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    元スレほむら『交わした約束、忘れないよ』岡部「(´;ω;`)ブワァッ」

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    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 : ★★★×4
    タグ : - 鹿目まどか + - Steins;Gate + - まゆしぃ + - もっと評価されるべき + - キョン邪気 + - ダル + - 岡部倫太郎 + - 暁美ほむら + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    1 :

    我慢出来なくなった
    書き溜め有り

    2 :

    よしやれ

    4 :

    「全話一挙配信キターーーーーーーー!!!!」

    「フゴッ!?」

    突然の大声がラボに鳴り響いた。
    その声に体はビクンッと跳ね、気持ちよく昼寝をしていた俺はその声に叩き起こされる。
    何事だ!?と辺りを見回す。
    目に映るのは二つの光景。
    一つは快晴による日の光が充分に射し込んだ綺麗なラボ。
    もう一つは椅子がひっくりかえるんじゃないかと思うほど、
    背を預け両手を掲げグルグルと椅子ごと回っている醜いダルの姿が映る。
    ふざけんな。

    岡部「おいダル!うるさいぞ!!我が眠りを妨げるとはどういう了見だ?静かにしろ!!!」

    ダル「だが断る!これが静かにしてられるかお!!あの神アニメがニコニコで全話一挙無料配信とか胸が熱くなりすぎて世界がヤバい!」

    お前がヤバいだろ……。

    5 = 4 :

    岡部「落ち着け!何をそんなに熱くなることがある?アニメが全話配信されるぐらいでそこまで大声を張り上げることか?
      わかったら静かにしてくれ……徹夜明けで俺は眠いんだよ……後お前いつからニコ厨になった?」

    昨日と今日をまたいで新たな未来ガジェット制作に貴重な休みを使っている俺の苦労をわかってくれ。

    ダル「オカリンはわかってないお!もはやアニメ史を超え、ネットを超え、社会現象になり、
      いずれは世界に羽ばたくこの神アニメをまた鑑賞できるなんて……僕はニコ厨になってでも見るのを止めない!!
      プレミアム会員にもなる覚悟が完了してるお!」

    岡部「またと言うからには以前やったアニメなんだな?ということは事前に全話録画済みなんだろ?
      だったら家でもラボででも、いつでも見ればいいではないか。そんな騒ぐようなことか?」



    6 = 4 :

    ダル「駄目だぜ!全然駄目だオカリン!確かにいつでも録画したものは再生できるお……
      でもな!みんなで一斉に見る時間は再生出来ないんだよ!」

    つまり……どういうことだってばよ?

    ダル「僕達には!また!感動をリアルタイムで共有できる時間が!与えられたんだ!
      こんなに嬉しいことはない!」

    岡部「わかった!お前の気持ちはよーくわかった!だから少し静かにしてくれ……」

    ダル「だーかーらー!この気持ちを共有しようぜ!なあ!オカリン!!!」

    スイッチの入ったダルは止まらない。
    思えば数か月前もこんなダルを見た気がする。
    あの時はテキトーに流したが、今の寝ぼけ眼の俺には流す力が湧いてこない。

    7 = 4 :

    ダル「オカリン……僕と契約して、魔法少女になってよ!!」

    あ、ありのまま今起こったことを話すぜ!
    『理不尽に睡眠を妨害されたと思ったら、魔法少女になれと言われていた』
    何を言ってるのかわからないが、俺も何が起きてるのかわからねえ。
    催眠術とかそんなチャチなもんじゃねえもっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ……。
    ブン殴ってもいいだろうか。

    岡部「ダル……貴様は我が―――」

    言葉を発するや否や、唐突にラボのドアが開いた。

    まゆり「トゥットゥルー☆ダルくん何してるのー?遠くまで声が響いてたよー?」

    ダル「あ、おかえりまゆ氏。今オカリンと魔法少女について語ってるんだお」

    9 = 4 :

