元スレ七咲「……ハーレムですよ?」純一「そうだとしても、僕は嫌だ」
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1 :
純一「…………」
純一「──……なんだ、これは…」ぱさっ…
純一「………」ひょい
純一「………」じっ…
純一「…………閉じてるシールが、ハートだって……!?」
純一「ッ…!ッ…!」ばっ!ばっ!
純一(──怪しい影は……無い! 梅原的気配もなし!もしやこれは……!!)
純一「マジものラブッ───」ばさ…
純一「……ん?靴の裏からなにか…」ひょい
純一「ん? 靴の中になにか……」ひょい
純一「……………」
純一「ん?」
2 = 1 :
自宅
美也「にぃにー? ご飯はー?」
純一「いや、うん……今日はいいや美也…」
美也「えー! にぃにの好きなすき焼きだよ~?」
純一「……僕のぶんも、食べていいからさ…うん…」すたすた…
美也「ほんとー! やったぁー! にっしし!」
自部屋
純一「………」ぱたん…
純一「………────」
純一「───うわぁああああああー!!」ごろごろー!
純一「ど、どどどどっどうしてらぶ、らぶらぶるぇたーがっ……!!」ぐるぐる!
純一「…………」ぴた
純一「三枚、入ってるんだろう……」
3 = 1 :
純一「…………………」
純一(──落ち着け、橘純一……ッ! ここは紳士的にはまず落ち着き払い、
今置かれてる現状の把握だ…ッ!)
純一「よしっ!まずはラブッ…て、手紙の確認だ…!」がばぁ!
純一「──し、慎重にとりだして……机の上に、並べる…ふぅ…緊張した」すすすっ…
純一「……よし。ひとつひとつ、吟味しながら開いて行こう…!」
純一「まずは、一枚目……靴の上にあった普通の封筒に入った手紙…」すっ…
純一「…可愛らしいスタンダードなものだね。ハートのシールだし」
純一「し、慎重にはがしてっ……よし、取れた!」
純一「っ……よし、大丈夫…僕は紳士。大丈夫だから…ふぅ」ぱさ…
『純一へ
明日の放課後、いいたいことがあります。校舎裏の花壇の前でまってます。
薫』
純一「……薫、だったのか…」
純一「えらい可愛らしい封筒に入れやがったなアイツ……いや、感想はそこじゃないよ」
純一「薫……アイツ、こんな手紙を入れて…何を言いたいんだ…?」
4 = 1 :
純一(いや、なにがってのはわかってるけど…そういうことだって、思うけど…!)
純一(でも、だってアイツは…こんなまどろっこしいことせず…
直接言いに来るはずだろ…?なんだか、ブラフな気がしてきたぞ…)
純一「なんだか文面も薫らしくないし……うそっぽいなぁ…」ぱさ…
純一「──じゃあ、次だ。この靴の中に入ってた…折りたたんでる小さな手紙だね」すっ…
純一「……女の子って、こんな風な複雑な折り方ってよくするよね。なんかの御呪いかな…?」ぱさ…
純一「…よし、読むぞ…!」
『大好きな橘先輩へ
明日の昼休み、どうか水泳部の方にきてください。ずっと伝えたかった事があります。
七咲 逢』
純一「…お、おうっ……な、七咲…か…!」
純一(……お、思いたることが多すぎて…むしろ今まで告白してなかったことがおかしい気がしてきた…!
…と、というか大好きって書いてある!もう書いてある!)
純一「……僕は、なんて最低なやつなんだろう…」
5 = 1 :
純一「…僕は、少なくとも……三人の子に好かれてて…それを、こうやって手紙で言われるまで…」
純一「……人っ子一人、頭に予想だてることできなかった……!」
純一「くっ……なにが紳士だよ! 僕は、僕は……ただのもはや変態だけじゃないか…!」
純一「ぐすっ……なんてことだ、本当にっ……ひっく…」
純一「ひっく…………ぐす………………────」
純一「───でも、待てよ。僕…」
純一(紳士たるもの……ここは皆の幸せを、優先的に考えるべきじゃないのか…?)
