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    元スレ暦「妹の日記勝手に読むのはやっぱりまずいよな~」

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    351 :

    そういや日記かこれ

    352 = 297 :

    「達者にしとった? ホトトギスちゃん、そろそろお話しに行こ思うとったんや」

    通学路の途中、こないだと全く同じ場所。
    影縫余弦さんはやはりそこにいた。
    キャンピングチェアに座って、決して地に足を付けず。

    「あんな、ホトトギスちゃんの言うた『悪魔様』、あれうちの専門じゃなかったんよ」

    「ああ、あれはもういいんですよ」

    たぶん、どこかの誰かが勝手に解決してる。
    そして、誰かが勝手に助かってる。

    「まーた貝木くんにはめられてしもうたみたいや。情報流してくれるのは助かるが、ノイズ挟むのは堪忍してほしいわ」

    誰かに文句を言う影縫さん。

    「おどれの言う通り、あれはもう放っておいていいみたいやけど。ちゅーか、うちのすることやないし」

    「影縫さん」

    「なんや? もうホトトギスちゃんでもええかなー、なんつって」

    「お化けの話、聞きたくないですか」

    影縫さんは人のよさそうな顔を少し崩し、

    「……ほおおん」

    腕を組んで話を聞く姿勢に入った。

    353 = 243 :

    >>804
    おおおさ

    354 = 205 :

    356 :

    頑張れ

    357 :

    おう

    359 = 297 :

    「ドッペルゲンガー」

    新しい噂としてこれまでのあらましを説明すると、影縫さんはそう言った。
    私自身のことは伏せておいた。

    「うちはな、忍野くんみたいな怪談集めは趣味やないの。せやから端折って説明するさかい」

    と、どうでもいい前置きをして、

    「簡単に言えば、もう一人の自分が現れるっちゅうこと」

    例としては。
    自分が自分の分身を目撃するパターン。
    他人が自分の分身を目撃するパターン。
    これらがある。

    「昔の人は離魂病と呼んで、文字通り自分の影、魂が抜けていく病として怖い怖いもんやったそうやけど」

    一説には夢遊病の一形態として捉える向きもあり、精神疾患がこれの正体だという。
    現実の医療の現場では、確かに脳の中にある部分で腫瘍ができれば、自分の分身を認識することもあるそうだ。

    「せやけど、他人に分身を見られるケースが説明できひんのよ。
    海外だとガッコのセンセが教室で多数の生徒に分身を目撃されたって事件もある」

    授業中、教師が黒板に向かっている傍らに、その分身が現れたのを何人もの生徒が証言したのだ。

    360 = 167 :

    おっすおっす

    362 = 297 :

    「ホトトギスちゃんの話じゃあ、他の子も見てるんやろ?」

    「そうです。本人は周りの人達が分身と遭遇する場面に居合わせていないんですけど」

    まるで、いたずらを仕掛けるように。
    影に隠れて。

    「せやなあ、小説でもドッペルゲンガーが出てくるものが多い。芥川龍之介はドッペルを見てはったっちゅう話やな」

    けどまあ、と影縫さんは続ける。

    「一番有名なのは、自分のドッペルゲンガーを見たら死ぬってやつやな」

    自分の分身を見た者。
    彼は数日以内に死ぬ。
    そんな怪談はかなりの人が知るところだろう。

    「脳の腫瘍が関係あること、分身を見たら死ぬこと。
    これらを結びつけると、ドッペルゲンガーは死期が近い病気が顕現してるちゅうふうにも言えるんや」

    364 = 297 :

    一通り説明が終わると、影縫さんは「やっぱとうちの専門とちゃうなあ」と言った。

    「こないな怪談、それこそ忍野くんの領域や」

    「忍野……」

    そういえば、その苗字は聞き覚えがある。
    確か忍ちゃんのは忍野性だったはず。
    何か関係があるのか。

    「ところで、このドッペルゲンガー、っていうの? なんとかする方法はないんですか?」

    「へ? 知らん。ないんとちゃう?」

    「…………」

    「あー、うちは霊能力教師みたいに怪異退治してへんの。ぬーべーってあだ名の時代もあったことはあったが」

    すごくどうでもいい情報だった。
    せやけどな、と影縫さん。

    「例えばな、そのドッペルゲンガー見ても死なんっちゅうヤツがおるなら、うちは見てみたいなあ」

    つまり。

    「不死身のドッペルゲンガー、おもろいやろ」

    366 = 297 :

    「不死身?」

    「なあ、ホトトギスちゃん。うちのお仕事はな、不死身の怪異をメタメタのギタギタにいてまうことなんよ」

    影縫さんは右手を開き、小指から順に折って、拳を握った。

    「うちが仮にお手伝いできるとしたら、そういうヤツがいればええのやけど」

    その話に出てくる子、そういう話聞いたことなあい?

    「そういうことって……」

    「せやから、その子が異常に傷の治りが早いとか」

    不死身やから。
    いつのまにか、影縫さんは私の目を見据え、今にも振りかぶってきそうだった。
    彼女は一見すると普通の人間だ。
    でも、なぜかさっきから私の頭を粉砕されるイメージが頭を離れない。

    368 = 167 :

    ふぅアシダカグモ台所に封印できた…

    370 = 297 :

    「だいたい、ホトトギスちゃんはそのドッペルちゃんをどうしたいん?」

    「それは」

    決まってる。

    「うちもな、世間にそないな化物が紛れとったら嫌やで」

    うちが一番嫌いなのは偽物やから、と影縫さんは言った。

    「話を戻すとな、仮にそのドッペルゲンガーの元ネタちゃんが不死身なのやったら、うちはそいつを始末せなあかん」

    「…………」

    「不死身――化物を退治するんや。正義の味方やから、うち」

    「…………」

    「その子が不死身なんやったら、その子人間の振りしてるっちゅうこたやろ。怖ないの?」

    372 = 194 :

    月火ちゃんは不死身だから僕の妹で不死身ちゃん!

    376 :

    お前のくそすげーな

    377 = 289 :

    ドラえもんの話みたいだな
    影を切り取って自分の代わりに働かせられるんだけど、次第に影が自我を持って本体に成り代わろうとする話

    378 :

    なにそれこわい

    380 :

    今影縫さんの話を聞いてるのは月火ちゃんなのか、火憐ちゃんなのか


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