元スレまどか「ほむらちゃんが一人でたき火してる……?」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★★×5
301 = 147 :
ほむら「なに、学校に気になる男の子でも居るのかしら」
マミ「そういうわけじゃ……。うう、悪かったわね、つまらない漫画に興味持って!」
杏子「そんな話はしてねーだろ」
ほむら「ねぇ。ちょっと先を行く、先輩の話を聞いてみたいだけよ」
マミ「そういう悪意のある『先輩』の使い方はやめなさい……」ハァ…
両手で顔を覆い、深いため息をつく。
ほむら「それで……。ほんとに、居ないの? 男の子には興味有るんでしょう」
マミ「う………。うん、高校には……居ない、わね」
杏子「……? 他の場所で知り合ったのか?」
マミ「そうじゃなくて……。最初はふと、何となく興味を持って、
クラスの子なんかも改めて眺めてみたりしたのだけれど………」
ほむら「冴えない顔した男の子ばかりで嫌になるな、と」
マミ「違うわよ! そういうのじゃなくて、ただ、何だか……頼りないの」
杏子「頼りない?」
302 = 234 :
いるじゃないですか。頼りある後輩が、目の前に二人も。
でももう何も怖くなくなったりするのはやめてな。
303 = 147 :
マミ「お付き合いするって、実際どういう感じかなんて知らないけれど……。
でも、どんな人が良いのかなって考えると、頼れる人が良いなって思って……」
ほむら「……年上好き?」
マミ「……そう、なのかしら。何て言うか、せっかくならその、
あ、あ、甘えたい……というか………///」
ほむら「………ふふふ。そうね、マミならそうかもね」コクリ
勝手に納得してうなずくほむら。
マミ「何よ、私ならって……///」
マミ「……それで、同学年の男の子を見てみても、やっぱりまだ……子供なの、よね」
ほむら「手厳しいわね……」
マミ「私自身がまだまだ子供だから、当たり前なのだけれどね。
結局、そんな頼れる男の人に出会う機会もないし。漫画読んだりしてるだけよ」
杏子「ふーん。なるほどね。まぁ、今のところ男にゃ興味ないけど……。
あたしも父さんみたいな頼れる人なら安心できるかなぁ……」
ほむら「………」
304 = 152 :
マミさんの頭なでてあげたい
305 = 234 :
頼りある奴で、年上…?
QB「じゃあボクしかいないじゃないか!」
QB「僕と付き合って幸せにごめんなさいやめてくださいその銃をおろしてくださいお願いします空砲でもショック死してしまいますだからおねgあぶねぇ!」ッターン
QB「頼むよマミぃー!僕と付き合って幸せになってほしいんだー!おねg」ッターン
QBがログアウトしました
306 = 147 :
杏子「そういうほむらは?」
ほむら「え、私? 何が」
マミ「暁美さんにも無いの? 好みの男の人のタイプ」
ほむら「え、私も男の子に、ほとんど興味がないのだけれど……」
マミ「でもイメージみたいのぐらいは……?」
ほむら「そうね……。下僕が欲しい、かも………」
マミ「………え?」
ほむら「跪かせて、ほむら様って言わせてみたい」
杏子「………本気か?」
ほむら「ええ。男の子に限って言うなら、そういうイメージしか無いわね……」ファサッ
黒髪をかき上げ、今日初めての決めポーズ。
マミ (若干、期待通りだけれど………)
杏子 (でもやっぱ、ねぇよな、これ………)
ほむら「?」
307 = 152 :
そういえばさりげなくガールズトークに移行してると思ったら
光の速さでスピンアウトした
308 = 278 :
>下僕が欲しい
QB出番だぞ人外だけど
309 = 147 :
――その後、しばらくして――
杏子「いやー、楽しんだな今日は……」
マミ「そうね……」コクッ…
赤く光るだけの焚き火を見つめながら、ぼんやりと会話する。
ほむら「お腹もいっぱい……」
アルミホイルの包みはもう無くなっており、
今は全て、ゴミ袋の中で小さく丸められた塊になっている。
空はもう薄暗く赤色を帯びており、夜の到来を知らせているようだ。
杏子「それじゃ、まぁそろそろ……」
マミ「ええ……」
ほむら「本番ね……。まっ暗になる前の方が、いいわよね」
マミ「うん。ちょっと片付けて、準備しましょうか」ガタタ…
ほむら「あ、手伝う」ガサ…
食器、調味料のたぐいをとりあえず片付けていく。
杏子「あたしは、またちょっと火をおこしておくよ」カランッ…
310 = 234 :
QB「僕が暁美ほむらの下僕に、だって?ふふん、ちゃんちゃらおかしいよ。それこそ訳が分からないよ」
QB「でもまぁ、マミの下僕なら考えたけども、暁美ほむらはさすがにな、い、わ、け、で、も、ありませんむしろ大歓迎ですのでお願いしますそのカンプピストルをしまってください大爆発するとさすがによけきれませんのでたのみm」ドゴゥン
QB「復活のアイドル、インキュベーターことQBだよ!全く!下僕でもいいっていってるn」ドゴゥン
QBがログアウト(ry
311 = 152 :
ほむ?
