元スレ暦「妹の日記勝手に読むのはやっぱりまずいよな~」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★
201 :
暦君変態すぎワロタ
202 :
頑張れ
203 = 193 :
体育の時間。ちょっとした事件が起こる。
「あれ、ジャージがない」
運動用のジャージがロッカーにないのだ。
私は昨日のうちに持ってきて、ここにしまっておいてはず。
それは間違いない。
ふむ。では、私以外の誰かがここから持ち出したということになる。
「ねえ、変なこと訊くけど、私のジャージ知らない?」
まず近くにいたクラスメイト(女子)に訊ねる。
知らない、と答えが返ってきた。
その子は私のジャージが消えていることを把握し、周りの子達にも訊いてくれた。
しかし、誰もわからないという。
……男子か。私の持ち物を盗むとはいい度胸をしているじゃあないか。
いや、待て待て。早計だ。
「ちょっと男子! 私のジャージ盗んだでしょ!」
とりあえず今は体育でどうするか考えなきゃ。
火憐ちゃんに借りることもできないしなあ。
「はあ!? しらっばくれてんじゃないわよ! 誰がやったのか知らないけどやったのはわかってるんだからね!」
先生に言うしかないか。ジャージがないので(忘れたと言うのは癪だ)見学させてくださいって。
……プールの授業じゃあるまいし。
「殴らないでって!? 鉛筆耳に刺されて面白い顔になりたくなかったらさっさと出しなさいよ!」
204 = 193 :
キレてしまった。
先生にも「どうかこの場は抑えて」と説得されてしまった(?)。
そんなことするつもりなかったのにな。
おのれ盗人。
さては私がキレて男子16名に暴行をくわえると計算した上での犯行か。
ミステリのあやつり問題か。
AがBを殺したのはCが唆したからか。
よし、犯人はクラスの男子に怨みがあるやつだ!
金田一くん、君はもう返ってよろしい!
「あれ?」
体育(てんやわんやで10分しか時間が残っていなかったが)のあとロッカーを覗くと。
ジャージがあった。
「…………」
おのれ盗人!
馬鹿にしやがって!
拳を握りしめ報復を誓う傍ら、私は誰かの目に入らないよう素早くロッカーを閉じた。
205 :
ほ
207 = 193 :
×月××日
昨夜はまたうるさかった。
なんかお兄ちゃんと火憐ちゃんが夜遅くまで遊んでいたみたいだけど。
なんだったんだろ。
お兄ちゃん半裸で爪切り持ってたし。
よく覚えていない。
今日はお兄ちゃんに送ってもらわず、一人で登校。
火憐ちゃんは遅刻。
学校の玄関に着くとクラスの友達がいたので声をかけた。
「おはよー。今日は暑いくらいだね」
怪訝そうな顔をされた。
恐いものを見た、みたいな。
なんだろう?
このお兄ちゃんの妹であるところのプリティー月火ちゃんが恐ろしいなんて。
変な子だなあ。
「う、うん。おはよー、月火ちゃん」
まだぎこちなさが取れないが、友達は応えたのでそのまま教室まで歩きながらお喋りした。
教室に入ると私のことを「つっきー」と呼ぶ子が、
「あれー? 今日は忘れ物ですかー?」
と、からかうように訊いてきた。
忘れ物?
なんのことかな?
