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元スレ魔王「魔王を倒そう」
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側近「……は? どうしたんです、魔王様。長い窓際生活で、ついに頭が?」
魔王「黙れ側近。聞けば勇者再臨の噂があるそうじゃないか」
側近「聞けばというか、言ったの私ですよね」
魔王「これを利用しない手はない……我が兄弟の魔王達を駆逐してやろうではないか」
側近「はあ、できるんですか? 5人兄弟の中で最も落ちこぼれである魔王様に」
魔王「では側近よ! こんな小島としか呼べないようなところしか領地が無くていいのか!」
側近「まあ確かに、他の4人は巨大な大陸が領地ですけど……」
魔王「これは自由を勝ち取るための戦いだ! こんな生活からの脱却を目指すのだ!」
魔王「黙れ側近。聞けば勇者再臨の噂があるそうじゃないか」
側近「聞けばというか、言ったの私ですよね」
魔王「これを利用しない手はない……我が兄弟の魔王達を駆逐してやろうではないか」
側近「はあ、できるんですか? 5人兄弟の中で最も落ちこぼれである魔王様に」
魔王「では側近よ! こんな小島としか呼べないようなところしか領地が無くていいのか!」
側近「まあ確かに、他の4人は巨大な大陸が領地ですけど……」
魔王「これは自由を勝ち取るための戦いだ! こんな生活からの脱却を目指すのだ!」
――――――
側近「魔王様、勇者が本格的な魔王討伐へと乗りきったようです」
魔王「そうか……それで、勇者の現在位置は?」
側近「地図で言えば南西の大陸です。城にはまだ遠いようですが」
魔王「あの大陸の城というと、弟のか」
側近「はい。魔王様を遥かに上回る才能を持ち、幼くして世界の4大陸のうちの1つを任された弟様の城です」
魔王「……殺されたくなければその程度にしておけ。お前が側近だからといって、俺は容赦をしない」
側近「私が死ねば、困るのは魔王様ですよ? 我ながらここまで優秀な魔族は、魔王の血筋を除けば存在しないかと」
魔王「犯すぞ」
側近「殺されたくなければ、からランクダウンしましたね。あと、レディーに対する言葉としては最低の最低レベルです」
魔王「……」
側近「魔王様、勇者が本格的な魔王討伐へと乗りきったようです」
魔王「そうか……それで、勇者の現在位置は?」
側近「地図で言えば南西の大陸です。城にはまだ遠いようですが」
魔王「あの大陸の城というと、弟のか」
側近「はい。魔王様を遥かに上回る才能を持ち、幼くして世界の4大陸のうちの1つを任された弟様の城です」
魔王「……殺されたくなければその程度にしておけ。お前が側近だからといって、俺は容赦をしない」
側近「私が死ねば、困るのは魔王様ですよ? 我ながらここまで優秀な魔族は、魔王の血筋を除けば存在しないかと」
魔王「犯すぞ」
側近「殺されたくなければ、からランクダウンしましたね。あと、レディーに対する言葉としては最低の最低レベルです」
魔王「……」
魔王「まあいい。勇者の精確な座標を導き出して……」
???「こんにちは~、弟くん!」
魔王「ぐっ……その声は姉上ですか。俺ももう子供ではありません。急に現れて急に抱きついてくるのはやめてください」
姉魔王「いいじゃない。いつまでたっても、弟くんは私の弟くんよ?」
側近「姉上様。ご訪問でしたら、玉座の間へ直接テレポートするのではなく、正門から……」
姉魔王「あら、私に正門から歩いてこいってことかしら?」
側近「は……」
魔王「側近の言うとおりだ姉上。急に来られてしまっては、もてなしをする準備もできない」
姉魔王「良いのよもてなしなんて。私にとっては弟くんと一緒にいられることが最高のもてなしなの」
魔王「しかし……」
???「こんにちは~、弟くん!」
魔王「ぐっ……その声は姉上ですか。俺ももう子供ではありません。急に現れて急に抱きついてくるのはやめてください」
姉魔王「いいじゃない。いつまでたっても、弟くんは私の弟くんよ?」
側近「姉上様。ご訪問でしたら、玉座の間へ直接テレポートするのではなく、正門から……」
姉魔王「あら、私に正門から歩いてこいってことかしら?」
側近「は……」
魔王「側近の言うとおりだ姉上。急に来られてしまっては、もてなしをする準備もできない」
姉魔王「良いのよもてなしなんて。私にとっては弟くんと一緒にいられることが最高のもてなしなの」
魔王「しかし……」
姉魔王「それで、何か面白い話をしていたようだけれど?」
魔王「……聞いていらっしゃったので」
姉魔王「いいえ、最後の方だけよ。勇者の座標がどうとかというところだけ」
