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    元スレ魔王「お前の泣き顔が見てみたい」

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    みんなの評価 : ★★
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    901 = 787 :

    もう本編もおしまいですが補足用の書き溜めがほんの少しだけあるので
    本編が終わっても少しの間静かにしてもらえると助かります。

    902 = 787 :

    魔王「・・・本当に・・・お前なのか・・・・ッ!」

    一粒の滴が魔王の眼から落ちる。

    勇者「うん」

    魔王「ひっく・・・分身では、ないんだよな・・・・ッ?」ギュ

    ぽろぽろと涙が落ち続ける。

    勇者「そうだよ」

    魔王「・・・・信じるぞ?いいのか?」

    勇者「うん。だからさ、せっかく久しぶりに会えたんだから笑ってよ。
      君の笑顔が見たい」

    魔王「ふふ、なんだ・・・・お前だって泣いているじゃないか」

    勇者「・・・・うん」

    魔王「まったく・・・せっかくお前の泣き顔が見れると思ったのに、
      ・・・お前は泣く時も笑っているのか?」

    勇者「・・・たぶん嬉し涙じゃないかな」

    魔王「ふふっ、それにしてはぎこちない笑い方だな」

    勇者「・・・これからはきっと自然な笑い方になるよ」

    903 = 787 :

    勇者「ねぇ、魔王・・・・、僕さ・・・君に伝えたい事があるんだ」

    魔王「・・・ああ」

    勇者「君の事が好きだ」

    魔王「なんだ・・・・そんな事はとうの昔に知っている」

    勇者「ばれてたのかぁ・・・・、じゃあ返事はッ・・・・・・・」

    二人の時間が止まる。

    魔王「・・・・・・・・・・・・・・これで返事にはならないか?」

    勇者「・・・・・・本当に、君には敵わないよ」

    魔王「・・・いや、やはり言葉にしておこう」

    勇者「どうして?」

    魔王「察しろ・・・言いたい気分なんだよ」

    その笑顔は僕が今まで見た中で最も輝いていた。

    魔王「私はお前の事が大好きだっ!勇者っ!」

                            fin

    904 = 858 :

    最高だった
    お疲れ様

    905 = 428 :

    乙!!!
    後日談カモーン

    906 = 787 :

    おい、結局《元始の魔王》って何、魔具とか初代勇者とかよくわからん
    事多すぎだろks、と仰られる方がいるだろうと思い、一応書いておきました。
    ここに出てくる人物についてですが、名前が同じでも本編と異なるので
    注意、王とか。王国も本編とは違います。ややこしくてすみません;

    ----―--------約4千年前 王国


    唐突に銃声が鳴り響いた。

    「・・・・」

    男がうつ伏せに倒れている。
    どうやらこの男が撃たれたようだ、その頭から血がじわりと流れ出る。

    「・・・・・またか」

    重く冷たい声がその男の口から漏れ出た。

    「・・・・くそっ!化け物め・・・・!!」

    「・・・邪魔をするな」

    男はのそりと立ち上がり、また歩き出す。

    907 :

    感動した
    お疲れ

    908 = 787 :

    「またお前か・・・・ッ!!」

    王は憎憎しげに呻く。

    「お前が何度ここに来ようとも何も変わりはしない!さっさと消えろ!」

    「・・・・お前達人間がこのまま木々を殺し続ければこの星は滅ぶ」

    「星?・・・星とは何だ」

    「人間にとって星とは世界だ」

    「世界を滅ぼす程の力を持った我ら人間ならば恐れる事など何もない!
      私は間違ってるとでも言うつもりか?」

    「・・・間違っては、いないな」

    909 :

    幼稚だとかどうとか書かれていたけど
    俺は感動した!

    910 = 430 :

    勇者が生きてた理由が知りたい

    911 = 787 :

    ----―----―----王国のはずれの荒野

    「・・・ここも昔は木々が生い茂っていた筈だ」

    「このままいけば恐らくこの星の命は絶たれるだろう」

    王国での会話が脳裏に浮かぶ。

    「・・・王の言い分は確かに正しい、力を持つ者だけがこの世を思い通りにできる」

    「人間全体にその概念が植えつけられている限り、人間にとってそれ
      が正論、正義となる。またそうである限り星は蝕まれ続けるのだ」

    912 = 527 :

    面白かった
    補足wktk

    913 = 787 :

    >>910 既に書き溜めがありますので安心してください。

    『この化け物はどうして死なないんだ!』

    『・・・なんておぞましい存在なの!?』

    『そんな化け物は谷へ突き落としてしまえ!危険だ!』

    「人間は・・・・・危険だ」

    「このままにはしておけない」

    ならば使え、お前の力を、全てを思い通りにできる力を。
    使い方はわかるだろう?