ジャージはちゃんとロッカーに入っているし、鞄の中身もばっちりなんだよ。
208 = 193 :
さて、『悪魔様』の噂だが。
今日になってまた話が変わっているようだ。
「『悪魔様』にお願いすると新しい自分にしてくれるんだってー。
「めんどくさいこと全部やってくれるらしいよ。
「一番くじ並ぶのが嫌だなー、って思ってるともう一人自分を用意して代わりに並んでくれるらしいよ。
「あ、私、『悪魔様』に手紙出したよ。スルーされたみたいだけどねー。
とうとうクラスに接触した人間が現れた。
2日前に相談ごとを書いた手紙を駅の電話ボックスに置いてきたらしい。
置いた手紙がなくなっていれば相談が受理されたということである。
なので彼女は昨日、そして今朝と確認したが手紙はそのままだったという。
「だから持ち帰っちゃった」
「今、持ってる?」
「うん。ほら、これ」
了承を得て中を読む。
「大学合格!」
ああ、よその学校を受験するのか。
エスカレーターのうちでは珍しい方だ。
自分でなんとかしろってことかな、と彼女は言った。
『悪魔様』に聞いてもらえないんじゃあ、そう考えるしかないのも然り。
209 = 186 :
急に会話無くなったな
210 :
ラレラレレルレルパッパラ
211 = 193 :
結局、直に『悪魔様』を見た子はまだいない。
さっきの子も接触を試みてスルーされてるし。
そろそろ余所の学校の子に聞いてみたほうがいいかな。
一番近いのはお兄ちゃんや撫子ちゃんが通っていた中学校だろう。
確か他にも同級生がいたはずだから、その子達に当たってみるか。
正直、あんまりあの学校に行くのは気が進まないけれど。
去年のことを思い出すと、たぶん居心地のいい場所じゃないだろうし。
下校のとき、廊下で担任の先生とすれ違い、
「忘れ物か?」
と訊かれた。
「いいえ?」
さようならと挨拶し、先生も返すのを訊いて玄関を抜けた。
今日は妙に忘れ物について訊かれるな。
213 = 193 :
帰路を歩きながら今日のことを思い返してみる。
なんだか違和感があるのだ。
別にお兄ちゃんや火憐ちゃんと楽しい会話をしていないからとかじゃあない(この日記に書いてないだけで)。
まあ、毎日『悪魔様』なんて超常的な単語を聞いていればそんな気分になるものかな。
こうして自分の精神が不安定になってしまうのは考えものだなあ。
今夜あたり、火憐ちゃんとお兄ちゃんに話してみようか。
ああ、そういえばこの帰り道をちょっと逸れるとミスタードーナツがあるんだ。
近年、ミスドヘビーカスタマーになっているお兄ちゃんにおみやげでも買っていってやるか。
私もお腹すいたし。
こうして、私は寄り道をすることにした。
214 :
乗っ取り?
215 = 193 :
アニメ版ではルート66のような場所にある我が町のミスタードーナツである。
もちろん、あれは演出。スタッフの粋な計らいであった。
実際のこの店舗は駅から歩いて行ける距離の場所にあり、商店街の近くという立地である。
ファーストフード、コンビニエンスストアは割と道路沿いにたくさんあるが、
ミスタードーナツは駅の近くにあるという場合が多いのは気のせいだろうか。
ここは田舎だから若年層はもっぱらここが溜まり場としている。
ちなみに、近辺にジャスコはない。
「焼きドーナツでもいいけど、ゴクシャリでもいいなー」
新メニューが盛んな近頃。
ほら、今日なんか猛暑だしドーナツよりかき氷みたいなものが食べたいんだよね。
別に今夏じゃあないんだけど。
別に今夏じゃあないんだけど。
別に今夏じゃあないんだけど。
……3回も繰り返してしまった。
今は春です! 春ちゃんがテレビに出てるんだから間違いない!
216 = 193 :
さすがにミスタードーナツに寄ってドーナツを買ってこないとなると反感を買いそうなので、
「適当に6個くらい買っていこう」
「あれ、月火ちゃん?」
お兄ちゃんの声だ。
振りかえれば奴がいる。
お兄ちゃんだ! お兄ちゃんがやってきた!
YAH! YAH! YAH!
「さっき下校姿を見たと思ったけど。なんだ、寄り道か?」
「なによ、お兄ちゃん、私がミスドに通っちゃいけないの? 殺すぞ」
「今どこにキレたんだよ」
「ん?」
あれ、誰その子?
仲良く手ェ繋いじゃってるけど。
217 = 193 :
その子はナチュラルブロンドの長い髪をしていて。
私と同じくらいの身長だった。
制服を着ていて。
顔が凛としている。
まるでげんしけんのスーみたい。
まるでげんしけんのスーみたい。
まるでげんしけんのスーみたい。
まるでげんしけんのスーみたい。
おっと、4回も繰り返してしまった。
えーと、外国の子?
「この子はな、忍野忍ちゃんというんだ」
「忍ちゃん?」
「ああ。友達なんだ」
「…………」
218 :
やっぱり書き手代わった?
219 :
>>1じゃねーんだったら出てけ
220 = 179 :
今のは本物じゃない?
221 = 193 :
ええー。
ええー……。
「ええー……」
「なんだよ。僕の友達を馬鹿にする奴は許さないぜ」
「お兄ちゃん、今年いくつよ。こんな子と友達なんて言われても説得力ないよ」
だいたいこの子、隣町の中学の制服着てるけど、まだ1年生か2年生じゃないの?