魔王「そうですか。単純な話です。我々魔王の敵である勇者の動向を知りたいというだけで」
姉魔王「敵?」
魔王「……そうですが、それが何か」
姉魔王「ぷっ、ふふ……あ、はははははははっ!」
魔王「姉上……」
姉魔王「敵! 敵ねぇ! 所詮勇者なんてちょっと強い程度の人間でしょう? 敵だなんて……! ぷっ」
魔王「……」
魔王「……聞いていらっしゃったので」
姉魔王「いいえ、最後の方だけよ。勇者の座標がどうとかというところだけ」
魔王「そうですか。単純な話です。我々魔王の敵である勇者の動向を知りたいというだけで」
姉魔王「敵?」
魔王「……そうですが、それが何か」
姉魔王「ぷっ、ふふ……あ、はははははははっ!」
魔王「姉上……」
姉魔王「敵! 敵ねぇ! 所詮勇者なんてちょっと強い程度の人間でしょう? 敵だなんて……! ぷっ」
魔王「……」
姉魔王「ふふっ……ああ、ごめんなさい。それで敵……ぷっ……勇者がどうしたって?」
魔王「南西の大陸で行動を開始しているようです。あそこは弟の大陸ですから、少し心配を」
姉魔王「ああ、下の弟くん? 確かに5人きょうだいの中では一番小さい子だけど……大丈夫じゃない?」
魔王「ええ、素質だけでいえば俺は勿論のこと、姉上や兄上をも上回っていますから」
姉魔王「そうみたいねぇ。お兄様は下の弟くんに凄く目を置いていらっしゃるみたいだけど……私は弟くんのほうが好きよ? 5人の中で最も才能が無くても、ね」
魔王「今はそういう話をしているのではありません」
姉魔王「あら、気を悪くしちゃった? 可愛い~」
魔王「……姉上が先程おっしゃったように、勇者は所詮人間に過ぎません。弟であれば充分に消し去ることができるでしょう。しかし」
魔王「南西の大陸で行動を開始しているようです。あそこは弟の大陸ですから、少し心配を」
姉魔王「ああ、下の弟くん? 確かに5人きょうだいの中では一番小さい子だけど……大丈夫じゃない?」
魔王「ええ、素質だけでいえば俺は勿論のこと、姉上や兄上をも上回っていますから」
姉魔王「そうみたいねぇ。お兄様は下の弟くんに凄く目を置いていらっしゃるみたいだけど……私は弟くんのほうが好きよ? 5人の中で最も才能が無くても、ね」
魔王「今はそういう話をしているのではありません」
姉魔王「あら、気を悪くしちゃった? 可愛い~」
魔王「……姉上が先程おっしゃったように、勇者は所詮人間に過ぎません。弟であれば充分に消し去ることができるでしょう。しかし」
魔王「勇者の恐ろしさは潜在能力にあります。無限に成長する力は間違いなく我々魔王の障害となるでしょう。万が一弟が討たれるようなことがあれば……」
姉魔王「勇者はさらに潜在能力を引き出し、次の標的は自分たちへ?」
魔王「ええ。勇者の血筋は父上を討った実績があるのです。今回も場合によっては我々魔王は……」
姉魔王「……」
魔王「姉上?」
姉魔王「……いい」
魔王「は?」
姉魔王「可愛いっ!! クールな顔してるくせに未知の脅威に恐れおののく弟くん……! 凄く良いわ!」
姉魔王「勇者はさらに潜在能力を引き出し、次の標的は自分たちへ?」
魔王「ええ。勇者の血筋は父上を討った実績があるのです。今回も場合によっては我々魔王は……」
姉魔王「……」
魔王「姉上?」
姉魔王「……いい」
魔王「は?」
姉魔王「可愛いっ!! クールな顔してるくせに未知の脅威に恐れおののく弟くん……! 凄く良いわ!」
魔王「姉上、茶化さないでください」
姉魔王「茶化してなんかいないわ。つまり弟くんは、勇者っていう人間が怖いのね?」
魔王「それは否定できませんが」
姉魔王「じゃあこうしましょう! こんな小さな孤島の城なんて捨てて、私の城に来なさい? ずっと守ってあげるし、甘えさせてもあげるから、ね?」
魔王「それは父上の意思に反しています。俺はこの島を任されているので」
姉魔王「死んだヒトの言葉を重要視するなんて、律儀ねぇ……それに任されていると言っても、他の4人4大陸と比べて露骨な閑職じゃない」
魔王「それもわかっています。ですが姉上、俺にもプライドというものがあります」
魔王(なにより、姉上と同じところにいては何かと動きづらいからな)
姉魔王「そう、残念……まあいいわ。今日はそろそろ帰るけど、気が変わったらいつでも言ってね?」
魔王「ええ、お身体にお気をつけて」
姉魔王「大袈裟ねぇ。じゃあ、またね」
姉魔王「茶化してなんかいないわ。つまり弟くんは、勇者っていう人間が怖いのね?」
魔王「それは否定できませんが」
姉魔王「じゃあこうしましょう! こんな小さな孤島の城なんて捨てて、私の城に来なさい? ずっと守ってあげるし、甘えさせてもあげるから、ね?」
