元スレ杏子「ワイルドタイガーだ!」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★
51 = 1 :
杏子「自分のことを完全に分かってる人間なんていないさ」
杏子「マミがそれでいいんなら、いいんじゃないのかい。ほむら」
ほむら「それはそうだけど……」
杏子「とりあえずメシでも食おう。いつまでもこんな空気じゃ、心によくねぇ」
マミ「そうね。またさっきみたいになってしまうかも」
ほむら「……わかった」
53 = 1 :
杏子「ほむらも手伝ってくれるかい?」
マミ「えーっと……暁美さんは、食器の準備してくれるかしら? そうしたら休んでて」
杏子「何でさ?」
マミ「えっと、その、ね……」
ほむら「前に巴マミと料理して、失敗しまくったのよ」
杏子「んじゃ、アタシがじっくり教えてやるよ」
ほむら「え……でも、悪いわ」
杏子「飯食うのに料理手伝わないほうがよっぽど悪いぞ。そこのクソ宇宙人と同列だ」
杏子「あ、コイツは飯抜きだから関係なかったか」
キュゥべえ「ク、クソ宇宙人はやめてほしいなぁ」
マミ「フフ、確かに杏子の言うとおりね。みんなで作りましょ」
キュゥべえ「マミ……」
マミ「もちろん、キュゥべえ以外のみんなでね」
キュゥべえ「」
54 = 46 :
あ
55 = 1 :
マミ「おいしかったわ、みんなで料理するっていいわね」
杏子「だな。うまかった!」
ほむら「えぇ。料理、楽しかったわ。指を少し切ってしまったけど」
キュゥべえ「少し? 人差し指の第一関節より上が、本体から分離したよね?」
杏子「お前は空気を読め!」ポコッ
キュゥべえ「いたっ」
ほむら「鍋の中に指が入りそうになったときは、心臓が止まるかと思ったわ」
ほむら「あ、心臓なんて止まっても関係ないわね……私達には」
杏子「やめようぜ、そういうの」
ほむら「え?」
杏子「たとえジョークでも、悲しくなっちまうだろ」
ほむら「そう、ね……。ごめんなさい」
マミ「暁美さんだけズルイわ、私にも叱って!」
杏子「な、なんだよそれ。うーん、そうだな……部屋にちょっとお菓子多すぎじゃね、太るぞ」
マミ「」
56 = 1 :
街外れの廃墟――
ほむら「さて、このあたりなら人も来ないわ。はじめましょう」
杏子「よっしゃ、どっからでもかかって来な」
ほむら(杏子は、おそらく今までより遥かに強い。最初から全開でいくわ)
杏子「機関銃? そんなものがアタシに通用すると思ってんのか。そらそらそら!」
杏子を襲う機関銃の弾丸は、槍を風車上に振り回すことによりあっさり弾かれてしまう。
杏子「隙だらけだぜ!」
ほむら「それはこっちの台詞よ」
杏子「何を言ってやが……」
杏子が持っていた槍が突如大爆発を起こす。
杏子「きゃああああッ!?」
57 = 1 :
杏子「バカな、爆弾を使う素振りなんて!」
ほむら「あなたがその動作を捉えることは決してできない」
杏子「……なんてな」
いつの間にかほむらは、杏子の蛇腹状の槍によって完全に動きを封じられていた。
ほむら「な!?」
58 = 1 :
杏子「攻撃の素振りを見せないだなんて、どんな能力なのかは知らねぇが……厄介だな」
ほむら「む、無傷!? そんな、さっきまで身体中にやけどを負っていたはずなのに」
杏子「それはきっと夢だったんじゃないか?」
ほむら「まさか、それがあなたの能力……」
杏子「そういうこった」
ほむら(目があった時に一瞬感じた妙な違和感……幻術の類ね。おそらくこれが、願いによって得られた能力)
杏子「だがほむらも相当なもんだな。その拘束をもう解いてやがる」
ほむら「何度も何度も、誰かさんの拘束魔法を食らったからよ」
マミ「これが、高等な戦闘者(ハイバトラー)同士の戦い……やるわね」
キュゥべえ「素直についていけないっていいなよ……」
マミ「ウフフ」バキッ
キュゥべえ「いたっ! 笑顔で殴るなんてひどいよ、マミ」
59 = 1 :
杏子「さて、とりあえず今日はここらへんにしとくか」
ほむら「今日は魔女も使い魔も現れなかったわね」
マミ「そうね、いいことだわ」
杏子「グリーフシードは大丈夫なのか、二人とも」
ほむら「私は問題ないわ」
マミ「微妙ね……今日暁美さんの話を聞いたときにかなり濁っちゃったし」
ほむら「これ、持っていなさい」
