のくす牧場
コンテンツ
牧場内検索
カウンタ
総計:127,057,120人
昨日:no data人
今日:
最近の注目
人気の最安値情報
    VIP以外のSS書庫はSS+をご利用ください。

    元スレ娘「お腹がすいたので噛ませてください」男「赤ワインでも飲んでろ」

    SS覧 / PC版 /
    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 :
    タグ : 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
    ←前へ 1 2 3 4 5 6 次へ→ / 要望・削除依頼は掲示板へ / 管理情報はtwitter

    51 = 1 :

    「我が家にはジャージは二着しかない。一着はお前の血まみれ、もう片方は俺の部屋着だ。となると買うしかない」

    「?吸血鬼なんですから、盗むことくらいたやすいですが」

    「犯罪は禁止」

    「な、何の権限があって」

    「ジャージ」

    「・・・この服、そんなに高価だったのですか・・・」

    (・・・案の定、ジャージの価値を知らないみたいだな・・・)

    「買う以上、金が要る。だがお前金持ってるのか?」

    「あるわけないじゃないですか。必要ありません」

    「そうすると、さらに俺にジャージ一着分の貸しが出来る。血まみれと合わせて二着分だ」

    「う」

    「それを返してもらわないとならんな」

    52 = 1 :

    「ま、まさか身体で払うとかじゃないでしょうね」

    「ばか。馬鹿だろだろお前。平ら胸」

    「ぶっ!?」

    「まぁ現金ってのは生々しいからな、働いてもらおう」

    「働く・・・?」

    「ああ、うちで家事手伝いってことでどうだろうか?」

    「・・・。正気ですか?」

    「何が」

    「私は化け物なんですよ、あなたを噛むかもしれない」

    「おお、そのリスクもあるな」

    「そんなやつと一つ屋根の下なんて、気がおかしいです」

    「まぁいいじゃないか、しばらくの間はさ」

    53 = 1 :

    「いかれてますよ」

    「しかし本当に吸血鬼だったんだな、お前」

    「最初から言ってましたが」

    「そういえば、お前がもし俺を噛んだら、俺吸血鬼になるのか?」

    「どうでしょうね、あなたの経験値にもよりますよ。でも噛むつもりはありませんから」

    「経験値?」

    「き、気にしても仕方ないことです。もしもの話など意味はありません」

    「?まぁいいけどさ。で、やっぱり血は定期的に飲むのか」

    「まぁ、数日ならもちますが、飲むに越したことはありません。力が出ませんので」

    「ふうん・・・」

    (・・・)

    54 = 1 :

    ・・・

    「さて、ただいまっと」

    「・・・」

    「とりあえずシャワーだな」

    「はぁ・・・。まぁ、この高価な服を汚してしまったのは事実ですからね・・・」

    (しまむらだけどな)

    「覗いたら殺します」

    「そこまでチャレンジャーじゃないです」

    (今のうちにネットで情報集めておくか・・・)

    56 :

    童貞とか経験値が低い人間の血の方がおいしいんですねわかります

    57 = 1 :

    「吸血鬼、か・・・。有名どころでにんにくや聖水、十字架が苦手。杭や銀の弾丸で死ぬ・・・」

    「まぁ伝説の生き物だ、大まかには大体どこもこんなところか」

    「しかし、ホンモノの吸血鬼って、いるんだな・・・」

    『しかし、獣臭いですね。こんなものでは満足には程遠いんです。ああ、顔にも付いてましたね』

    「・・・飲んでたもんなぁ・・・」

    「何をですか?」

    「うわお!?ビビらせんなよな」

    「ふむ、インターネットとかいうやつですか。それで私のことを調べていた、と」

    「どちらかといえば『伝説上の』吸血鬼についての記述が多いけどな」

    「でしょうね。最近じゃ吸血鬼は絶滅危惧種らしいですし」

    「そうなのか?」

    「前にそう聞いたんですよ」

    59 = 1 :