魔王「それは父上の意思に反しています。俺はこの島を任されているので」
姉魔王「死んだヒトの言葉を重要視するなんて、律儀ねぇ……それに任されていると言っても、他の4人4大陸と比べて露骨な閑職じゃない」
魔王「それもわかっています。ですが姉上、俺にもプライドというものがあります」
魔王(なにより、姉上と同じところにいては何かと動きづらいからな)
姉魔王「そう、残念……まあいいわ。今日はそろそろ帰るけど、気が変わったらいつでも言ってね?」
魔王「ええ、お身体にお気をつけて」
姉魔王「大袈裟ねぇ。じゃあ、またね」
魔王「ふ、う……」
側近「お疲れ様です。相変わらずあの女は……いえ、姉上様は嵐のようなお方ですね」
魔王「間違っても喧嘩を売るんじゃないぞ。姉上から少しでも傷を負えば、その傷口から腐り落とされたりするからな」
側近「さすがは腐食王……」
魔王「その二つ名も、本人は気に入っていないから気をつけろ。姉上の機嫌が悪いというだけで魔族が数百匹消しとんだことがある」
側近「……それで、私は勇者の位置を調べればよいのですか?」
魔王「ああ、そうだな。どのくらいの時間が必要だ?」
側近「18時間以内には」
魔王「優秀だな。またあの腐食王が来たりする前に、事を進めておきたい。急いでくれ」
側近「わかりました」
側近「お疲れ様です。相変わらずあの女は……いえ、姉上様は嵐のようなお方ですね」
魔王「間違っても喧嘩を売るんじゃないぞ。姉上から少しでも傷を負えば、その傷口から腐り落とされたりするからな」
側近「さすがは腐食王……」
魔王「その二つ名も、本人は気に入っていないから気をつけろ。姉上の機嫌が悪いというだけで魔族が数百匹消しとんだことがある」
側近「……それで、私は勇者の位置を調べればよいのですか?」
魔王「ああ、そうだな。どのくらいの時間が必要だ?」
側近「18時間以内には」
魔王「優秀だな。またあの腐食王が来たりする前に、事を進めておきたい。急いでくれ」
側近「わかりました」
―――――――
側近「……様。……魔王様」
魔王「ん……ああ、側近か……」
側近「私が努力している間、呑気に昼寝とは羨ましい限りです」
魔王「貴様……」
側近「ふふ、冗談です。申し訳ありません、眠っていらっしゃったのに」
魔王「いや……それで、どうした」
側近「勇者の位置を特定しました」
魔王「よくやった。それで、どのあたりだ?」
側近「はい。弟様の城から南へ約……」
側近「……様。……魔王様」
魔王「ん……ああ、側近か……」
側近「私が努力している間、呑気に昼寝とは羨ましい限りです」
魔王「貴様……」
側近「ふふ、冗談です。申し訳ありません、眠っていらっしゃったのに」
魔王「いや……それで、どうした」
側近「勇者の位置を特定しました」
魔王「よくやった。それで、どのあたりだ?」
側近「はい。弟様の城から南へ約……」
魔王「驚いたな……侵攻速度が予想より数段早い」
側近「どうなさりますか?」
魔王「勇者に直接会ってくる。その間の留守は頼む」
側近「討伐なさるので?」
魔王「……まさか。その逆だ。宝物庫から今から言うものを持ってきてくれ」
側近「わかりました」
側近「どうなさりますか?」
魔王「勇者に直接会ってくる。その間の留守は頼む」
側近「討伐なさるので?」
魔王「……まさか。その逆だ。宝物庫から今から言うものを持ってきてくれ」
側近「わかりました」
そんな明らかに格下な魔王いたら真っ先に潰されるだろ
少なくとも腕試しで先に回られるだろ
少なくとも腕試しで先に回られるだろ
勇者「せやァッ!」
魔物「ガ、アガアアアアアアァァァ!!!」
魔王(あいつが勇者か……なるほど、確かに普通の人間よりも圧倒的な能力を持っているようだ)
勇者「……よし、この辺りの魔族は、これで倒しきったかな」
魔王「もし」
勇者「誰だッ!」
魔王「剣を下ろしてください。自分は魔物ではありません」
勇者「す、すみません。こんなところに人がいるなんて思わなかった。ここは危険ですから、すぐに近くの村か町へ……ここから南にいけばいくつかあるはずです」
魔物「ガ、アガアアアアアアァァァ!!!」
魔王(あいつが勇者か……なるほど、確かに普通の人間よりも圧倒的な能力を持っているようだ)
勇者「……よし、この辺りの魔族は、これで倒しきったかな」
魔王「もし」
勇者「誰だッ!」
魔王「剣を下ろしてください。自分は魔物ではありません」
勇者「す、すみません。こんなところに人がいるなんて思わなかった。ここは危険ですから、すぐに近くの村か町へ……ここから南にいけばいくつかあるはずです」
魔王「いえ、自分はあなたを追ってきたのです」
勇者「僕を……?」
魔王(目つきが変わった。ただのバカではないようだな)