    いや、「と」じゃないだろ……。
    ダルが一方的に語ってるというか騒いでるだけだ。

    岡部「まゆり、学校はどうしたのだ?」
    まゆり「今日はね、午前中で終わったの。だから早めに来れたんだー」

    まゆりは高校生だ。
    休みの日を除いて普段は昼過ぎまではラボに顔を出せない。

    まゆり「それよりも魔法少女ってアニメの『魔法少女まどか☆マギカ』ことー?
       オカリンもついに興味持ってくれたのかな?だとしたらまゆしぃは嬉しぃのです☆」

    岡部「いや俺は魔法少女に何か興味もないし、アニメのことも全く知らん!
      さっきからダルが騒いでるだけなのだまゆり……なんとかしてくれ……」

    10 = 4 :

    まゆり「えー?そうなのー?オカリンもやっと興味を持ってくれたと思ったのにー?
       まゆしぃはがっかりなのです……」

    ダル「だから今オカリンに魔法少女がなんたるかについて、レクチャーしようとしているところなんだお!」

    まゆり「んーそれならまゆしぃも手伝うよ!まゆしぃもねーオカリンにも知ってもらいたいのです!」

    さらば睡眠。俺の気持ちよく昼寝するという望みは絶たれた!

    岡部「まゆり……お前は知っているはずだ。俺がそういうものには興味が湧かないことを!
      何故なら俺は狂気のマッドサイエン―――」

    まゆり「でもねーでもねー?すっごく面白いアニメなんだよー?オカリンも見たら絶対気に入ると思うなー」

    岡部「いやだからな?俺は科学者であってだな……魔法何て非科学的な―――」

    11 = 4 :

    ダル「奇跡も!魔法も!あるんだお!」

    うるさい黙れ。
    ダルはいつもおかしい奴だが、今日はさらに輪をかけておかしくなってるな。

    岡部「大体ダルよ。お前がたかがアニメにそこまで熱が入るなんて珍しいものだな?
      普段はエロゲー三昧のHENTAIの癖にどういう風の吹き回しだ?」

    ダル「HENTAIじゃないよ!HENTAI紳士だよ!後魔法少女はたかがアニメじゃない!」

    岡部「じゃあなんだと言うのだ?」

    ダル「人生……かな?」

    そんな人生は死んでもゴメンである。

    12 = 4 :

    もうだめだこいつ……早くなんとかしないと。

    ダル「そんじょそこらのアニメと一緒にされちゃ困るお。この僕ですら感動させるあのアニメは正に神!
      神は人生を僕達に見せてくれたんだ!これでもう何も恐くない!」

    まゆり「あのねオカリン?ダルくんが言ってるのは嘘じゃないよ?
       まゆしぃもねー見てた時はすっごい感動してねーボロボロ泣いちゃったのです;;」

    岡部「しかしだな……さっきから気いていれば「感動した!」とか「泣いた!」とか平凡な感想ばかりではないか。
      これでは具体的な感動も伝わらなければ何が神なのかも全然わからんぞ?」

    まゆり「それはねーアニメを見ればわかるよオカリン☆」

    ダル「この感動を教えたらネタバレになるしな。だからさオカリン。僕と契約して魔法少女を見ようよ!」

    13 = 4 :

    つまり、「感想を知りたいならアニメを見ろ」ということか?

    岡部「だが断る。別に俺は元々興味も無いし、感想も聞きたいわけではないしな」

    ただ静かに寝させて欲しかっただけだ。

    まゆり「えー?それじゃ興味持ってもらえないよー!一緒に見ようよオカリンー?」

    ダル「あ、そうそう、まゆ氏まゆ氏!近々『魔法少女まどか☆マギカ』がニコニコで全話一挙配信するみたいなんだお。これはもうラボメン全員で見るしかないっしょ常考」

    お前の常識はry

    まゆり「わーすごいねー。これでオカリンも興味を持ってくれるよー☆」

    14 :

    ほう

    15 = 4 :

    岡部「って待て待て待て!何勝手に話を進めているのだ!?しかもラボメン全員でって……
      ここはアニメ鑑賞サークルではないんだぞ!?」

    ダル「何だよオカリンー尻の穴がちっちぇなー。そんぐらい良いじゃんかねーまゆ氏?」

    まゆり「ねー☆」

    岡部「『ねー』じゃない!」

    二人して「「ねー」」と首を傾げてる。
    まゆりはともかく、ダルには殺意すら湧いてくるがそこはグッと抑えた。
    そうこうしながら騒いでいると、再びラボのドアが開かれた。

