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元スレ勇者「魔王捕まえた」
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ザワザワ ザワザワ……
メイド「うう、緊張感でピリピリしますわ……」
勇仮「ふははは、睨み合ったままというのはなかなかスリルがあるな!」
メイド(性格……)
メイド「と、ところで、本当に勝算はありますの?」ヒソヒソ
勇仮「あるに決まってるだろ」ヒソヒソ
メイド「言っちゃあなんですが、コボルト達の実力は大したことありませんわよ?
せいぜい人間二人分といったところです」
勇仮「今回の騎士軍の規模はおおよそ一万二千だったか」
メイド「こちらは半分の六千ですわ」
勇仮「ならぴったしだな」
メイド「……正気ですか?」
勇仮「本気だ」
勇仮「そろそろ頃合いだな」
コボルト伝令兵「騎士軍が前進の構えを見せております」
勇仮「うむ! では指揮官に作戦実行を伝えよ!」
オオオオオオオオオオオオオオオオオ!
メイド「作戦ってなんですの?」
勇仮「一つずつ解説していこうか」
メイド「はあ……」
勇仮「まず陣形だが」
メイド「はい」
勇仮「騎士軍は見ての通り横陣だ。
読んで字のごとく横に広い陣だな。最も基本的な陣形だと思う」
メイド「そうですわね。わたくしたちも同じですわ」
勇仮「いいや似ているがちょっと違う」
メイド「え?」
勇仮「よく見てみるといい。何かおかしな点に気付かないか?」
メイド「ええと……右側の方が人数が多いですわね」
勇仮「その通り」
メイド「何か意味ありますの?」
勇仮「これは斜行陣という陣形だよ」
メイド「斜行陣?」
勇仮「その陣形の極意は……まあ見てれば分かる」
本文「ここから先はにわか知識とファンタジー戦術だよ! 信じたら各方面から笑われるから注意してね!
本文さんとのお約束だよ!」
本文さんとのお約束だよ!」
コボルト指揮官「移動開始ぃぃぃぃ!」
メイド「な、なんですの?」
ザッザッザッザッザッ……
メイド「え!? 騎士軍がこっちに向かってくるのに、左側に移動し始めましたわよ!?
これでは道を空けてるようなものではありませんか!」
勇仮「いや違う」
メイド「何を冷静に! 魔王軍の背後、つまり私たちの守りががら空きになりますわ!」
勇仮「違う」
あれは横陣からの変形していくから違うんじゃね
元々片方に兵寄せてるし
元々片方に兵寄せてるし
メイド「いやー! わたくしは逃げますわ―!」
勇仮「おっと」ガシ
メイド「放してくださいましー!」
勇仮「よく見るんだ」
メイド「え?」
勇仮「ほら」
メイド「騎士軍が前進をやめて同じく左側に動き始めた?」
勇仮「あちらから見て右側だ」
メイド「な、なんで?」
勇仮「騎士軍の前衛はファランクス隊だ。右手に武器を持ち左手に盾を持つ。大体はな」
メイド「それが何か関係あるんですか?」
勇仮「一番右側には守りがない。だからそこを突かれると弱いんだ。
逆にいえば最も強い兵士たちが右側にいることにもなるが」
メイド「だから右側を守るように動く……」
勇仮「そうだ」
>>168
なんかこの状況想像したらシュールで笑った
なんかこの状況想像したらシュールで笑った
ザッザッザッザッザッザッ……
メイド「で、でも、こちらも相手も動くなら、永遠に左に移動し続けるんですの?」
勇仮「さすがにそれはない」
メイド「では?」
勇仮「まあ見てれば分かる。上手くいけば、だけど」
メイド「……?」
勇仮「……」
ザッザッザッザッザッザッザッ……
勇仮「……」
ザッザッザッザッザッザッザッ……
勇仮「……来た」
メイド「え?」
勇仮「今だ! 前進せよ!」
――オオオオオオオオオオオオオオッ!
メイド「なに? なに? なんですのー!?」
ザッザッザッザッザッザッ……
勇仮「右翼を先行させよ! 突撃だ!」
メイド「そ、そんな無茶ですわ!」
勇仮「いいや」
メイド「だって……」
メイド「!」
――オオオオオオオオオオオオオオオ!
キィン! カン! ガキン! ドシュ!
メイド「騎士軍が……割れた?」
勇仮「あれだけ急いで移動したんだ、当然隙間ができるさ」
メイド「つまりこういうことですか?