    「仲間がいるっていってたな」

    「ええ。会ったことがあるのは数人ですけど」

    「みんな吸血鬼か」

    「当たり前ですよ。普段は世界中のあちこちで細々と暮らしているらしいです」

    「そうなのか」

    「確かに噛めば仲間は増えますが、その分ハンターも増えてしまいます。基本吸血鬼ハンターなんて、憎しみで動く連中ですし」

    「?」

    「例えば、親友を殺された男とか、熱心なキリスト教信者とか、―――家族を殺された生き残り、とかです」

    「なるほど・・・」

    「ま、オカルトなんてもう忘れ去られてますからね。前に北の方で大雪が降ったのを知りませんか?」

    「ああ、なんかそんなニュースがあったような」

    「あれは雪女の仕業ですし」

    「雪・・・。意外と多いんだな、そういう妖怪、的なやつら」

    「そうでもないですよ。減る一方ですから」

    60 :

    またお前か

    61 = 1 :

    「で、お前はなんでこの町にきたんだ?」

    「まぁたまたまですかね。とうの昔に根無し草ですから、なんとなくとしか」

    「へぇ・・・。しかし・・・吸血鬼か・・・」

    「珍しいですか?」

    「そりゃ、そんなにお目にかかれるようなもんでもないし」

    「確かに感覚は鋭くなりますし、力も人間の数倍出ますが、不便ですよ」

    「ああ、前も言ってたな」

    「特に空腹感はもう・・・。どうにかならないんでしょうかね、これ」

    「いや俺に訊かれても」

    62 = 1 :

    「ともかく、昼間は寝ていますので起こさないでくださいね。あと直射日光は絶対ダメです」

    「ああ、カーテンはいつも閉めてるから問題ないけど・・・。押入れに寝るか?」

    「猫型ロボットじゃないんですよ」

    「ああ、それは知っているのね」

    「でも、そのほうが都合がいいかもしれませんね」

    「ああ、うっかりカーテン開けちゃったりしたら大惨事だし」

    「そこはお任せします。少なくとも、この高価な着物を返すまでは・・・」

    (今お前が着ているのはユニクロだけどね)

    「・・・でも、襲ってきたら殺しますよ」

    「分かってるから。マジで負けるもん」

    63 = 1 :

    「ふぁぁ・・・。さて、もうそろそろ俺は寝るぞ。もう三時半だし」

    「ああ、そうですよね。この身体になってから、どうもそういう感覚が逆転してしまったので」

    「夜行性恐るべし・・・。寝るわおやすみ」

    「はい、おやすみなさい」

    ・・・

    「・・・本当に寝るのですね。得体の知れない化け物がいるというのに」

    「ZZZ」

    「・・・。『おやすみないさい』、ですか・・・。馬鹿な人間ですよ」

    「ZZZ」

    「・・・無防備すぎるよ・・・。太い脈が丸見えでぇ・・・っ」・・・ペロッ・・・

    「むにゃ・・・」

    「っ!?」バッ!!

    「私は・・・、今・・・っ」

    64 = 1 :

    「んぁ・・・。朝か」

    「ZZZ」

    「吸血鬼は爆睡中で、今日は日曜日・・・。二度寝しようかな・・・」

    「ああいかんいかん、テレビでもつけよう・・・」

    ピッ

    リポーター「・・・被害者の身元確認を急ぐと共に、遺体を司法解剖して・・・」

    「飯何かあったかな・・・」

    アナウンサー「県警では、夜の外出の自粛を求めると共に、今朝から検問を敷いて調査に当たっています・・・」

    「まずは・・・トイレだな・・・」バタン

    アナウンサー「繰り返しお伝えします。昨夜、体液の98%が消失した遺体が発見された事件で・・・」

    65 = 1 :