    「何騒いでるのよ?外まで聞こえてたわよー?魔法少女がどうだこうだって……」

    17 = 4 :

    岡部「おお!いい所に来たクリスティーッナ!何とかしてくれ!」
    紅莉栖「だから私はクリスティーナじゃないし、ティーナを強調して呼ぶな……」

    ブツブツ言いながらラボに入ってくるのは、
    我がラボの頭脳(マイブレイン)でもある助手ことクリスティーナ。
    生粋の脳科学者であり、今のこの状況を打開してくれる切り札がここで登場してくれた。
    流石助手!そこに痺れる憧れる!

    紅莉栖「で?さっきからいったい何を騒いでるのよ?」

    岡部「聞いてくれ!こいつらが―――」

    まゆり「あのねー?今オカリンに『魔法少女まどか☆マギカ』っていうアニメを一緒に見よー?
       って話をしてるの」

    18 :

    すっげーニコ厨臭いんだがコレ誰が得すんの?ゆとり?

    19 = 4 :

    紅莉栖「何?岡部ってそんなアニメに興味持つの?一体お前は幾つだよ……ホントHENTAIだな」

    岡部「って話しを聞け!あのな―――」

    ダル「牧瀬氏牧瀬氏!「そんなアニメ」とは聞き捨てならんお!このアニメの素晴らしさも知らずに「そんな」、
      なんて枠組みに収めるのはやめてもらおうか!!」

    紅莉栖「はいはいワロスワロス。橋田はいつでもキモオタ全開で逆に清々しいな」

    まゆり「でもねでもねクリスちゃん?『魔法少女まどか☆マギカ』ってすごい面白いアニメなんだよ?ダルくんだけじゃなくて、
       色んな人がおもしろいーって言っててね、まゆしぃはクリスちゃんにも見てもらいたいなー」

    紅莉栖「へえーまゆりも見てるんだ?魔法ねぇ……私はあんまり興味ないけどまゆりが面白いっていうなら見てみてもいいかな?
       っていうかまゆりはホント羨ましいくらい可愛いな」

    20 = 4 :

    ダル「……オカリン……僕とまゆ氏の何が違うって言うんだお……」

    岡部「ここは俺に任せろダル……おい!クリティーナ!
      お前は『魔法少女まどか☆マギカ』を絶賛したダルを「キモオタ」と言ったが、
      それでは『魔法少女まどか☆マギカ』を絶賛したまゆりも「キモオタ」に部類されてしまうが、
      それでいいのか!?え?助手よ!」

    21 = 4 :

    紅莉栖「ハァ?あんた何いってんの?
       まゆりは女の子なんだし『魔法少女~』みたいな女の子向けアニメ見てても気持ち悪く何て見えないでしょ?
       それを橋田みたいなHENTAI男が鼻息を荒くして女の子向けアニメの絶賛なんて気持ち悪いことこの上ないじゃない。
       それに私はオタクは別に良いことだと思ってるわよ?何かの趣味に対して熱を入れられることは素晴らしいことだもの。
       でも橋田の場合はその方向が間違ってるわけ。
       特に普段から女の子を変な目で見てる橋田が『魔法少女~』なんて語ってたら誰だって「キモい」って思うわよ。
       ううん、「キモい」ですんでるだけまし。普段セクハラで通報されないだけ感謝してほしいくらいよ?」

    岡部「でも…そ、それは偏見じゃあないか助手よ……」

    22 = 4 :

    紅莉栖「そうよ?悪い?でも橋田を「キモオタ」として見るからまゆりもそう見るなんてロジックにはならないでしょ?
       はい、論破。っで?岡部もついにその「キモオタ」への道を突き進む気になっちゃったわけ?」

