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    元スレディオ「学園都市・・・?」

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    151 = 110 :

    気づけなかった。

    理屈ではない何かが『コイツはヤバイ』と感じ取った。

    全身から冷や汗が流れ、無意識に右手を握り締める。

    『何としてもコイツからインデックスを遠ざけなければ』と脳細胞に全力で血液を送る。

    152 = 110 :

    女は腰に2メートルはありそうな日本刀をぶら下げており、ピリピリとした殺気が、これは間違いなく真剣なのだと語っていた。

    上条はインデックスを背に庇い、その女と対峙する。

    「神裂火織と申します。……できる事なら、もう一つの名前は名乗りたくないのですが」

    そう言いながら刀に手をかける。

    「お前が、インデックスを狙う『敵』ってわけか」

    153 = 110 :

    レベル4どころではない、邪魔者を葬り去るための刺々しい重圧に押しつぶされそうになる。

    「……その子に……そう聞いたわけですか」

    ふと、インデックスを見るその目が、どこか寂しそうに見えた様な気がした。

    「率直に言って、あなたではその子を守り切る事は出来ません。どうかインデックスを保護させてくれませんか」

    154 = 110 :

    背中に感じるインデックスの体温が、上条の震えを止める。

    インデックスが震えている事に気付くと、全身を燃え尽きるほどの情熱が駆け巡った。

    「とうま……」
    「インデックス、下がってろ。こいつは俺が倒す」

    そう言ってインデックスを逃し、その間に割って入る。

    155 = 110 :

    「……仕方ありません」と、神裂が目をつむった次の瞬間、上条に斬撃が襲いかかった。

    慌てて跳び下がると、アスファルトの道路が引き裂かれ、傷ついた上水管から水が溢れ出した。

    神裂と上条の間には10メートルほどの距離があり、明らかに日本刀の間合いではない。

    神裂の攻撃であることは分かるが、上条には予備動作さえ見切れなかった。

    156 = 110 :

    ワザと外されたのだ。

    「……ッ!」

    あまりにもかけ離れた実力の差を痛感する。

    「もう一度問います。魔法名を名乗る前に、彼女を保護させてください。我々は彼女を傷つけるつもりはありません」

    神裂の冷たい瞳が上条を射抜く。

    「ゥ……クソが、ふざけんなッ!」

    157 = 110 :

    それでも引く気はなかった。

    自分が守ることを諦めたら、この斬撃はインデックスを襲うのだ。

    「何度でも問います」

    再び構えに入った神裂の右手がブレる。

    空気を切り裂く音が聞こえ、道端の車両が、歩道橋が、ガードレールが、バラバラに引き裂かれた。

    158 = 110 :

    砕けたアスファルトが上条を襲い、たまらずそこに倒れてしまった。

    「インデックスッ!」

    彼女の逃げた方向に視線を向けると、そこだけは不自然なくらい無傷だった。

    チン、と刀を納める音が響く。

    「魔法名を名乗る前に彼女を保護させて下さい、彼女を傷つけるつもりはありません」

    159 = 110 :

    神裂の冷たく繰り返す。

    「私の七天七刀が繰り出す斬撃は、あなたに躱しきる事は出来ません」

    あの斬撃は、おそらく異能の力だ。斬撃を飛ばし切り裂くことができるような『魔術』があの刀に施されているのだ。

    上条が無意識に右腕を抑えつける。

    「何を考えようと、同時に襲いかかる七つの刃をあなたが躱しきる事は不可能です」

    160 = 110 :

    『幻想殺し』で打ち消せるのは右腕で触れたものだけだ。

    あの斬撃を辛うじて打ち消した所で、残りの六つの刃が上条を切り裂くだろう。

    手詰まりだ。上条は冷静に自分を取り巻く状況をそう分析した。

    「幾重にも問いましょう」

    そう言って神裂は右手を柄に乗せる。

    161 :

    面白い

    162 = 110 :

    「インデエエエエックスッ!!ディオの側に隠れろッ!奴ならお前を見付けられるッ!!」

    いま自分が生きてるのは、神裂の『気まぐれ』でしかない。

    本気になればすぐにでも上条を殺して、インデックスを『保護』できるはずだ。

    163 = 110 :

    それをしないのは、インデックスを傷つける気がないと言うのが本当で、『出来ることなら俺のことも殺したくないから』だと上条は考えた。

    「さっさと行けえええッ!」

    そう叫びながら、全力で距離を詰める。

    殺したくないと言うのなら、『それを最大限利用してやろう』と考えたのだ。

    164 = 110 :

    少なくともインデックスが逃げ切る程度の時間は稼げるだろうと。

    ディオの事だ、どうせ既にもう一人の敵を倒していて、隠者の紫で観測したインデックスを保護してくれるだろう。

    任せろと言っておいて情けない話だが、インデックスが連れて行かれるよりはマシだ。

    『神裂が手加減に飽きるまで足止めしてやるッ!』

    165 = 110 :

