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元スレQB「少しくらい、本当の奇跡が起こってもいいじゃないか」
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これもまたキュゥべえとマミのカップリングとして一つの形ではあるか
―――――――――――
……さて。
彼女も行ったことだし、そろそろ話を始めようか。
名前なんて知らないけど、僕の上司にあたるのかな?
魔法少女ができる前に、人間の願いを叶えていた存在。
どうやら、君たちがエネルギーとして採取しているのは魂そのもののようだけど……
僕にも一応、魂くらいはある。
それを代償に、叶えて欲しい願いがあるんだ。
―――――――――――
――まどかの部屋
チュン… チュチュン…
ガバッ!
まどか「……あれ?」
まどか「わたしの、部屋?」
まどか「…………」
まどか「……あ! そうだ!」
ゴソゴソ… カパッ
まどか「…………」ピッ ピッ ピッ…
プルルルルルルル… プルルルルルル…
まどか「…………」ゴクッ
プルルルルルルル… プルルルルルル…
ガチャッ
さやか『……はい、もしもし……』
まどか「!!……さやかちゃん?」
さやか『あー……まどか……?』
さやか『朝っぱらから、何の……用……』
まどか「さやかちゃん? さやかちゃんだよね!?」
さやか『はーい……そうですけどー……』
まどか「……っ!!」ブワッ
さやか『まどかー? もしもーし?』
まどか「良かった……」
まどか「さやかちゃんが、生きてる……」
まどか「夢じゃなかったんだ……!」ホロホロ
さやか『……はい?』
………………………………
――教室
さやか「……で? 結局朝のはなんだったのよ?」
まどか「あ、あはは……えーっと」
まどか「……色々あったんだよ、うん」
さやか「色々って何? 何があったらあんなことになるわけ!?」
まどか「あー、その……」
ほむら「そのくらいにしておきなさい、美樹さやか」ファサッ
まどか「……ほむらちゃん」
ほむら「誰にだって話したくないことくらいあるでしょう?」
さやか「ほっほう……転校生のくせに生意気だなー?」ガタッ
ほむら「……え?」
さやか「そんな悪い子は……」
さやか「……こうしてやるー!」バッ!
ほむら「なっ……ひゃあっ!?」
さやか「あちゃー、まどか以上に控えめだなー」モミモミ
まどか「ちょっ、さやかちゃん!?」
ほむら「や、やめっ……ふあっ!」
さやか「ぐへへへへ! ここか? ここか!?」
ほむら「いい……加減にっ……」
ほむら「……しろっ!!」
ドスッ!
さやか「ぎゃああああ!? 目があああああ!!」ゴロゴロ
ほむら「ふーっ、ふーっ……」
まどか「ほむらちゃん、それは流石にやり過ぎじゃあ……」
ほむら「……言ってわからないバカは殺すしか無いのよ」
さやか「」ピクピク
ほむら「さ、行きましょうまどか」グイグイ
まどか「う、うん……」テテテ
……………………………………
――屋上
ほむら「ふう……」
まどか「大丈夫? 疲れちゃったかな?」
ほむら「……いえ、平気よ」
ほむら「でも、流石に前のようには行かないわね」
ほむら「美樹さやか如きにあそこまでやられるなんて……」
まどか「ほむらちゃんって、契約する前は病弱だったんだね……」
ほむら「……そうね、自分でも半分忘れてたわ」
ほむら「この眼鏡をかけるのも、随分久しぶりだし」クイッ
まどか「わたしは見るの初めてだけどね」
ほむら「……そうだったわね」
まどか「結構似合ってるよ?」
ほむら「あ、ありがとう……」
まどか「えへへ、どういたしまして……」
まどか「……それで、マミさんは?」
ほむら「…………」
ほむら「三年生の教室には、居なかったわ」
まどか「……そっか」
ほむら「美樹さやかの生存や、私の身体能力が落ちていることからすると……」
ほむら「……やっぱり、キュゥべえの存在そのものが消えている可能性が高いわね」
まどか「もしそうだとしたら、マミさんは……」
ほむら「…………」
ほむら「……奴との契約が無ければ、彼女は事故で大怪我を負うはず」
ほむら「あの結界の中で見たような状態に……なっているかもしれないわね」
まどか「…………」
ほむら「……まどか」ギュッ
ほむら「まだそうと決まったわけじゃないわ」
ほむら「病院にも行かなければ、なんとも言えない……」
ほむら「……放課後に、寄ってみましょう」
まどか「……うん」ギュッ
…………………………………
――病院前
まどか「…………」
ほむら「まどか?」
まどか「あ……ごめん」
まどか「なんか、怖くなっちゃって」
ほむら「……私だけで見てきましょうか?」
まどか「ううん、わたしも行く」
ほむら「……そう」
まどか「……でも」
まどか「もし、マミさんが居たら……どうしよう?」
まどか「もう、契約して治すこともできないのに」
ほむら「まどか……」
まどか「……ごめん、変なこと言っちゃったね」
ほむら「……まどかは、その……」
???「……君たち、マミに会いに来たのかい?」
まどか「えっ?……あっ!!」
まどか「あ、あなたは……」
???「……ああ、びっくりさせちゃったかな?」
まどか「あ、いや、その……」アタフタ
医者「大丈夫、一応ここの医者だから怪しい者じゃないよ」
ほむら(この声、それに白髪……まさか!)
