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    元スレ女「私すごく不器用ですしっ、つ、つつつ付き合うとかそんにゃっ」

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    101 = 83 :

    いいなあ

    102 = 31 :

    「私は何話したらいいか分からないくらい緊張してるかも」

    「自分から話しかけられないくらい……」

    「そっか」

    「……ごめんね」

    「じゃあ、俺が話すからさ」

    「適当に盛り上げてよ。……あ、無理にやらなくていいから。相槌うってくれるだけでも嬉しいし」

    「お互い歯車合わなくっても、でも、お互い不器用なんだし、それが当然みたいなもんだろ?」

    「……ふ、ふふっ」

    「うんっ。そうだね。不器用だもんね」

    103 = 31 :

    「映画よく見るの?」

    「うん」

    「じゃあ映画館いくんだ?」

    「そうでもない……かも」

    「週末にTVでやってる洋画劇場とかロードショーとか?」

    「えっと、ね。お母さんが、借りてくる」

    「レンタル?」

    「そうそう。それでね、お母さんの付き合いで見るの」

    「へぇ……」

    「結構私、泣いちゃうんだよ。あ、普段泣いた事とかないんだけど。映画とか本とかではなんかね、泣いちゃう」

    104 = 45 :

    これすっごくいいよなああもうすごくいいよ

    105 = 31 :

    「あ、でも、泣いちゃうとか、……あーなんか私可愛こぶってるかな」

    「そう? 普通じゃない?」

    「そうかな」

    「俺も泣くよ。わんわん泣く。今日も多分泣くと思う」

    「うっそ。男くんが?」

    「上映中に声出して泣いてたらごめんな」

    「ちょっと想像できないよ」

    「いつも一人で映画館行って、一人で泣いてるからさ」

    「今日は女さん居るし。正直なところ俺もどうなるかさっぱりかも」

    「女に涙は見せられない、ってよく言うし」

    「男くんが泣くとこ見てみたいから、思いっきりないていいからね」

    「あー、なんか映画みるよりもそっちの方が楽しみになってきたかも」

    106 :

    女かわいい

    107 = 31 :

    「いやいや、今日観る奴はお勧めだから。しっかりと見てください。お願いします」

    「お願いされちゃった。ちぇ」

    「でも今日観る映画、もしかしたら女さんには合わないかも」

    「特段エンターテイメントってわけでもないし。眠くなっちゃったりとかするかも」

    「うーん、多分大丈夫。お母さんも静かな映画好きだし……って、お母さんはそれで途中でよく寝ちゃうんだけど」

    「私は最後までしっかり見れちゃう」

    「(それに……男くんの隣で座ってる状況なんて、ドキドキしすぎて寝れちゃうはずないしね)」

    「そっか…………、あ……」

    「どうしたの?」

    108 = 31 :

    「いやぁ、なんか普通に喋れてるなぁ、と思って」

    「そういえば」

    「ちょっと、ほぐれた?」

    「ふふっ。……うん。おかげさまだよ」

    「……っあ! やっべ……やっぱ俺緊張してたみたいだ」

    「どどどどうしたの?」

    「道間違えた……」

    109 = 31 :

    チケット売り場

     「ご希望のお席ございますか?」

    「えっと、真ん中ぐらいで」

     「申し訳ありません。今そのあたりは混み合ってまいりまして」

     「お二人さま並んだお席ですと、やや前の方か後ろより……あとは、通路側になってしまうんです」

    「え? えっと……ど、どっちがいいかな?」

    「ふぇっ? ど、どどっちかな。わかなんないや」

     「ふふ。では、通路側のお席などいかがでしょうか?」

    「あ……そ、それでお願いします」

    「お願いします」

     「学生様、お二人で3000円になります」

     「学生証のご提示、お願いします」

    110 = 31 :

    「俺としたことが学生証忘れちゃうなんて……」

    「でも、受け付けのお姉さんいい人、次回からで良いって言ってくれたし。良かったよ」

    「けど、ちょっと、笑われちゃったなぁ」

    「……ね」

    「俺が道間違わなければ、真ん中の良い席とれて、チケット買うのももっとスムーズだったかも」

    「そんな。あんまり気にしないほうがいいよ。ポジティブにいこうよ!」

    「ポジティブ……」

    「私たちが不幸な分だけ、誰かが幸せになってたりするんだよ!」

    「ほら、私たちが狙ってた席を、別の誰かが座れたってことでしょ? 良かったじゃん♪」

    「……うん。大変脆そうな論理でポジティブかどうかは疑問だけど」

    「ちょっと励まされたかも」

    111 = 31 :

     2時間後

    「うっ……うぐっ。ひぐっ……うううう」ポロポロ

    「(ほんと声だして泣いてる……)」

    「(まさか本当に……ど、どんな顔して泣いてるんだろ)」

    「(泣き顔とか見ちゃっていいのかな……うーん……ちょっとだけ見ちゃおうかな)」

    「……」チラッ

    「うう……ぐすっ」ポロポロポロ

    「……え」ドキッ

    「(わ……ぁ)」

    「(なんてやさしい目、してるんだろう)」

    「ひぐっ……ずずっ」ポロポロ

    「……」ジッ

    112 = 85 :