    『ウンメイノー・・・』

    「・・・。夕方、ですか」

    「おお、起きたか。ちょうど四時半てところだ」

    「・・・。何を見ていたんですか?」

    「ああ、テレビ何もやってないから、DVDをね」

    「・・・赤いのはカブトムシ、ですか?」

    「正解。何か食べるか?」

    「いえ、水をください。そしたら、あの高価な着物を洗い始めますから」

    「あー、それより、晩飯作ってほしいかも」

    「・・・。自分でやったらいいじゃないですか」

    「頼むよ、家事手伝い」

    「ぐぬぬ・・・」

    66 = 1 :

    「人間のために料理する吸血鬼には、一応前例がありまして」

    「そうなのか」

    「もっとも、その後血をいただく為の過程なのですが」

    「じゃあ、俺も吸われるのか?」

    「そんな予定はありませんよ。問題は、ただ純粋に料理を振舞うためだけに調理をした吸血鬼の前例があるのか、少し気になったのです」

    「気にしても仕方ないさ。あ、それ終わったらこれといでくれ」

    「・・・人間のために米を研いだ吸血鬼なんてほかに・・・」

    「そういえば、吸血鬼って流水は苦手なんじゃないのか?」

    「まぁ得意ではありませんが、そんなにでもないです。川くらいなら平気ですよ」

    「じゃあ料理にも問題はないな」

    「・・・揚げ足を・・・」

    67 = 1 :

    「しかし、お前料理それなりにうまいじゃんか」

    「これぐらいは、人間だった頃に教わりましたから」

    「へぇぇ・・・。でも、台座がないと手が届かないのは問題だな」

    「成長しないのですから仕方のないことです。・・・馬鹿にしてますか?」

    「イイエマッタク」

    「殺しますよ?粉みじんにして食べちゃいますよ」

    「それは食人鬼だろ」

    「いえ、そういう吸血鬼も中にはいるんですよ。確かに死体は隠滅できますが、骨はどうしようもないですね」

    「そういう連中は骨はどうしてるんだ」

    「さぁ。粉々に砕いて海にでも捨てれば、存外気が付かれないものですし。吸血鬼ならそれくらいの力はありますし」

    「・・・聞かなきゃよかったよ」

    68 = 1 :

    「いただきます」

    「普通のものも食べるんだな、吸血鬼って」

    「味覚は残っていますからね。本当は血も欲しいのですが・・・」

    「ああ、それだ。それどうするよ」

    「といいますと?」

    「ストックしてた動物の血はもうないんだろ?でもまた飲まないといけないんじゃないのか」

    「・・・そうですね。それも考えないといけません。お腹はまた空きますし」

    「赤ワインじゃ、やっぱりダメ?」

    「なめてますよね、確実に」

    「トマトジュース・・・」

    「せめて赤ワインにしてください!中身は大人です!」

    「というよりババアだよな」

    「っ!!っ!!」

    69 = 1 :

    「いたた・・・。何も殴らなくてもいいだろうに」

    「手加減したんですから、ありがたいと思ってください!」

    「はぁ・・・。さて七時だしニュースでも見るか・・・」

    『・・・S市郊外で発見された遺体は、体液の98%が喪失した、ミイラのような姿で発見され、身元の確認は難航しています・・・』

    「S市って・・・ここじゃん」

    「・・・」

    『首元には噛まれたような傷があり、吸血鬼に似せた愉快犯の可能性もあるとのことです・・・』

    「これって・・・」

    「私じゃありませんが、その可能性は高いかもしれませんね」

    飯食ってくる

    70 :

    しえん
    おなかすいたなぁ

    72 :

    完結してくれよ

    73 = 1 :

    しえん感謝

    「別な吸血鬼?」

    「かもしれませんし、ただの愉快犯かも」

    「愉快犯って」

    「猟奇殺人犯には、吸血鬼の異名を持つ犯人もいますから。そういう類の可能性もありますよ」

    「・・・」

    「なぁ、吸血鬼って、確か絶滅危惧種だって言ったよな」

    「?ええ、全盛期の三分の一以下でしょうね」

    (絶対数が少ない吸血鬼がこの町に二人もいる・・・?偶然か?)