勇者「それで、僕に何のようなんです?」
魔王「自分はここより東へ存在する大陸の、さらに向こうの者でございます。お見受けしたところ、あなたはさぞ力のある戦士……いや、勇者様と見える」
勇者「そ、そっか。わかるものなのかな?」
魔王「ええ、あなたの戦いぶりをみればどんな者であっても気付きましょう。勇者再臨の知らせは遥か東にまで届いております」
勇者「僕を……?」
魔王(目つきが変わった。ただのバカではないようだな)
勇者「それで、僕に何のようなんです?」
魔王「自分はここより東へ存在する大陸の、さらに向こうの者でございます。お見受けしたところ、あなたはさぞ力のある戦士……いや、勇者様と見える」
勇者「そ、そっか。わかるものなのかな?」
魔王「ええ、あなたの戦いぶりをみればどんな者であっても気付きましょう。勇者再臨の知らせは遥か東にまで届いております」
魔王「自分どもは魔王達によって苦しい立場に置かれています。ですから、勇者様に頼る他はありません」
勇者「ま、待ってください。今、『魔王達』と?」
魔王(そういえば側近の話によると、人間にとって魔王は1人しか存在しないと伝わっているのだったな。情報を流す意味でも直接会えたのは正解だったか)
勇者「答えてください! 魔王は多数存在するのですか!」
魔王「ええ、魔王は5人います。4大陸それぞれ魔王城が存在しているのはご存知でしょう。そこに1人ずつと、……辺境に1人」
勇者「そんな……城だけでなく、魔王も多数いるとは……」
魔王「城が多数あれば、王も多数存在する。当然の道理でございましょう。勇者様にはお苦しい旅になると思います」
勇者「ええ……正直言って、ここの魔王1体を倒すのですら人生の全てを賭けるつもりでした」
勇者「ま、待ってください。今、『魔王達』と?」
魔王(そういえば側近の話によると、人間にとって魔王は1人しか存在しないと伝わっているのだったな。情報を流す意味でも直接会えたのは正解だったか)
勇者「答えてください! 魔王は多数存在するのですか!」
魔王「ええ、魔王は5人います。4大陸それぞれ魔王城が存在しているのはご存知でしょう。そこに1人ずつと、……辺境に1人」
勇者「そんな……城だけでなく、魔王も多数いるとは……」
魔王「城が多数あれば、王も多数存在する。当然の道理でございましょう。勇者様にはお苦しい旅になると思います」
勇者「ええ……正直言って、ここの魔王1体を倒すのですら人生の全てを賭けるつもりでした」
魔王「ですから、その勇者様にせめてもの贈り物をと」
勇者「贈り物?」
魔王「ええ、これを」
勇者「これは……鎧? 剣や盾、金貨も!」
魔王「その装備は、小人の鍛冶師達が数百年をかけて作りだしたものです。これを身に纏った勇者様であればきっとこの大陸の魔王は討てましょう」
勇者「しかし、本当のいいんですか?」
魔王「対価として、この世界の平和を望みます。どうか御武運を……」
勇者「ありがとうございます! わあ、本当に良い装備だ……金貨だってたくさんある」
魔王(その装備をもってしても、弟を倒せるかどうかは良くて五分と言ったところだろうがな。精々頑張ってくれよ)
勇者「ああ、そうだ。近くの村まで護衛を……ってあれ……いない?」
勇者「贈り物?」
魔王「ええ、これを」
勇者「これは……鎧? 剣や盾、金貨も!」
魔王「その装備は、小人の鍛冶師達が数百年をかけて作りだしたものです。これを身に纏った勇者様であればきっとこの大陸の魔王は討てましょう」
勇者「しかし、本当のいいんですか?」
魔王「対価として、この世界の平和を望みます。どうか御武運を……」
勇者「ありがとうございます! わあ、本当に良い装備だ……金貨だってたくさんある」
魔王(その装備をもってしても、弟を倒せるかどうかは良くて五分と言ったところだろうがな。精々頑張ってくれよ)
勇者「ああ、そうだ。近くの村まで護衛を……ってあれ……いない?」
×勇者「本当のいいんですか?」
○勇者「本当にいいんですか?」
○勇者「本当にいいんですか?」
側近「おかえりなさい。大丈夫でしたか?」
魔王「ああ。いかにも単純そうな奴だったよ」
側近「そんな者が、本当に弟様を討てるのですか? 弟様の才能は魔王様を遥かに……」
魔王「側近、それはもう良いだろう」
側近「しかし、事実です。いくら人間が扱える最高クラスの装備を身に付けたとはいえ、勇者はまだ十数歳と聞いています。人間の感覚で言ってもまだ少年と呼ぶ年齢でしょう」
魔王「魔族の感覚で言えば、弟もまだ少年だろう」
側近「それはそうですが……」
魔王「確かに弟の才能は非常に高い。しかしまだ幼すぎる。力の扱い方というものを理解していない」
