元スレ女「ちょっと、そこのおにーさん」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★★×6
151 = 68 :
女「そ、その、先生に聞いたら、あなたに聞くのが一番早いって言われて」
男「………どこが大人のフォローだ、どこが」
女「はい?」
男「…あ、いや、こっちの話」
女「……もしかしたら、あなたにそれを聞くのは…その、ひどいことなのかもしれませんけど」
男「…別に、いいよ。何が聞きたい?」
女「…私がどんな風だったとか…私と出会った経緯とか」
男「あー…うん。あのさ、2丁目ローソンの三つ角わかる?」
女「あのバス停のある?」
男「そうそう、そこ………そこでさ、雪の中で傘も差さないで、コートも着ないで、寝巻だけでうろうろしてるヤツがいてさ」
152 = 68 :
男「で、まぁ…それから、だいたい毎日、病院に通うようになったってわけ」
女「はぁ…そうですか、それで?」
男「いや、まぁ、それでなんやかんやあって、その、好きになって…まぁ、そのいつの間にか好きになって」
女「………下手な恋愛小説みたい」
男「なんか言ったか?」
女「………なんでこんな無愛想で、フリーターで、コスプレマニアのひとなんかに…」
男「違うからな? 3番目は違うからな?」
女「え? あ………聞こえてました?」
男「…別に、全然」
女「………」
男「……な、なんだよぅ…にらむなよぅ…」
女「…なんで私…っていうか、その子はあなたのこと好きになったんですか?」
男「俺が知るかよぅ…」
153 = 109 :
この女から「但しイケメンに限る」臭がする
154 = 68 :
女「…わかんないなぁ……やっぱり、私じゃないのかなぁ…」
男「あ、あのー」
女「ちなみにさっき、『なんやかんや』って濁したところってどんな――あ、いいです、やっぱり聞きたくありません」
男「……ああそう」
女「んー…あ、ちょっと一人で考えたいので、もう帰っていいですよ」
男「………ああそう」
女「はい、じゃ、さよなら」
男「ああ、またな」
女「………あの」
男「ん?」
女「…みかん、ありがとうございました。いただきます」
男「え?…あ、うん…ああ、いただけば?」
女「はい。ありがとうございます」
男「う、うん…」
155 = 68 :
――――
男「…あれ? いない?」
医者「あ…ちょうどよかった!」
男「あ…ども。あの、あいつ、いないんだけど…検査かなんか?」
医者「うん、僕も探してるところでさぁ…たぶん、外に出て行ってるんだよねぇ」
男「はぁ?」
医者「戻ってるかもと思ったんだけど……ねぇ、頼んでいい?」
男「………まぁ、いいけどさ」
医者「悪いね。他の患者さんもいるからさ、そう遠くへは探しに行けなくて……こんな雪の中で、どこにいるんだか…」
男「…いや、そんなに遠くはない」
医者「え?」
男「………と、思う」
156 = 133 :
うむ、うむうむ
157 = 68 :
男「ちょっと、そこのおねーさん」
女「…けっこう早かった、ですね…へっくし!……うぅ、さぶい…」
男「…そりゃ、こんなに雪が降ってる中で、そんな寝巻みたいなカッコでうろついてたら、寒いだろうよ…バカ?」
女「へっくしゅ!…ば、バカって言った? 今バカって言いました? まぁ、自分でもバカみたいなことしてるって
思いますけど…へっくし!! う゛ー…」
男「はぁ……とりあえず、これ着て傘に入れ」
女「………あったかい」
男「そうだろうよ…俺は寒いよ」
女「………すいません」
男「謝んなくていいって…てか、もっと寄れ! 俺が濡れちゃうだろ…」
女「…傘、そっちに持っていけばいいじゃないですか」
男「バカ? そしたら、お前が濡れちゃうだろうが…そのコート防水とかついてないんだからな」
女「ま、またバカって言った!?」
159 = 68 :
男「寒くないか?」
女「…はい」
男「ムリするなよ? タクシー…呼ぶ距離でもないけど……歩けそうにないなら、おんぶしてやるぞ?」
女「…けっこうです」
男「ホントに寒くないか? なんだったら、もう一枚貸そうか?」
女「………」
男「…どうした? どっか痛いトコでも」
女「……ちょっとわかったような気がします」
男「は? なにが?」
女「……そういう手で、記憶喪失の私を篭絡していったんですね、この変質者!」
男「お前、今こんなに親切にしてもらってる相手に変質者って言った?」
160 = 68 :
女「だいたい、なんでそんな親切にするんですか?」
男「はぁ…?」
女「女だったら誰でもいいんですか?」
男「ええと、なんで俺、この寒空にコート奪われて、罵られてるの?」
女「私は、その子じゃないんですから、優しくされたって…全っ然、ないんですからね!」
男「なにが? 胸が?」
女「誰が胸の話をした!!! セクハラですか!?」
男「い、いや、ないって言うから…なにが無いのかと」
女「だから、私は、こんな風に優しくされたくらいで、あなたのこと好きになったりすることはないって言ってるんです!」
162 = 68 :
男「そりゃ、そうだろ。普通さ、ちょっと優しくされたくらいで、誰かのこと好きになったりしないだろ?」
女「…そ、そう! そうですよ!」