    「ああ」

    やっとその燻っていた力を思う存分に振るえるぞ、喜べ、喜べ。

    「星を守ろう」

    そして男は《元始の魔王》となった。

    914 = 787 :

    ----―----―----約千年後 魔界・魔王城

    魔王「・・・来たか」

    勇者「お前を倒し、世界に平和を取り戻させてもらうぞ」

    勇者は無数の魔法が込められた剣を鞘から抜いた。

    魔王「・・・やはり人間に力を与えたのはお前か、物に魔法を込めると
      はな・・・・・どうりで我が同胞が人間に殺されるわけだ」

    勇者「そうだ・・・・!もう人間は魔族などに屈しはしない!私の魔具が皆に力を与える」

    魔王「・・・お前も気づいている筈だ、我とお前は同じ力を有していると」

    勇者「・・・・ッ!!」

    魔王「ならばわかるな?共に消え去る以外にこの戦いの終結はない」

    915 = 787 :

    魔王「どうせ消え去るのなら尋ねておきたい事がある」

    勇者「・・・・・」

    魔王「何故お前は魔族を殺す?」

    勇者「・・・・魔族がいれば人間は滅亡してしまう、お前達の存在は異端だ。
      世界に破壊をもたらす」

    魔王「・・・そう人間に教えられて生きてきたのか?」

    勇者「・・・お前達は平和を乱す、魔族が人間を襲っているのは事実だ」

    魔王「逆に問おう、魔族は人間に危害を多少だが加えているかもしれん。
      だが強力な魔族が攻め込んで来た事はあったか?」

    魔王「何故数少ない魔族の侵攻を槍玉にあげる、その程度の事に比べれば
      人間同士の争いの方が遥かに卑劣なのではないか?」

    916 = 787 :

    勇者「・・・黙れ」

    その声はかすかに震えている。

    魔王「なぜ魔界が世界の半分で収まっているのか考えた事はないのか?
      全ては一つの答えを出している」

    勇者「・・・そんな、の理解できないな」

    魔王「人間は危険だ、我らは人間の破壊に対する抑止力なのだよ」

    魔王「勇者、お前の言う平和とは人間にとっての平和なのだ。
      ・・・・決してこの世界の平和を指すわけではない」

    917 :

    変なところでの改行が読みづらくてちょっと残念

    918 :

    >>37
    みとるで

    919 = 787 :

    勇者「黙れッ!お前の言葉などッ!私には届かない!」

    魔王「本当は既にそんな事はわかっていたのだろう?」

    勇者「黙れぇえええええええええええええ!!!!!」

    一瞬の内に魔王の周囲に無数の魔法陣が構築され、魔法が発動する。
    魔王城の大半が消えた。

    魔王「その化け物たる力を振るいたかったからだ!お前は平和など何も
      考えてはいない!その力を行使する理由が欲しかっただけだ!」

    勇者「うあああああああああああああ!!!!」

    勇者が作り出す無数の魔法の全てに魔王は同じ魔法で応じる。
    紅い空が閃光に包まれた。

    920 = 787 :

    >>917 それは本当に申し訳ない;

    魔王「ならば質問を変えてやろうか!何故お前は地に向かって魔法を行使しない!?」

    勇者「・・・・やめろ」

    魔王「それはこの星を守る事が我らの宿命だからだ!お前は宿命に背いている!
       力をただ振るえば世界は狂う!」

    魔王「ならば何故《神》は我らに心を与えた!?何故我だけでなくお前を創りだしたのだ・・・!
       心があるからこそ我らは狂う、内なる力に侵される!
      だが我らは宿命に従わなければならない!」

    勇者「・・・・私は宿命など信じない、自分で運命を切り開いてやる・・・!
       魔王、お前は殺す!世界に平和をもたらしてみせる」

    魔王「人間に埋め込まれた概念こそがお前を蝕んでいるのがわからないのか」

    勇者「私はッ!!《勇者》だッ!!」

    魔王「・・・残念だ」

    921 = 787 :

    勇者「ぐっ・・・・かはっ・・・」

    魔王「我とお前との戦いにおいて肉体的損傷は意味をもたない」

    勇者「・・・その・・・武具は・・・ッ!?」

    魔王「お前にできる事が我にできぬとでも?」

    勇者「・・・・・ッ!」

    魔王の鎧が、剣が、無数の禍々しい魔法に蠢いている。

    魔王「我が黒剣に込めた魔法は身をもってわかる筈だ」

    勇者「消滅魔法か」

    魔王「そうだ、我が剣ならお前を殺せる。この魔法は我が千年かけて創りだした、
      お前では扱えぬ」

    魔王「・・・・この魔法でお前の力ごと消し去ってくれる」

    922 = 787 :