    「七閃」

    突然殴りかかってきた上条を見て、ため息と共に斬撃を繰り出す。

    上条に襲いかかる七つの刃は、その右手に触れ、そのまま消えること無く切り裂いた。

    「なッ!?」

    この刃が異能であれば、幻想殺しで打ち消せたはずだ。

    それはつまり、
    「ワイヤーか……」

    166 = 110 :

    右腕を抑えてその場に屈み込み、顔を上げる。

    上条の血液が七本の鋼糸を映し出していた。

    「何を考えているのか知りませんが、あなたでは私の斬撃を躱しきる事は出来ません。繰り返します」

    そう語りながら近付いて来る神裂の言葉を遮る。

    167 = 110 :

    「渡さねぇ……」

    既に右腕の感覚はないが、その拳は固く握られていた。

    「何ですか?聞こえなかったのですが」

    「うるせえってんだよッ!!」

    雄叫びを上げて眼の前の女に殴りかかるが、神崎のブーツが上条の脇腹に突き刺さる。

    168 = 110 :

    蹴り飛ばされて、胃袋の中身をまき散らしながら藻掻く上条に、神裂が声を掛ける。

    「もういいでしょう」

    それは掠れるような声だった。

    「あなたは十分やったでしょう、これ以上あの子のために傷つく理由は無いはずです」

    「……」

    上条はその言葉を聞きながら、インデックスの事を思う。

    169 = 110 :

    お腹を空かせたあのシスターを、ソファーに乗って胸を張っていた事を。

    そういやディオに怒鳴られて涙目にもなってたな、と想い出した。

    俺はあの笑顔を見ていたいんだ。

    瀕死の上条の中で黄金色の風が巻き起こった。

    「アンタは……俺の思ってた悪いやつじゃない」

    170 = 110 :

    神裂は、そう呟きながら自分を見つめる上条に、声を掛けられずに居た。

    「そのワイヤーは一度もインデックスの方に飛んで行かなかったし、俺の右手を切った時もアンタには躊躇いがあった。
    人が傷つくことに何も感じない『漆黒の殺意』が無いんだ、だからどうやったって悪人にはなれない」

    神崎は既にその右手を柄から下ろしていたが、意識の朦朧とした上条はそれに気付かない。

    171 = 110 :

    「だけどアンタの仲間はそうとは限らない、だから俺はアンタにインデックスを渡す気はねーし、
    アンタみたいに強い奴こそが『敵』からインデックスを守ってくれたらと思ってる」

    上条は歯を食いしばりながら続ける。

    172 = 110 :

    「俺はさ、テメェの命張って、死に物狂いで戦ったって、アンタに指一本触れられねー負け犬だよ。
    でもな、アンタは違うだろ。守れるだけの強さがあるだろ。アイツを地獄の底から救ってやれるだろ」

    それは、無力な男の慟哭だった。

    「なんでアイツを救ってやんねえんだよ」

    長い沈黙の後、神裂がそれを破った。

    173 = 110 :

    「私だって……、彼女を助けてあげたいんですよ」

    上条は耳を疑った。

    「じゃあなんでッ!」

    怒りで全身が沸騰しそうな上条は、
    「けれど、こうしないと彼女は死んでしまうんです」

    そう聞いて愕然とした。

    ワケが解らなかった。

    174 = 110 :

    じゃあなんだ、目の前のコイツは実はインデックスを助けに来た正義の味方で、それと戦ってた俺はいったい何なんだ?

    「あの子には、1年以上前の記憶がありません」

    ついて行けなかった、アイツはそんな事一言も……。

    175 :

    石仮面をそげぶして終わる、に2ガバス

    176 = 110 :

    「その様子では、聞かされていなかった様ですね。あの子は、生まれ持った完全記憶能力によって、10万3千冊の魔導書を記憶しています。
    そしてその記憶が、あの子の脳を圧迫しています」

    「何を……」

    177 = 110 :

    「彼女の脳の85%は10万3千冊の魔導書で埋まっています。
    あの子の残った15%の脳は、並の人間と同じように記憶していけばすぐに埋まってしまうんですよ」

    神裂が肩を震わせている。

    178 = 110 :

    それを見つめる上条は、あれほど全身を駆け巡っていた激情が、急速に冷え切っていくのをただ感じていた。

    「だから消さないといけないんです。あの子の思い出と共に。そしてそれは私達にしか出来ない」

    そう零した神裂は上条にとって、最早立ち向かうべき敵ではなかった。

    179 = 110 :

     第4話 めぐる世界

     「君を殺す者の名前だ」

    ステイルがそう言い放った瞬間、彼はまるで全身が凍り付いたかのような感覚に襲われた。

    建物ごと揺らしかねない程の圧力と共に、パタンと携帯を閉じて、ゆっくりと立ち上がった。

    180 = 110 :

    「よかろう、やってみろ。このディオに対して!」

    ステイルは自らの認識を改めた。

    先ほどまでは、ただの偶然で禁書目録と出会い、ただ流されるままに巻き込まれた少年を、ほんの少し脅してやればいいのだと、そう考えていた。

    だが目の前にいるこの男は明らかに違った。

    181 = 110 :