純一「たとえ、それが僕が悪者になったとしても……」
純一(皆が抱える、全ての感情は……全部正しいんだ…)
純一「……………」
純一「………僕は今、悪になると決めた」ぐっ
純一「橘純一……否、悪邪……紳士……」
純一「橘・ゴス・純一……ここに、来たれ…!」
6 :
みてるから
7 :
待ってたぞおい
8 = 1 :
純一「───……そうと決まれば、最後の手紙…」すっ…
純一「…和紙? なんだかすごく綺麗な紙だなぁ…」すすっ…
純一「……よし、綺麗に取れた。読むぞ…!」
『拝啓 橘純一殿
寒さが深まる師走の中旬、如何お過ごしですか。
この頃、めっぽう寒くなるなか。学び舎へと登校している際、
霜柱が走る地の上に、ひとつのふきのとうの芽を見つけることができました───』
純一「──長い…! 前半まで季節の話しかしてない…!え、これラブレターじゃないのかな…!」
純一「ちゃんと読むけど……大切なものだからね、なになに…」
『──ということをお伝えいたします。
余談でありますが、明日の早朝茶道部にて待ち合わせを願いたい所存です。
お暇があればで結構ですので、お待ちしております 夕月琉璃子』
純一「…………」
純一「へ……? る、るっこ先輩……っ!」がたっ!
純一(ま、ままままさかっ…あのるっこ先輩がっ…こんな綺麗な封筒でっ…しかもよくわかんない長い文面をっ…!)
純一「………」へたり…
純一「な、何だか一番ショックがでかいよ…これ…」
9 :
ハーレムでいこう
10 = 1 :
純一(というか…最期まで呼んでも、ラブレターなのかわからなかった…!)
純一「っ……」ぐ…ぐぐっ…がたっ
純一「───三枚の、ラブレター……僕はこれをもらってしまった」
純一「これは……僕が、きちんとやらなきゃいけないことなんだ…!」
純一「彼女たちの……思いは、ぜんぶ僕が引き受けなければいけない…!」
純一(今の僕を見る人間は……絶対に、僕が気が狂っただろうって思うだろう…!)
純一「だが、これは……これは、僕の思いなんだ…!」
純一「……失恋というトラウマを抱えた、傷を追った僕だけがもつ──…思い、なんだよ…!」
純一「………」キリッ
純一「───さて、明日ははやい。今日は早めに寝て、明日に備えよう…」すた!
純一「…頑張るぞ!」ぐっ…!
翌日 ちゅんちゅん…
純一(死にたい…昨日の自分、殴りたい…)
11 :
なんで賢者入ってんだよ
12 :
期待しよう
13 = 1 :
純一(……ううぅ…うわぁああああああー! だめだ!どうしよう…!
なんで僕、こんなにも、モテてるんだっ…!)すたすた…
純一(……今からでも輝日東の撃墜王になりたいよっ…!)すたすた…
純一「……あ、茶道部に行かなくちゃ…だったんだ…」すた…
純一「…………っ」ぎりっ…
純一「───行かなくちゃ、だめだよ僕…!
昨日の僕は頭おかしくなってたけど、でも…!」
純一「彼女たちの思いは……無下にしちゃ駄目なのは本当なんだ…!」
純一「仮に…それからの関係が、だめになったとしても」
純一「………行くぞ、純一!」だっだっだ…!
茶道部
純一「はぁっ……はぁっ……るっこ、せんぱい…?」
「っ……お、おうっ…!」
純一「お、おはようっ…ございますっ…はぁー…」
夕月「お、おはようっ! 橘純一っ…!」
15 :
前観たような
16 = 7 :
>>15
途中で終わったからその続きだろ
同一人物かは知らん
17 :
いいね
18 = 1 :
夕月「きょ、今日も朝はさむいなぁー! あはは!」
純一「そ、そうですね……はぁっ…はぁっ…!」
夕月「お…おいおい…大丈夫か橘…? ずいぶんと息が荒いようだけど…?」
純一「え、ええ……その、けほっ!せ、せんぱいが…るっこ先輩が待ってるって、
思ったら居ても立っても居られなくて…!」
純一(だって、走って行かないと逃げちゃいそうだったから…!)
夕月「ほ、ほー……そうなのか。
ふーん…アンタにしちゃー…あれだね、気が効いてるじゃないか、うん」
純一「え? あ、はい…そうですか?…はぁ、ふぅー……よし、落ち着いた」
夕月「っ…そ、そのなっ…橘! 今日は朝から早く呼びつけて、すまん…
…手紙……読んだんだろ…?」
純一「はい、先輩の…るっこ先輩からの手紙を見て。ここにきてます」
夕月「そ、そっか……ははっ、つまりはそのぉー…あれだ…どういった意味合いで送ったのかは…」
純一「もちろん、わかってます」
夕月「っ! ……っ…だ、だよなー! いやーちょっとらしくないことしちまったなぁって思ったりしてよ~…!」
19 :
みてるぞ
20 = 1 :
夕月「こーなんつうかさ、ちょっと乙女らしく!