まどか「……キュゥべえ、なの?」
医者「え?」
医者「……たしかに、僕のあだ名はキュゥべえだけど」
医者「どうして君が知ってるんだい?」
まどか「……あっ! えっと、それは……」
ほむら「……巴マミから聞いたんです」
医者「ああ……」
医者「じゃあ、君たちはマミのお友達なんだね」
ほむら「!……ええ」
まどか「あっ……あの!」
医者「ん?」
まどか「マミさんは、今どこに……」
医者「え? マミなら……」
マミ「……久部先生? その子たちは?」
まどか「……っ!!」
久部「ああマミ……丁度いいところに来たね」
久部「私服みたいだけど、また学校をサボったのかい?」
マミ「うっ……ご、ごめんなさい」
久部「……まあいいか」
久部「それより、お友達が君を探してたみたいだよ」
マミ「? ……友達?」
久部「違うのかい?」
マミ「うーん……知り合いでは無いけど」
久部「そうなのかい? じゃあ勘違いかな……」
久部「君にも友達が居るのか、って安心したんだけど、残念だね」
マミ「……ちょっと、それどういう意味かしら?」
久部「さあ、どういう意味かな?」
マミ「もう……あっ、そういえば」
マミ「あなた達、探してる人はどんな……」クルッ
ガバッ!
マミ「……え?」
まどか「マミ、さん……」ギュウウウ…
マミ「あ、あのー……」
まどか「……うわあああああん!」ドバーッ
マミ「えーっ!?」
マミ「え、えっと……え? 何で泣くの!?」
まどか「うわあああああん……」
マミ「えーっ……」
マミ「……よ、よしよし」ナデナデ
まどか「うっ……ひっぐ……」
久部「…………」ポカーン
ほむら「…………」ポカーン
ほむら(……キュゥべえのモデルになった医者はともかく、何故巴マミが……)
ほむら(まさか、本当に奇跡が起こったわけでも無いだろうし……)
ほむら「……あっ」
ほむら(そうか、まだ願いを叶える存在は残ってるのね)
ほむら(魔法少女が生まれる原因となった、巴マミの願いを叶えた何者か……)
ほむら(……彼らに、誰かが巴マミの生存を願ったのなら)
ほむら(誰が? それは当然……)
ほむら「……キュゥべえ、か」
久部「……君」
ほむら「へ? あ、はい!」
久部「彼女は……どうして泣いてるのかな?」
ほむら「そ、それは……」
久部「……答えにくいなら、別に良いよ」
久部「マミに、君たちみたいな知り合いができたっていうだけでも喜ばしいことだからね」
ほむら「……そうなんですか?」
久部「……僕は精神科医でね」
久部「マミの家族が交通事故で亡くなった時に、彼女の担当になったんだ」
久部「当然だけど、心に大きな傷を負ってしまっていて……」
ほむら「…………」
久部「今はもう、ほとんど克服したみたいだけど」
久部「それでも時々、夢に見たりするらしくてね」
久部「そういう時は決まって、学校をサボってから僕のところに来るのさ」
ほむら(……だから学校に居なかったのね)
久部「……でも、あの子が居たらそういうことも無くなるかな?」
久部「えっと……そういえばまだ名前を聞いてなかったね」
ほむら「……私は暁美ほむら、彼女は鹿目まどかです」
久部「へえ、いい名前だね」
ほむら「…………」
ほむら「……それは、どっちが?」
久部「……どっちもさ」
…………………………………
マミ「…………」
マミ(……あー)
マミ(……全部、聞こえてるんだけどな……)
マミ(全く、キュゥべえも好き勝手言ってくれるわね)プンスカ
マミ(私にだって友達くらい居るわよ……佐倉さんとか)
マミ(た、確かに学校には少ないかもしれないけど、それは入院していたからであって……)
まどか「……マミさん?」
マミ「へっ? ……あ、もう落ち着いたかしら?」
まどか「はい……すみません、いきなり」
マミ「気にしなくていいわ、このくらい」
マミ「……でも、どうしてあんな風に?」
まどか「え、えーっと……」
まどか「……マミさんに、会えたから」
マミ「え?」
マミ「あなたとは初対面だと思ってたけど、どこかで会ったかしら?」
まどか「うっ……そ、それは、その」
まどか「……まあ良いじゃないですか!」
まどか「今は知らなくても、これから思い出を作っていけば良いんですから」
マミ「そう、かしら?」
まどか「そうですよ!」
マミ「……はあ」
マミ(やっぱり、わけがわからないわ……)
―――――――――――――――
……そう、マミを事故から生還させてほしい。 無傷でね。
それが、僕が魂をかけるに値する願いさ。
魔法少女と魔女を消し去っても、また同じ状況になったら意味がないからね。
僕一人の魂でも、それくらいなら叶えられるだろう?
……なんでそんなことをするのかって?
僕には、まだ感情というのが何なのかはわからない。
でも、考えはすこし変わったんだよ。
まどかに影響されたのかな? ……それだけでも、奇跡みたいなことだけどね。
でも……
QB「少しくらい、本当の奇跡が起こってもいいじゃないか」
終
何この精神疾患持ちのインキュベーター
あ、だから精神科医か?
あ、だから精神科医か?
以上 こんな長々と付き合ってくれてありがとう オリジナル設定が多くてごめんね
前にどっかのスレでオリジナル設定入れたシリアスってやってもいいのかな、って言ってた奴のことを思い出した
乙
乙
いやオリ設定とはいえうまく絡めててあり得そうな話になってた
面白かったよ
面白かったよ
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