元スレ女神「よし、君が勇者だ!」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ☆
1 :
勇者「・・・・・・」キョロキョロ
女神「・・・・・・」チョイチョイ
勇者「・・・俺?」
女神「そうだよ!」
勇者「あー・・・なんで?」
女神「厳正な審査の結果なのだよ」
勇者「審査?」
女神「しっくすせんすって奴?」
勇者「いや、ダメだろ・・・」
2 :
いや、ダメだろ・・・
3 = 1 :
勇者「普通こういうのって、神官様通じてお告げるんじゃないの?」
女神「あのエロおやじは嫌!」
女神「それにめんどくさいから直接来ちゃったよ」
勇者「じゃあなんだって急に」
女神「先代の勇者が魔王に負けちゃったからだよ」
勇者「マジか!」
女神「うん、もー惨敗?」
4 = 1 :
女神「という訳で、よろしくねー!」
勇者「神様が言うなら仕方ないか」
女神「一応装備はこっちで準備したげる」
勇者「1番いいのを頼む」
女神「まかせてよ!1番いい『ひのきのぼう』をあげるからね!」
勇者「・・・・・・」
5 = 1 :
魔王「・・・・・・」
魔神「よ!魔王、久しぶり」
魔王「む、魔神か・・・」
魔神「どーだい?勇者の相手はもう慣れたか?」
魔王「・・・・・・」
魔神「はっはっは!まぁおいおい慣れるさ」
魔王「そんなものか?」
魔神「先代も最後はそんなもんだと言ってたぜ」
魔王「そうか・・・」
6 = 1 :
魔王「それで、何の用だ?」
魔神「おっと、そうだったな」
魔神「新しい勇者が生まれた」
魔王「!」
魔神「よかったな、しばらく暇だろうが、また暴れられるぜ?」
魔神「んじゃ俺はもう行くわ」
魔王「・・・何がよいものか」
7 = 1 :
勇者「・・・ん」
勇者「夢・・・か?」
勇者「・・・・・・」
勇者「どうして枕元にひのきのぼうが・・・」
勇者「『でぃあ勇者』?」
勇者「・・・・・・まじかよ」
8 = 1 :
女神「おっはよ!」
勇者「うお!いきなり出てくんな!」
女神「へっへー、どうどう?ひのきのぼう気に入った?」
勇者「いや、確かにこんな真っ直ぐなのは珍しいけど」
女神「頑張ったんだよ、褒めて褒めて!」
勇者「んで何の用?」
女神「ひどっ!」
9 = 1 :
女神「んっとね、忘れてた事があったんだ」
勇者「忘れてた事?」
女神「俗に言う神の加護?」
勇者「へぇ、そんなんあるのか」
女神「この紋章だよ」ポワン
女神「ていっ!」バチン
勇者「いて!」
11 = 1 :
勇者「い、いきなり何すんだ!?」
女神「はい、これで紋章が額に入ったよ」
勇者「え?」
女神「はい鏡」
勇者「うおおおお!なんかすっげえ恥ずかしい事になってるうう!」
女神「中学二年生みたいでカッコイイよ!」
勇者「やめろおおおお!」
12 = 1 :
勇者「結局旅に出ることになるのか」
女神「紋章の効果は絶大だったでしょ?」
勇者「お前が神官様通さないせいでさんざん疑われたけどな」
女神「たわしで額擦られてたねっ!」
勇者「まだ痛いよ・・・」
女神「真っ赤だよー」アハハ
勇者「それでも光る紋章恐るべし」
13 = 1 :
勇者「おらぁ!」バシィ
魔物「ぎゃあ」
女神「おー、強い強い」パチパチ
勇者「まぁな・・・」
勇者「てかいつまで居るんだよ」
女神「居ちゃダメ?」
勇者「ダメじゃあないけど」
女神「たまにちょっと抜けるけど、基本は一緒にいるよ」
勇者「暇人め」
14 = 1 :
勇者「ここが隣町か」
女神「あっ駄菓子屋!」タタタ