みたいなことをやってみたくてよぉ…いや、なに似合ってないって承知のうえだぜ…っ?」
純一「…そんなことないです、すごく乙女らしかったですよ。先輩の手紙」
夕月「そ、そうか…? い、いやー…照れるなぁ…う、うん…!」がしがしっ…
純一「………」
夕月「……その、な。橘、お前もわかってるって思うけどよっ……」
純一「はい……」
夕月「……っ…あ、あたしはさ。こんなガサツで男っ気がなくて、魅力の欠片もないやつだってわかってる…んだよ…っ」
純一「………」
夕月「…で、でもよ! やっぱりあたしもやっぱ……女だったみたいでさっ。こうなんつぅーか……お前を、さ…」
夕月「…好きに、なっちまったみたい……なんだよ…!」
純一「っ……るっこ先輩が、僕をですか…?」
夕月「お、おうよっ…! なんでかあたしも今だにわかんないだけどさっ…!
……でも…りほっちも、愛歌だって…あたしの気持ちは理解しているらしいんだよ…あたしよりも、ずっと」
21 :
再放送か?それとも別ルート?
22 = 1 :
夕月「自分のことなのにさ……なんらわかってないでやんの。
──でも、そんな気持ちだけが…ずっとずっと…大きくなっていくばかりなんだぜ…橘純一?」
純一「…るっこ、先輩……僕は───」すっ…
夕月「…あっ…──で、でもよ! こ、これだけでいいんだ!」ばばっ…
純一「えっ…?」
夕月「あ、あのなっ…! あ、あたしゃ…お前さんに思いを……思いだけを伝えるだけで、よかったんだよ!」
純一「思いを、伝えるだけ……で…?」
夕月「お、おーよおーよ! あたしにはあんたには重いだろうし……いや、これは違うね」
夕月「……あたしはもう、卒業だし。あんたとは離れ離れになっちまう、今までみたいに茶道部に来てもあたしはいないし…
……あんたにも、会えない」
純一「………先輩…」
夕月「変に勘ぐるなって! アタシは、そう決めてるんだ……そうだってな。橘純一」
純一「はい…」
夕月「あたしはね、アンタの人生にちょっとだけ……関われたことが、とても嬉しいんだよ」
純一「っ………」
23 = 1 :
>>21
再放送 途中からまたながらになっちゃうもかもだけど
最後まで書く
24 = 12 :
いきなり切ない
25 = 1 :
夕月「こうやって…告白を経験することも出来た、あはは…まあ成功はしてないけどさ」
純一「……………」
夕月「だからよ、後はアンタはアンタの……自分の人生を歩みな! あたしのことを気に悩まず、自分で歩くんだ!」
純一「っ………」
夕月「……話は、そんだけだからよ。んじゃまたな、橘!」くるっ すたすた…
純一「……………先輩、僕は…!」すっ…
夕月「っ……───くるんじゃねぇ!」ばっ
純一「っ……せんぱい、どうして…!」
夕月「…お願いだから、くるんじゃないよ。こっちにくるな…橘…」
純一「………先輩…」すた…
夕月「くるなって…いってるだろ…!」
純一「っ……」すた…
夕月「っ………お願い、だからくる───」
ぎゅっ…
26 = 1 :
夕月「っ……!」ぶるっ…
純一「……先輩、るっこ先輩…」ぎゅっ…
夕月「なにしてるんだよ…ど、どうしてだよ……くるなっていったじゃないか…っ!」
純一「…だめです、僕は……そんな表情をした先輩を、黙って見るだけなんて…できません」
夕月「なに、いってるんだよ…あたしは、あたしは……アンタのためを思って…!」
純一「…僕のためを思って、貴女の思いをナシにするんですか?」
夕月「っ……あたりまえ、だよ…! それが大事なことってことぐらい、アンタにもわかってるはずだろ…」
純一「…ええ、わかってます。ちゃんと」
夕月「…じゃあ、アタシをさっさと離すんだよ。それが最良…なんだから」
純一「………でも、僕の気持ちはまだいってませんよ。先輩」
夕月「!……馬鹿、それこそ言っちゃ駄目だろ…」
純一「………」
夕月「……言う、つもりなのか? 今、ここで…?」
純一「先輩、僕は……」
夕月「や、やめろっ…言うな、はなせって…!」ぐいぐい…