    岡部「な!?誰がキモオタだ!一緒にするな!!
      俺はこいつらのせいで昼寝を妨害され精神攻撃を受けていた所なのだ!
      断じて興味があるわけではないぞ!勘違いするなよ!」

    紅莉栖「ツンデレ乙。でもどーせ一緒に見る気だったんでしょ?だったらやっぱり突き進むんじゃない」

    岡部「だから違うと―――」

    まゆり「あのね……まゆしぃはオカリンとクリスちゃんにケンカしてほしいわけじゃないのです……」

    ダル「……僕の体はボドボドだ……オカリンも牧瀬氏も酷すぐるお……」

    23 :

    タイムリープ失敗して世界を放浪したオカリンが色んな奥義を身につけてラウンダー達と戦う展開とか妄想した

    まゆりに鉄球投げて回転の技術で銃弾弾いたり
    秘孔突いて仮死状態で病院搬送したり

    24 = 4 :

    仲裁してくれたまゆりによって、
    ヒートアップしていたラボのふいんき(何故かry)は沈静化していった。
    ついでにダルへも軽く謝り、紅莉栖には今までの説明をして色々と納得?してもらった。

    紅莉栖「ふーん……つまりそのアニメが全話一挙配信するから、
       ラボのメンバー全員で見ようって話しなわけね?」

    ダル「要約乙!牧瀬氏も見ればきっと気に入ると思うお」

    紅莉栖「んー……まあいいんじゃないの?暇な研究所なんだしそんくらい」

    ダル「うはwww牧瀬氏の許可ktkr!もう何も恐くないwww」

    岡部「恐くないじゃない!まだ俺は許可してないぞ!?」

    25 = 4 :

    紅莉栖「岡部だっていつも暇してるんだから付き合ってあげれば?まゆりが喜ぶわよ?」

    まゆり「そうだよー?一緒に見ようよオカリンー」

    岡部「暇じゃない!今日だって貴重な休日を使って未来ガジェット制作に力を入れていたのだ!
      そんなアニメを見る時間など、この狂気のマッドサイエンティスト!鳳凰院凶真にはないのだよフゥーハハハ!!」

    紅莉栖「岡部の作る物なんかどうせガラクタでしょ?そんなことより普段まゆりに迷惑ばっかかけてるんだから、
       こんなときぐらいお願いを聞いてあげたらどうなの?器の小さい鳳凰院さん?」

    岡部「ガ、ガラクタだと!?おのれ助手の分際で……というかクリティーナよ?
      やけにまゆりの肩を持つではないか?本当はお前がアニメを見たいだけなんじゃないのか?」

    26 = 4 :

    紅莉栖「な!?……別に私は興味ないけどまゆりや…ついでに橋田もどうしてもって言うんだから、
       僅かな時間ぐらい付き合ってあげればって考えてるだけよ。第一、私は科学者なのよ?
       魔法になんか興味をもったら自分で自分の存在を否定するようなものじゃない。」

    ダル「奇跡も魔法もあるんだお!
      ……科学でしか自分を表現できないってんなら……まずはそのふざけた幻想をぶち殺す!」

    紅莉栖「うるさい黙れ」

    バッサリと切られるダルに対してちょっと可哀想だなと思ってしまった。
    しかしこの助手、俺と言っていることが被っているぞ。

    岡部「しかし助手よ。お前カー・ブラックホールの説明の時に、
      ミクちゃんクロちゃんで魔法少女の擬人化説明をしてたではないか。
      口では興味ないといいつつ、体は正直なのではないか?」

    27 = 4 :

    紅莉栖「ちょ、捏造すんな捏造すんな!大事なことだから二回言いました!
       私はそんな説明したことないぞ!?」

    あ、そういえばそうだった。

    岡部「う、だが助手よ。お前夢の中では魔法使いキャラだったではないか?
      本当は魔法が使いたい願望とかあるんではないか?」

    紅莉栖「さ、さっきから何をいっとるんだお前は!?そんなに私に魔法の興味を持たせたいのか!?
       ってゆーか岡部の方こそそんな魔法魔法言って、見たがってるんじゃないか!?」