    「・・・」

    74 = 1 :

    「ん?ちょっと待てよ?」

    「なんですか」

    「確か、吸血鬼に噛まれたら吸血鬼になるんだよな」

    「・・・まぁ、時と場合によりますが」

    「でも、今回は体液の98%がない状態で発見、だ。もし吸血鬼に噛まれたのなら、吸血鬼にならないとおかしいだろ」

    「・・・。基本的に噛まれた人間は吸血鬼か中途半端な奴隷、眷属になります。ですが、体液を残さず吸い切れば相手はただ死にます。そういうものなんです」

    「吸血鬼になるとは限らない・・・?」

    「むしろ吸血鬼になる方が稀かもしれませんね・・・」

    「?」

    「ともかく、犯人は猟奇的な殺人犯か、限度を知らずに吸いまくった愚か者かのどちらかですね」

    「愚か者?」

    「自分の欲のために他人を殺す。愚かでなくてなんだというのですか」

    「・・・」

    75 = 1 :

    「ま、しばらくは夜に出歩かないことですよ。吸血鬼は昔と違って、基本的に同じ町には留まりませんから」

    「そうなのか?」

    「そうですよ。例えばこの町でも、こんな事件が発覚しちゃったら、二人目以降が狙いにくいではないですか」

    「ああ、警戒されるからな・・・」

    「ハンターも数人はこの町に入ったと見て間違いないでしょう。復讐の権化達ですから、血眼になって犯人を捜すでしょうし」

    「そう、なのか。じゃあ、お前も危ないんじゃ・・・」

    「そうですね。うかつに外を出歩くことは難しいかもしれません。ここに転がり込んだのはある意味幸運でしたね」

    「でもそんなに気が付かれないだろ?」

    「いいえ、気が付かれます。血の臭いを敏感に感じ取る連中ですし、瞳の色は隠しようがありません」

    「瞳?」

    「・・・こちらの話です。ともかく、私はしばらく引き篭もらざるを得なくなりました」

    「・・・」

    76 = 1 :

    「あるいは、今すぐここを脱出すればいいのかもしれませんが、それではこの高価な服をお返しできませんし」

    「あ、いやそれは・・・」

    「念のためにあなたも外出を控えた方がいいかもしれません。危険ですから」

    「俺が?」

    「形はどうあれ、私と関わってしまった以上は」

    「・・・」

    「血の心配は後でしましょう。まずは騒ぎが収まるのを待つしかないです」

    「・・・ああ、わかった」

    77 = 1 :

    ・・・
    「収まらなかったな」

    「の、ようですね」

    『昨夜、S市中心部にある雑貨ビルで体液の96%が喪失した遺体が発見され、警察は連続殺人に捜査を入れ替え・・・』

    「二日間で二人、一日一人のペースか」

    「よほど腹がへった吸血鬼か、よほどいかれた殺人犯ですね」

    「わけがわからん・・・」

    「そんなものです。私にだって、ワケが分かりませんよ」

    「やっぱり吸血鬼の仕業か?」

    「可能性は高いでしょうね。人間の血液って、早々隠しきれるような量でもないですし」

    「一気に危ない町になっちまったもんだな・・・」

    (・・・)

    78 = 1 :

    ピンポーン
    「・・・?客?」

    「!」バッ

    「・・・ハンター?」

    「分かりませんが・・・警戒しておくに越したことは」

    「・・・出ないほうがいい?」

    「・・・いえ、自然な対応をしてください」

    「おk」

    「・・・はい」

    「あ、すいません、隣の部屋の者ですが・・・、実はちょっと困ったことになってまして・・・。水道が出ないんですよ」

    「水道が?」

    「ええ、それで、どうしようかと思って・・・」

    「・・・」

    「・・・」コク

    「分かりました、今あけますね」

    79 :

    姫神はよ

    80 = 1 :

    「ああ、すいません、お手数かけて」

    「いえ、それほどでも・・・」

    「水道、見せてもらってもいいですか?」

    「え?俺が行くわけじゃなくて、ですか」

    「そこまで迷惑をかけるわけにはいきませんから・・・」

    「・・・ええ、でも、水道周りだけにしてくださいね」

    「すいません、お邪魔しても構いませんか・・・?」

    「ええ、どうぞ上がってください」

    「すいません、お言葉に甘えます」

    81 = 1 :