「いくら払ったのよ」
「金なんか出してねえよ。僕らは金に換算できる関係じゃあないんだ」
「お兄ちゃんが胸張って友達紹介するなんて生まれて初めてだけどさ」
女の子――忍野忍ちゃんを見る。
ああ、なんかいかにも何にも知らない純粋無垢な子って感じだ……。
「今月のクジラックスに感化されちゃったのか……、有害な味方とはこのことだよ」
ますます都条例のつけいる隙を作ってしまうのか、この男が。
222 = 193 :
「こいつ……、忍、ちょっと自己紹介して」
「…………」
忍ちゃんが一歩歩み寄る。両手を揃えて、
「はじめましてっ、忍野忍ですっ! よろしくねっ!」
「…………」
「暦くんの妹さんでしょっ? お名前はっ?」
うわあ……、声超かわいい。笑顔めちゃまぶしい。
これはお金出しても傍に置いておきたくなる。
これが美少女か、本当の……。
オーラに当てられて何も言えない私。
なんかお兄ちゃんも変な顔になってるけど。
まるで『普段は高慢ちきな知り合いが猫被っている現場を目撃した』みたいな。
そんな顔をしている。
「へえ、月火さんっていうんだ。つきちゃんって呼ぶねっ!」
と言って、忍ちゃんは握手を求めてきた。
223 :
うぇれ
224 :
可愛い声って平野だろ?
225 :
忍ちゃんは忍ちゃんだ
平野なんかではない
226 = 193 :
「1年くらい前から付き合いがあるんだけど、紹介するタイミングがなかなかわからなくてさ」
ミスタードーナツの二階席で、あんドーナツを食べながらお兄ちゃんは言った。
「忍はこういう奴だから突然会わせても戸惑わせると思って。いずれはお前達にも言わなきゃいけないし。
徐々に慣らしていこうと思っていたんだけど……、しょうがない、いい機会だと思おう」
こういう奴って、どういう意味だろう。
ピーキーでキレやすい子なのかな?
だったらちょっとお近づきになりたくないなあ。
「えーと、忍ちゃんはあそこの中学校に通ってるの? ほら」
私は学校名を言った。
「うんっ、そうだよっ! でもね、『この格好は今日限り』なのっ!」
今日限り? なんだろ、コスプレなんだろうか?
「あー、あー、えーと、忍は学校、今通っていないんだ」
「そうなんだ」
「ああ、色々事情があって」
事情……、確かに何かあるとしか思えないほどこの子の容貌は常軌を逸してるけど。
227 = 193 :
「何か特殊なことみたいだから事情っていうのは訊かないけどさ、どこで知り合ったの?」
「うーん、なんて言ったらいいのかな」
「暦くんがね、私のこと助けてくれたんだよ」
忍ちゃんは言った。
「私が変な人に襲われてるところを、通りがかった暦くんが助けてくれて」
変な人達をやっつけてくれたの。
「暦くん、かっこよかったんだよ」
「かゆくなるような言い方するな」
「えへへー」
忍ちゃんの話ぶりにお兄ちゃんは本当に嫌がっているみたいだった。
けど、まあよくわかった。
これまで通り、そしてこれからもそうなるだろう。
いつものパターンだったわけだ。
誰にでも優しいお兄ちゃんが女の子を助けるなんて初めてじゃあない。
博愛主義者にして偽善者。
お兄ちゃんはこの子にとってもヒーローだったんだね。
228 = 223 :
にぃにぃ~
229 :
シリアス展開になるとギャグは割と消えるから、そう言う事だと信じたい。
だいぶ書き方は変わったようだけど。
230 = 193 :
「今日はね、暦くんのクルマでドライブしてきたのっ!」
「お兄ちゃん、運転まだ下手でしょう」
「さっきしょーとつしそうになっちゃったっ! すっごくビックリしたなー」
「忍ちゃん、普段お兄ちゃんと何してるの?」
「うんと、ミスタードーナツ来たりー、運動したりー、旅行に行ったりー」
旅行? 中学生と旅行までしてるのか。
聞いてない。
それはけっこうまずいんじゃないか。
「思い出すなー、初めはね、暦くんすっごくひどいことするものだから、私口もきいてあげなかったの」
ひどいこと?