27 = 1 :
純一「……先輩のこと、好きですよ」
夕月「───……ばか、やめろ」
純一「どうしてですか……もう一度言ってあげますから、ほら」
純一「すきです、先輩」
夕月「なに、いってるんだよ…あはは、冗談キツイぜあんた……!」
純一「冗談なんかじゃないです、本当にです」
夕月「本当…?はっ、このスケコマシ野郎が……そうやってすぐ女を懐柔するんだろっ…?」
純一「………先輩、もういいです…いいですから」ぎゅっ
夕月「なにがだよっ! この変態ポルノ野郎!」
純一「……いいんです、どうかやめてください…」
純一「泣きながら暴言はかれても、僕は……困るだけですから」
夕月「っ…うっ…な、ないてなんかいない、よ…!」ごしごし
28 :
七咲と薫もおkしたらぶち殺す
29 = 1 :
純一「……先輩の心遣い、本当に感謝しています。
僕の事を思って、自分の気持を…なかったことにしたこと。本当にすみません」
夕月「ば、ばかっ……あやまるなっ…!」
純一「すみません、でも…僕はそんなふうに考えてしまった…先輩の気持ちのほうが、
僕はなによりも悲しいです…」
夕月「だってそれは、一番タイセツなことだろ……っ?」
純一「ええ、確かに。悲しくっても、それが最良なら……そうしなきゃいけない」
純一「でも、最良だからって……僕は先輩の気持ちは、無き物にしたくなんか無いです」
夕月「っ………あんたも、はなしが通じないやつだねホントっ…りほっちも愛歌だって、おんなじ事言ってさ…」
純一「え…梨穂子と、愛歌先輩が…?」
夕月「そうだよ……辛いのなら、全て飲み込んで一緒にすればいい。これはりほっちが言った言葉」
純一「おおっ…流石はアイドル、なかなか深く感じる…」
夕月「全夜喝采、酒池肉林。これが愛歌の言葉」
純一「あの人は……」
夕月「……アイツらが言いたいことは、確かにわかってる。それが駄目なことだってことも、アイツらもわかってるはずさ。
でも、アイツらは……とにかくアタシのことを思って行ってくれてるってことは…わかってるんだ」
30 :
>>28
落ち着け
31 = 1 :
純一「……すごいですね、茶道部メンパーは」
夕月「だろ? あのこたちはすごいんだよ……現実的じゃないことをさらっていっちまう。
ホント何考えてんだか分かんないくせに、意外と的を得てたりするんだよ」
純一「……それで、先輩は茶道部メンバーの二人の言葉は…どう、受け止めたんですか?」
夕月「…ばかどもが! だよ、当たり前だろ?」
純一「ですよね…あはは」
夕月「そんなこと、あたしが受け止めるわけ無いだろ……ちっとは考えろ」
純一「そうですね、先輩はそういうかたでしたよ」
夕月「……だからさ、あたしは駄目なんだよ。橘」すっ…
純一「あ……」
夕月「……確かにあんたのことは、好きだよ。でも、この気持はいつまでも…アタシの中にしまって置くんだ」
純一「先輩………」
夕月「あんたのこと、好きだって思えた心は……あたしは、すっげー素敵なことだって思ってんだ」
32 = 1 :
夕月「……だからこの思いは、いつまでも綺麗なままで取っておきたい。それがあたしの願いだよ」
純一「…………」
夕月「……泣いちまってすまないね。変に引き止めるようなことになっちまってさ」
純一「…………」
夕月「あんたが……その、好きだって言ってくれたことは…嘘でも嬉しいって思ってるよ」
純一「……嘘なんかじゃないですよ、本当です」
夕月「くはは、信用しねーよ。もう、手遅れだぜ」
純一「………です、よね…」
夕月「──ふぅ……だいぶ、時間がたっちまったな。すまん、橘…もうhrはじまっぞ」
純一「…いや、僕はちょっと遅れて行きますよ」
夕月「なんだサボりかぁ~? って言いたいところだけど、まぁ、あれだよな……」
純一「はい、すみません……」
33 = 28 :
早まってたよ
ごめんね>>1
34 = 1 :
夕月「──それじゃあ、な。橘……また、卒業する前に遊びに来いよ!」だっだっだ!