    「それで、どこが調子悪いんですか?」

    「・・・」

    「・・・すいません?」

    「いえ、ごめんなさいね・・・。同じような手で、上がれちゃうものなんだなぁ、って思ったの・・・」

    「は?」

    「警戒されてないのも笑っちゃうけど、明らかに警戒されているって言うのも面白いものね」

    「・・・」

    「意味が分からないかしら?吸血鬼は招かれないと上がれないのよ、坊や?」

    「っ!?」

    「ふふ、かわいいのね、初心な感じ嫌いじゃないわ・・・。でも、この家少し血の臭いがするわねぇ」

    「まさか、あんたは・・・」

    「だから気がついたんだけれどね・・・。あの子は元気かしら?」

    82 = 1 :

    「!?」

    「お姉さんに見惚れるのもいいけど、押入れの中に隠れた吸血鬼は元気かしら、て訊いたのよ?」

    「まさか、例の事件の・・・っ!?」

    「ふふ、がっつくのね。でもお姉さんはリードする方が好きだから、ちょっと外れよ?」

    「なにを、」

    「あなたを蹴散らしてもいいのだけれど、危害を加える気はないからね?」

    「・・・あなただったんですか」

    「おま!?」

    「あら、久しぶりね・・・。少しやつれたかしら?」

    「・・・」

    「・・・獣くさいわ。あなた、相変わらずなのかしら」

    83 :

    おっぱいは大きいんだろうな?

    84 = 1 :

    「あなたまでここに現れたということは、けっこうな非常事態、ですか?」

    「そう思う?」

    「事件ことを知らないわけではないでしょう」

    「おい、あいつは・・・?」

    「古い吸血鬼です。私の友人で」

    「友人?」

    「犯人を追ってきたのですか?」

    「ふふ、私は追わせる方が好きよ?」

    「否定ですか」

    「あんなのは放っておけば勝手に刈られるわよ。それより問題はあなた」

    「・・・」

    「あなたの探している相手が見つかったのよ・・・」

    86 = 1 :

    「・・・そうですか」

    「あら、あまり感動しないのね」

    「いえ、薄々気がついていましたから」

    「あら、それは知らなかったわ?」

    「今回の事件と、あの時の手口が、似ていますから・・・」

    「・・・?」

    「でも、私はそれを止めに来たのよ?」

    「それも知っています。あなたなら、きっと止めに来ますよね」

    「何の話だ・・・?」

    「ふふ、気になる?なら、お姉さんが手取り足取り・・・教えてあげてもいいわよ・・・?」

    「いや何を教えてくれる気だよ・・・」

    87 = 1 :

    「・・・」

    「吸血鬼になるっていうことはね、ある日突然、何の前触れも無く起きるの。突然後ろから噛まれる、とかかしら」

    「・・・」

    「でも、あなたの横にいる小さな吸血鬼は、自分から進んで噛まれたのよ、この私にね・・・」

    「は・・・?」

    「家族の仇を殺すために、だったわね・・・。大人の愉しみも知らない少女は、吸血鬼になった、悲劇の物語ね」

    「・・・」

    「けど、相手が悪すぎるわね。ヤツは相当強力な吸血鬼で有名だから・・・。返り討ちは必至よ」

    「しかし、それでも・・・」

    「なんだ、それ・・・」

    88 = 1 :