マミ「二つもいいの?」
ほむら「今日のことは私が原因だし、魔女になってもらったら困るわ」
マミ「ありがとう」
杏子「アタシも一つやるよ、ほい」
マミ「杏子まで……二人ともありがとう」
60 = 30 :
まみまみ
61 = 1 :
杏子「ケータイの番号とアドレス、交換しておくか」
ほむら「ケータイ!?」
杏子「どうした。持ってないのか?」
ほむら(今までの佐倉杏子とは違うって分かってるのだけど……違和感がすごいわね)
ほむら「いいえ、持ってるわ」
杏子「持ってるなら何であんなに驚くんだよ……。赤外線って便利だねぇ、ほらよ」
ほむら「ん、来たわね」
杏子「次はマミだな。準備できてるか?」
マミ「えぇ、いいわよ」
杏子「ほい」
マミ「ありがと」
62 = 30 :
しえん
63 :
タイバニ毎週見てるのにヒーロー時の名前しか分からん
キースとか誰やねん
虎鉄とバーナビーと牛角しか分からん
64 = 1 :
ほむら「私の家、この近くだから。また明日ね」
マミ「えぇ。またね」
杏子「んじゃな。何かあったらすぐ連絡しろよ」
ほむら「頼りにしてるわよ」
マミ「杏子はどこに住んでるの?」
杏子「…………」
杏子「どこなんだ?」
マミ「!?」
65 :
牛角は名前じゃねぇ!
66 = 1 :
杏子「ちょっと電話してみる。キースさんは不安だからアントニオにしとこ」ピポパ
アントニオ『お、どうした杏子』
杏子「なぁアントニオ。今どこにいる?」
アントニオ『ホテルだが』
杏子「アタシの部屋は取ってある?」
アントニオ『あ』
杏子「おい!」
アントニオ『スマン』
杏子「スマンじゃ済まねぇぞ! 野宿しろってか!」
アントニオ『ちょっと待ってろ、フロントに聞いてくる』
杏子「頼むぜ」
67 = 30 :
しえん
68 = 1 :
アントニオ『悪い、満室だとさ』
杏子「マジかよ」
アントニオ『この街にはここしかホテルないみたいだしな』
アントニオ『俺とキースと同じ部屋でいいなら構わないが……』
杏子「まぁ、野宿よりはマシか」
マミ「杏子」
杏子「ん?」
マミ「わ、私の家に泊っていかない?」
杏子「!」
69 = 30 :
まみまみあんあん!
70 :
最近タイバニ見始めたけど面白いね
しえん
71 = 1 :
杏子「それいいな!」
杏子「アントニオ。やっぱ、何とかなりそうだわ」
アントニオ『そうか? ならいいが……』
杏子「んじゃ、切るぜ」
アントニオ『おう。すまなかったな』
杏子「いいって。また明日な」
アントニオ『あぁ』
72 = 30 :
しえん
73 = 1 :
マミ「電話の相手って、もしかしてヒーロー?」
杏子「よく分かったな」
マミ「ヒーローが日本……しかも見滝原に来るって噂で、街中が大騒ぎしてるからね」
杏子「なるほどね。明日にはテレビとかで正式に発表されると思うぜ」
マミ「すごいわね、テレビなんて」
杏子「そうでもないさ。さて、そろそろ風呂入って寝ようぜ」
マミ「一緒に入る?」
杏子「そんなにデカイのか、マミん家の風呂は」
マミ「うーん、ちょっと厳しいかも」
杏子「なら先に入って来いよ」
マミ「それじゃ、お言葉に甘えて」
74 = 30 :
まみまみ
75 = 1 :
杏子「騒がしい一日だったな……」ピロリロリン
杏子「電話? こ、虎徹!?」
虎徹『無事に日本についたか?』
杏子「あ、あぁ。いろいろあったけどね」
虎徹『そうか、よかった。ちゃんとメシ食ってるか?』
杏子「食ってるよ。ガキ扱いすんなって」
虎徹『心配なんだよ杏子が。ちゃんと風呂にも入れよ』
杏子「だーっ! もう……楓の気持ちがよく分かるぜ」
虎徹『楓? なんでそこで楓が出てくるんだ』
杏子「……まぁいいや。んじゃ、そろそろ風呂入るから」
虎徹『そうか、しっかり洗えよ。おやすみ』
杏子「うん、おやすみ」
76 = 30 :
しえん
77 = 1 :
杏子「ふわぁ……よく寝たぜ」
マミ「あら、もう起きたの。早いわね」
杏子「まーな。おっ、いい匂い」
マミ「何だか早く目が覚めたから、ご飯作っておいたの」
杏子「ありがてぇ。んじゃ、いただきますか」
マミ「いただきます」
杏子「うめぇな、この味噌汁」
マミ「そう? ありがと。シュテルンビルトではどんな物を食べてたの?」