純一「はい……!」ふりふり…
純一「……………」ふり…
純一「……せん、ぱい。すみませんでした」
茶道部内部
「ありゃりゃ~…ずんいちってば泣いちゃってるよ~!」
「予定調和」
「わかってたことだけどー…やっぱりつらいよねぇ~ がんばだよ!ずんいち!」
「……なにごとも、失敗はつきもの」
梨穂子「ですよね~! わたしもアイドルの仕事、失敗だらけで~えへへ~」
愛歌「ご気楽でやるが良し」
梨穂子「そうですよ! ぷろでゅ~さ~さんに怒られても! いっちょがんばるんだよー!」
愛歌「元気が……一番」
35 :
梨穂子アイドルかよ……
37 :
しえん
38 = 1 :
梨穂子「さてさて、今回はるっこ先輩の告白チェックでしたがぁ~……」
愛歌「見事玉砕」
梨穂子「で、ですね…なんというか、るっこ先輩も本当に頑固なんだから~」
愛歌「それが……るっこの魅力」
梨穂子「わかってますとも! それで、今回はどのような経緯が見られたんですか?」
愛歌「ぴっ」すすっ…
梨穂子「もうすでに紙に書いてある~! すごいですね愛歌せんぱいはぁ~!」
愛歌(本当はしゃべるのめんどくさいだけ……)
梨穂子「なになにぃ~…えーと、えーっと──」
『今回わかったことは3つある。
一つは好き合っているという互いの認知。今回の告白にはこれがキーポイント。
いずれこの楔が、大きく関わってくることをまだ二人は知らない。
二つはるっこの自意識。彼女自身が橘に思う恋心をしまいこみ、無き物とした。
それはつまり好きという感情の臨界を超えたという証拠。
三つは橘の覚悟。るっこという女性を好きだと認めることに成功した。
朴念仁の彼に恋の思い出は、人生の重みとなるだろう』
梨穂子「…かまずによめた~!」
39 = 1 :
愛歌「えらいえらい」なでなで…
梨穂子「えへへ~…でも、書いてることがまったくわからないんですけど…?」
愛歌「大丈夫……私も意味不明」
梨穂子「またまた~!そうやってすぐにとぼけるんですから~!」
愛歌「では……ザ・答え合わせ」くるっ
梨穂子「あ。裏側にまだ書いてある……あれ? でも、三文だけですよぉ?」
愛歌「今度は……私が読もう」
愛歌「一つ。伝わった互いの思いは、時間の流れと共に加速する」
梨穂子「おおっ…! なんだかかっこいい~!」
愛歌「二つ。るっこはもはやLikeではなく……love」
梨穂子「ら…らびゅっ……うまく言えないよ~」
愛歌「三つ。いつでもるっこの気持ちに応える準備がととのってる」
梨穂子「ほほぉ~……その心は?」
愛歌「──愛は、勝たなくてもいい」
40 :
梨穂子ソエンかよwwww
41 = 1 :
梨穂子「………な、なるほど~…かっこいい言葉ですね!」
愛歌「…………」
梨穂子「…愛歌先輩…?」
愛歌「大丈夫……りほっちは大丈夫」
梨穂子「えっ…なに、がですか…?」
愛歌「貴女も強い……だって愛だから」
梨穂子「っ…いやだなぁ~もう! せんぱいったら!
ほらほら、とにかく分析が終わったらhrいきますよ~!」たったった…
愛歌「……」
愛歌「──そう、時は流れ。思いは加速する」
愛歌「流れは早く……いつの間にやら取り残される」
愛歌「覚悟した者は、いつまでもその流れに乗っていかなければならない…」
愛歌「ふ・ふ・ふ」
愛歌「……ん、あれは…」ちらっ
42 = 1 :
がさ…がさがさ…!
愛歌(一年の水泳部……なるほど、ほほぉ~…)
愛歌「まだまだ……続きそうだな、橘純一」
愛歌「粉骨砕身……だ」
昼休み
純一 ぼぉ~……
梅原「…大将、大丈夫か?今朝からずっとそんなんだけどよ…」
純一「……あ、うん…大丈夫だ梅原…大丈夫、大丈夫…」
梅原「どぉー見たって大丈夫には見えないんだけどよ…
つぅーか棚町は今日、学校きてないみたいだな大将」
純一「っ……!」ぴくん
梅原「──おっ! なんだなんだ~その反応は!