男「だいたい、誰にでもこんなことはしない。お前だからやってんだよ」
女「…それは、記憶喪失だった頃の私のことを好きだったから…ですか?」
男「……違う、と思う。俺がお前の顔とか知ってて、どんなやつかも知ってて…別に嫌いじゃないから、だ」
女「知り合いで嫌いじゃなかったら、誰にでもこんなに優しくするんですか?」
男「あ………いや、やっぱり違うな…うん、俺さ、お前…ていうか、あいつのことまだ好きだから……だな、やっぱり」
女「………」
男「…好きなやつには優しくしたくなるだろ? まぁ、きっとそういうことだな」
女「………私は、あなたの好きな人じゃない」
男「…知ってる。悪いな。顔が同じだからさ、どうしても、さ」
女「なんで…っ」
男「ん?」
女「………私、きっと、あなたのこと嫌いです…」
男「…そうっすか」
163 = 64 :
切なさで胸がはち切れそうな俺のためにハッピーエンドにしてくれよ
164 :
糞みたいな文才だな
165 = 68 :
男「到着…っと。着いたぞ、白くて四角い病院」
女「…病院なんてどこも白くて四角でしょう」
男「…だよなぁ。それじゃ、病室にみかん置いてるから」
女「置いてるから…って、寄って行かないんですか?」
男「いや、だって……いいのか?」
女「………まぁ、みかんだけもらうのも失礼ですし。お茶飲んだら、帰ってください」
男「はいはい…っと」
女「あ、あと」
男「なに?」
167 = 68 :
女「コートと傘、ありがとうございました。あったかかったです」
男「え………あ、うん、どういたしまして」
女「………」
男「………どうした?」
女「ぁ……ゃ、や、やっぱり帰って! 今すぐ帰ってください!」
男「いや、お茶飲んでから帰るから」
女「なんで私があなたのためにお茶淹れないといけないんですか!」
男「だからさぁ…あーもういいや」
女「え? 帰るの?」
男「……俺が淹れればいいんだろ」
女「そ、そういう問題じゃなくて! ああもう! 帰れ!」
男「…そんなことばっかり言ってると、お茶にワサビ入れるぞ」
168 :
支援
パッピーエンドかな
169 = 109 :
ビッパーエンドかもしれない
170 = 68 :
医者「今日はお手柄だったね」
男「どーも」
医者「ふぉっほっほっほ…そちに褒美をとらせるぞ…近う寄れ」
男「いらない…どうせ、ロクなもんじゃないだろ」
医者「なるほど…『俺は好きな女のためにやっただけだ! お前らなんかのためんじゃねぇっ!』ってことか」
男「ち、ちがっ!……わないこともない」
医者「うんうん、いいねぇー。素直なのはいいことだ。よし、良いことを教えてあげよう。彼女、明日退院するから」
男「………そりゃ、良いことだな。めでたいな」
医者「めでたいね! まぁ、本当は今日でもよかったんだけど…」
男「…それ、俺に教えてどうすんのさ」
医者「そうだねぇ……ほら『卒業』って映画知ってるかなぁ?」
男「…いや、シチュエーション違うだろ」
医者「あ…あと、迷惑防止条例って知ってる? 暴力団じゃなくてストーカーの条項」
男「そういう心配もいらないから」
171 = 128 :
しえん
172 = 68 :
――――
女「きゃっ」
男「………誰だ?」
女「いえ、私が聞きたいです、それ。なに人の目をふさいでわけのわからないこと言ってるんですか?」
男「…いや、なんかだって、『だーれだっ』っていうのも恥ずかしくて」
女「……恥ずかしいならやらなきゃいいじゃないですか」
男「…でさ、お願いがあるんだけど」
女「その前に手を離してくれませんか?」
男「…手を離してほしければ、お願いを聞け」
女「脅迫!?……悲鳴あげますよ?」
男「………すいません」
173 = 68 :
ゴメ
ハラ ヘッタ
スグ カエレ ハラ
174 :
しえん
なんでかわからないんだけど、
さっきまで宙のまにまに見てたから、女が
美星で再生されてしまった。
175 :
>>174
美星って聞いたせいで女が全部天地無用の美星で再生された
179 :
俺は悲しいENDも嫌いじゃない
181 :
鬱END希望
183 :
鬱はダメだ鬱はダメだ鬱はダメだ鬱はダメだ
184 = 133 :
悲しいのは現実だけでいいよ
185 :
こういうスレではハッピーエンドがいいなあ
じゃないと童貞男が可哀想過ぎる
186 = 68 :
女「…動物園行って、ジャスコ行って、ユニクロ?」
男「そう」
女「それって、デート?」
男「ち、ちがっ…わない。デート」
女「何で私と?……言っておきますけど、私とあなたが好きだった子は」
男「別人だろ? 知ってる。何日も病院通い続けて悪かったな」
女「……べつに悪くは」
男「だからさ、これが最後だから…これでお前と俺の好きなあいつが別人だって、ちゃんと理解して
忘れて、あきらめるからさ…」
女「…たった1回デートしたくらいで…忘れられるんだ」
男「え?」
女「『仕方ないですね』って言ったんです。せっかく退院してストーカーみたいにつきまとわれても迷惑なので
デートしてあげます。まぁ、天気も――悪くないですしね。仕方ないから、デート、してあげます」
男「そ、そうか…ありがとう」
女「はい、どういたしまして」
187 = 129 :
もう童貞じゃなくね?