312 = 234 :
ほむ。
313 :
ファザコンのあんこちゃん可愛いよ
314 = 147 :
ヒュゥ…
心なしか、冷たくなった風が吹き抜けていく。
ほむら「……寒くなってきたかも」ブルッ
マミ「ちょっと火から離れるとね。上着、また着たら?」
ほむら「ええ………」トトト… ファサッ
暑さと汚れの恐れから、脱いで木に引っかけていたコートをまた着直す。
杏子「ん……。こんなもんでいいか」カラン
ほむら「あ……。燃えてる」
戻ると、新たな薪でまた焚き火に炎が戻っている。
杏子「このぐらい燃えてれば、まぁ、いいだろ。……燃えにくいもん、あるか?」
マミ「私は大丈夫だと思う」
ほむら「私も問題ないわ」
杏子「……んじゃ、始めよう。えっと、あたしはそこの鞄に入れてあるけど」
ほむら「私も鞄に」
マミ「私も多分、こっちの鞄だったと……」
315 :
しえん
腹減った
316 = 150 :
ほむほむ様ほむほむ
317 = 147 :
マミ「………」ガサッ…
杏子「………」ゴソゴソ…
ほむら「………」ゴソ…
三人、黙ったままで自分の鞄を漁る。そして、
マミ (これね……)
杏子 (あった)
ほむら (……うん)
おもむろに取り出した手には、それぞれ封筒が一封ずつ握られている。
ガサガサ ゴソ…
それとは別に、またそれぞれ違った小物を一つずつ取り出して、
三人は焚き火の前へと戻ってきた。
杏子「……ほむら、本当に黒い封筒にしたんだな」
ほむら「私の色だもの。こだわりがある」
マミ「どこで売ってるのよ、そんなの……」
ほむら「ネットで大体手に入るわよ。それより、まずは……」
杏子「……そうだな。あたしから行くか」
318 = 148 :
いよいよ本番か
319 = 150 :
ほむ?