この子を助けたあとにどんなひどいことをしたんだろう。
「もうなにもかもイヤになっちゃって、私、家出しちゃったの」
深刻だ……。
231 :
どう考えても本人だろ
232 = 193 :
「でも、一日中私のこと探してくれて……、あのときのことはずっと忘れられないよ」
おかげで私もやけっぱちにならずに済んだよー、と忍ちゃん。
やけっぱちっていうのは、身売りするつもりだったのかな……。
ハードな人生を送ってるな、この子。
「お兄ちゃんさ、この子のこと戦場ヶ原さん知ってるの?」
「ん……、まあ知ってはいるんだけど、黙認している感じというか。どうでもいいと思っているみたいだな」
ちょうど僕にとっての蝋燭沢くんみたいなもんだよ、とお兄ちゃん。
いやあ、けっこうアナタは彼に言及してますよ。
決して黙認はしていない。
それにその言い方ではお兄ちゃんが私の彼氏ポジションということになる。
けど。
忍ちゃん――忍野忍ちゃんか。
ゴールデンチョコレートをおいしそうに頬張る彼女。
一応、中学生らしい。
ならば。
「ねえ、忍ちゃん」
「うんっ?」
「『悪魔様』――って知ってる?」
233 = 193 :
忍ちゃんは手を止め、目をぱちくりさせた。
「そういう話、聞いたことないかな?」
彼女は微笑み――耳まで口が裂けんばかりに歪ませた。
まるで三日月のようだ。
「悪魔サマは知らない」
だけど、と続ける。
「悪魔なら知ってるよ」
――だって私が悪魔みたいなものなのだから。
ぞっと。
背筋が凍る。
動揺して物音を立ててしまった。
焦る。焦る。
汗が滴る。
忍ちゃんはゆらりと動き、
「だって、私は暦くんの小悪魔なんだもんっ!」
と。
さっきまでの天真爛漫な口調で言った。
234 = 231 :
よく考えたら忍って月火ちゃんの天敵だな
236 = 205 :
ほ
237 = 193 :
「お前、小悪魔ってなんだよ」
「えー、知らないのお暦くん? 女の子はねー、ちょっと小悪魔っぽいほうが男の子を魅了できるんだよー」
「また変な知恵をつけてる……」
忍ちゃんは元の調子になり、八重歯を見せてお兄ちゃんに微笑んでいた。
小悪魔?
さっきのはそんなかわいいものじゃなかった。
あれは――お化けだ。
『寝ぼけた人が見間違えたのさ』
しかし、私は見てしまったのだ。
忍ちゃんの凄惨な笑みを。
「つきちゃん、悪魔っていうのはとっても怖いんだよ。命をとられちゃうんだよっ!」
ほら、閻魔大王様みたいにー。
舌を出し、息苦しそうな振りをする忍ちゃん。
「だから――そういうの、近づかないほうがいいよ、きっと」
238 = 193 :
ごはん
239 :
なんて半端な時間に
240 = 167 :
丁度食い終わったところだわ
242 :
保守なのじゃ
244 = 167 :
落ちそう
245 = 167 :
ご飯大好きー
246 = 224 :
上がれ
248 = 193 :
ドーナツを食べ終えたあと、忍ちゃんはさらにゴクシャリのピーチ&マンゴーと塩キャラメル&オレを注文した。
ミスタードーナツの新製品・季節物は必ず食べるそう。
かき氷とジュースを合わせたものなので、しかもそれを二つ食べるとなるとお腹にきそう。
けれど、忍ちゃんはどちらもほとんど一息で呑み込んだ。
口の中に流し込むように飲み干した。
「…………」
「あっついよねー、今日は。脱水症になっちゃうよねっ」
と言い、再びオーダーし、席の戻ってくると今度は抹茶オレwithゼリーのミルクと黒蜜を抱えていた。
ミスタードーナツのために生まれてきたのだろうか、この子は。
開いた口が塞がらない。
やはり抹茶オレも、どちらも一息で飲み干した。
「忍、そろそろ帰ろう」
「えー、まだアイスティー頼んでないのにー」
「お前は僕の懐も飲み干してしまいそうなんだ」
全部お兄ちゃんがごちそうしていたのか。
私からお金を借りるお兄ちゃんなのに……。
忍ちゃんはしぶしぶと了解し、私達は3人ミスタードーナツを出て、クルマに乗り込んだ。
249 = 243 :
んふふすふ
250 = 179 :
他になにか書いてた?
みんなの評価 : ★★
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