    魔界の紅い空には一人の漆黒の騎士のみが存在している。

    魔王「・・・・やはりこうなったか」

    自分の体が徐々に消えてゆく。

    魔王「・・・勇者、わかるか?最後に我を消し去る事象改変を起こした時」

    魔王「・・・お前は笑っていたよ」

    誰に言うわけでもなく言葉を続ける。

    魔王「・・・・この過剰な力がお前を狂わしたのか、我と同様に」

    魔王「千年前の我にもう少しばかりの理性が残っていれば、・・・・世界は
      明るく変わっていたのだろうか、千年前の我の選択は・・・・」

    923 = 787 :

    魔王は眼を静かに閉じた。

    魔王「・・・・《神》よ、未来にまた我らと同様の存在が生まれて
      しまうのだろうか、その度に我らのような選択を迫られるのだろうか」

    首輪に手を触れる。

    魔王「ならば我はその者に新たな選択肢を与えたい」

    魔王の残る全ての魔力を使い、魔法を首輪に込める。

    魔王「命を奪いつづけ世界を破壊するも良し、抑えられた力で
      《理性ある選択》をするのも良し」

    魔王「《理性ある選択》は我らとは異なる未来を見せてくれるのか、
       ・・・・・本当の平和を見せてくれるのか」

    魔王「お前に全てを託そう」


    その千年後に王によってその運命の首輪は発見される。
    《理性ある選択》は魔王の望む未来を見せる事はできたのだろうか。

    わかる事はただ一つ。
    その未来では全ての生物が前を向いて生きている、という事だけだ。
                             
                               fin

    924 = 787 :

    ちょ、なんで勇者生き返ってんだwと仰られる方がいるだろうと
    思い、一応書いておきました。ここでの登場人物は本編と一致
    してます。


    体が重い、熱い、息ができない。
    そう感じる事ができるという事は、まだ生きているという事は
    僕が最低限の防御に成功したという事か。

    「くはは・・・・、まるでぼろ雑巾のようだな。おい」

    戦士長「・・・・っは」

    「このゴミは死体置き場にもっていけ、・・・決して首輪を外すなよ。
     完全に腐って粉々になるまで首輪は回収しなくていい」

    戦士長「承知しました」

    925 = 787 :

    戦士長は僕を背負い死体置き場に向かう。
    すすり泣く音が聞こえる。

    僕は生きている、そう伝えなくては。
    僕に触れてはいけない。
    そうしなければ僕はこの人の命を奪ってしまうかもしれない。
    絶対に意識を失ってはいけない、抑えている首輪の力が発動してしまう。
    僕が生きようとしたせいで殺したくはない。
    渾身の力を絞れ。

    勇者「・・・・・ぁ・・・・」

    戦士長「・・・・・勇者殿?まさかまだ生きておられるのですか!?」

    ああ、気づいてくれた。ありがとう。

    勇者「ぁ・・・・・・・・ぅ」

    戦士長「・・・ッ!!こうしてはおられん!」ダッ

    926 = 787 :

    ・・・・ぁあ、駄目だ。意識を保たなければ。

    戦士長「早く!!回復用の魔具をありったけ持って来るんだ!!」

    僧侶達「は、はい!」ダッ

    どうして僕から離れてくれないんだ。

    戦士長「くそっ・・・・!!我らの恩人を死なせてなるものか!!」

    人々は魔具に込められた回復魔法を展開させる。

    僧侶1「・・・なんて傷の深さなの・・・・!!お願いだから耐えてッ!!」

    僕の首輪の事ぐらい知っている筈なのに。

    僧侶2「ここを止血します!」

    銃弾の摘出が開始される。

    ・・・・こんな僕の為にこんなに多くの人が頑張っているのか。
    僕は人々から寿命と魔力を奪ったというのに。

    泣くのは死んでからって決めた筈なんだけどなぁ。

    927 = 787 :

    ------------約一週間後

    勇者「・・・・・」

    戦士長「御体の具合は?」

    お陰で僕は生きているよ。

    勇者「ぉ・・・ぃ・・・・・」ニコ

    戦士長「・・・・本当に良かった」

    戦士長「・・・勇者様には申し訳ありませんが、人目に触れなれない為
       このような粗末な病室になってしまいました」

    戦士長「安心してください、今度は私達が貴方様を必ず守ります」

    勇者「・・・・」ニコ

    ・・・ありがとう。

    928 = 787 :

    ーーーーーーーーーーー約二週間後

    戦士長「・・・貴方様に面会したい方がいらっしゃいます、よろしいでしょうか。
       危険はないと思われます」

    勇者「は、い」

    病室の扉が開かれる。
    そこに現れたのは、二週間前に僕を殺そうとした人間だった。
    だがその顔にもはや狂気はなく、重い罪を背負っている囚人のように見えた。