勇者「ちょっと!」
女神「えへへ、お菓子だぁ」
勇者「・・・なんか、買ってやろうか?」
女神「いいの!?」
女神「じゃあこのガブリチュウ・・・は高いから、フエラムネ!」
勇者「中途半端に遠慮しやがって・・・」
15 = 1 :
勇者「では、西の塔に巣くう魔物を倒せばいいのですね?」
村長「よろしいのですか!?」
勇者「おま――」
女神「おまかせくださいっ!」
勇者「・・・・・・」
女神「じゃあ早速行ってきます!」
勇者「・・・行ってきます」
16 = 1 :
女神「ねぇ勇者」
勇者「ん?」
女神「他の武器は使わないの?」
勇者「んー、なんかこのひのきのぼうがすげぇしっくりくるんだ」
勇者「まさにおあつらえ向きってやつ?」
女神「ほぅほぅ」
勇者「それにやたら強いし」
女神「まぁ天界のひのきだしね」
勇者「天界の?」
女神「しかも私が削りだしたのだー」
勇者「そりゃ素直にすげぇ」
17 = 1 :
勇者「ここが最上階か」ギィ
魔物「ゆ、勇者か!?」
勇者「人間の言葉を!」
女神「気をつけてねー、それなりに強いはずだよ」
魔物「お、おれらの住み処を荒らさせるかぁー!」
勇者「この塔は返してもらうぞ!」
18 :
ふぅ・・・
19 = 1 :
女神「結果は辛勝だね」
勇者「なんとかな・・・」
勇者「ん?このステンドグラス・・・」
女神「あ、気付いた?」
勇者「これ、女神か?」
女神「そうだよ」
勇者「・・・付いてる?」
女神「神は雌雄同体で両性具有なの!」
女神「あっ、安心して?今は男女の体使い分けてるから」
勇者「じゃあ男の体もあるのか?」
勇者「見てみたいな」
女神「うーん・・・今はダメー!」
20 = 1 :
勇者「・・・・・・綺麗だな」
女神「・・・勇者、この塔の名前知ってる?」
勇者「西の塔じゃないのか?」
女神「ううん、ここは神の塔」
女神「世界を創ったときに人間を乗せる方舟にした塔なんだ」
女神「その時にこのステンドグラス作ってくれたんだ」
勇者「そうなのか」
女神「そ、だから結構思い出深い場所でもあるんだよ!」
21 = 1 :
村長「本当にありがとうございました」
勇者「いえ、できる事をしたまでです」
村長「これでお祈りに行けまする」
勇者「お祈り、ですか?」
村長「はい、あの塔は神の塔でしてね、毎週末お祈りを捧げていたのです」
勇者「そうでしたか」
村長「勇者様と一緒にいた女性、神様にそっくりでしてなぁ」
勇者(その女神様は駄菓子屋で100円分豪遊してるけどな)
22 = 1 :
魔神「魔王、元気か?」
魔王「魔神、また来たのか」
魔神「まぁな」
魔神「そうそう、勇者が神の塔を突破したぞ」
魔王「・・・早いな」
魔神「俺もビックリだ!」
魔神「今回ばかりは危ないんじゃねぇか?」
魔王「・・・ふん」
23 = 1 :
魔神「ん?どした?」
魔王「ワシとしては早く倒してもらいたいくらいだがな」
魔神「はっはっは!いつの間にか魔王らしい話し方になってんじゃねえか!」
魔王「ふん、もう魔王など飽きたわ」
魔神「そうかいそうかい、でも最期までやってもらうぜ」
魔王「ああ、命尽きるまで戦おう」
魔神「頼もしいねぇ、それじゃあな」
魔王「・・・・・・どうせそれしか道はないのだろう」
24 = 1 :
勇者「おーい、女神!」
女神「お、終わったー?」
女神「あ、はいこれ」
勇者「なんだこれ?」
女神「イカソーメンだよ!」
女神「二本あげる」
勇者「ああ、ありがとう」
女神「どーいたしまして!」
25 = 1 :
勇者「次はどこへ向かうか」バサリ
