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    元スレ女神「よし、君が勇者だ!」

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    1 :

    勇者「・・・・・・」キョロキョロ

    「・・・・・・」チョイチョイ

    勇者「・・・俺?」

    「そうだよ!」

    勇者「あー・・・なんで?」

    「厳正な審査の結果なのだよ」

    勇者「審査?」

    「しっくすせんすって奴?」

    勇者「いや、ダメだろ・・・」

    2 :

    いや、ダメだろ・・・

    3 = 1 :

    勇者「普通こういうのって、神官様通じてお告げるんじゃないの?」

    「あのエロおやじは嫌!」

    「それにめんどくさいから直接来ちゃったよ」

    勇者「じゃあなんだって急に」

    「先代の勇者が魔王に負けちゃったからだよ」

    勇者「マジか!」

    「うん、もー惨敗?」

    4 = 1 :

    「という訳で、よろしくねー!」

    勇者「神様が言うなら仕方ないか」

    「一応装備はこっちで準備したげる」

    勇者「1番いいのを頼む」

    「まかせてよ!1番いい『ひのきのぼう』をあげるからね!」

    勇者「・・・・・・」

    5 = 1 :

    魔王「・・・・・・」

    魔神「よ!魔王、久しぶり」

    魔王「む、魔神か・・・」

    魔神「どーだい?勇者の相手はもう慣れたか?」

    魔王「・・・・・・」

    魔神「はっはっは!まぁおいおい慣れるさ」

    魔王「そんなものか?」

    魔神「先代も最後はそんなもんだと言ってたぜ」

    魔王「そうか・・・」

    6 = 1 :

    魔王「それで、何の用だ?」

    魔神「おっと、そうだったな」

    魔神「新しい勇者が生まれた」

    魔王「!」

    魔神「よかったな、しばらく暇だろうが、また暴れられるぜ?」

    魔神「んじゃ俺はもう行くわ」

    魔王「・・・何がよいものか」

    7 = 1 :

    勇者「・・・ん」

    勇者「夢・・・か?」

    勇者「・・・・・・」

    勇者「どうして枕元にひのきのぼうが・・・」

    勇者「『でぃあ勇者』?」

    勇者「・・・・・・まじかよ」

    8 = 1 :

    「おっはよ!」

    勇者「うお!いきなり出てくんな!」

    「へっへー、どうどう?ひのきのぼう気に入った?」

    勇者「いや、確かにこんな真っ直ぐなのは珍しいけど」

    「頑張ったんだよ、褒めて褒めて!」

    勇者「んで何の用?」

    「ひどっ!」

    9 = 1 :

    「んっとね、忘れてた事があったんだ」

    勇者「忘れてた事?」

    「俗に言う神の加護?」

    勇者「へぇ、そんなんあるのか」

    「この紋章だよ」ポワン

    「ていっ!」バチン

    勇者「いて!」

    11 = 1 :

    勇者「い、いきなり何すんだ!?」

    「はい、これで紋章が額に入ったよ」

    勇者「え?」

    「はい鏡」

    勇者「うおおおお!なんかすっげえ恥ずかしい事になってるうう!」

    「中学二年生みたいでカッコイイよ!」

    勇者「やめろおおおお!」

    12 = 1 :

    勇者「結局旅に出ることになるのか」

    「紋章の効果は絶大だったでしょ?」

    勇者「お前が神官様通さないせいでさんざん疑われたけどな」

    「たわしで額擦られてたねっ!」

    勇者「まだ痛いよ・・・」

    「真っ赤だよー」アハハ

    勇者「それでも光る紋章恐るべし」

    13 = 1 :

    勇者「おらぁ!」バシィ

    魔物「ぎゃあ」

    「おー、強い強い」パチパチ

    勇者「まぁな・・・」

    勇者「てかいつまで居るんだよ」

    「居ちゃダメ?」

    勇者「ダメじゃあないけど」

    「たまにちょっと抜けるけど、基本は一緒にいるよ」

    勇者「暇人め」

    14 = 1 :

