元スレ女「私すごく不器用ですしっ、つ、つつつ付き合うとかそんにゃっ」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★
101 = 83 :
いいなあ
102 = 31 :
女「私は何話したらいいか分からないくらい緊張してるかも」
女「自分から話しかけられないくらい……」
男「そっか」
女「……ごめんね」
男「じゃあ、俺が話すからさ」
男「適当に盛り上げてよ。……あ、無理にやらなくていいから。相槌うってくれるだけでも嬉しいし」
男「お互い歯車合わなくっても、でも、お互い不器用なんだし、それが当然みたいなもんだろ?」
女「……ふ、ふふっ」
女「うんっ。そうだね。不器用だもんね」
103 = 31 :
男「映画よく見るの?」
女「うん」
男「じゃあ映画館いくんだ?」
女「そうでもない……かも」
男「週末にTVでやってる洋画劇場とかロードショーとか?」
女「えっと、ね。お母さんが、借りてくる」
男「レンタル?」
女「そうそう。それでね、お母さんの付き合いで見るの」
男「へぇ……」
女「結構私、泣いちゃうんだよ。あ、普段泣いた事とかないんだけど。映画とか本とかではなんかね、泣いちゃう」
104 = 45 :
これすっごくいいよなああもうすごくいいよ
105 = 31 :
女「あ、でも、泣いちゃうとか、……あーなんか私可愛こぶってるかな」
男「そう? 普通じゃない?」
女「そうかな」
男「俺も泣くよ。わんわん泣く。今日も多分泣くと思う」
女「うっそ。男くんが?」
男「上映中に声出して泣いてたらごめんな」
女「ちょっと想像できないよ」
男「いつも一人で映画館行って、一人で泣いてるからさ」
男「今日は女さん居るし。正直なところ俺もどうなるかさっぱりかも」
男「女に涙は見せられない、ってよく言うし」
女「男くんが泣くとこ見てみたいから、思いっきりないていいからね」
女「あー、なんか映画みるよりもそっちの方が楽しみになってきたかも」
106 :
女かわいい
107 = 31 :
男「いやいや、今日観る奴はお勧めだから。しっかりと見てください。お願いします」
女「お願いされちゃった。ちぇ」
男「でも今日観る映画、もしかしたら女さんには合わないかも」
男「特段エンターテイメントってわけでもないし。眠くなっちゃったりとかするかも」
女「うーん、多分大丈夫。お母さんも静かな映画好きだし……って、お母さんはそれで途中でよく寝ちゃうんだけど」
女「私は最後までしっかり見れちゃう」
女「(それに……男くんの隣で座ってる状況なんて、ドキドキしすぎて寝れちゃうはずないしね)」
男「そっか…………、あ……」
女「どうしたの?」
108 = 31 :
男「いやぁ、なんか普通に喋れてるなぁ、と思って」
女「そういえば」
男「ちょっと、ほぐれた?」
女「ふふっ。……うん。おかげさまだよ」
男「……っあ! やっべ……やっぱ俺緊張してたみたいだ」
女「どどどどうしたの?」
男「道間違えた……」
109 = 31 :
チケット売り場
「ご希望のお席ございますか?」
男「えっと、真ん中ぐらいで」
「申し訳ありません。今そのあたりは混み合ってまいりまして」
「お二人さま並んだお席ですと、やや前の方か後ろより……あとは、通路側になってしまうんです」
男「え? えっと……ど、どっちがいいかな?」
女「ふぇっ? ど、どどっちかな。わかなんないや」
「ふふ。では、通路側のお席などいかがでしょうか?」
男「あ……そ、それでお願いします」
女「お願いします」
「学生様、お二人で3000円になります」
「学生証のご提示、お願いします」
110 = 31 :
男「俺としたことが学生証忘れちゃうなんて……」
女「でも、受け付けのお姉さんいい人、次回からで良いって言ってくれたし。良かったよ」
男「けど、ちょっと、笑われちゃったなぁ」
女「……ね」
男「俺が道間違わなければ、真ん中の良い席とれて、チケット買うのももっとスムーズだったかも」
女「そんな。あんまり気にしないほうがいいよ。ポジティブにいこうよ!」
男「ポジティブ……」
女「私たちが不幸な分だけ、誰かが幸せになってたりするんだよ!」
女「ほら、私たちが狙ってた席を、別の誰かが座れたってことでしょ? 良かったじゃん♪」
男「……うん。大変脆そうな論理でポジティブかどうかは疑問だけど」
男「ちょっと励まされたかも」
111 = 31 :
2時間後
男「うっ……うぐっ。ひぐっ……うううう」ポロポロ
女「(ほんと声だして泣いてる……)」
女「(まさか本当に……ど、どんな顔して泣いてるんだろ)」
女「(泣き顔とか見ちゃっていいのかな……うーん……ちょっとだけ見ちゃおうかな)」