    ガチで泣いてる顔はもれなくブサイク

    113 = 31 :

    「……面目ない」

    「しょ、しょうがないよ。すごくいい映画だったし。無理もないよ」

    「(途中からスクリーンより男くんばっかり見てたから、ストーリーあやふやだけど)」

    「うん……よかった。すごく良かった。今日のは収穫だったかもしれない」

    「こんなに感情移入させられる映画は初めてだった」

    「そっか。よかったねぇ」

    「付き合ってくれて、ありがとうね。映画」

    「え、そ、そんな。私なんか居て逆に集中できなかったんじゃない?」

    「そんなことない……とは言えないか。最初、やっぱり緊張してたよ」

    「いつも一人で映画館にきてるのに、いきなり女の子と一緒になんて、ちょっとハードル高かったし」

    114 = 62 :

    男かわいいな

    115 = 31 :

    「でも、だんだんさ……映画に集中してきて、それで、劇中の台詞とかが心に刺さってきてさ」

    「感動したんだ」

    「それで、ちょっと……ちょっとだけ、女さんの方見たら」

    「すごく真剣にスクリーン見ててくれてて。もしかしたら、今その時、女さんも俺と同じように感動したかもしれない」

    「って……そういう風に思えて」

    「そしたら、なんか、もう……止まんなくて。涙とか、その……スクリーン見続けるのが精一杯になっちゃったっていうか」

    「あーー……またなんか俺恥ずかしい事言ってる。ってかうあーーー言い訳にもならねぇかっこわりぃ……」

    「う、ううん。大丈夫大丈夫。なんか一緒に来た甲斐があったみたいで良かったよ」

    「だから、その…………よかったら、また……」

    「?」

    「また、誘って、欲しい、……な」

    116 = 31 :

    「う、うっそ。まじ? いいの?」

    「え? な、なんで?」

    「また俺同じように一人で盛り上がって、勝手に泣いちゃうかもしれないし」

    「起伏の少ない情緒ぐらいしかない映画見せちゃうかもしれないし」

    「いいよ」

    「……いいの?」

    「しつこいですよ?」

    「敬語キタ」

    「……男くんは、ずるいよ。なんでも正直に言えちゃって」

    「うぇ? ご、ごめん。そんなつもりじゃ」

    「正直で、真っ直ぐで……それは不器用には違いないんだろうけど」

    「……あぁ、もうっ。私まで、言いたくないこと言っちゃいそうになる」

    117 = 31 :

    「今日の映画、ちょっと難しかった。でも、時々心に響いたりして」

    「それでね、泣いてる男くん見て、ちょっと羨ましかったの」

    「私の見方と男くんの見方はきっと違うんだろうなって」

    「男くんの見る世界は、きっともっと、別の次元なんだろうなって」

    「……」

    「だから、……う、うまく、いえないけど」

    「言葉選び、悪いかも……っていうか、他意は無いんだけど」

    「男くんの事、もっと知りたくなった………………ん、だ」

    「…………な、なんてね。ふへへ」

    「俺も」

    「ん?」

    「俺も女さんの事、もっと知りたい」

    118 = 31 :

    「そ」

    「そっか……。そかそか」

    「需要と供給がいい具合なんだねぇ私たち。よかったよかった」

    「ほんと言うとね、こんなに素の自分が出せる相手って、女さんくらいかも」

    「……私も、なんだかんだ、男くんと居ると、素が出ちゃう」

    「緊張もするけど、それと同じくらい安心してて」

    「お母さんぐらいだよ。こんな気持ちで話せる相手って」

    「俺は、なんだかんだ母ちゃんにも父ちゃんにも見栄張っちゃうから」

    「家族以上かも」

    「……へへ、素直にうれしいかも」

    「俺も。一方通行じゃなくて、安心した」

    「よかった……」

    119 = 62 :


    完走してくれよな

    120 = 31 :

     それから私たちは、ご飯を食べにファーストフード店に入りました。
     はじめはおしゃれなカフェとか、レストランに入ろうとしたけど、敷居が高かったり混んでたり値段が相応じゃなかったりで。

     何件もあーでもないこうでもない、と探し回った挙句、二人同時にお腹の虫が鳴って、その時目の前にあったのがMのマークでお馴染みのお店。
     とはいえ、ジャンクフードをめったに食べない私にとっては、ハンバーガーとポテトで十分ごちそうでした。
     
     野菜っ気の無いバーガーを頬張りながら、私たちはお互いの事を聞いて、お互いの事を話した。しまくった。
     好きな本とか、好きな音楽とか、好きなアニメとか、好きな俳優とか、好きな食べ物とか、好きな動物とか、好きな色とか、好きな家電とか、好きな科目とか、好きな時代とか、好きな武将とか、好きな武将とか、好きな武将とか。