女神「あ、地図もらったの?」
勇者「村長が御礼にってな」
勇者「南にある砂漠の国かな?」
女神「馬がいないと砂漠越えはキツイよー」
勇者「そうなのか?」
女神「うん、だからちょっと戻るけど東の村を目指すのが妥当かな」
女神「なんたってその村は酪農が盛んだしね」
26 :
これほど外野が静かなSSも珍しい
27 = 1 :
勇者「ここが東の村か」
勇者「・・・草原ばっかりだな」
女神「裏から入っちゃったみたいだねー」
勇者「立派な壁に騙された・・・」
女神「いやいやー、壁は大切なんだよ?」
女神「酪農が盛んだってことは、牛馬が命綱でしょ?」
女神「でも牛馬は魔物の恰好の餌なのさ」
勇者「なるほど、魔物除けって訳か」
女神「そーそー、傭兵を雇う金もないからね」
28 :
みてるよ
29 = 1 :
>>26ちょっとさびしいです
勇者「やっと居住スペースについた」
女神「お疲れ!」
勇者「お前は疲れないのか?」
女神「そこはほら、女神様だし?」
勇者「そうだったな」
勇者「てか人がいねえ」
女神「時間が時間だし放牧してた馬を戻してるんだよ」
勇者「そっか」
30 = 1 :
勇者「ここが村長の家?」
女神「良く言えば質素、悪く言えばしょぼいね」
勇者「しょぼいゆーな」
村長「お?そこにいるのはもしかして」
勇者「え?」
村長「おー!やっぱ勇者様だ!」
村長「その紋章は間違いねぇな!」
勇者「ぬぉおお、また恥ずかしくなってきたぁ!」
31 = 1 :
村長「なるほどなるほど、魔王退治ねぇ」
勇者「はい・・・」
村長「そのくせそんな綺麗な女性連れてんのか?」
勇者「いや、コイツはその・・・」
村長「言わなくてもわかってるって!」
村長「でもあぶねぇこたぁさせんなよ?」
勇者(ぜってぇ何もわかってねぇ)
村長「まぁなんもねぇ村だけどよ、ゆっくりしてってくれや」
32 = 1 :
勇者「村長わけぇな」
女神「言ったじゃん、傭兵も雇えないって」
勇者「ん?それって・・・?」
女神「魔物が壁を越えて来た時、戦うのは村人なんだよ」
女神「村長は村の長、誰よりも前で、誰よりも勇敢に戦わなきゃいけない」
女神「だから村長は結構すぐ死んじゃうんだ」
勇者「そういうことか」
女神「だから村長は、村一番で強い人がなるしきたり」
勇者「よく知ってんな」
女神「偉いでしょ!」
34 = 1 :
勇者「あー、ワラのベッドがきもちぃー!」ボフン
女神「ふわー、疲れてるねぇ」
勇者「まぁ、な・・・」
女神「あれだけ歩けばそーなる・・・・・・あ、寝てやんの」
勇者「ぐーぐー・・・」
女神「・・・・・・」ニヤッ
36 = 1 :
魔王「・・・む、寝ておったのか」
魔神「おっ、おはようさん」
魔王「・・・・・・いつからおった」
魔神「ついさっき来たばっかりだ」
魔神「それにしてもまぁ無邪気な寝顔しちゃってぇ」
魔王「ふん」
37 = 1 :
魔神「そういうトコは昔のまんまじゃねぇの」
魔王「それでもよかろう」
魔神「はっはっは!悪いとは言ってねぇよ!」
魔王「・・・用事はなんだ?」
魔神「んーにゃ、特にねぇから帰るわ」
魔神「いいもん見せてもらったぜ、じゃあな」
魔王「・・・ふん」
38 :
ワシっ娘魔王か…胸熱
39 = 1 :
勇者「・・・んぐぅ・・・ぐー」
女神「おっきろー!」バサッ
勇者「んわぁ!な、なんだ!?」
女神「寝てる場合じゃないよ!」
女神「魔物が攻め込んで来たの!」
勇者「まじかよ!」
女神「今村長達が戦ってる、勇者も早いとこ行ってあげないと!」