    「お前、そんなことが・・・」

    「・・・ええ、そうですよ。家族が全員、殺されました。両親は体液を吸い取られ、姉は、・・・犯された後に、奴隷にされた」

    「!」

    「たまたま家にいなかった私は助かりましたが・・・。助かっただけです。ただそれだけ」

    「お姉さんが駆けつけたときには、呆然としたその子と息絶えた両親の遺体が二つ。姉はその後、散々使いまわされた後捨てられたわ」

    「・・・」

    「その筋には有名な吸血鬼なのよ。でも神出鬼没で力も強い。お姉さんも勝てるか怪しいわ」

    「そんな」

    「私は、あいつを殺します。そのために生きているんですから」

    「あら、行かせないわよ。みすみす命を捨てるような真似は好きじゃないのよ」

    「しかし・・・!」

    「冷静になりなさい。まともに人間の血を吸っていない様な弱ったあなたじゃ、勝ち目はないわ」

    89 :

    しっかりしたシナリオあると困るわー






    F5連打で鯖にご迷惑掛けちゃうわー

    90 :

    なんぞこれ

    91 = 1 :

    「人間の血を・・・?」

    「ええ、この子は昔から吸わないのよ。噛むのは嫌いだ、とかいってね。死に掛けたこともあるくらいよ」

    「私は、動物の血があれば・・・」

    「嘘ね。全力の半分も力が出ないくせに」

    「っ・・・」

    「ちょっとまて、そうなのかよ?」

    「わ、私は人の血は吸わないんだ」

    「・・・」

    「そういうことよ。そんな半端な吸血鬼は、逆に殺されるわ」

    92 = 70 :

    ふー、ごちそうさま
    続きがんばれ

    93 = 1 :

    「でも、私は・・・!」

    「ヒトの血を吸う覚悟もないくせに、殺す殺される覚悟はあるの?」

    「!」

    「お、おい、何もそんな言い方、」

    「坊やは黙っていなさい、これは人間ではなく化け物の会話なのだから」

    「っ・・・」

    「・・・まぁ、見たところもって後数日ってところね。もう限界なんじゃないかしら?」

    「!!」

    「限界?なんだよそれ」

    「確かに、吸血鬼は長い間ヒトの血をすわなくても生きていける。けど、限界もあるのよ。限界が来たら、どうなるかしらね・・・?」

    「く・・・」

    95 = 1 :

    「まさか、死・・・」

    「いいえ、そうならないためのシステムがあるのよ」

    「!」

    「理性では止まらない、吸血衝動よ。手当たり次第に吸い尽くすわ。アイツと同じようにね」

    「・・・」

    「吸血・・・!?」

    「私は・・・っ」

    「そうならないためにも、さっさと血を吸うことね。一人を犠牲にするか、複数の生贄を必要にするか・・・。答えはいうまでもないわね」

    「ぐっ」

    「・・・」

    「ゆっくり考えなさいな。どうしてもヤツを殺すというのなら、選択するしかないわよ」

    「私は・・・っ・・・」

    96 :

    アルクェイド思い出した

    97 :

    チンコから吸うのか?

    98 = 83 :

    チンコ噛まれんだぞ
    最悪食い千切られるんだぞ

    99 = 97 :

    >>98
    良く考えるんだ!八重歯なら当たらない!逝ける!

    100 = 1 :

    ・・・
    「知らなかった」

    「・・・どれを、ですか」

    「全部」

    「・・・」

    「お前が吸血鬼になった訳も、ヒトの血を吸わないとどうなるのかも」

    「ええ、話していませんから」

    「・・・逆に言えば、人の血を吸って万全な状態なら、その仇を倒せる・・・?」

    「他ならないお姉さんの眷族だから、元々の実力は相当なの。けど明らかに力が足りない」

    「私がヒトを噛んだら、アイツと同じになってしまいます・・・。また別な不幸が生まれ・・・。くそっ・・・」

    「・・・おい。なら話は早い。俺の血を吸え」

    「!?」

    「俺も望んで吸血鬼になる。そうすれば、お前は仇と同じにはならないだろ」

    「・・・ダメ、ですよ、そういうことじゃないんです」

    「お前・・・」


    ←前へ 1 2 3 4 5 6 次へ→ / 要望・削除依頼は掲示板へ / 管理情報はtwitterで / SS一覧へ
    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 :
    タグ : 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。

    類似してるかもしれないスレッド


    トップメニューへ / →のくす牧場書庫について