     好きなものが共通してたり、逆に苦手だったり。男くんが好きなものに興味もったり。
     妙に話が合ったのは、……うん。おわかりの通り、歴史についてでした。


    「いやぁっ、IFを語りだすとやっぱ切りがないけどロマンがあるよなぁっ!」

    「男君、詳しすぎ。私なんて中学校の時たまたま熱心な社会科の先生がいたから……ってだけなのに」

    「よかったら今度本貸すから。司馬とか吉川とか海音寺とか宮城谷とか!」

    「ほんと? じゃあ、読みやすいやつからがいいかも」

    「おうおう、任せとけって」

    121 = 31 :

    「(なんか、不思議)」

    「(友ちゃんとかに、お勧めの本とか音楽とか言われても、全然ピンとこないのに)」

    「(男くんから言われると、なんか、すごく興味が湧いてくる)」

    「(やっぱり、これも……男くんの事を『知りたい』からかなぁ)」

    「あ、そうだ。聞いときたいことまだあった」

    「ふふっ、なんか思った以上にキリがないよね。何かな」

    「女さんの家族って、どんな感じ?」

    「あー」

    「別に、普通だよ?」

    「家族に普通とかあるのか」

    「わかんない。でも、まぁ、普通? かな」

    122 = 31 :

    「普通じゃわからんなー。具体的に知りたいな」

    「えー。まぁ、いいけど」

    「えっと、わたしはねー。大事な大事な、箱入り一人娘でね」

    「へぇー」

    「こらこら、感情がこもってないぞ?」

    「つづきはやくー」

    「もー。……それから、両親は共働きでね。お母さんは、看護士さん」

    「ふむふむ」

    「お父さんは……、ふつーのサラリーマンさん」

    「どんな仕事?」

    「えー、なんだろ。私も良く知らない。なんとか証券? とか」

    「ほとんど家に帰ってこないしね」

    123 :

    はいはいはい!!!

    124 = 31 :

    「共働きか……、家に一人で居ること多いんだ?」

    「うーん、まぁ、そう言われればそうかな」

    「さびしくないの?」

    「馴れちゃったっていうのが正直なところかも」

    「なら、いいけど」

    「まぁうちの事はいいからさ。男くんの家族の話。聞きたいな」

    「そんなに聞きたいなら話すけど。うちも普通だって。女さんのところ以上に」

    「いいからいいから。聞かせてよ」

    「もしなにか話せないような事でもあるなら、無理には聞かないけどね」

    「いやそんなことは無いけど……まぁ、いいか」

    「うちは、姉と妹がいて。二人に頭あがんなくてさ……」

    「うんうん」

    125 :

    なにこれ死にたい

    126 = 31 :

     最寄り駅 改札出口

    「……じゃ、俺バスだから」

    「うん……。今日は、ありがとう」

    「こっちこそ。また学校で。みんなが居る所だと、まだなかなか話せないかもしれないけど……」

    「だ、大丈夫。放課後とか、会えたら。いつも通り」

    「そうだ。今度お姉さんと妹さんに会わせてね。話聞いたら会ってみたくなっちゃった」

    「げぇ。……それは勘弁願いたい」

    「願いたい、けど……」

    「でも、俺は、俺の家族に女さんを紹介したいなって気持ちもあるかも」

    「ほんと? じゃあ今度は男くんの家に遊びに行っちゃおうかな」

    「まぁ、うん。いいよ。でもその代わり、女さんの家にも行っていいよね?」

    「……え?」

    127 = 31 :

    「女さんの家族、見てみたいかも」

    「特にお母さん。映画好きみたいだし」

    「そ、そうだね……。いつかね」

    「うん。楽しみにしとく」

    「あはは、うちの家族なんてそんな楽しめるもんじゃないよ~」

    「そんな事ないって。女さんの事知る上で、女さんの家族ってすごく重要でしょ?」

    「それは、まぁ……そうだけど」

    「ね? ……じゃあ、そういうことで」

    「うん。……また、明日」

    「また明日」

    129 = 31 :

     自宅

    「……ただいま」

    「お母さん、いる?」

    「……あ、今日夜診かぁ」

    「休日なのに」

    「…………どしよかな」

    「テスト近いし、勉強、とか」

    「……は、めんどくさいや。TVでもつけ……」

    「………………『さびしくないの?』だってさ」

    「そういうの、忘れちゃってたなぁ」

    「……男、くん……」

    「もっと、話したかった……もっと…………」

    「さび………し………ょ……………」

    130 = 31 :

    寝る



    陰毛もじゃもじゃ

    131 :

    おい

    132 = 131 :

    134 = 131 :

    135 :

    おやすみ
    続き待ってるぞ

    136 = 131 :

    138 = 131 :

    143 :

    144 :

    145 = 131 :


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