魔王「ああ。いかにも単純そうな奴だったよ」
側近「そんな者が、本当に弟様を討てるのですか? 弟様の才能は魔王様を遥かに……」
魔王「側近、それはもう良いだろう」
側近「しかし、事実です。いくら人間が扱える最高クラスの装備を身に付けたとはいえ、勇者はまだ十数歳と聞いています。人間の感覚で言ってもまだ少年と呼ぶ年齢でしょう」
魔王「魔族の感覚で言えば、弟もまだ少年だろう」
側近「それはそうですが……」
魔王「確かに弟の才能は非常に高い。しかしまだ幼すぎる。力の扱い方というものを理解していない」
>>23
回れ右
回れ右
魔王「しかも自分が非凡だ天才だと誉めたたえられるものだから、上手く扱えないはずの己の力を過信しすぎている。まあ、それがあのクソ生意気な性格に表れているわけだが」
側近「この間お会いしたときは、魔王様に『あぁ、まだ生きてたんだ。上の姉ちゃんのおっぱいでも吸ってんの? なんか御利益ありそうだよね』とか言われてましたね」
魔王「思い出させるな。あの場で兄上がいなければ即刻制裁していたところだったんだが」
側近「ところで、吸ってるんですか?」
魔王「ん?」
側近「吸ってるんですか? 姉上様のおっぱい」
魔王「お前を制裁しない理由は、ここには無いぞ?」
側近「この間お会いしたときは、魔王様に『あぁ、まだ生きてたんだ。上の姉ちゃんのおっぱいでも吸ってんの? なんか御利益ありそうだよね』とか言われてましたね」
魔王「思い出させるな。あの場で兄上がいなければ即刻制裁していたところだったんだが」
側近「ところで、吸ってるんですか?」
魔王「ん?」
側近「吸ってるんですか? 姉上様のおっぱい」
魔王「お前を制裁しない理由は、ここには無いぞ?」
はい書きました
言われたから書きました
言われたので書きました
言われたから書いた言われたから書いた言われたから書いた言われたから書いた
なのになんで批判するんですか?
言われたから書きました
言われたので書きました
言われたから書いた言われたから書いた言われたから書いた言われたから書いた
なのになんで批判するんですか?
――――――
側近「どうして私が床に磔(はりつけ)にされないといけないんですか」
魔王「自分の胸に聞け」
側近「胸ですか? 確かに私の胸は姉上様ほど豊満ではありません。しかし、あそこまで大きいのは流石に嫌味というか下品というか、むしろ私くらいが丁度良いという」
魔王「反省していないな?」
側近「いいえ、反省しています。ですから他の場所に替えて欲しいです。床は冷たいので」
魔王「床が嫌なら壁か? 天井か? どこも変わらんと思うが」
側近「玉座で」
側近「どうして私が床に磔(はりつけ)にされないといけないんですか」
魔王「自分の胸に聞け」
側近「胸ですか? 確かに私の胸は姉上様ほど豊満ではありません。しかし、あそこまで大きいのは流石に嫌味というか下品というか、むしろ私くらいが丁度良いという」
魔王「反省していないな?」
側近「いいえ、反省しています。ですから他の場所に替えて欲しいです。床は冷たいので」
魔王「床が嫌なら壁か? 天井か? どこも変わらんと思うが」
側近「玉座で」
――――――
側近「本当に最低です。えっち。変態。馬鹿。アホ。マヌケ。雑魚魔王」
魔王「最後のだけは効くからあまり使うなよ」
側近「だったら服を返してください。恥ずかしいんですから!」
魔王「そんなことを言っているが俺はお前の裸体を見ても何とも思わんし、正直言ってお前も俺に裸体を見られて何とも思ってないだろ?」
側近「いやっ、本当に恥ずかしいですウエストとか。床の冷たさが増すから嫌、とかそんなことではないです」
魔王「お前は魔族の中でも最上級だから経験したことはないんだろうが、魔王の中に底辺で這いつくばる俺の屈辱と冷たさをそこで知れ」
側近「あ、鼻毛見えますよ? ……ああ、嘘……ではないですけどそれはともかく、こんなところ誰かが来たらどう言い訳するんですか」
???「おぃーっす!」
側近「ほら言わんこっちゃない……」
側近「本当に最低です。えっち。変態。馬鹿。アホ。マヌケ。雑魚魔王」
魔王「最後のだけは効くからあまり使うなよ」
側近「だったら服を返してください。恥ずかしいんですから!」
魔王「そんなことを言っているが俺はお前の裸体を見ても何とも思わんし、正直言ってお前も俺に裸体を見られて何とも思ってないだろ?」
側近「いやっ、本当に恥ずかしいですウエストとか。床の冷たさが増すから嫌、とかそんなことではないです」
魔王「お前は魔族の中でも最上級だから経験したことはないんだろうが、魔王の中に底辺で這いつくばる俺の屈辱と冷たさをそこで知れ」
