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元スレ春香「イン・マイ・ライフ」
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私の人生の中で、忘れられない場所があります
変わってしまった場所、まだ変わらない場所
そして、もう無くなってしまった場所
この場所もその内のひとつ
あの人と出会った、思い出の公園
これは私たちが、まだ子供だったころのお話…
変わってしまった場所、まだ変わらない場所
そして、もう無くなってしまった場所
この場所もその内のひとつ
あの人と出会った、思い出の公園
これは私たちが、まだ子供だったころのお話…
「カンパーイ!」
「カンパーイ!!!」
音頭を取った社長の声に、15人が唱和しました
3月も終わりに迫ったある日の765プロでは、ささやかなパーティーが催されました
雪歩と真の高校卒業、そして伊織と美希の中学卒業を祝うパーティー
雪歩は4月から私立大学に、伊織と美希は私立高校に、それぞれ進学します
真は、アイドル活動に専念する道を選びました
「カンパーイ!!!」
音頭を取った社長の声に、15人が唱和しました
3月も終わりに迫ったある日の765プロでは、ささやかなパーティーが催されました
雪歩と真の高校卒業、そして伊織と美希の中学卒業を祝うパーティー
雪歩は4月から私立大学に、伊織と美希は私立高校に、それぞれ進学します
真は、アイドル活動に専念する道を選びました
「大学かぁ。ちょっと羨ましいな…」
「アンタが自分で選んだ道でしょ?」
グラスを片手に、律子さんに諭されている真
中身はもちろんジュースです
はぁ…
大学かぁ…
私も受験生になっちゃうのかぁ…
大学に進むなら、の話しですけどね
「アンタが自分で選んだ道でしょ?」
グラスを片手に、律子さんに諭されている真
中身はもちろんジュースです
はぁ…
大学かぁ…
私も受験生になっちゃうのかぁ…
大学に進むなら、の話しですけどね
「うぅ…私もついに受験生だよぉ…」
私の心の声が聞こえちゃったのかな?
伊織に愚痴をこぼしているやよい
「分かんないとこあったら教えてあげるから、頑張んなさい」
「うん…ありがとう伊織ちゃん」
私に聞いてくれてもいいんだよ?
って言いかけて止めました
「春香さんはいいです」
とか言われちゃったらショックだから…アハハ…
私の心の声が聞こえちゃったのかな?
伊織に愚痴をこぼしているやよい
「分かんないとこあったら教えてあげるから、頑張んなさい」
「うん…ありがとう伊織ちゃん」
私に聞いてくれてもいいんだよ?
って言いかけて止めました
「春香さんはいいです」
とか言われちゃったらショックだから…アハハ…
千早ちゃんとソファーで談笑しながら、目だけはプロデューサーさんを追いかけている私
癖なんですよね、これ…
ひょっとして、私ったらストーカー予備軍?
自分で否定できないのが辛いとこです…
視線の先にいるプロデューサーさんに、社長が何かを耳打ちしています
それに対して小さく頷いているプロデューサーさん
内緒話はダメですよぉ?
癖なんですよね、これ…
ひょっとして、私ったらストーカー予備軍?
自分で否定できないのが辛いとこです…
視線の先にいるプロデューサーさんに、社長が何かを耳打ちしています
それに対して小さく頷いているプロデューサーさん
内緒話はダメですよぉ?
「諸君、ちょっと良いかね?」
社長の声に静まる事務所内
横にはプロデューサーさんが落ち着かなげに立っています
「今日は4人の門出を祝うパーティーだ。しかし…」
しかし?
「ここにもう1人、新たな道を歩み出そうとしている男がいる」
社長に促されて、照れくさそうに頭を下げたプロデューサーさん
新た道…って、どういうことですか?
社長の声に静まる事務所内
横にはプロデューサーさんが落ち着かなげに立っています
「今日は4人の門出を祝うパーティーだ。しかし…」
しかし?
「ここにもう1人、新たな道を歩み出そうとしている男がいる」
社長に促されて、照れくさそうに頭を下げたプロデューサーさん
新た道…って、どういうことですか?
「えっと…ただいまご紹介にあずかりました…」
緊張しているのは分かりますけど、その挨拶はいかがなものでしょう?
