穏やかな風が、私のリボンを揺らしています
    私はそのリボンをほどくと、プロデューサーさんに差し出しました

    221 = 1 :

    「…これは?」

    「次に会うときまで、預けときます」

    「預ける?」

    「次に会ったときは…プロデューサーさんが結んでください、私の髪に。お気に入りのリボンですから、それ」

    「…責任重大だな」

    当たり前です!
    女の子にこれだけの決意をさせたんですから!
    これくらい背負ってもらってもかまいませんよね?

    222 = 1 :

    「分かった。預からせてもらうよ」

    「はい」

    「それじゃあ…もう行くよ」

    「はい。行ってらっしゃい、プロデューサーさん」

    「またな」

    「はい、また」

    私に背を向けて歩き始めたプロデューサーさん
    その背中が見えなくなるまで、私は目で追いかけました
    振り返ることはないと分かっていながら、夕焼けの中を、いつまでも

    223 = 160 :

    ああ、いいね
    春香ってPすきすきなイメージが先行してるけど
    きっちりと一線引いてるタイプなんだよなぁ

    224 = 1 :

    私がどんな感情を抱いていても、時間は勝手に過ぎていきます

    特にそれからの年月は、あっという間でした

    プロデューサーさんとのメールのやり取りは、週に一度と決めました
    それ以上は、お互いに甘えてしまうから

    それぞれがそれぞれの時間の中で、自分の道を進もうと必死でした

    225 = 1 :

    声優、グラビアアイドル、映画女優、舞台女優、アクション女優、歌手、モデル、そしてアイドルの道

    仕事が増えて忙しくなるにつれ、顔を合わせる機会も減っていきました

    だけどたまに言葉を交わすとき、そこには私たちだけの時間がありました
    同じ場所で生きていた私たちだけの、一生の内で一番大切な時間

    言葉にするのは恥ずかしいけど、青春と呼ぶべき時間が

    あの日から3度目の春が巡り22歳の誕生日を迎える頃、私は"トップ"と呼ばれるアイドルになっていました

    226 = 1 :

    「誕生日おめでとう!」

    「おめでとう、春香ちゃん!」

    たまたま事務所にいた真と雪歩が、クラッカーを鳴らしてくれました
    残念ながら、他のみんなはそれぞれの仕事に行っています

    「春香も22歳かぁ」

    「あっという間だねぇ」

    「そういえば小鳥さんは」

    「またまた何か言った?真ちゃん?」

    「な、何でも無いです!」

    ふふふ…
    ただ顔を合わせるだけで、自然と"あの頃"の私たちに戻ってしまいます

    だけど真?
    そろそろ学びなさい?

    228 = 1 :

    「私、そろそろ行かなきゃ」

    「あれ?まだ仕事あるの?」

    「プライベートですよ、プライベート!」

    「行ってらっしゃい、春香ちゃん」

    「うん。またね、2人とも」

    4月3日はもう暖かくて、足取りも軽いです
    歩を進めるたびに、リボンの巻かれていない髪の毛が上下に揺れました

    229 = 1 :

    公園の時計は17時30分を回ったところ

    いつの間にか白色に塗られていたベンチに腰掛けました
    手には温かいカフェ・オレ

    その温かさを懐かしんでいる内に、公園は夕焼けに包まれ始めました

    そして18時ちょうど
    その人は現れました

    右手に真っ赤なリボンを握りしめて

    231 :

    ビートルズ?なかなかクサいことしますねwwww
    支援

    233 = 1 :

    ゆっくり立ち上がった私

    ゆっくりと歩み寄ってくるその人

    この公園で初めて出会ったときと変わらない、優しい笑顔

    私の側までくると、真っ赤なリボンを私の髪に結びました

    抱き寄せられたというより、私の方から飛び込んだといった方が正しいかも知れません
    4年分の思いを込めて、思いっきり飛び込んでやりました

    そして4年前と同じように、2つの影と2人の唇が重なって…

    234 :

    春香さんまじヒロイン

    235 :

    スタンドバイミー

    236 = 1 :

    「ただいま」

    「おかえりなさい」

    唇越しにそう伝え合うかのように、キスをしました
    世界が止まったように思えて、少しだけ涙が出ました

    唇が離れ、視線が交錯します

    「これからは2人で」

    「はい、2人で」

    言い終えたあと、もう一度抱き締め合いました
    あの瞬間、本当に世界は止まっていたのかもしれません

    プロデューサーさんが巻いたリボンは上手く結べていなくて、右側だけが風に飛ばされてしまいました
    オレンジ色に染まった世界の中を、真っ赤リボンが、ヒラヒラと…

    237 = 34 :

    よしよし

    238 = 1 :

    私の人生の中で、忘れられない場所があります
    変わってしまった場所、まだ変わらない場所
    そして、もう無くなってしまった場所

    この場所もその内のひとつ
    この人と出会った、思い出の公園

    あの日の夕焼けの中で風に舞った真っ赤なリボンは、今でもきっと、ヒラヒラ、ヒラヒラと

    そこは、私たちが出会った場所

    そして

    いつまでも変わらない、私たちの中の風景


    お し ま い

    240 = 160 :

    ブラボー

    242 = 1 :

    おしまい

    自業自得とはいえ長かった…
    でも、春香さんを幸せにできたよね?
    最後駆け足ですいません
    そして長時間にわたる支援感謝


    読み返してきます

    243 :


    スレタイポップミュージック論かと

    244 = 1 :

    あと、そこそこ長い割に他のアイドルにほとんど触れられなくてごめんさないね

    245 :

    すばらしい

    246 = 112 :


    すっきりした

    247 = 137 :

    乙!
    いい春香さんだった
    今度気が向いたら美希の長編も頼む

    248 = 6 :

    良い春香生誕祭だった、掛け値なしに

    249 :



    あんた最高だ

    250 :

    春香を幸せにしてくれてありがとう
    乙!


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