    音もなく忍び込んだ自分を前にしても、カケラの同様も見えず、焦げ付くような殺気を放っている。

    全力で立ち向かわなければならない相手だと、ステイルの第六感がけたたましく警報を鳴らしていた。

    「炎よ巨人に苦痛の贈り物を」

    詠唱と共にステイルの手の中に現れた灼熱の炎剣を、夕日をせに佇むディオに投げつけた。

    182 = 110 :

    床を、壁を、飾られた調度品をその灼熱でドロドロに溶かしながら、炎剣がディオを目掛け飛んでいく。

    「ハーミット・パープルッ!」

    炎剣はディオを巻き込み、窓を突き破ると閃光と共に爆音を上げた。

    窓……だったそこは、爆発によってぽっかりと穴を開けていた。

    183 = 110 :

    ステイルは確実に命中したと言う、確かな手応えを感じながらも、緊張を解くことが出来ずに居た。

    今放った炎剣は摂氏3000度の炎獄の炎だ、正面からくらえば自分でもただでは済まない。

    「……」

    燃え盛る部屋に火災感知器を見付け、それが動作していない事を確認すると、そのまま呪文を紡ぐ。

    184 = 110 :

    「世界を構築する五大元素が一つ、偉大なる始まりの炎よ。

    其れは生命を育む恵みの光にして、邪悪を罰する裁きの光なり。

    其れは穏やかな幸福を満たし、凍える闇を滅する焔なり。

    その名は炎、その役は剣。

    顕現せよ、我が身を喰らいて力と為せッ!」

    185 = 110 :

    呪文の完成と共に、ステイルのマントの内側から巨大な炎がゴウゴウと音を立て、その醜悪な姿を表した。

    真紅に燃える炎の中に、重油の様にドロドロした黒い骨格が見える。

    人の姿をしたその黒い骸骨は、全身から炎を吐き出しているのだ。

    其の名は『魔女狩りの王』其の意は『必ず殺す』

    186 :

    なんの魅力も無いDIO様だな

    187 = 110 :

    「その醜いのが貴様の魔術と言うワケか」

    炎剣の爆発が創り出したその空間に、ディオは両手を組みながら浮いていた。

    その服は所々焦げ付いているが、その目には確かな余裕が伺える。

    ディオは、炎剣が投げつけられる直前に、隠者の紫を盾のように展開し光熱と爆風から見を守っていたのだ。

    188 :

    カリスマがない
    安っぽい感情で行動してるし

    189 = 110 :

    そして伸ばした茨を壁に突き刺し、自らの身体を支えている。

    ヴィジョンが超能力では傷つかない事を知っていたディオは、魔術もまた同じだと当然の様に認識していた。

    「イノケンティウスッ!」

    召喚された炎の魔神は、殺すべき者を見つけ、両手を広げて突き進む。

    190 :

    まーたステイヌさんか

    191 = 110 :

    「無駄だ……と言いたい所だが、その汚らしいクズと抱き合うのはごめんだからな、このまま失礼させてもらうよ」

    ディオはそう言って隠者の紫を操り上階に向かう。

    「くッ……逃したか!」

    そう吐き捨てるステイルの全身から嫌な汗が吹き出した。

    192 :

    いや一部ディオはこんな感じだろ

    194 = 110 :

    中に浮かんだディオを見た瞬間に、その皮の中に血や肉ではなく、
    何かもっとドス黒いものが詰まっているような気がして、背筋が凍り付いたように感じた。

    ここでアイツを逃しては不味いことになるッ!

    ステイルのルーンによって祭壇と化したマンションから、奴の気配を探ろうとした時、
    警報と共に天井に取り付けられたスプリンクラーが人口の洪水をまき散らした。

    195 :

    196 :

    黒ブルマとかwwwwwwwww
    ねえよ

    197 = 196 :

    すまんマジ誤爆

    198 :

    仮面前のディオなんて見下されただけでマジギレしそうなイメージあるけどな
    吸血鬼になってからは見下すような態度とる奴がいなくなったけど

    199 = 110 :

    「警報機……」

    ステイルは事前に火災感知器が自分の魔術に反応しない様に細工をしておいたが、
    装置そのものを殺してしまうわけにはいかなかったので、警報機のスイッチ自体は生きていたのだ。

    ずぶ濡れになりながらステイルは、この程度で僕の『魔女狩りの王』は消えはしない、と心のなかで呟いたが、
    心臓を鷲掴みにされたような嫌な予感が頭から離れなかった。

    200 = 110 :

    「まさか……ッ!そんな筈は無いッ!」

    空中に炎でルーンを描き、ディオの行方を探すが、奴はこのマンションの中には存在しなかった。

    ステイルの予感が確信に変わる。

    『奴はこっちのカラクリを知っているッ!!』

    すぐさまマンションの屋上へ向かう。


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