    覚えてないというのは辛いな。しかし俺はしっかりと覚えてるぞ。

    紅莉栖「お、おい!その薄ら笑いを止めろ!なに目を細めてるんだ!?」

    28 = 4 :

    岡部「いいんだクリスティーナ……いや魔法少女くりす☆ティーナよ!
      何も言わずとも俺にはわかる、だからもっと裸の自分をさらけ出してかまわんぞ」

    紅莉栖「よし、わかった。喧嘩だな?喧嘩売ってるんだな?
       とりあえず今すぐ警察に通報してセクハラ容疑で訴えてやるから覚悟しろ」

    そういうとマジで携帯を取り出してボタン押そうとしだす。
    流石にからかいすぎたか?と慌てて紅莉栖をなだめる(主にまゆりが)。

    まゆり「もーオカリン?あんまりひどいとまゆしぃも怒るよー?
       まゆしぃはもっとクリスちゃんとオカリンには仲良くしてもらいたいのです」

    岡部「……すまん」

    紅莉栖「……ふん」

    29 = 4 :

    ダル「それで結局オカリンも上映会には賛成ってことでFA?答えは聞いてない」

    岡部「って上映会って何だ上映会って?なんだかどんどんランクアップしてないか?」

    ダル「いやいや、ラボメン全員で見るんだから必然っしょ?PCの画面なんかじゃ小さすぎて、
      全員でなんか見れないお。後感動も薄れるし。ここはプロジェクター使ってドーンと上映会をだなー」

    岡部「ドーンてお前……その機材はどっから持ってくるのだ?
      ラボにはないしそんなもん買う予算なんかないぞ??」

    ダル「……こんなこともあろうかとぉ!自宅に機材一式配備してあるんだお!
      後はそれをラボに持ち込みさえすれば、未来ガジェット研究所は映画館に早変わりだお!」

    まゆり「やったねダルくん!それはとっても嬉しいなって☆」

    30 = 4 :

    ダル「とっても嬉しいないただきましたー!
      うはwwwそうと決まればみwなwぎwっwてwきwたwおwwwwwさあオカリン!運びにいこうぜ!」

    おいマジかよ……夢なら覚め―――
    もはや流れ(ビッグウェーブ)に乗ってしまったダルを止めることができずに、
    俺はダルと共に機材を運び込むことになるのだった。
    何も今日運び込むことはないんじゃないか?と疑問を投げたのだが、ダル曰く―――

    ダル「今日やることから逃げたら、明日はもっと大きな勇気が必要になるお(キリッ」

    と聞く耳持たずの精神で、今のダルには何を言っても無駄のようだった。
    そして、まゆりと紅莉栖はラボ待機。
    正直まゆりぐらいは手伝ってくれてもいいんじゃないのかと思ったのだが、
    紅莉栖が許可を出してくれなかった。理由は……言わなくてもわかるだろう。

    31 = 4 :

    そんなこんなで、
    なんと、ダルの自宅を二回往復して機材をラボに持ち込んだ。
    今日という時間はアッというまに過ぎ去り、
    俺の貴重な休日は泡のように消えてしまったのである。
    次の日から、俺とダルは大学へ行きながらバイトしつつ、
    ラボの資金のためにコツコツと稼ぐ作業が始まり、
    まゆりも学校とバイト、紅莉栖は日本の研究施設に籠りっきり、
    各々次の休日までは忙しい毎日を過ごしていた。
    その間に俺は他のラボメンに連絡を取り、
    全員集まれる休日を決め、その日に円卓会議を開くことになるのだった。

    32 = 4 :

    岡部「諸君!今日集まってもらったのは他でもない!
      例の作戦を実行するに当たっての作戦概要についてを議題とする!」

    ルカ子「まゆりちゃんから聞きました。皆さんで、アニメをみるんですよ…ね?」

    フェイリス「ニャー凶真がアニメを見るのにこんな作戦を立てるのなんて珍しいのニャー」

    岡部「う、うーむ誠に不本意だが、今回はラボメンナンバー002まゆりと003ダルたっての願いでもありこのような形の会議となった!
      しかぁし!取り組むからには諸君らに全力で事に当たってもらいたい!
      そのために、まず、まゆり参謀本部長から意見があるそうだ。皆心して聞くように!」