321 :
コイツらかなり食ってるよな
322 :
❹
323 = 147 :
ほむら「……中身は」
杏子「見せるわけねーだろ………」ザッ
火の元へと数歩近寄り、
杏子「………」ポイッ
持っていた茶封筒を火の中に投げ込む。
ボッ…
すぐに、炎が燃え移り飲み込まれる。
封筒の焦げ跡越しに一瞬見えた便せんも、あっという間に灰へと変わった。
杏子 (時間かけて書いたんだが……。あっけねぇなー……)
杏子 (あとは……) ゴソッ ガサガサ…
ポケットに手を突っ込み、封筒と似たような色の紙袋を取り出す。
中から取りだしたのは…
マミ「……たい焼き?」
引きちぎるように、その冷え切ったたい焼きを半分にする。
そして右手の半分を、
杏子「くえよな………」ポイッ
そのまま火の中に放り込んだ。
324 :
そうか・・・そういうことか・・・
325 = 234 :
どういう事だってばよ…あ、理解しました
QB「わけがわかったよ」
326 = 147 :
ジジジ…
冷たく、しっとりと水分を含むたい焼きはなかなか燃えづらい。
ゆっくりと中の水分を蒸発させながら、砂糖の焦げる匂いを漂わせて黒く染まっていく。
杏子 (冷た………) モグモグ
左手に残した半分は、自分で囓る。
ほむら「……いいの? 食べ物、無駄にしちゃって」
杏子「ん……? 無駄なんかじゃねーよ」ザッ…
くるりと振り返り、数歩また戻ってくる。
杏子「さっきから……さ。美味いモンの匂いばっか届けてただろ。
食いモンも届けてやんなきゃ、可哀想だと思わねーか?」
マミ「……ふふ。そうかもしれないわね」
杏子「ま……。一番の理由は、別だけどな………」
立ち上る煙の行方を見送りながら呟く。
杏子「……たい焼きがさ。最初で最後なんだよ。あいつと、いっしょに分け合って食ったのは」
マミ「そっか………」
ほむら「………」
328 = 147 :
マミ「じゃ、次は私……かな」ヒョイ
背中に回していた両手を前に回す。
片方は、可愛らしい花柄の洋封筒。もう片方、少し大きさのあるそれは…
ほむら「ぬいぐるみ……?」
マミ「うん。編みぐるみ」
黄色、黒、赤、青、そして……桃色。
5色の髪色を持つ5人の女の子が、みなにっこりと笑い、輪になって手を繋いでいる。
杏子「へぇー……。こっそり作ってたの、これか……」フニ…
かなり出来映えの良い編みぐるみに、手を伸ばして触る。
杏子「……すげぇな。良くできてる」
マミ「ふふふ。いいでしょう? 頑張ったもの」
杏子「この縦ロール、よく再現できたな………」フニフニ
マミ「そこは苦労したわ……」
ほむら「手が込んでるわね……。ちょっと、勿体ない………」
マミ「だって。贈り物だもの。……手は抜けないわ」
杏子「………だな」
329 = 234 :
QB「…わけがわかる…けど、そんなことするわけがわからない…っていうのはまだ僕が感情を完全に手に入れてないからかな」
QB「でも、ここに茶々をいれるのはさすがの僕でも野暮だっていうことはわかるよ」
QB「じゃあ、僕はマミの家に戻ろっかな」ぽてぽて
QBは、ログアウトしました。
331 :
さやかは恭介を救うと必ず死ぬ運命だったらしいな…
332 = 147 :
ほむら「この子は……」フニ…
ほむらも手を伸ばし、桃色の髪の子を触りながら訊く。
マミ「……うん。まどかさん」
杏子「………」
マミ「暁美さんが、前に描いていた絵を参考に作ってみたのだけれど……どうかしら。似てる、かな?」
ほむら「………ええ。とても。まどかの愛らしさが、よく出ているわ」フッ
あまり見せない、優しい顔で微笑む。
マミ「そう……? 良かった………」
ほむら「ちょっとだけ、借りてもいい?」
マミ「え? うん、いいわよ……?」ヒョイ
訝しげに差し出されたそれを、
ほむら「ん……」ギュッ…
そっと、強く抱きしめ、顔をうずめる。
ほむら「……ありがとう」
マミ「ええ………」
333 = 150 :
ほむほむ
334 = 234 :
ほむぅ…
335 = 148 :
切ねえ
337 = 147 :
マミ「それじゃ……」ザッ
返して貰った編みぐるみを手に、炎の前に立つ。
火の中では、まだたい焼きの一部が燻っている。
マミ (……たしかに、手放すのが惜しいくらい、手間かけちゃったかな)
少しばかり躊躇うが…
マミ「………えいっ」ポイッ
ドサッ ボボ…
投げ込まれ。手紙も、編みぐるみも、飲み込まれていく。
燃えやすい繊維だったのか、炎もやや大きめだ。