………俺は童貞ですけどね(´;ω;`)ブワッ
190 = 68 :
医者「退院、おめでとうございます」
女「お世話になりました」
医者「………」
女「先生?」
医者「いや、もう最近は頭痛などはありませんか?」
女「あ、はい……たまにめまいとかはありますけど」
医者「うん、これからもそこそこ、そういった症状や認識の混乱があるかもしれませんが、徐々に治まりますから安心してください。
あと何回か通院してもらうことになりますが、もしひどい頭痛などの症状が出たら、すぐに連絡してください」
女「はい」
医者「………あと、これは私からのお餞別です。使ってください」
女「…ありがとうございます…これは?」
医者「この病院のナース服です。使ってください」
女「ああ、燃えるゴミですね」
医者「萌えますけど、燃やさないで下さいね」
女「……お世話になりました」
医者「お元気で。お大事に」
191 = 68 :
男「退院おめでとう」
女「…なんで部屋の前で待ってるんですか? 玄関か門のところで待ってればいいのに」
男「そこは、ほら、最後の一日だし、できる限り一緒にいたいという」
女「バカですか?」
男「ひどくないか?……やっぱり荷物少ないな」
女「…何も持って来なかったのに、バッグ一個持って帰ることになってるんですが」
男「まぁ、その半分以上、俺が買った服だったりするわけだが」
女「…コンビニで捨てていきましょう」
男「ま、待て! 捨てるくらいなら、俺にくれ!」
女「バカですね」
男「断定形!?」
192 :
女がリトバスの葉留佳さんにしか見えない。
193 = 185 :
でも、女って大体こんな感じだよな
好きな時はいい感じだけど、
嫌われると、もうその後は一切連絡つかなくなるし、冷たくなる
そんなもんだ
194 = 68 :
男「あと、もう一つお願いが」
女「よく人から図々しいとかって言われませんか?」
男「いや、最後なんだしいいじゃん? もう会うこともないんだしさ」
女「……最後、最後って、さっきから」
男「でさ、敬語やめてもらっていい? タメ口でいいよ。実際タメなんだしさ」
女「ぞんざいな扱いの方がいいなんて、もしかしてマゾですか? 私、そういう変態の方はちょっと」
男「……いや、そんな、ことは、ないって…信じてるけど」
女「…まぁ、 さ い ご だから、聞いてやらないこともない、かな」
男「……そんなに最後っていうのを強調することなくないか?」
女「どっちが…」
男「はぁ?」
女「なんでもないっ!」
196 = 68 :
男「さー、動物園だぞー、お前の大好きな動物園だぞー」
女「…別に、そういう設定ないんだけど」
男「そんなことはないはず! ほらアミメキリンだぞ? 大きいぞ? 舌長いぞ?」
女「今、見えてるのはマサイキリン。ほら、体の模様が違うでしょ?」
男「…違うのか?」
女「茶色い部分が直線で仕切られてない星型でしょ? アミメキリンの多角形型とは違うでしょ?」
男「そ、そうなんだ? え、ええと、あ、知ってるか? キリンってな、牛の仲間で偶蹄目って言ってだな」
女「哺乳類を目レベルで同じ仲間っていうなら、キリンも牛もラクダもイノシシも同じ仲間!
大体、最近の分類じゃ、偶蹄目じゃなくて鯨偶蹄目だし…あ、そうだ、知ってる? キリンってね
30分から1時間くらいまでしか眠らないって、言われてるんだけど、それはあくまでサバンナとか
野生での話でね、実際に動物園で外敵のないところだと…」
男「………」
197 = 68 :
女「つまりね、哺乳類はキリンも人間ももちろんゾウさんも首の骨の数は7個でそれぞれの――」
男「どうした? 続けてくれ」
女「……なんでじっと見てんの?」
男「なぁ、お前、実はキリンがめちゃくちゃ好きだったりするんだろ?」
女「そんなことない。普通。いたって普通」
男「いやいや、普通の人はキリントークをぶっ続けで20分もできないって」
女「…気のせい」
男「そういやさ、あのキリンのツノってあれ、なんなの? 電波とか受信できんの?」
女「そんなわけないでしょ。雄同士の縄張り争い…例えば他のシカとかウシみたいに……なにいやらしい目で見てんの?」
男「…いやらしくないだろ、むしろ、かわいいものを愛でる目で…そう、初めて一人で歩き出した幼児を見ているような」
女「ロリコン?」
男「ち、違います!」
199 :
女に似てる人知ってるからなんかシンパシーを感じる
みんなの評価 : ★★★×6
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