側近「あ、鼻毛見えますよ? ……ああ、嘘……ではないですけどそれはともかく、こんなところ誰かが来たらどう言い訳するんですか」
???「おぃーっす!」
側近「ほら言わんこっちゃない……」
???「んー? なんだこれ。どういう状況? 兄ちゃん」
魔王「弟か。ちょっとお仕置き中だ。深い意味はない」
側近「いらっしゃいませ弟様。どうかお助けください」
弟魔王「兄ちゃんがやってることだからオレには何ともねー。ひょいっ」
側近「やっ……弟様っ、やめっ……そこは……」
魔王「俺の物だ、あまり触るな。……それで、何のようだ?」
弟魔王「ちぇっ、面白いのに……。用ってのは、兄ちゃんに頼みごとがあるんだよね」
魔王「頼みごとだと? お前が俺にか」
弟魔王「そうそう。使いを送るんじゃなくてわざわざオレ自身が出向いたんだから、感謝して欲しいよねー」
魔王「弟か。ちょっとお仕置き中だ。深い意味はない」
側近「いらっしゃいませ弟様。どうかお助けください」
弟魔王「兄ちゃんがやってることだからオレには何ともねー。ひょいっ」
側近「やっ……弟様っ、やめっ……そこは……」
魔王「俺の物だ、あまり触るな。……それで、何のようだ?」
弟魔王「ちぇっ、面白いのに……。用ってのは、兄ちゃんに頼みごとがあるんだよね」
魔王「頼みごとだと? お前が俺にか」
弟魔王「そうそう。使いを送るんじゃなくてわざわざオレ自身が出向いたんだから、感謝して欲しいよねー」
魔王「それで、頼みごととは何だ」
弟魔王「勇者って奴がさぁ、うちの大陸にいるの知ってるよね?」
魔王「……ああ、聞いている」
魔王(まさか、俺が勇者に接触したことに感づかれたか……?)
弟魔王「でさぁ、あいつオレんとこの魔物とか魔族殺しまくっちゃってるわけ。本当はオレが相手すれば良いんだけど、オレって遊びたい盛りじゃん?」
魔王「何が良いたい」
弟魔王「オレが自ら相手しなくても勝手に消えて貰えるようにさ、強い魔族を送って貰おうかなーと思って」
側近「そんな……」
魔王「まさかお前……」
弟魔王「勇者って奴がさぁ、うちの大陸にいるの知ってるよね?」
魔王「……ああ、聞いている」
魔王(まさか、俺が勇者に接触したことに感づかれたか……?)
弟魔王「でさぁ、あいつオレんとこの魔物とか魔族殺しまくっちゃってるわけ。本当はオレが相手すれば良いんだけど、オレって遊びたい盛りじゃん?」
魔王「何が良いたい」
弟魔王「オレが自ら相手しなくても勝手に消えて貰えるようにさ、強い魔族を送って貰おうかなーと思って」
側近「そんな……」
魔王「まさかお前……」
弟魔王「ああ、違う違う! そこで寝てるヒトはオレ要らないよ。だって兄ちゃんが持ってる唯一の配下だもんね。オレってさ、そこらへん大人だから。そもそもそのヒト、オレの好みじゃないし」
側近「……」
魔王「戦力の派遣が出来ないのはお前が知っての通りだ。だったらなぜ俺のところに来た?」
弟魔王「上の姉ちゃんにさ、ちょっと具申して貰えないかなーって。ほら、兄ちゃんの取り得なんて姉ちゃんに気に入られてることくらいしか無いんだし、活かさないと損じゃん?」
魔王「……」
弟魔王「ね、いいでしょ? 可愛い弟がこんなに頼んでるんだからさー。いいでしょ?」
魔王「わかった……姉上に相談してみよう。一人で行くほうが都合がいいから、お前はもう帰れ」
弟魔王「サンキュー、話が早いね! じゃあ頼むね! 失敗したら怒るかんねー! バイバーイ」
側近「……」
魔王「戦力の派遣が出来ないのはお前が知っての通りだ。だったらなぜ俺のところに来た?」
弟魔王「上の姉ちゃんにさ、ちょっと具申して貰えないかなーって。ほら、兄ちゃんの取り得なんて姉ちゃんに気に入られてることくらいしか無いんだし、活かさないと損じゃん?」
魔王「……」
弟魔王「ね、いいでしょ? 可愛い弟がこんなに頼んでるんだからさー。いいでしょ?」
魔王「わかった……姉上に相談してみよう。一人で行くほうが都合がいいから、お前はもう帰れ」
弟魔王「サンキュー、話が早いね! じゃあ頼むね! 失敗したら怒るかんねー! バイバーイ」
魔王「……」
側近「魔王様……」
魔王「くっ……くくく……」
側近「……?」
魔王「く、あっはっははははは!!」
側近「苛立っているかと思いきや、酷く上機嫌ですね」
魔王「ハッハハ! 側近よ、僥倖とはまさにこのことだとは思わないか!」
側近「何のことです?」
魔王「姉上の城へ行ってくる! 留守を頼むぞ!」
側近「あ……」
側近「全裸のまま磔にされて、留守も何もないでしょう……」
側近「魔王様……」
魔王「くっ……くくく……」
側近「……?」
魔王「く、あっはっははははは!!」
側近「苛立っているかと思いきや、酷く上機嫌ですね」