    勇者「ここが隣町か」

    「あっ駄菓子屋!」タタタ

    勇者「ちょっと!」

    「えへへ、お菓子だぁ」

    勇者「・・・なんか、買ってやろうか?」

    「いいの!?」

    「じゃあこのガブリチュウ・・・は高いから、フエラムネ!」

    勇者「中途半端に遠慮しやがって・・・」

    15 = 1 :

    勇者「では、西の塔に巣くう魔物を倒せばいいのですね?」

    村長「よろしいのですか!?」

    勇者「おま――」

    「おまかせくださいっ!」

    勇者「・・・・・・」

    「じゃあ早速行ってきます!」

    勇者「・・・行ってきます」

    16 = 1 :

    「ねぇ勇者」

    勇者「ん?」

    「他の武器は使わないの?」

    勇者「んー、なんかこのひのきのぼうがすげぇしっくりくるんだ」

    勇者「まさにおあつらえ向きってやつ?」

    「ほぅほぅ」

    勇者「それにやたら強いし」

    「まぁ天界のひのきだしね」

    勇者「天界の?」

    「しかも私が削りだしたのだー」

    勇者「そりゃ素直にすげぇ」

    17 = 1 :

    勇者「ここが最上階か」ギィ

    魔物「ゆ、勇者か!?」

    勇者「人間の言葉を!」

    「気をつけてねー、それなりに強いはずだよ」

    魔物「お、おれらの住み処を荒らさせるかぁー!」

    勇者「この塔は返してもらうぞ!」

    18 :

    ふぅ・・・

    19 = 1 :

    「結果は辛勝だね」

    勇者「なんとかな・・・」

    勇者「ん?このステンドグラス・・・」

    「あ、気付いた?」

    勇者「これ、女神か?」

    「そうだよ」

    勇者「・・・付いてる?」

    「神は雌雄同体で両性具有なの!」

    「あっ、安心して?今は男女の体使い分けてるから」

    勇者「じゃあ男の体もあるのか?」

    勇者「見てみたいな」

    「うーん・・・今はダメー!」

    20 = 1 :

    勇者「・・・・・・綺麗だな」

    「・・・勇者、この塔の名前知ってる?」

    勇者「西の塔じゃないのか?」

    「ううん、ここは神の塔」

    「世界を創ったときに人間を乗せる方舟にした塔なんだ」

    「その時にこのステンドグラス作ってくれたんだ」

    勇者「そうなのか」

    「そ、だから結構思い出深い場所でもあるんだよ!」

    21 = 1 :

    村長「本当にありがとうございました」

    勇者「いえ、できる事をしたまでです」

    村長「これでお祈りに行けまする」

    勇者「お祈り、ですか?」

    村長「はい、あの塔は神の塔でしてね、毎週末お祈りを捧げていたのです」

    勇者「そうでしたか」

    村長「勇者様と一緒にいた女性、神様にそっくりでしてなぁ」

    勇者(その女神様は駄菓子屋で100円分豪遊してるけどな)

    22 = 1 :

    魔神「魔王、元気か?」

    魔王「魔神、また来たのか」

    魔神「まぁな」

    魔神「そうそう、勇者が神の塔を突破したぞ」

    魔王「・・・早いな」

    魔神「俺もビックリだ!」

    魔神「今回ばかりは危ないんじゃねぇか?」

    魔王「・・・ふん」

    23 = 1 :

    魔神「ん?どした?」

    魔王「ワシとしては早く倒してもらいたいくらいだがな」

    魔神「はっはっは!いつの間にか魔王らしい話し方になってんじゃねえか!」

    魔王「ふん、もう魔王など飽きたわ」

    魔神「そうかいそうかい、でも最期までやってもらうぜ」

    魔王「ああ、命尽きるまで戦おう」

    魔神「頼もしいねぇ、それじゃあな」

    魔王「・・・・・・どうせそれしか道はないのだろう」

    24 = 1 :

    勇者「おーい、女神!」

    「お、終わったー?」

    「あ、はいこれ」

    勇者「なんだこれ?」

    「イカソーメンだよ!」

    「二本あげる」

    勇者「ああ、ありがとう」

    「どーいたしまして!」

    25 = 1 :