マミ (届くと……いいな)
遠い目で火の向こう側を見つめる。
そのまましばらく待つと、やがてみんな姿を消してしまう。
炎の大きさもまた、落ち着いたものに戻った。
マミ「うん。出来たわ」ザッ
見届けて、戻ってくる。
杏子「最後は……」
ほむら「……私、ね」
338 = 152 :
ほむ…
339 = 234 :
QB「ひとりで、月を見る」
QB「これはとっても、さみしいなって」
QB「誰かが言ってた気がするよ」
QB「でも」
QB「大切な人からの物があるんなら」
QB「それはきっと、寂しくないんだろうな」
QB「そうだろう?神さま?」
340 = 147 :
ほむら「………」スッ…
杏子に批判された真っ黒な封筒を取り出し、暗い紫色のリボンをそっと重ねる。
マミ「それは……」
杏子「リボン……?」
二人は見たことのない、ただの古びたリボンに疑問の顔色。
ほむら「………昔、使っていたのよ。まどかと……初めて出会った頃。
本当にもう、遠い、遠い、昔の話」
マミ「そうなんだ……。今は、その」
ほむら「ええ。この……赤いリボン」
自分の頭を触りながら。
ほむら「これが、まどかからの贈り物だって……。それは、話したわよね」
杏子「ああ」
ほむら「あれ以来、お返しはしないといけないなって思っていたから……。
贈られても、まどかも困るかもしれないけれど。これしか、思いつかなくて……」
杏子「……いや。いいと思うぞ」
マミ「うん。私も」
341 = 150 :
ほむほむ
342 = 331 :
僕もそう思います
343 = 234 :
ぼくもそう思うよ
344 = 148 :
いいと思うよ
345 = 147 :
ほむら「……ふふ」ザッ…
炎を前に立ち、何となく笑みがこぼれる。
ほむら (何だろう……。不思議と、気持ちが楽になるような……?)
ほむら (………これが、儀式の効果、なのかな。きっと)
ほむら「よろしくね……」ファサッ
炎にたくすように一言つぶやき、封筒とリボンを投げ入れる。
ボワッ… ゴゥ…
ほむらからの贈り物も、一瞬で火に飲まれる。
やっぱり素材のせいだろうか。いちばん大きな炎で燃えたように見えた。
ほむら「うん。これでいい。これで……」
見届けて、顔を上げる。
マミ「行っちゃった、かな……」ザッ…
杏子「きっとな……」ザク…
後ろから、二人も近くに寄ってくる。
マミ「それじゃあ、あとはみんなで……」
ほむら「ええ。祈りましょうか。空に向けて………」
346 = 150 :
ほむほむ
347 = 147 :
焚き火だけでなく空も、燃え尽きるかのように深い赤色をしている。
ほむら「………」
杏子「………」
マミ「………」
それに向けて、目をつぶったまま、全員で静かに祈りを捧げる。
恰好は様々だ。
ほむらは、立ったまま両手を握りしめて。
杏子は、膝をついて両手を握っている。
マミは、手のひらを胸元で合わせて。
皆、自分の想いを心の中で唱えながら。
その内容も、やっぱり三人様々に異なっていただろうが、
届いて欲しい想い自体は殆ど同じはずだった。
目を閉じると聞こえてくる、風の音、木々の声、そして目の前の炎の音。
その中で、ただ黙って弔いを続ける三人。
やがて、誰からともなく目を開けた頃には、もうすっかり日が沈んでいた。
348 = 147 :
――まっ暗な空の下で――
焚き火は、最後まで燃やし尽くすべきだ。
どうしてもと言うときは水で消すのも仕方がないが、
そうすると燃え尽きていない薪や炭がそのままになり、
扱いづらく、かさばるゴミとなって残ってしまう。
白い灰になって、自然に消えるのを待って、それから片付けるのがいい。
そう説明する杏子に頷き、三人はまだ火を囲んでいた。
杏子「……っふぅ」コクッ…
カップを借りて、紅茶を一口いただく。
杏子「暖まるなー、紅茶」
ほむら「ようやくコーラから離れてくれて、ほっとしたわ」
杏子「え? 空っぽになっただけだぞ」
ほむら「まぁそうだけれど……」
マミ「夜も……火があると、安心するわね。炎はもう無いけれど」
ほむら「この、こぢんまりした感じが良いわよね。
周りがまっ暗で、火の周りにだけ閉じ込められているような感じが………」
350 = 234 :
蝋燭の火みたいな感じ、ね。わかるようなきがする
みんなの評価 : ★★★×5
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