"横への移動が急すぎて、陣形が乱れた"!」
勇仮「当たりだ」
メイド「そこへ魔王軍、数の多い右側が突撃したから」
勇仮「騎士軍の陣が分断されたんだな」
メイド「でも、こちらだってその危険があったのでは?」
勇仮「何のために集団行動が得意な魔族を集めたと思ってるんだ?」
メイド「あっ」
メイド「な、なるほど」
勇仮「陣ってのは横や後ろが弱いもの。
あとは魔族の得意な乱戦でかき乱してくれればいい」
メイド「じゃ、じゃあ!」
勇仮「ああ、もう勝ったようなもんだな」
メイド「や、やったっ」
勇仮「でもまあ」
――ギャアアアアアアアアアアア!
メイド「!」ビク!
勇仮「やっぱり相手もただでは倒れないよな……」
メイド「なんですの!?」
勇仮「相手の方が数段上なんだよ……」
メイド「読まれていたんですか!?」
勇仮「いや、相手も油断してたんだろう。だからこそ弓射隊を使わず近接戦闘で片付けようとしたんだ。
だから俺たちにも勝機はあった。でも……」
カッ ズゥゥゥゥゥゥン!
メイド「……!」
勇仮「中央突破したコボルト兵が狙われてる……」
メイド「な、なんで……」
勇仮「呼びの兵力を背後に用意しておいたんだろうな。
それならば突破されても迎撃できる」
カッ ドゴォォォォォッ!
メイド「あれは魔術ですの!?」
勇仮「人間側の魔術だな。血陣魔術だ」
メイド「名前しか知らないです」
勇仮「人間は魔族と違って造作もなく魔術を行使するなんてできない。
それでも何とか模索して編み出されたのが血陣魔術なんだ」
――カッ ズガァァァァァン!
メイド「っ……ここまで余波が!」
勇仮「血を使って魔法陣を描画する!
血は生命力の源だから術式を使ってそれを引き出す!」
――カッ ドゴォォォォォォォォ!
勇仮「特徴として、速射性はないが時間をかけられるぶん精密で強力な魔術を使えるんだ!
戦向きだな!」
メイド「よく聞こえませんでしたわー!」
メイド「対策! 対策は!?」
勇仮「乱戦に持ち込めばやむはずだ。味方にも当たるからな」
メイド「……やみましたわね」
勇仮「これでこちらが有利のはず……多分」
メイド「もっと自信を持って言ってくださいまし……怖いですわ……」
勇仮「仕方ないよ、俺は本来ただの暗殺技能者にすぎないし。
手の届く範囲で精一杯なんだ」
メイド「……」
メイド「あ……でも」
勇仮「……」
メイド「あれは退却ではありませんか?」
勇仮「どうだろうな。騎士軍はこちらよりも数段上手だ。
遅滞行動かも」
メイド「痴態行動……?」
勇仮「ああ、ええと、まあいいや。こちらも魔王軍を戦場から離脱させよう」
メイド「みんな言うこと聞いてくれるでしょうか?」
勇仮「……コボルトさんたちの知性を信じよう」
>>186の痴態行動は誤字じゃなくてメイドがよく分かってなくて頭の中で誤変換したってことを言ってるんだと思う
つまりメイドたんまじヒロイン
つまりメイドたんまじヒロイン
<魔王城>
剣士「……」
剣士「そろそろ衝突している頃かしら?」
剣士「……」
剣士「心配だわ、やっぱりついていった方がよかったんじゃ」
剣士「だってあの子、なんだかんだ言ってまだ十八よ。
魔王軍をだまくらかして大規模戦闘なんて……」
剣士「……案外できてそうな気がするのが怖いけど」
剣士「まあ、正直に白状すると微妙に暇なのよね」
剣士「何だか魔王城もひっそりしちゃってるし」
剣士「今まであんなにピリピリしてたのが嘘みたい」
剣士「まるで嵐の前の静けさね」
剣士「……いけないわ、独り言が多すぎる」
剣士「でも暇なわけよ」
剣士「だからと言って寝るわけにもいかないし」
剣士「……」
――……ズゥゥゥン
剣士「……?」
剣士「何かしら?」
<牢屋>
――モクモクモク……
魔王「フゥ――フゥ――……」
魔王「ッ」クワ!
魔王「見たましたか、ぼくの力を!」
魔王「こんなチャチな首輪でどうにかできる程甘くありませんッッ!」
魔王「待ってなさい、勇者に剣士! ぼくを閉じ込めたこと、後悔させてあげます!」
<廊下>
剣士「こっちからだったわよね」
魔王「勇者ぁぁぁぁぁ!」
剣士「!」ビク!
――ドン!
魔王「わぁ!」ドスン
剣士「きゃっ」ドサ
魔王「……」
剣士「……」
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