    勇者「次はどこへ向かうか」バサリ

    「あ、地図もらったの?」

    勇者「村長が御礼にってな」

    勇者「南にある砂漠の国かな?」

    「馬がいないと砂漠越えはキツイよー」

    勇者「そうなのか?」

    「うん、だからちょっと戻るけど東の村を目指すのが妥当かな」

    「なんたってその村は酪農が盛んだしね」

    26 :

    これほど外野が静かなSSも珍しい

    27 = 1 :

    勇者「ここが東の村か」

    勇者「・・・草原ばっかりだな」

    「裏から入っちゃったみたいだねー」

    勇者「立派な壁に騙された・・・」

    「いやいやー、壁は大切なんだよ?」

    「酪農が盛んだってことは、牛馬が命綱でしょ?」

    「でも牛馬は魔物の恰好の餌なのさ」

    勇者「なるほど、魔物除けって訳か」

    「そーそー、傭兵を雇う金もないからね」

    28 :

    みてるよ

    29 = 1 :

    >>26ちょっとさびしいです

    勇者「やっと居住スペースについた」

    「お疲れ!」

    勇者「お前は疲れないのか?」

    「そこはほら、女神様だし?」

    勇者「そうだったな」

    勇者「てか人がいねえ」

    「時間が時間だし放牧してた馬を戻してるんだよ」

    勇者「そっか」

    30 = 1 :

    勇者「ここが村長の家?」

    「良く言えば質素、悪く言えばしょぼいね」

    勇者「しょぼいゆーな」

    村長「お?そこにいるのはもしかして」

    勇者「え?」

    村長「おー!やっぱ勇者様だ!」

    村長「その紋章は間違いねぇな!」

    勇者「ぬぉおお、また恥ずかしくなってきたぁ!」

    31 = 1 :

    村長「なるほどなるほど、魔王退治ねぇ」

    勇者「はい・・・」

    村長「そのくせそんな綺麗な女性連れてんのか?」

    勇者「いや、コイツはその・・・」

    村長「言わなくてもわかってるって!」

    村長「でもあぶねぇこたぁさせんなよ?」

    勇者(ぜってぇ何もわかってねぇ)

    村長「まぁなんもねぇ村だけどよ、ゆっくりしてってくれや」

    32 = 1 :

    勇者「村長わけぇな」

    「言ったじゃん、傭兵も雇えないって」

    勇者「ん?それって・・・?」

    「魔物が壁を越えて来た時、戦うのは村人なんだよ」

    「村長は村の長、誰よりも前で、誰よりも勇敢に戦わなきゃいけない」

    「だから村長は結構すぐ死んじゃうんだ」

    勇者「そういうことか」

    「だから村長は、村一番で強い人がなるしきたり」

    勇者「よく知ってんな」

    「偉いでしょ!」

    34 = 1 :

    勇者「あー、ワラのベッドがきもちぃー!」ボフン

    「ふわー、疲れてるねぇ」

    勇者「まぁ、な・・・」

    「あれだけ歩けばそーなる・・・・・・あ、寝てやんの」

    勇者「ぐーぐー・・・」

    「・・・・・・」ニヤッ

    36 = 1 :

    魔王「・・・む、寝ておったのか」

    魔神「おっ、おはようさん」

    魔王「・・・・・・いつからおった」

    魔神「ついさっき来たばっかりだ」

    魔神「それにしてもまぁ無邪気な寝顔しちゃってぇ」

    魔王「ふん」

    37 = 1 :

    魔神「そういうトコは昔のまんまじゃねぇの」

    魔王「それでもよかろう」

    魔神「はっはっは!悪いとは言ってねぇよ!」

    魔王「・・・用事はなんだ?」

    魔神「んーにゃ、特にねぇから帰るわ」

    魔神「いいもん見せてもらったぜ、じゃあな」

    魔王「・・・ふん」

    38 :

    ワシっ娘魔王か…胸熱

    39 = 1 :

    勇者「・・・んぐぅ・・・ぐー」

    「おっきろー!」バサッ

    勇者「んわぁ!な、なんだ!?」

    「寝てる場合じゃないよ!」

    「魔物が攻め込んで来たの!」

    勇者「まじかよ!」

    「今村長達が戦ってる、勇者も早いとこ行ってあげないと!」

    勇者「わかった!すぐにいく!」

    40 = 1 :