    まゆり「はいはーい!えーっとねぇ、まゆしぃはですねー?みんなにコスプレをしてもらいたいのでーす☆」

    萌郁「……コス……プレ……?」

    33 = 4 :

    ルカ子「え?……あのまゆりちゃん?コスプレとアニメを見るのにはどんな関係が?……」

    まゆり「あのねー?まゆしぃはせっかくだからみんなが魔法少女のキャラになりきりながら見たら、
       おもしろいんじゃないかなーって思ったの」

    紅莉栖「まゆり?そ、それってそのアニメの登場人物達が『魔法少女』に変身した姿のコスプレをするってこと?」

    まゆり「そうだよー」

    紅莉栖「…ちなみにその登場人物達って何歳の設定なの?」

    まゆり「んー?中学二年生ぐらいかなー?」

    萌郁「…中学…生……」

    34 = 4 :

    紅莉栖「そ、まゆりそれはちょっと……何ていうか私達にはキツイんじゃないの?」

    まゆり「?何でー?きっとみんな似合うと思うなー」

    ルカ子「あのぉ……それってボクも入ってるの?……」

    まゆり「もちろんだよー☆るかくんはねーさやかちゃんが似合うと思うな」

    ルカ子「それってぇ……女の子だよね?……まゆりちゃぁん……」

    フェイリス「フェイリスは全然OKだニャー!
         ……フフフついにフェイリスの魔法をお披露目する時が来るのかニャー?」

    萌郁「…写真…撮らせてくれるのなら……やるわ……」

    35 = 4 :

    まゆり「いいよいいよーもえかさんもフェリスちゃんもOK貰えたし、
       これは期待してもいいのかなぁー☆えっへへ~っ」

    紅莉栖「ちょ、ちょーっと待って!まだ私はやるなんて言ってないわよ!?」

    ルカ子「ぁの…ボクも…コスプレはぁ……」

    フェイリス「じゃあここは多数決で決めるってのはどうかニャ?
         奇数で丁度いいし公平に決まるのニャ!」

    岡部「よし!ならばコスプレをするのに賛成のものは挙手をしろ!」

    結果は……。
    ダル、萌郁、フェイリス、まゆり、そして俺の満場一致で―――

    36 = 4 :

    紅莉栖「ちょぉおおおおおっと待ちなさいよ!何ぞこれ?どこが公平なのよ!」

    岡部「うるさいぞ助手よぉ。多数決で決まったことにあれこれ言うのはマナー違反というもんだ!」

    紅莉栖「ふ、ふざくんな!こんなの最初っから決まってたようなものじゃない!
       異議を申し立てるわ!」

    岡部「その異議を主催者権限により却下する!!」

    紅莉栖「岡部ぇええ!……大体あんたと橋田は男なんだからコスプレ関係ないじゃない!
       抜けなさいよ!」

    岡部「おやぁ~?俺とダルが抜けても三対二でコスプレ賛成派の勝ちだが……?
      まだ何かあるのかなぁ~ん~助手よ?」

    37 = 4 :

    紅莉栖「ぅ……そ、そうだ!綯ちゃん!綯ちゃんも入れてもう一度多数決を取りましょう!?」

    岡部「いや小動物はラボメンでもないし…そんなことしたらミスターブラウンが黙ってないわけで……」

    紅莉栖「何言ってんの!ラボメンじゃないから入れてあげないなんて可哀想だと思わないの!?」

    ダル「牧瀬氏牧瀬氏ぃ?一応『魔法少女まどか☆マギカ』って深夜アニメなんだよね?
      しかも配信されるのは夜からだから一緒に見るのは無理だと思われ」

    紅莉栖「橋田は黙ってて」

    フェイリス「ニャ~クリスティーニャンは往生際が悪いのニャ。
         観念してフェイリス達と一緒にコスプレするニャアン!」

    38 = 4 :