杏子「一緒に住んでた人がチャーハンしか作れなくてさ。交代交代で作ってたから……半分チャーハン、半分その他って感じ」
マミ「え! ダメよそんなの。もっといろいろなもの食べて栄養取らないと! それに、さすがに飽きるわ」
杏子「あのチャーハンはなぜか飽きない味だったんだよなー」
マミ「ふーん、不思議ね。あ、そろそろ学校に行かないと。あ、一応鍵のスペア渡しておくわ。テレビ出るのよね?」
杏子「そ、昼頃に生放送だ」
マミ「学校のテレビで楽しませてもらうわ。それじゃ……い、いってきます!」
杏子「何どもってんだよ。いってらっしゃい」
78 = 1 :
マミ「おはよう、みんな」
まどか「あ、マミさん! おはようございます!」
さやか「おはよーございますっ!」
ほむら「おはよう、マミ」
さやか「転校生がマミさんのことを名前で呼ぶの、何か違和感あるんだよねー」
まどか「確かに」
さやか「まさか二人はもうあんなことやこんなことをする仲にっ……!」
さやか「経験の少ない転校生にマミさんが優しく手ほどき!? だめ、そこはだめよマミ!」
ほむら「ちょ、ちょっと美樹さやか!」
マミ「美樹さーん……」
さやか「じょ、冗談ですよ! 冗談!」
79 = 30 :
さやさや
80 = 46 :
さやか
81 = 1 :
マミ「あのね、二人に大事なお話しがあるんだけど……」
まどか「なんですか?」
マミ「もう、魔法少女体験コースはやめにしましょう」
まどか「へ?」
さやか「え?」
マミ「本当にごめんなさい。勝手に巻き込んだ挙句、いきなりやめるだなんて」
ほむら「あなた達もお菓子の魔女との戦いで、危険さが分かったでしょう?」
さやか「あれは本当に怖かった……死ぬかと思ったもん」
まどか「うん。ほむらちゃんがいなかったら、マミさんや私たち死んじゃったかもしれないんですよね」
マミ「あの時、私は自分の未熟さを知った。普通の女の子を連れて歩くことなんて、とてもできない実力よ」
さやか「うーん……それなら、あたしも魔法少女になろっかな。願い事もあるし」
ほむら「駄目!」
さやか「て、転校生?」
82 = 30 :
さやさや
83 = 1 :
ほむら「あ、大声だしてごめんなさい」
さやか「びっくりしたぞ、もう」
マミ「私も同意よ。魔法少女になってはダメ」
まどか「マ、マミさんもですか?」
マミ「えぇ。暁美さん、あの話をしたほうがいいと思うわ」
ほむら「でも美樹さやかは過去に……」
さやか「?」
マミ「大丈夫、私だって何とか耐えられたもの。美樹さんなら大丈夫。まだ魔法少女じゃないしね」
ほむら「あなたがそこまで言うのなら……」
84 = 1 :
さやか「魔法少女が、魔女!?」
まどか「わ、私……世界を滅ぼしちゃうんですか」
ほむら「あなたたちは、まだ魔法少女になりたい?」
さやか「い、いやに決まってるじゃん!」
まどか「う、うん。いやだよ」
ほむら「よかった……」
マミ「あ、学校着いちゃったわね。話の続きは後でしましょう」
85 :
昨日面白かったよ
支援
86 = 1 :
昼休み――
さやか「話の続き、やっぱ屋上?」
まどか「そだね。人に聞かれちゃいけないし」
ほむら「マミの教室に行きましょう」
マミ「待って!」ガラッ
ほむら「!?」
まどか「マ、マミさん?」
マミ「今日のお昼は見たい番組があるの!」
さやか「そ、そんな主婦みたいなこと言われても……魔女とかとテレビ、どっちが大事なんですか?」
マミ「魔女とも関係ないわけじゃないのよね、これが」
ほむら「あ、そういえば今日……」
87 = 1 :
アナウンサー『おまたせしました! HERO TV IN JAPAN!』
アナウンサー『凶悪犯罪が増えている日本に、なんとシュテルンビルトからヒーローがやってきました!』
アナウンサー『それではさっそく紹介していきましょう! まずは西海岸の猛牛戦車、ロックバイソォオオオン!』
ロックバイソン『日本の平和は……この俺が守る!』
アナウンサー『ロックバイソンと言えば、両肩に書かれた牛角の文字が有名でしょう』
アナウンサー『日本人なら誰でも知っている焼肉屋チェーンですね!』
マミ「なんでいきなりスポンサーの話なのかしら」
さやか「あんま活躍してないらしいですよ」
ほむら「大人の事情ね」
まどか「なんだかかわいそう……」
88 :
この時を待っていた!
