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元スレ勇者「魔王捕まえた」
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勇者「おはよう」
メイド「……」ムス
剣士「……」グッタリ
勇者「どうした?」
メイド「……」プイ
剣士「きついわ……」
勇者「よくわからないけど、大変だったんだな」
剣士「この娘、夜通し暴れてたのよ……
ベッドに縛り付けてもすぐ抜け出しちゃうし、最終的には気絶させたけど」
勇者「ほほう」
メイド「ふんっ」
勇者「まあいいか、朝食を頼む」
メイド「いやですわ」
勇者「魔王がどうなってもいいのか?」
メイド「うぐ……」
勇者「さっさと用意を始めてくれ」
メイド「わかりましたー」ブス
メイド「どうぞ」
勇者「質素だな」
剣士「パンとスープだけ……」
メイド「あなた方にはこれで十分ですわ」
勇者「贅沢は言わないよ」パク
剣士「まあ、仕方ないわね」
勇者「あ、スープは飲まないように」
剣士「何でよ?」
勇者「毒」
メイド「……!」
メイド「な、なんで……」
勇者「本当に入ってたのか」
メイド「え?」
剣士「カマかけたのね」
勇者「いや、変な確信はあったけど、まさか当たるとは」
剣士「残念ね」
メイド「ぐぬぬ……」
・
・
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剣士「ねえ勇者、思ったんだけれど」
勇者「何だ?」
剣士「わたしたち、実は結構危険なんじゃ」
メイド「今頃気付いたんですの?」ジト
勇者「ここは敵陣の真っただ中なんだぞ」
剣士「……魔王が捕まってることは魔界中に知れ渡ってるの?」
勇者「いいや、この城の中だけで情報は止めてある。
情報を漏らすようなことがあったら魔王の命はないってな」
剣士「そんなの……」
勇者「まあ、そんなに長くはもたないだろうよ。早々に手を打つ必要がある」
剣士「何かいい手はあるの?」
勇者「いいや」
剣士「え?」
勇者「俺は手の届く範囲でしか物事を動かせない。だから、ここはできることだけやるさ」
剣士「できることって?」
勇者「例えば」
魔族近衛兵「喰らえ!」ジャッ!
勇者「"貫拳"」シュッ!
魔族近衛兵「がっ!」ドサリ
本文「は、反撃しただと!?」
勇者「自分の身を必死に守ることぐらいかな」スッ
剣士「……」ポカン
本文「く、くそ!」バッ!
勇者「"爆拳"!」
・
・
・
剣士「あれから五日……」
剣士「とてもじゃないけど生き延びられる気がしなくなってきたわ……」
剣士「昼間は襲撃に気を張り詰め、夜はメイドが暴れる……」
剣士「……眠い」
勇者「おはよう」
剣士「わたしはまだ寝てたい」
勇者「それがそうもいかなくなってきたみたいだ」
剣士「どういうこと?」
勇者「メイド、説明してやってくれ」
メイド「はぁ、なんでわたくしが……
ええとですね、簡単に言いますと人間たちが攻めてきましたの」
剣士「騎士軍?」
メイド「本腰を入れてきたわけではなさそうですわ。
でもやはり帝国の最高軍事力、こちらも相応の用意をしなければ立ち向かえません」
剣士「まさか……」
勇者「いや、俺たちの事がバレたとかそういうことはなさそうだ。ほとんど勘だが」
剣士「そう……あとどれくらいで衝突するの?」
メイド「騎士軍の移動速度からして、危険域に入るまであと二日程でしょうか。
わたくしたちも迎え撃つ準備をしなくてはなりませんわ」
剣士「どうするの勇者?」
勇者「魔王軍で応戦する」
剣士「魔族があなたの言うことを聞くの?」
勇者「この前の仮面とローブで魔族のふりをすることはできるよ。
後は魔王の剣でもひっさげて、魔王の右腕とでも称すれば多分」
剣士「わたしも行くわ」
勇者「申し出はうれしいけど、一応魔王と魔王城の番をする人員はほしい」
剣士「そんな」
勇者「剣士。その仕事はもしかしたら戦よりも大事かもしれないんだ」
剣士「……」
勇者「信頼してる」
剣士「……分かったわ」
勇者「メイド」
メイド「なんですの?」
勇者「至急魔王軍の手配を頼む。戦闘力はおいといて集団行動が得意な奴を集めてくれ」