ってみんなが思ってるはずなのに、声に出す人は誰もいませんでした
「今日は4人のためのパーティーだし、日をあらためて報告しようと思ったんだけど…社長が、"門出には違いないから"って」
あー、もう!
やきもきするなぁ!!
早く本題に入って下さい!!!
緊張しているのは分かりますけど、その挨拶はいかがなものでしょう?
ってみんなが思ってるはずなのに、声に出す人は誰もいませんでした
「今日は4人のためのパーティーだし、日をあらためて報告しようと思ったんだけど…社長が、"門出には違いないから"って」
あー、もう!
やきもきするなぁ!!
早く本題に入って下さい!!!
「えー、実はですね…社長のご好意により、私ですね…4月から…あー、そのー」
4月から?
4月から何ですか?
「プロデュース業及びマネージメント業を学ぶために、アメリカに留学させて頂くことになりました」
…
……
………
…………え?
4月から?
4月から何ですか?
「プロデュース業及びマネージメント業を学ぶために、アメリカに留学させて頂くことになりました」
…
……
………
…………え?
水を打ったように静まり返った事務所の中
プロデューサーさんも次の言葉を紡ぐことができずに、視線を宙に泳がせています
「聞いての通りだよ、諸君!」
事務所内に響く社長の声
聞いての通りと言われましても…
「これは1人の男の門出だ!全員で祝ってやろうじゃないか!!!」
ああいうとき、ホンットに空気読めないわよね、男って!
これはパーティーの後での律子さんの言
まったくもって同感です…
プロデューサーさんも次の言葉を紡ぐことができずに、視線を宙に泳がせています
「聞いての通りだよ、諸君!」
事務所内に響く社長の声
聞いての通りと言われましても…
「これは1人の男の門出だ!全員で祝ってやろうじゃないか!!!」
ああいうとき、ホンットに空気読めないわよね、男って!
これはパーティーの後での律子さんの言
まったくもって同感です…
「渡米はいつになるんですか?」
私たちを代表するかのように、あずささんが声を発しました
「いまのところ、4月の第2日曜日を予定してます。いろいろ準備や手続きがあるんで」
いまから約半月…
そしたら…
プロデューサーさんがいなくなっちゃう!」
私たちを代表するかのように、あずささんが声を発しました
「いまのところ、4月の第2日曜日を予定してます。いろいろ準備や手続きがあるんで」
いまから約半月…
そしたら…
プロデューサーさんがいなくなっちゃう!」
「そんなの、や!」
予想通り…というべきなのかな?
涙混じりの美希の声が響きました
「ミキも一緒に行くの!」
当然のように、プロデューサーさんは困惑顔
だけど私には、美希を攻める気は起こりませんでした
だって、同じ気持ちだったから
それに、プロデューサーさんをじっと見つめている何人かも、きっと…
予想通り…というべきなのかな?
涙混じりの美希の声が響きました
「ミキも一緒に行くの!」
当然のように、プロデューサーさんは困惑顔
だけど私には、美希を攻める気は起こりませんでした
だって、同じ気持ちだったから
それに、プロデューサーさんをじっと見つめている何人かも、きっと…
「ごめんな、美希」
「なんで謝るの?」
「連れては行けないからだよ」
「それくらい…それくらい分かってるの!」
じゃあ言わなきゃいいのに
なんて言葉は、誰の口からも出てきませんでした
そんななんとも言えない雰囲気の中、その日のパーティーは終わりました…
「なんで謝るの?」
「連れては行けないからだよ」
「それくらい…それくらい分かってるの!」
じゃあ言わなきゃいいのに
なんて言葉は、誰の口からも出てきませんでした
そんななんとも言えない雰囲気の中、その日のパーティーは終わりました…
「すまんな」
「いえ、ボクは構いません…」
「はい。おめでたいことですから…」
「ありがとう真、雪歩」
後片付けが終わって事務所を出るとき、プロデューサーさんたちの会話が聞こえてきました
美希と伊織は、後片付けが終わると同時にそそくさと帰路に着きました
私は結局、プロデューサーに何も言えませんでした…
「いえ、ボクは構いません…」
「はい。おめでたいことですから…」
「ありがとう真、雪歩」
後片付けが終わって事務所を出るとき、プロデューサーさんたちの会話が聞こえてきました