しえんするよ
89 = 1 :
アナウンサー『続いてキングオブヒーロー、スカイハァァアイ!』
スカイハイ『日本人の諸君、私がスカイハイだ。キングオブヒーローの名にかけて、悪人から君たちを助ける、そして助ける!』
アナウンサー『スカイハイはシュテルンビルトのヒーローランキング一位にヒーローです!』
アナウンサー『風を操る能力で、犯人逮捕から人命救助まで何でもござれの完璧超人!』
まどか「スカイハイってすごいよねー、私も空を飛びたいな」
ほむら「数メートルぐらいジャンプするなら簡単だけど、自由に飛ぶのは無理ね」
マミ「私なら、ティロ・フィナーレの反動を利用すれば数十メートルぐらい行けるわよ」
さやか「それ死んじゃいますって!」
90 = 24 :
女子中学生に同情される牛角さんェ…
91 :
おお、見滝原編面白かったよー
支援
92 = 1 :
アナウンサー『最後に、凶悪犯罪人ジェイクを倒したシュテルンビルトの英雄、クリムゾォンランサァアアアアアッ!』
杏子『日本はアタシが育った国だ。祖国の平和を乱す悪人は、この槍が貫くぜ!』
アナウンサー『つい最近現れ、あのタイガー&バーナビーとトリオを結成し、数々の難事件を解決してきたニューヒーロー!』
アナウンサー『彼女なら、必ずや日本を救ってくれるでしょう!』
さやか「なんかすごい持ち上げっぷり。ロックバイソンとは大違いだわ」
まどか「ジェイクって人はすごい悪い人だったんだよね」
ほむら「そうよ。能力を二つ持ってるネクストらしいわ」
マミ「やっぱりツインテールがステキよね……」
94 :
牛角さんが活躍出来る気が全然しないわ
スカイハイなら余裕で魔女倒せそうだけど
95 = 18 :
牛角さん……
96 = 30 :
もーもー……
97 = 1 :
アントニオ「俺の扱いひどすぎるだろう……」
キース「しっかりしたまえバイソン、ではなくアントニオ君」
杏子「そうそう。メインスポンサーがある国なんだし、これから頑張れば日本一のヒーローになれるかもしれねーだろ」
アントニオ「そ、そうだな! 日本を救ったヒーローのスポンサーは、日本の企業である牛角!」
アントニオ「フッ……マーベリックさんが俺を日本によこした理由が分かった気がするぜ」
キース「杏子君は友人の家に泊まるんだったかな?」
杏子「そうだぜ」
アントニオ「もしかして例の巴マミって子か?」
杏子「そうさ。結構仲良く慣れたよ」
キース「それはよかった。日本にはこういうことわざがあるそうだ……仲良きことは美しきなか、そして美しきなか!」
杏子(なげーよ! しかも微妙にちげぇ!)
98 :
牛角さんは文字通り盾にしかならなそう…w
99 = 46 :
牛角さん、がんばれ
100 = 1 :
マーベリック「日本でのヒーローの反応はまずまず、と言ったところか。これからに期待しよう」
マーベリック「ん? 君か。何かようかね」
マーベリック「あぁ、分かってる。もう二週間を切った」
マーベリック「なに、なぜそこまで彼女を信じられるか?」
マーベリック「うーむ、そうだな……彼女の生い立ちと、今の彼女を照らし合わせればいい」
マーベリック「そうすれば、誰にでも分かることだろう、彼女の精神の強さがね」
マーベリック「おっと失敬。君たちには、感情というものがなかったね」
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