魔王「ハッハハ! 側近よ、僥倖とはまさにこのことだとは思わないか!」
側近「何のことです?」
魔王「姉上の城へ行ってくる! 留守を頼むぞ!」
側近「あ……」
側近「全裸のまま磔にされて、留守も何もないでしょう……」
――――――
側近「魔王様! 魔王様!!」
魔王「どうした、そんなに慌てて。お前らしくもないな」
側近「弟様の城へと突入した勇者が、無事に城を出たとの情報が!」
魔王「そうか……クックク……思っていたよりも早かったな」
側近「姉上様が戦力の派遣を行ったと言うのに、どうして……」
魔王「それだよ」
側近「それって……戦力の派遣、ですか?」
魔王「ああ」
側近「魔王様! 魔王様!!」
魔王「どうした、そんなに慌てて。お前らしくもないな」
側近「弟様の城へと突入した勇者が、無事に城を出たとの情報が!」
魔王「そうか……クックク……思っていたよりも早かったな」
側近「姉上様が戦力の派遣を行ったと言うのに、どうして……」
魔王「それだよ」
側近「それって……戦力の派遣、ですか?」
魔王「ああ」
魔王「弟が俺の城にくるまでは、勇者が弟に勝てるかどうかは微妙なところだった。しかも、勇者は弟の城まであと一歩と言ったところまで近づいていたしな」
側近「ええ、しかし、弟様が敗れる敗因と戦力の派遣にどんな関係が?」
魔王「考えてもみろ。勇者はあの時点で既に、下級ではあるものの魔王に肉薄しようかという実力を持つ者だったのだ。姉上が他の領地へ派遣を行える程度の魔族や魔物では、歯が立つわけがない」
側近「考えてみれば、確かに……」
魔王「しかも弟の性格上から考えるに、派遣された魔物や魔族は一挙に勇者へけしかけさせたことだろう。そんなことをすれば……」
側近「勇者のレベルは鰻登りですね。本来ならば上がるはずのなかった……」
魔王「その通りだ。姉上や兄上ならともかく、幼い弟が相手できるような存在ではない」
側近「ええ、しかし、弟様が敗れる敗因と戦力の派遣にどんな関係が?」
魔王「考えてもみろ。勇者はあの時点で既に、下級ではあるものの魔王に肉薄しようかという実力を持つ者だったのだ。姉上が他の領地へ派遣を行える程度の魔族や魔物では、歯が立つわけがない」
側近「考えてみれば、確かに……」
魔王「しかも弟の性格上から考えるに、派遣された魔物や魔族は一挙に勇者へけしかけさせたことだろう。そんなことをすれば……」
側近「勇者のレベルは鰻登りですね。本来ならば上がるはずのなかった……」
魔王「その通りだ。姉上や兄上ならともかく、幼い弟が相手できるような存在ではない」
魔王「側近よ、弟の城にいくぞ」
側近「は……しかし、弟様の生存は絶望的では?」
魔王「仮にも肉親だ。亡骸くらいは目に納めてやろうじゃないか」
側近「では、お供させて頂きます」
魔王「ああ」
側近「は……しかし、弟様の生存は絶望的では?」
魔王「仮にも肉親だ。亡骸くらいは目に納めてやろうじゃないか」
側近「では、お供させて頂きます」
魔王「ああ」
これはSS宝庫乗るわ
SS宝庫さんいつも通りの黒でオナシャスw
SS宝庫さんいつも通りの黒でオナシャスw
魔王「立派な城だったのに、酷い荒れ方だな……あの弟らしい」
側近「弟様ですか? 勇者ではなく?」
魔王「ああ。これは弟の仕業だ。戦闘時になって力を制御しきれず、そこら中に拡散したんだろう」
側近「なるほど……あっ、魔王様! あれは!」
魔王「……弟」
側近「弟様ですか? 勇者ではなく?」
魔王「ああ。これは弟の仕業だ。戦闘時になって力を制御しきれず、そこら中に拡散したんだろう」
側近「なるほど……あっ、魔王様! あれは!」
魔王「……弟」
弟魔王「に……いちゃん……痛い……いたいよ……」
魔王「まだ生きていたのか……勇者め、とどめを刺しきれていないじゃないか」
側近「……」
弟魔王「なん……か、あ…いつ……凄……く強くな……って」
魔王「ああ、だろうな」
弟魔王「兄……ちゃん……助け……てよ……」
魔王「残念ながら、無理だな。そんな虫の息では治癒魔法も効かんだろう。弱点の心臓が無事でもその肉体では、な」
弟魔王「でも……さ……兄ちゃ……ん……頼む……よ……わかる……だろ……?」
魔王「まだ生きていたのか……勇者め、とどめを刺しきれていないじゃないか」
側近「……」
弟魔王「なん……か、あ…いつ……凄……く強くな……って」
魔王「ああ、だろうな」
弟魔王「兄……ちゃん……助け……てよ……」
魔王「残念ながら、無理だな。そんな虫の息では治癒魔法も効かんだろう。弱点の心臓が無事でもその肉体では、な」
弟魔王「でも……さ……兄ちゃ……ん……頼む……よ……わかる……だろ……?」