美希と伊織は、後片付けが終わると同時にそそくさと帰路に着きました
私は結局、プロデューサーに何も言えませんでした…
「おはよう、春香」
「あ…おはようございます、プロデューサーさん」
次の日の朝、笑顔で挨拶してくれたプロデューサーさんに対しても、私の口調は堅いままでした
「春香の今日の予定は…っと」
「午前中はボーカルレッスン、午後からは出版社に挨拶廻りです」
「お、ちゃんと覚えてたな。感心感心」
「…仕事ですから」
あーあ
子供ですね、私
すごく不機嫌そうな口調になっちゃいました
「あ…おはようございます、プロデューサーさん」
次の日の朝、笑顔で挨拶してくれたプロデューサーさんに対しても、私の口調は堅いままでした
「春香の今日の予定は…っと」
「午前中はボーカルレッスン、午後からは出版社に挨拶廻りです」
「お、ちゃんと覚えてたな。感心感心」
「…仕事ですから」
あーあ
子供ですね、私
すごく不機嫌そうな口調になっちゃいました
事務所の中に入っていくプロデューサーさんに
「美希ちゃん、今日はお休みするそうです」
って声をかけた小鳥さん
だけど、プロデューサーさんと目を合わそうとはしません
お察しします、小鳥さん…
「美希ちゃん、今日はお休みするそうです」
って声をかけた小鳥さん
だけど、プロデューサーさんと目を合わそうとはしません
お察しします、小鳥さん…
午前のレッスンが終わり、午後からはプロデューサーさんと一緒に出版社を廻りました
「アメリカかぁ!頑張って来いよ!」
留学の報告を受けた出版社の人たちは、一様にプロデューサーさんを激励していました
はい!行ってきます!
と笑顔で応えているプロデューサーさん
なんか…
私だけ場違いな空気です…
「アメリカかぁ!頑張って来いよ!」
留学の報告を受けた出版社の人たちは、一様にプロデューサーさんを激励していました
はい!行ってきます!
と笑顔で応えているプロデューサーさん
なんか…
私だけ場違いな空気です…
Pに依存していた皆が少しずつ成長していき、帰って来たPに褒められて嬉しくて抱き付く展開オナシャス!
「叩かれすぎて肩痛くなってきたよ…」
挨拶廻りの帰り道、そう言いながら自分の肩を撫でているプロデューサーさん
それに対しても、何も返せない私
俯いたまま、プロデューサーさんの少し後ろをトボトボ歩きました
そんなときでした
「…春香」
立ち止まったプロデューサーがどこかを指差しています
「ちょっと座らないか?」
指の先には、夕暮れどきの公園に中で佇む、青いベンチが見えました
挨拶廻りの帰り道、そう言いながら自分の肩を撫でているプロデューサーさん
それに対しても、何も返せない私
俯いたまま、プロデューサーさんの少し後ろをトボトボ歩きました
そんなときでした
「…春香」
立ち止まったプロデューサーがどこかを指差しています
「ちょっと座らないか?」
指の先には、夕暮れどきの公園に中で佇む、青いベンチが見えました
促されるままベンチに腰掛けた私
「飲み物買ってくるからちょっと待っててな」
自販機に走り寄っていくプロデューサーさんの背中に向かって
べー
って舌を出してやりました
いえ、自分でも何やってるのかよく分からないですけど…
ただ、なんとなく
「飲み物買ってくるからちょっと待っててな」
自販機に走り寄っていくプロデューサーさんの背中に向かって
べー
って舌を出してやりました
いえ、自分でも何やってるのかよく分からないですけど…
ただ、なんとなく
「ほら、飲みな」
手渡された温かいカフェ・オレ
温かいのが辛い場合もあるんですね
なぜだか分からないけど、涙が出そうになっちゃいました
分からないことだらけですね、私…
プロデューサーさんが缶コーヒーに口を着けたのを確認してから、私もカフェ・オレを頂きました
はぁ…
春ですね、もう
手渡された温かいカフェ・オレ
温かいのが辛い場合もあるんですね
なぜだか分からないけど、涙が出そうになっちゃいました
分からないことだらけですね、私…
プロデューサーさんが缶コーヒーに口を着けたのを確認してから、私もカフェ・オレを頂きました
はぁ…
春ですね、もう
「なぁ、春香」
「なんですか?」
「俺はな…お前のことが大事だ」
「なっ!」
なに言い出すんですかいきなり!