女「……」チラッ
男「うう……ぐすっ」ポロポロポロ
女「……え」ドキッ
女「(わ……ぁ)」
女「(なんてやさしい目、してるんだろう)」
男「ひぐっ……ずずっ」ポロポロ
女「……」ジッ
112 = 85 :
ガチで泣いてる顔はもれなくブサイク
113 = 31 :
男「……面目ない」
女「しょ、しょうがないよ。すごくいい映画だったし。無理もないよ」
女「(途中からスクリーンより男くんばっかり見てたから、ストーリーあやふやだけど)」
男「うん……よかった。すごく良かった。今日のは収穫だったかもしれない」
男「こんなに感情移入させられる映画は初めてだった」
女「そっか。よかったねぇ」
男「付き合ってくれて、ありがとうね。映画」
女「え、そ、そんな。私なんか居て逆に集中できなかったんじゃない?」
男「そんなことない……とは言えないか。最初、やっぱり緊張してたよ」
男「いつも一人で映画館にきてるのに、いきなり女の子と一緒になんて、ちょっとハードル高かったし」
114 = 62 :
男かわいいな
115 = 31 :
男「でも、だんだんさ……映画に集中してきて、それで、劇中の台詞とかが心に刺さってきてさ」
男「感動したんだ」
男「それで、ちょっと……ちょっとだけ、女さんの方見たら」
男「すごく真剣にスクリーン見ててくれてて。もしかしたら、今その時、女さんも俺と同じように感動したかもしれない」
男「って……そういう風に思えて」
男「そしたら、なんか、もう……止まんなくて。涙とか、その……スクリーン見続けるのが精一杯になっちゃったっていうか」
男「あーー……またなんか俺恥ずかしい事言ってる。ってかうあーーー言い訳にもならねぇかっこわりぃ……」
女「う、ううん。大丈夫大丈夫。なんか一緒に来た甲斐があったみたいで良かったよ」
女「だから、その…………よかったら、また……」
男「?」
女「また、誘って、欲しい、……な」
116 = 31 :
男「う、うっそ。まじ? いいの?」
女「え? な、なんで?」
男「また俺同じように一人で盛り上がって、勝手に泣いちゃうかもしれないし」
男「起伏の少ない情緒ぐらいしかない映画見せちゃうかもしれないし」
女「いいよ」
男「……いいの?」
女「しつこいですよ?」
男「敬語キタ」
女「……男くんは、ずるいよ。なんでも正直に言えちゃって」
男「うぇ? ご、ごめん。そんなつもりじゃ」
女「正直で、真っ直ぐで……それは不器用には違いないんだろうけど」
女「……あぁ、もうっ。私まで、言いたくないこと言っちゃいそうになる」
117 = 31 :
女「今日の映画、ちょっと難しかった。でも、時々心に響いたりして」
女「それでね、泣いてる男くん見て、ちょっと羨ましかったの」
女「私の見方と男くんの見方はきっと違うんだろうなって」
女「男くんの見る世界は、きっともっと、別の次元なんだろうなって」
男「……」
女「だから、……う、うまく、いえないけど」
女「言葉選び、悪いかも……っていうか、他意は無いんだけど」
女「男くんの事、もっと知りたくなった………………ん、だ」
女「…………な、なんてね。ふへへ」
男「俺も」
女「ん?」
男「俺も女さんの事、もっと知りたい」
118 = 31 :
女「そ」
女「そっか……。そかそか」
女「需要と供給がいい具合なんだねぇ私たち。よかったよかった」
男「ほんと言うとね、こんなに素の自分が出せる相手って、女さんくらいかも」
女「……私も、なんだかんだ、男くんと居ると、素が出ちゃう」
女「緊張もするけど、それと同じくらい安心してて」
女「お母さんぐらいだよ。こんな気持ちで話せる相手って」
男「俺は、なんだかんだ母ちゃんにも父ちゃんにも見栄張っちゃうから」
男「家族以上かも」
女「……へへ、素直にうれしいかも」
男「俺も。一方通行じゃなくて、安心した」
男「よかった……」
119 = 62 :
④
完走してくれよな
120 = 31 :
それから私たちは、ご飯を食べにファーストフード店に入りました。
はじめはおしゃれなカフェとか、レストランに入ろうとしたけど、敷居が高かったり混んでたり値段が相応じゃなかったりで。
何件もあーでもないこうでもない、と探し回った挙句、二人同時にお腹の虫が鳴って、その時目の前にあったのがMのマークでお馴染みのお店。
とはいえ、ジャンクフードをめったに食べない私にとっては、ハンバーガーとポテトで十分ごちそうでした。
野菜っ気の無いバーガーを頬張りながら、私たちはお互いの事を聞いて、お互いの事を話した。しまくった。
好きな本とか、好きな音楽とか、好きなアニメとか、好きな俳優とか、好きな食べ物とか、好きな動物とか、好きな色とか、好きな家電とか、好きな科目とか、好きな時代とか、好きな武将とか、好きな武将とか、好きな武将とか。