勇者「わかった!すぐにいく!」
40 = 1 :
村長「ぐあっ!」
魔物「ヒャハハ!よえぇなぁ、人間!」
魔物「おら、とどめだ!」ブンッ
勇者「ふんっ!」ガッ
魔物「ヒャハ!?勇者か!」
勇者「調子乗んのも、大概にしとけよ!」バキィ
41 = 1 :
女神「なんとか撃退せいこーう!」
勇者「あー、いてぇ」
女神「まーまー、若いんだしすぐ治るよ」
勇者「でもいてぇモンはいてぇよ」
村長「ありがとうな、勇者」
村長「おかげで村も俺も助かった」
勇者「気にしないでくれ、俺も好きでやった事だ」
42 = 1 :
村長「とは言われてもなぁ」
村長「なんかしら御礼しねぇと気が済まない」
勇者「うーん、だったらさ」
勇者「一匹だけ馬をくれないか?」
村長「あ?そんなんでいいのか?」
勇者「あとは、朝までゆっくり寝かせてくれ」
村長「はー、なんつーか心が広いなぁ」
村長「わかった!とびきり速い馬を用意しとくぜ!」
43 = 1 :
女神「うー・・・朝だー!」ガバッ
勇者「うわ!」
女神「おはよー諸君、ねぼすけくんはいないかな?」
女神「さぁ朝の点呼の時間だよ、番号!」
勇者「え、いち」
女神「声がちっちゃい!番号もとへ、番号!」
勇者「いち!」
女神「よし、揃ってるね」
勇者「いや、まぁ・・・」
44 = 1 :
村長「おう、起きたか勇・・・」
勇者「ん?どうした?」
村長「・・・ほら、鏡」
勇者「な、なんじゃこりゃあ!」
勇者「なぜ俺にこんな立派なおひげが!?」
女神「ふっふーん、自信作だよ!」
勇者「落書きしやがったのかぁー!」
女神「ヒゲだけと思うなー」
女神「額をよくみやがれぇ!」ビシッ
勇者「肉か!?肉なのか!?」
『まおー』
勇者「誰がじゃあ!!」
45 = 1 :
勇者「・・・・・・どう?」
村長「うん、落ちた落ちた」
村長(ヒゲ以外・・・)
勇者「よかった・・・」
女神「それで馬はー?」
村長「コイツだ」
勇者「赤いな」
村長「レッドラビットって種類の馬だ」
村長「速さも体力も全種類中トップなのさ!」
女神「ほぇ~、おっきぃー!」
46 = 1 :
女神「すごいすごい!速いよー!」
勇者「確かにこれはすごいな」
勇者「もう村が見えない」
女神「いけいけー!」
勇者「二人乗せてるとは思えないスピードだな」
女神「失礼な、私は人じゃないぞー」
勇者「それはそうだけど」
女神「私には質量なんてものはないのだよ!」
48 = 1 :
勇者「砂漠暑い、喉渇いたー・・・」
女神「文句言わない」
勇者「ガリガリくん食べたい・・・」
女神「うっ、食べたい・・・」
勇者「アイスボックスもいーなー・・・」
女神「あー、アイスボックスいーねー・・・」
女神「・・・お、城壁が見えてきた」
勇者「よっしゃ!飛ばすぞ女神!」
女神「ぁう!」
49 = 35 :
りょ・・・・・呂布だー!!呂布が出たぞー!!!
50 = 1 :
勇者「すげー、これがオアシスか・・・」
女神「オアシスってね、実は結構危ない土地なんだよ」
勇者「え、そーなの?」
女神「多雨のオアシスなら問題ないけど、ここみたいな湧水のオアシスは危ないね」
女神「砂漠ってほら、木とか草がないから砂漠なわけで」
女神「それってつまり水の流れを妨げる物がないって事なわけよ」
女神「じゃここで問題です、もしも砂漠で大雨が降ったらどーなる!?」
勇者「みんな喜ぶ」
女神「・・・・・・うん、それも正解」
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