カフェ・オレ落としそうになったじゃないですかぁ!
「なんですか?」
「俺はな…お前のことが大事だ」
「なっ!」
なに言い出すんですかいきなり!
カフェ・オレ落としそうになったじゃないですかぁ!
「いや、違うな…何と言うべきか…」
「な、なんなんでしゅかいったい!」
うわぁ…
思いっきり噛んじゃったし
もちろんプロデューサーさんが悪いんですけどね!
「俺はな…」
「はい…」
「お前の気持ちに気付いてた」
「…え?」
「な、なんなんでしゅかいったい!」
うわぁ…
思いっきり噛んじゃったし
もちろんプロデューサーさんが悪いんですけどね!
「俺はな…」
「はい…」
「お前の気持ちに気付いてた」
「…え?」
「正確に言うなら、お前"ら"の気持ちだな」
「私"たち"…?」
「ああ。だけどな…気付かないフリをしてたよ。理由は相手によって違うけどな」
「例えば?」
「自分で言うのもアレだけど…俺への気持ちが仕事の活力になるヤツもいれば、失恋が悪い方向で仕事に影響しそうなヤツもいる」
誰のことを言ってるのかは…
分かっちゃいますね、だいたい
「私"たち"…?」
「ああ。だけどな…気付かないフリをしてたよ。理由は相手によって違うけどな」
「例えば?」
「自分で言うのもアレだけど…俺への気持ちが仕事の活力になるヤツもいれば、失恋が悪い方向で仕事に影響しそうなヤツもいる」
誰のことを言ってるのかは…
分かっちゃいますね、だいたい
「だからあえて、気付かないフリをしてた」
「もし…告白されてた場合は?」
「そのときはちゃんと返事をして断ったさ」
ホントかなぁ?
情に流されやすそうなんですよね、この人
「今回の留学は、そのことと関係があるんですか?
「それは関係無いよ。まぁ、お前らから逃げてるように思われるかもしれないけど」
「もし…告白されてた場合は?」
「そのときはちゃんと返事をして断ったさ」
ホントかなぁ?
情に流されやすそうなんですよね、この人
「今回の留学は、そのことと関係があるんですか?
「それは関係無いよ。まぁ、お前らから逃げてるように思われるかもしれないけど」
私はそんなふうには思いませんけど…
だけど何人かは、そう思っちゃいそうですね
「全員と個別に話すつもりではいるんだ」
「はい…それが良いと思います」
「だけどな…えっと…」
急に焦り始めたプロデューサーさん
どうしたんですか、いきなり?
だけど何人かは、そう思っちゃいそうですね
「全員と個別に話すつもりではいるんだ」
「はい…それが良いと思います」
「だけどな…えっと…」
急に焦り始めたプロデューサーさん
どうしたんですか、いきなり?
「俺はプロデューサーだ」
「はい」
「春香はアイドルだ」
「はい」
「だからだ」
「はい?」
まったく話が見えないんですけど…
「はい」
「春香はアイドルだ」
「はい」
「だからだ」
「はい?」
まったく話が見えないんですけど…
「その…好きなんだ」
「…何がです?」
「…お前、鈍感だな」
あっ!ヒドいなぁ!!
プロデューサーさんに言われたくないですよぉ!!!
って、気付いてたんでしたっけ、私"たち"の気持ち
でも、何が好きなんでしょう?
ひょっとしてカフェ・オレ?
ホントはカフェ・オレ飲みたかったんですか?
「…何がです?」
「…お前、鈍感だな」
あっ!ヒドいなぁ!!
プロデューサーさんに言われたくないですよぉ!!!
って、気付いてたんでしたっけ、私"たち"の気持ち
でも、何が好きなんでしょう?
ひょっとしてカフェ・オレ?
ホントはカフェ・オレ飲みたかったんですか?