好きなものが共通してたり、逆に苦手だったり。男くんが好きなものに興味もったり。
妙に話が合ったのは、……うん。おわかりの通り、歴史についてでした。
男「いやぁっ、IFを語りだすとやっぱ切りがないけどロマンがあるよなぁっ!」
女「男君、詳しすぎ。私なんて中学校の時たまたま熱心な社会科の先生がいたから……ってだけなのに」
男「よかったら今度本貸すから。司馬とか吉川とか海音寺とか宮城谷とか!」
女「ほんと? じゃあ、読みやすいやつからがいいかも」
男「おうおう、任せとけって」
121 = 31 :
女「(なんか、不思議)」
女「(友ちゃんとかに、お勧めの本とか音楽とか言われても、全然ピンとこないのに)」
女「(男くんから言われると、なんか、すごく興味が湧いてくる)」
女「(やっぱり、これも……男くんの事を『知りたい』からかなぁ)」
男「あ、そうだ。聞いときたいことまだあった」
女「ふふっ、なんか思った以上にキリがないよね。何かな」
男「女さんの家族って、どんな感じ?」
女「あー」
女「別に、普通だよ?」
男「家族に普通とかあるのか」
女「わかんない。でも、まぁ、普通? かな」
122 = 31 :
男「普通じゃわからんなー。具体的に知りたいな」
女「えー。まぁ、いいけど」
女「えっと、わたしはねー。大事な大事な、箱入り一人娘でね」
男「へぇー」
女「こらこら、感情がこもってないぞ?」
男「つづきはやくー」
女「もー。……それから、両親は共働きでね。お母さんは、看護士さん」
男「ふむふむ」
女「お父さんは……、ふつーのサラリーマンさん」
男「どんな仕事?」
女「えー、なんだろ。私も良く知らない。なんとか証券? とか」
女「ほとんど家に帰ってこないしね」
123 :
はいはいはい!!!
124 = 31 :
男「共働きか……、家に一人で居ること多いんだ?」
女「うーん、まぁ、そう言われればそうかな」
男「さびしくないの?」
女「馴れちゃったっていうのが正直なところかも」
男「なら、いいけど」
女「まぁうちの事はいいからさ。男くんの家族の話。聞きたいな」
男「そんなに聞きたいなら話すけど。うちも普通だって。女さんのところ以上に」
女「いいからいいから。聞かせてよ」
女「もしなにか話せないような事でもあるなら、無理には聞かないけどね」
男「いやそんなことは無いけど……まぁ、いいか」
男「うちは、姉と妹がいて。二人に頭あがんなくてさ……」
女「うんうん」
125 :
なにこれ死にたい
126 = 31 :
最寄り駅 改札出口
男「……じゃ、俺バスだから」
女「うん……。今日は、ありがとう」
男「こっちこそ。また学校で。みんなが居る所だと、まだなかなか話せないかもしれないけど……」
女「だ、大丈夫。放課後とか、会えたら。いつも通り」
女「そうだ。今度お姉さんと妹さんに会わせてね。話聞いたら会ってみたくなっちゃった」
男「げぇ。……それは勘弁願いたい」
男「願いたい、けど……」
男「でも、俺は、俺の家族に女さんを紹介したいなって気持ちもあるかも」
女「ほんと? じゃあ今度は男くんの家に遊びに行っちゃおうかな」
男「まぁ、うん。いいよ。でもその代わり、女さんの家にも行っていいよね?」
女「……え?」
127 = 31 :
男「女さんの家族、見てみたいかも」
男「特にお母さん。映画好きみたいだし」
女「そ、そうだね……。いつかね」
男「うん。楽しみにしとく」
女「あはは、うちの家族なんてそんな楽しめるもんじゃないよ~」
男「そんな事ないって。女さんの事知る上で、女さんの家族ってすごく重要でしょ?」
女「それは、まぁ……そうだけど」
男「ね? ……じゃあ、そういうことで」
女「うん。……また、明日」
男「また明日」
129 = 31 :
自宅
女「……ただいま」
女「お母さん、いる?」
女「……あ、今日夜診かぁ」
女「休日なのに」
女「…………どしよかな」
女「テスト近いし、勉強、とか」
女「……は、めんどくさいや。TVでもつけ……」
女「………………『さびしくないの?』だってさ」
女「そういうの、忘れちゃってたなぁ」
女「……男、くん……」
女「もっと、話したかった……もっと…………」
女「さび………し………ょ……………」
130 = 31 :
寝る
陰毛もじゃもじゃ
131 :
おい
132 = 131 :
ほ
134 = 131 :
ゅ
135 :
おやすみ
続き待ってるぞ
136 = 131 :
お
138 = 131 :
じ
143 :
お
144 :
り
145 = 131 :
ば
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