    紅莉栖「私はクリスティーニャンじゃない!私はもう19歳になるのよ!?
       それなのに魔法少女ってなんぞ……無理にきまっとろーが……」

    萌郁「…私……21……」

    ダル「牧瀬氏必死だな(笑)」

    紅莉栖「うるさい!……ねえ漆原さんも嫌なのよね?何か言ってやってー!!」

    ルカ子「ぁ……ボクも…その……コスプレはぁ―――」

    岡部「ルカ子よ!鳳凰院凶真の名において命ずる!清心斬魔流の修行と思いコスプレせよ!!」

    ルカ子「ぇ?……ぇええ!?岡部さ……でもぉボクぅ……」

    39 = 4 :

    まゆり「るかくんるかくん……オカリンはね~?
       きっとるかくんのコスプレ姿が見たいんだよー?」

    ルカ子「え……そうなんですか岡べ…凶真さん?」

    岡部「…え?……ぁ、ああ!そうだともルカ子よ!
      俺はお前のコスプレ姿が見たい!!!」

    紅莉栖「お、お、おおおかべあんたおかおか岡部ぇぇええ!!!」

    ルカ子「…………ボク……じゃぁ……ゃります」

    岡部「よーし!これで決定だ!!もはや異論はあるまい助手ぅ?」

    紅莉栖「……ゃ……やってられるかあああ!私は自分の部屋に帰らせてもらう!」

    40 = 4 :

    岡部「それは死亡フラグだぞ助手よ。それにお前にこの作戦への拒否権はない!
      何故ならばこの作戦はお前が『まあいいんじゃないの?』とか言った所から始まってしまったのだ!
      今更逃げようたってそうはこの鳳凰院凶真は許さん!観念しろ!」

    紅莉栖「…だ、だってぇ、どんな罰ゲームよこれぇ?馬鹿なの?死ぬの?」

    まゆり「クリスちゃんクリスちゃん?まゆしぃはね、クリスちゃんがコスプレしたらとってもかわいいと思うなぁ」

    紅莉栖「そ、そんなの気休めよ……まゆりやフェイリスさんは可愛いし、桐生さんは美人だし、
       漆原さんはこんなかわいい子が女の子のはずがないだし、私なんて……」

    岡部「まあそう自分を卑下するな助手よ。その容姿を持ちながらコスプレが罰ゲームなどと言えば、
      世のコスプレイヤーが暴動を起こしかねんぞ?」

    41 = 4 :

    フェイリス「そうだニャー!クリスティーニャンはもっと自分に自信を持つべきだニャ!」

    紅莉栖「コスプレは別にいいんだけど…でも魔法少女ー☆の格好なんて……。この歳で……」

    萌郁「……私は………嫌じゃない」

    紅莉栖「ぅぅぅ……」

    まゆり「大丈夫大丈夫!クリスちゃんはねぇ~きっとほむらちゃんがピッタリだと思うな!」

    フェイリス「あぁ~!わかる!わかるニャ!クリスティーニャンはほむほむがピッタリだニャ」

    ルカ子「ぁ…ボクもそう思います……」

    萌郁「…私も…そう……思う……」

    43 = 4 :

    岡部「ん?何だ?俺と助手以外は全員視聴済みなのか??」

    フェイリス「もちろんニャ。魔法少女は見逃せないアニメだったのニャー」

    ルカ子「ボクは……まゆりちゃんに進められて……」

    萌郁「……私も」

    つまり、この作戦は俺と助手のためにあるようなものなのか?
    まあ、ダルも言っていたが皆で見ることが重要と言っていたし、気にしないでいいか。

    「うへ……フェイリスたんの変身……バンク……全裸……うへへ」

    44 = 4 :

    岡部「ダルよ、目的を見失うなよ?この作戦はコスプレを披露するためにやるのではない!
      来たるべき「機関」との対話のために、我々ラボメンの視野を広げるための作戦なのだ!
      そう!科学と魔法が交差する時、物語は始まるのだッ!」