    「・・・こんな私などの言葉では意味などないかもしれない、だが言わせてほしい」

    「申し訳ない・・・・ッ!!」

    929 = 787 :

    顔を見ればわかる、どんなに後悔して、どんなに苦しんでいるかって事ぐらいは。

    勇者「顔、を・・・・上げ、てくださ、い。一国の、王なん、ですから」

    勇者「今の、貴方なら、魔族とも・・・・未来、を築いて、いける」ニコ

    「・・・・貴方の分身にも同じことを言われました」

    「貴方さえ良ければ・・・人の眼のつかないもっと環境の良い病室に移りませんか?」

    勇者「いえ、ここで、充分です、よ」

    勇者「また、体が自由、に動く、ようにな、ったら、ここを出て、行きますから」

    「・・・貴方の居場所はここではないのですね」

    勇者はそれに笑顔で答えた。

    930 = 787 :

    ーーーーーーーーーーーーーーー約1年後

    戦士長「失礼します」

    勇者「ああ、どうも。いつも尋ねてきてくれてありがとうございます」

    戦士長「・・・・勇者様、一つ聞いてもよろしいでしょうか」

    勇者「ええ、いいですよ?」

    戦士長「貴方様は・・・・魔族の皆さんに会わなくても宜しいのですか?
      必ず悲しい思いをしている筈です」

    勇者「・・・・だってまだ僕ロクに歩けませんしね、どうせ会うなら
      元気な状態で会いたいじゃないですか」

    勇者は穏やかな笑みを浮かべる。

    戦士長「・・・・貴方というお方は」

    931 = 787 :

    ーーーーーーーーーーーーーーーーー約2年後

    「流石は勇者様か、本来なら普通に歩けるようにはならない
      筈の物をたった3年でここまで回復させるとは」

    勇者「あはは、3年も長い間お世話になりました」

    戦士長「・・・本当に魔王城までご同行する者がいなくても宜しいのですか?」

    勇者「ええ、これでも勇者だったんですからね、確かに僕の使える魔力は
      もうごくわずかですが・・・・体技とかでは負けないですから」

    戦士長「いえ、貴方様は今でも私達にとって勇者様なのです。
       この御恩は・・・・・一生忘れませんぞ」

    僧侶1「本当に元気になって良かったです・・・!」

    932 = 787 :

    「・・・・勇者様」

    勇者「何ですか?」

    「・・・本当に王国の者達、そしてその他の人々に真実を伝えなくて
      宜しいのですか?私はいつでも罰を受ける覚悟はできています」

    勇者「あはは、そんな事しなくていいって言ってるじゃないですか。
      知らないほうが幸せですよ」

    「・・・私は人間は決して貴方様が勇者として世界を救ったという事を
      忘れません。かならず王家に語り継いでいきましょう」

    勇者「・・・それは光栄ですね、それでは皆さん」

    勇者「またお会いできたら」ニコ

    933 = 787 :

    元気になるまで3年もかかっちゃったなぁ。
    魔王や側近さんや村の方々・・・・皆元気かなぁ。
    早く皆に会いたいなぁ・・・・。

    僕が生きてるって知ったら魔王はどんな顔するんだろう?
    できたら笑ってほしいな。

    側近さんは相変わらず厳しそうだなぁ。

    村のエルフの女の子とかはどうなってるのかな?
    村長さんも元気かな。
    会いたい人がたくさんいるよ。

    勇者「まぁ、自分で見に行けばいいよね」

    その笑顔はぎこちない。
    上を見上げると空は青く、透き通っている。

    勇者「今、会いに行くよ」


                                本当に終了

    934 = 527 :


    面白かった

    935 :

    おつかれ!ありがとう、楽しかった!

    936 :

    乙!
    久々にいいものが見れたよ

    938 :


    感動した

    939 :

    おつかれさまでした。
    本当にいい作品でした

    941 :

    保守した甲斐があったというもんだ



    >>1

    942 = 787 :

    皆さんのご協力がなかったらとても完結する事はできませんでした。
    本当にありがとうございました;

    944 :

    おつおつ!よかったよ!

    945 :

    乙、良かったよ!

    946 = 527 :

    俺、勇者の復活はトグロ兄的なので補完してたけどグロくなくてよかった

    947 = 783 :

    感動しました!
    本当にいい作品でした。
    これで初めてってすごいですね。
    このような仕事をしているんですか?

    948 :

    初代の魔王や初代勇者よりも

    勇者が生きていた経緯
    死んだと思われた3年間何をしていたのか
    を一言でも描くほうが大事だと思う

    949 :

    乙!
    最後まで良かった


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