弟魔王「そのヒ……ト殺……しちゃ……ってさ……魔力……吸わ……してく……れれば……さ……治る……はずだか……ら」
魔王「末っ子で育ち盛りなだけあって、お前の自己治癒力は高いからな。だからこそそんな傷で生きていられるんだろうが」
弟魔王「頼む……よ……そい……つ殺……して……領地だ……って……あげ……るから……さ……欲し……いん……だろ……?」
側近「魔王様……!」
魔王「……確かに、苦しむ弟の姿を見るのは忍びない。仮にも血の繋がった兄弟だからな」
弟魔王「にい……ちゃん……!」
魔王「すぐ楽になる。じっとしてろ」
側近「まさか、本当に……? 魔王様、冗談ですよね?」
魔王「お前も黙ってじっとしていろ」
魔王「末っ子で育ち盛りなだけあって、お前の自己治癒力は高いからな。だからこそそんな傷で生きていられるんだろうが」
弟魔王「頼む……よ……そい……つ殺……して……領地だ……って……あげ……るから……さ……欲し……いん……だろ……?」
側近「魔王様……!」
魔王「……確かに、苦しむ弟の姿を見るのは忍びない。仮にも血の繋がった兄弟だからな」
弟魔王「にい……ちゃん……!」
魔王「すぐ楽になる。じっとしてろ」
側近「まさか、本当に……? 魔王様、冗談ですよね?」
魔王「お前も黙ってじっとしていろ」
――――――
魔王「……俺の城は狭いな」
魔王「……狭い割に、使ってるスペースは異常に少ない」
魔王「……まあ、建物としては広いというか、でかいしな」
魔王「……なあ」
魔王「……なあ側近よ、俺は……思うんだ」
魔王「俺は、変な気を回して黙り込んでるお前が凄く気持ち悪い」
側近「えっ、本当ですか? センチメンタルになってる魔王様を変に刺激しないようにって配慮なんですが……」
魔王「なってないから安心しろ?」
魔王「……俺の城は狭いな」
魔王「……狭い割に、使ってるスペースは異常に少ない」
魔王「……まあ、建物としては広いというか、でかいしな」
魔王「……なあ」
魔王「……なあ側近よ、俺は……思うんだ」
魔王「俺は、変な気を回して黙り込んでるお前が凄く気持ち悪い」
側近「えっ、本当ですか? センチメンタルになってる魔王様を変に刺激しないようにって配慮なんですが……」
魔王「なってないから安心しろ?」
――――――
側近「魔王様。弟様が亡くなられたため、南西の大陸は完全に解放されました。勇者は現在、東へ侵攻。南東の大陸へと到着した模様です」
魔王「今ここから見えている大陸の海岸、この丁度反対側だな」
側近「南東の大陸は妹様の領地です。妹様はどうするのでしょうか……」
魔王「あいつは弟ほど馬鹿ではないからな。おそらく相応の対策はしているだろう」
側近「ええ、そうなると勇者が倒されてしまう可能性があるのでは?」
魔王「どうだかな……正直言って、妹の考えていることは全く分からん。あいつは頭が回り過ぎる」
側近「どういたしますか?」
魔王「とりあえず様子を見ているしかないだろうな」
側近「魔王様。弟様が亡くなられたため、南西の大陸は完全に解放されました。勇者は現在、東へ侵攻。南東の大陸へと到着した模様です」
魔王「今ここから見えている大陸の海岸、この丁度反対側だな」
側近「南東の大陸は妹様の領地です。妹様はどうするのでしょうか……」
魔王「あいつは弟ほど馬鹿ではないからな。おそらく相応の対策はしているだろう」
側近「ええ、そうなると勇者が倒されてしまう可能性があるのでは?」
魔王「どうだかな……正直言って、妹の考えていることは全く分からん。あいつは頭が回り過ぎる」
側近「どういたしますか?」
魔王「とりあえず様子を見ているしかないだろうな」
――――――
側近「魔王様、勇者が妹様の城の目前へと到達した模様です」
魔王「何……? いくらなんでも早すぎる。妙だな……」
側近「ええ、妹様の配下は魔王様達の中でも最精鋭のはずですからね」
魔王「やはり何か策を講じてきたか……妹め、何を考えている?」
側近「訪問を行いますか?」
魔王「いや、あいつと直接会うのは少々不味い。俺の態度からこちらの策略がバレかねない。気持ち悪いが、時を待つしかないだろう……」
側近「魔王様、勇者が妹様の城の目前へと到達した模様です」
魔王「何……? いくらなんでも早すぎる。妙だな……」
側近「ええ、妹様の配下は魔王様達の中でも最精鋭のはずですからね」
魔王「やはり何か策を講じてきたか……妹め、何を考えている?」
側近「訪問を行いますか?」
魔王「いや、あいつと直接会うのは少々不味い。俺の態度からこちらの策略がバレかねない。気持ち悪いが、時を待つしかないだろう……」
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