    まゆり「紅莉栖ちゃんはほむらちゃんでー、るかくんはさやかちゃん!
       フェリスちゃんはまどかちゃんかなぁ?もえかさんはぜーったいマミさん!
       そうなるとまゆしぃはあんこちゃん?
       えっへへ~もう楽しみすぎて待ちきれないよぉートゥットゥルー☆」

    ダル「『あんこ』、じゃなくて『きょうこ』だお!そこを間違うのはまゆ氏でも許さない!」

    45 = 4 :

    フェイリス「フェイリスはまどか役はマユシィがいいと思うのニャ。
         あの可愛さにマユシィはピッタリだと思うニャ?」

    まゆり「えぇ~?そうかなあ?」

    ルカ子「ボクも、まゆりちゃんがまどかちゃんになると似合ってると思うな?」

    まゆり「え、えっへへ~何だか恥ずかしいのです」

    フェイリス「フェイリスがあんこ役をやるのニャ。……食うかい?」

    ダル「ありがとうございます!いただきます!!あんこちゃんはもう許した(キリッ」

    こうしてラボメンガールズはコスプレをしながら視聴することが決定した。

    46 = 4 :

    それに何の意味があるのか俺にはまったくわからないが、
    我らがまゆりさんはとてもご満悦状態なのでもはや語るべきことはないだろう。
    すでにコスプレ衣装は三着は完成済みで、後の二着も時期に完成するとのこと……、
    だったはずなのだが期間が押し迫っているらしく、
    ラボメン総動員(各自時間が空いた後まゆりを手伝う)で制作することになった。
    よって俺は、未来ガジェット制作を中断せざるを得ず、
    当日までさらに険しく忙しい道のりになった。
    思えば……こんなに忙しい毎日は初めてかもしれない……。

                                  去年の今頃はどうだっただろうか?

    俺にとっては、もはや思い出せないぐらいの遠い日の記憶とかしてしまっている。
    夏休みに起こった大騒動はそれぐらいの衝撃を今だ俺に残していた。

    48 = 4 :

    そうだ、色々なことがあった……。
    俺は今ある平穏に安心感を持つと共に、      ―――過去の反芻
    先の見えない不安を抱えて生きている。      ―――未来の不安
    それは誰にでもある価値観のひとつであるのだが、
    俺はここに至るまで、それを常に意識せずにはいられなかった。
    そんな中で「忙しさを感じる」というのは贅沢な気がしてならない。
    今を一生懸命に生き、今だけを感じて生きる。   ―――現在の渇望
    俺にとってそれは尊いものであり、
    こんな日常を過ごせるなんていうのは幸せの極みなのだ。
    これも<シュタインズゲート>の選択か?
    フッ……それも悪くない。ならば、この結果も受け入れようではないか。
                                   ―――エル・プサイ・コングルゥ。

    49 = 4 :

    まゆり『オカリーンごめんねぇ今日はもうお外に出られないのです;;』

    ダル『駄目だお……流石にこの雨と風の中ラボに行くのは不可能な件……』

    ルカ子『ごめんなさい岡…凶真さん……お父さんが外は危険だって……』

    フェイリス『ニャア~黒木が今日はもうお外に出ちゃダメだって言うのニャー……』

    萌郁『……ごめんなさい…行けない……』

    ……これも<シュタインズゲート>の選択なのか?
    配信日当日、嵐かと思われるほどの風と大雨が外を荒らしている。
    俺は予めラボに寝泊まりをしていたため、被害に合うことはなかったが、
    本日の作戦は中止にせざるを得ない状況に追い込まれた。

    50 = 4 :

    ラボメンは全員自宅待機を余儀なくされており、
    本日の目玉であるアニメ鑑賞は各自自宅で行うしかなくなった。
    ただし、一人を除いて―――

    紅莉栖「なんぞこれなんぞこれなんぞこれぇぇぇええええ!!」

    岡部「ちょ、おま……何故ラボに来た!?ずぶ濡れではないか!?」

    紅莉栖「だって……今日はみんなで上映会……」

    岡部「いやいや、そんなもん中止に決まっているだろう!?
      こんな中で外に出歩く馬鹿がどこにいる!?」

    紅莉栖「な!?私には中止なんて連絡来てないわよ!?」


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