メイド「……仕方ないですわね」
勇者「あと、君も来るんだ」
メイド「は?」
勇者「君も来るんだ」
メイド「ええ!? そんな、わたくしは魔王さまのおそばに」
勇者「それが困るんだ。君が魔王城にいては剣士の苦労が半端ないよ」
メイド「いやですわいやですわ!」
勇者「剣士、ちょっと魔王に崩拳を……」
メイド「行きます! 行かせてください!」
勇者「それでいいよ」
>>126
だからそんなにブサイクなのか・・・
だからそんなにブサイクなのか・・・
剣士「ねえ勇者」
勇者「何だ?」
剣士「無事帰ってきなさいよ」
勇者「分かってる」
剣士「約束だからね」
勇者「分かってるよ。それじゃ行ってくる」
ツカツカ ツカツカ……
剣士「……」
>魔王「"貫拳"、了」
こことタイトルの出し方で爆笑せざるをえなかった
こことタイトルの出し方で爆笑せざるをえなかった
なんだよお前ら、普段は厨二に理解があるような振りしてるのに叩くなよ
<二日後.平原.天幕の前>
メイド「……そろそろですわね」
勇者仮面「うむ」
メイド「あの地平に見えるのが騎士軍でしょうか」
勇仮「どうであろうな」
メイド「……」
勇仮「む、どうしたのだ?」
メイド「そのしゃべり方何とかなりませんの?」ヒソヒソ
勇仮「威厳はあるに越したことはないだろ?」ヒソヒソ
メイド「確かに魔族はそういったものを尊びますが……」ヒソヒソ
勇仮「ならほっといてくれ」ヒソヒソ
メイド「……」
>>133
ガッ
ガッ
勇仮「さて、今回配置した魔王軍の内訳を教えてほしい」
メイド「……ええと、あなたが所望されたのはとにかく集団行動が得意な魔族でしたわね?」
勇仮「うむ。武勲を焦るような種族では困る」
メイド「ということで獣人のコボルト族がメインとなっております」
コボルト剣士「ワオーン!」
コボルト弓兵「グルル……」
本文「ぅらぁぁぁいセイ! セセセセセイ!」
メイド「と、このように」
勇仮「うむ、よろしい」
>>136
ちょwww本文www
ちょwww本文www
勇仮「では指揮官を集めてくれ、作戦を発表するぞ」
メイド「話し合うのではなく?」
勇仮「今までの騎士軍と魔王軍の戦を見てればわかる。魔王軍はろくな戦術を持っておらん」
メイド「……魔族を馬鹿にしますか?」
勇仮「違う。それでも、また圧倒的物量差がありながら互角に戦っている魔族を褒めておるのさ」
メイド「……」
勇仮「ともかくだ、我輩の戦略に従ってもらう必要がある。今回は必ず勝たねばならん」
メイド「なぜ?」
勇仮「信頼を得るためだな」
<天幕>
勇仮「――以上で説明を終わる。何か質問はあるか?」
コボルト第一部隊指揮官「……お前は何者だ?」
勇仮「ぬ、自己紹介はしたはずだが?」
コボルト第一部隊指揮官「新たに魔王さまの右腕として側近となった仮面人、だったか。
確かに証として魔王さまの剣を帯びている。
だが、俺はそんなこと今日初めて知ったぞ」
勇仮「なにぶん急な就任だったものでな、各部族への通達が遅れたのだ」
コボルト第一部隊指揮官「……」
勇仮「すまぬとは思う。お主らを軽んじたのではないことだけは信じてほしい」
コボルト第一部隊指揮官「……ふん」
勇仮「他には?」
コボルト第二部隊指揮官「俺からも一つ。先ほどの作戦だが、なぜそんな回りくどい事をする?
我ら魔族の力をもってすれば簡単に――」
勇仮「簡単に、何だ? 相手はあの騎士軍であるぞ?」
コボルト第二部隊指揮官「だが! 俺たちは小細工は好まぬ!」
勇仮「小細工かどうかは単なる視点の違いでしかない。
それに相手はあの騎士軍だ。今回敗北すれば立て直すのは難しい。
我輩らは今は勝たねばならん」
コボルト第二部隊指揮官「……」
勇仮「すまぬがここは魔王さまの名に免じて呑み込んでくれ」
勇仮「他にも質問を受け付けたいところだが、そろそろお出ましのようだな」
メイド「来ました! 騎士軍です!」
勇仮「今回竜族や鬼人族、その他単純に力の強い者たちで軍を構成しなかったのは理由がある」
「理由?」
勇仮「うむ、君たちには可能性がある。ただ単に強力でないゆえの決戦力がな」
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