「だから…お前のことが好きだって言ってんの!」
カラン
って音を立てて転がったカフェ・オレの空き缶
ジッと私を見据えているプロデューサーさん
濃くなっていくオレンジ色の中、時間が止まってしまいました
正確には、私の思考回路が…
カラン
って音を立てて転がったカフェ・オレの空き缶
ジッと私を見据えているプロデューサーさん
濃くなっていくオレンジ色の中、時間が止まってしまいました
正確には、私の思考回路が…
「春香?おい、春香」
「…ひゃい」
噛みまくりですね、私…
だけど、この場面じゃ仕方無いですよね?
「…今度は冷たい物飲むか?」
「…ひゃい」
ベンチから立ち上がり、再び自販機へと向かったプロデューサーさん
放心状態の私は、その背中を目で追いかけることはできませんでした
「…ひゃい」
噛みまくりですね、私…
だけど、この場面じゃ仕方無いですよね?
「…今度は冷たい物飲むか?」
「…ひゃい」
ベンチから立ち上がり、再び自販機へと向かったプロデューサーさん
放心状態の私は、その背中を目で追いかけることはできませんでした
「落ち着いたか?」
「…だいぶ」
冷たいオレンジジュースの缶を額にあてがいながら、生返事をする私
さっきのプロデューサーさんの言葉を頭の中で反芻していました
好き?
私のことが?
…え?
ええっ!?
「…だいぶ」
冷たいオレンジジュースの缶を額にあてがいながら、生返事をする私
さっきのプロデューサーさんの言葉を頭の中で反芻していました
好き?
私のことが?
…え?
ええっ!?
「あの…プロデューサーさん?」
「なんだ?」
「えっと…できたらで構わないんですけど…」
「なんだよ?」
「もう1回言って頂けると…」
「ふざけんな!やだよ!」
結局、もう1度言っては貰えませんでしただけど…
代わりに、手を握ってくれました
まだ栓を開けていないオレンジジュースが、ドスっていう鈍い音を立てて地面に落ちました
夕焼けと同じ色をした、オレンジジュースの缶が…
「なんだ?」
「えっと…できたらで構わないんですけど…」
「なんだよ?」
「もう1回言って頂けると…」
「ふざけんな!やだよ!」
結局、もう1度言っては貰えませんでしただけど…
代わりに、手を握ってくれました
まだ栓を開けていないオレンジジュースが、ドスっていう鈍い音を立てて地面に落ちました
夕焼けと同じ色をした、オレンジジュースの缶が…
「ホントはな、お前のこと連れて行きたい」
「…はい」
「でも、それは無理だ。分かるよな?」
「はい」
「だから…お前は日本で輝け」
「はい?」
「アメリカからでも見えるように、ピッカピカにな!」
「…はい」
「でも、それは無理だ。分かるよな?」
「はい」
「だから…お前は日本で輝け」
「はい?」
「アメリカからでも見えるように、ピッカピカにな!」
…ふふ
責任重大だなぁ
手を握ったままそんなこと言われちゃったら、返事なんて1つしかないじゃないですか!
「はい!」
涙の混ざった私の声が公園に響き、その声が夕焼け空に吸い込まれたとき…
2つの影と2つの唇が、同じタイミングで重なりました
私たちが初めて出会った、小さな公園の青いベンチで…
責任重大だなぁ
手を握ったままそんなこと言われちゃったら、返事なんて1つしかないじゃないですか!
「はい!」
涙の混ざった私の声が公園に響き、その声が夕焼け空に吸い込まれたとき…
2つの影と2つの唇が、同じタイミングで重なりました
私たちが初めて出会った、小さな公園の青いベンチで…
みんながどんな感情を持っていようと
プロデューサーさんがどんな感情を持っていようと
そして私がどんな思いを抱いていようと…
時間は、自分勝手に過ぎていきます
4月の第2土曜日
765プロの事務所では、プロデューサーさんの送別会が開かれました
私とプロデューサーさんのことは、まだ誰にも話していません
ちょっとズルい気もしますけどね…
プロデューサーさんがどんな感情を持っていようと
そして私がどんな思いを抱いていようと…
時間は、自分勝手に過ぎていきます
4月の第2土曜日
765プロの事務所では、プロデューサーさんの送別会が開かれました
私とプロデューサーさんのことは、まだ誰にも話していません
ちょっとズルい気もしますけどね…
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