もしや棚町となんかあったなぁ~このこの~!」
純一「……なんもないよ、本当に…」
梅原「……。おっと、そうか…そりゃ変に疑って済まなかったぜ」
43 = 1 :
純一「………いいや、すまん。僕の方こそ、変な態度とってさ…うん」がた…
梅原「お、どっか行くのか大将?」
純一「……大事なことを済ませに、行ってくるよ」
梅原「…えらくもったいぶった言い方だなオイ……うむ!そうだな!」ぱしんっ!
純一「いたっ!? い、いきなり何するんだよ梅原ッ…!」
梅原「おいおい、大事なことを済ませに行くんだろ?そしたらな、んなしけた顔して行くんじゃねえよ」
純一「……気合、入れてくれたのか?」
梅原「皆まで言うなって……俺はいつまでも、大将に付いて行くぜ。つまんねーことがあったら、一緒に笑ってやるし。
落ち込んじまった時があんなら、一緒に騒いでやる」
梅原「色々と大将のことにあーだこーだ言うつもりもねえ。だからよ、つまりは……あれだよあれ!」
純一「…なんだよ、あれってさ」
梅原「ははっ! んなこと言わねえでもわかるだろ?───大将、とりあえず頑張ってこい」
純一「……梅原…」
梅原「なんにも知らねえけど、お前さんの顔をみりゃー大体わかっちまうんだ。なんてったって親友だからよ!」
44 = 28 :
梅原…梅原ああああああああああ!!!
45 = 1 :
純一「……そう、だよな。梅原、僕らは親友だ」
梅原「おう」
純一「だから、何も言わなくたって……僕らはいつだって知っている」
梅原「それこそ言わなくたってわかってることだぜ? 大将?」
純一「…だな、ありがとう。ちょっと…いやだいぶ元気がでてきたよ」
梅原「いいってことよ~!……まぁ一丁、きばってこいや大将ぅ!」
純一「おう! 待っとけ梅原!」だっだっだ…
梅原「うまく言ったら何か後で奢れよぉー!」
「いやだー!」だっだっだ…
梅原「───……行ったか…」
梅原「…毎度毎度、アイツも大変だよなホントによ」
梅原「応援してるぜ、大将……親友としてな」
46 :
冷静に考えたら靴の中に手紙ってのは…?
47 :
梅ちゃんかっこいい
48 = 1 :
梅原「……さーて、昼飯は何を食うかなぁ~──お、伊藤さんちぃーす!」すたすた…
体育館裏
純一「はぁっ……はぁっ…ちょ、ちょっと遅れちゃったけど、まだいるかな…っ…」
純一(詳細な時間は書いてなかったし、まだ昼休みも中盤……大丈夫だとは思うけど…)
純一「はぁっ……ふぅー……多分、七咲のことだから既に待ってるんだろうな…」
純一「………」
純一「うんっ!」ぱんぱん!
純一「──……いくぞっ!」すたすた… がらり…
「──あ、先輩……やっときてくれましたね」
純一「ごめん、ちょっと遅れちゃって…本当は早く来るつもりだったんだけどさ」
七咲「いいんです、先輩のことですから。それぐらいのことはわかってましたよ?」
純一「そ、そうだったの? あはは、やっぱり七咲には敵わないなぁ…」
49 = 1 :
七咲「ふふっ…先輩の事なら、私はなんだってお見通しですよ。嘘なんかすぐにバレちゃいますから」
純一「おお…それは恐いや」
七咲「ええ、もうそれほどまで……わたしは先輩のことを知り尽くしてます。これでもかってぐらいに」
純一「…うん、そっか。そうだね、それぐらい七咲とは…色々とあったしね」
七咲「当たり前じゃないですか、だって先輩とわたしですよ?──そうじゃなかったら困っちゃいますから」
純一「……今日は、どんな要件でここに呼んだのかな、七咲」
七咲「それは……言わなくちゃ、だめですか?」
純一「ううん、違うよ。聞いてみただけさ」
七咲「…なら、ありがとうございます。ちゃんとここに来てくれて」
純一「何があったってくるよ。七咲のお呼びだもん」
七咲「そうですか……ふふ、嬉しいです先輩」
50 :
SSでの梅ちゃんのイケメンっぷりは異常
みんなの評価 : ★
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