    村長「ぐあっ!」

    魔物「ヒャハハ!よえぇなぁ、人間!」

    魔物「おら、とどめだ!」ブンッ

    勇者「ふんっ!」ガッ

    魔物「ヒャハ!?勇者か!」

    勇者「調子乗んのも、大概にしとけよ!」バキィ

    41 = 1 :

    「なんとか撃退せいこーう!」

    勇者「あー、いてぇ」

    「まーまー、若いんだしすぐ治るよ」

    勇者「でもいてぇモンはいてぇよ」

    村長「ありがとうな、勇者」

    村長「おかげで村も俺も助かった」

    勇者「気にしないでくれ、俺も好きでやった事だ」

    42 = 1 :

    村長「とは言われてもなぁ」

    村長「なんかしら御礼しねぇと気が済まない」

    勇者「うーん、だったらさ」

    勇者「一匹だけ馬をくれないか?」

    村長「あ?そんなんでいいのか?」

    勇者「あとは、朝までゆっくり寝かせてくれ」

    村長「はー、なんつーか心が広いなぁ」

    村長「わかった!とびきり速い馬を用意しとくぜ!」

    43 = 1 :

    「うー・・・朝だー!」ガバッ

    勇者「うわ!」

    「おはよー諸君、ねぼすけくんはいないかな?」

    「さぁ朝の点呼の時間だよ、番号!」

    勇者「え、いち」

    「声がちっちゃい!番号もとへ、番号!」

    勇者「いち!」

    「よし、揃ってるね」

    勇者「いや、まぁ・・・」

    44 = 1 :

    村長「おう、起きたか勇・・・」

    勇者「ん?どうした?」

    村長「・・・ほら、鏡」

    勇者「な、なんじゃこりゃあ!」

    勇者「なぜ俺にこんな立派なおひげが!?」

    「ふっふーん、自信作だよ!」

    勇者「落書きしやがったのかぁー!」

    「ヒゲだけと思うなー」

    「額をよくみやがれぇ!」ビシッ

    勇者「肉か!?肉なのか!?」

    『まおー』

    勇者「誰がじゃあ!!」

    45 = 1 :

    勇者「・・・・・・どう?」

    村長「うん、落ちた落ちた」

    村長(ヒゲ以外・・・)

    勇者「よかった・・・」

    「それで馬はー?」

    村長「コイツだ」

    勇者「赤いな」

    村長「レッドラビットって種類の馬だ」

    村長「速さも体力も全種類中トップなのさ!」

    「ほぇ~、おっきぃー!」

    46 = 1 :

    「すごいすごい!速いよー!」

    勇者「確かにこれはすごいな」

    勇者「もう村が見えない」

    「いけいけー!」

    勇者「二人乗せてるとは思えないスピードだな」

    「失礼な、私は人じゃないぞー」

    勇者「それはそうだけど」

    「私には質量なんてものはないのだよ!」

    48 = 1 :

    勇者「砂漠暑い、喉渇いたー・・・」

    「文句言わない」

    勇者「ガリガリくん食べたい・・・」

    「うっ、食べたい・・・」

    勇者「アイスボックスもいーなー・・・」

    「あー、アイスボックスいーねー・・・」

    「・・・お、城壁が見えてきた」

    勇者「よっしゃ!飛ばすぞ女神!」

    「ぁう!」

    49 = 35 :

    りょ・・・・・呂布だー!!呂布が出たぞー!!!

    50 = 1 :

    勇者「すげー、これがオアシスか・・・」

    「オアシスってね、実は結構危ない土地なんだよ」

    勇者「え、そーなの?」

    「多雨のオアシスなら問題ないけど、ここみたいな湧水のオアシスは危ないね」

    「砂漠ってほら、木とか草がないから砂漠なわけで」

    「それってつまり水の流れを妨げる物がないって事なわけよ」

    「じゃここで問題です、もしも砂漠で大雨が降ったらどーなる!?」

    勇者「みんな喜ぶ」

    「・・・・・・うん、それも正解」


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