元スレハルヒ「東中出身、涼宮ハルヒ・・・只の」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★★
251 :
なんなんだこの良SSは…
252 :
しえん
253 = 102 :
キョン「」チーン
ハルヒ「さっきより酷い状態に・・・・・・」
新川「森さん、いくら何でもこれはやり過ぎですよ・・・・・・。」
森「だ、だっていきなり抱きついてくるんだもん!怖かったんですもん!!」
長門「・・・・・・気持ちは分かる。」
朝倉「と、とにかくあたし達はちょっとじゃれてただけで・・・本当に何でも無い
んですってば!私の服が破けたのも、まぁ恥ずかしいですけれど大した事
じゃないですし!」
みくる「さ、騒ぎ過ぎたのは謝りますから!度が過ぎてたなぁとも思ってます!」
新川「・・・ま、まぁそうなら良いんだがね?あまり芸者遊びみたいな真似は程ほどにしないと、
私の弟の様になってしまうよ。こいつがロクでもない奴でねぇ・・・」
森「新川さん、特に何も無いならもう行きましょうよ。ね?」
キョン「・・・・・・待ってくれ・・・・・・森さん、新川さん・・・ちょっと・・・だけ・・・」
ハルヒ「キョン!?ダメよ動いちゃモザイクがズレるわ!!!」
254 = 102 :
キョン「森・・・さん、新川さん・・・ボードゲームはご趣味で・・・?」
森「えぃっ!?い、いえ!私は特に・・・」
新川「あ、あぁそれなら私が少し・・・将棋と、囲碁をやっているんだけれど・・・」
キョン「じゃ、じゃぁ・・・その時、誰かに教えたりしませんでしたか?その、囲碁とか
将棋とかを・・・俺達と同年代の、男です・・・名前は古泉・・・っ!!!」
新川「古泉?彼を知っているのかね?」
キョン「えぇ、俺の知っている頃と性格が同じとは限りませんが、下の名前は一樹・・・。
割りと情の深い、んでもってまどろっこしい説明をする男ですよ。」
新川「あの子の知り合いだったのか。いや、それは失礼したな。」
キョン「えぇ、それで・・・あなた達の事も聞いていたんです。刑事・・・だったんですね
新川さん、森・・・園生さん・・・。古泉は・・・元気ですか?」
新川「・・・・・・そうか、君は彼の友達か。ならば言わねばならんね、彼は・・・死んだよ。」
258 = 102 :
キョン「しっ・・・・・・」
ハルヒ・朝倉「死んだあああああああああっ!?」
新川「おぉ、何だ、君達も彼を知っているのか?」
ハルヒ「え・・・えぇ、そうなんです。彼とは、・・・SOS団同士の知り合いなんです。
SOS団は、この文芸部室で活動する部活みたいな物で。それで、本当何で
すか!?その、コイズミ君が死んだというのは・・・。」
新川「・・・あぁ、交通事故でつい3年前にな。SOS団というのは、その時からあったの
かい?」
ハルヒ「・・・。」
朝倉「はい、当時から、ここの文芸部室の・・・部長さんがやさしい人で、中学生や小学生を
集めて一緒に行事ごとに参加したりしてたんです。SOS団というのは、生徒社会を
応援する世界作りの為の奉仕団体・・・なんて長い名前を縮めた物なんですよ。」
森「・・・そう、あの子には、友達が居たんだ・・・良かった、本当に良かった・・・・・・っ」グスッ、ヒック・・・・・・。
新川「・・・彼女は古泉のお姉さんみたいな物でね。仲が良かったんだよ。」
ハルヒ「そう・・・・・・なんですか・・・。」
森「・・・ヒック、グスッ・・・う、古泉・・・うぅ・・・・・・。」
キョン「畜生、何だよあいつ・・・・・・畜生、チクショオオオオオオオオオッ!!!」
259 = 248 :
なんだと
261 = 102 :
岡部「・・・おい、説教は無しでいいぞ。お前達も、今日はもう帰りな。」
朝倉「はい、分かりました。・・・キョン君、行きましょう?」
キョン「・・・・・・。」
ハルヒ「キョン、しっかりしなさいよ!ねぇ、キョン!!!」
ガシッ
長門「・・・・・・涼宮さん、ダメ。あまり・・・その、責めちゃ・・・・・・」
ハルヒ「せ、責めてなんかいないわよ!只、あんまり落ち込むから・・・」
みくる「キョン君・・・・・・。」
新川、森は警察署に戻った。今回の騒動に関するお咎めは無いそうだ。・・・キョンは、
脳内から一つの可能性を消してしまっていた。世界が普通であるという事は、こういう
事であるのだという事を・・・世界は無慈悲であるという事を、彼は忘れていた。
・・・・・・どこかで、水滴が落ちる音が聞こえる。
262 = 107 :
一転してシリアスに…
263 :
なるはずもなく……
264 = 209 :
自分の推測を書きたいけどそれがネタバレになる可能性もあるので
迂闊にかけない。
265 :
面白い
266 = 102 :
キョン「・・・・・・。」
頭の中で考える。古泉がいないとはどういう事か?
もしもこの世界があの消失世界と同じであるならば、鍵となるのはSOS団に違いない。
ハルヒ、長門、みくる、そして古泉。この4人と自分と、そしてあの文芸部室を合わせれば
鍵は全て揃い、元に戻る筈。・・・世界を、消失させたままにしないで済んだ筈。
しかし、古泉はいない。鍵は、揃わない。
キョン「・・・どうすれば良いんだよ、俺は・・・。長門、朝比奈さん、俺は・・・・・・。」
朝比奈さん(大)から受け取った、TPDDの力の片鱗は、本当に頭の中にあるのかと言いたい程
その存在は感じられなかった。いくら朝比奈さんがドジッ子でも、使い方を伝え忘れる・・・なんて
事は無いだろう。一応頭の中で関係がありそうな言葉を思い浮かべてみたりしたが、そのどれもが
発動には結びつかなかった。ならば、この未来の道具には頼れないという事だ。
長門には頼れない。ここには宇宙人は存在しない。そして機関も、今は只の警察や・・・その他の、
平凡な職に勤める人々でしか無い。
3年前、元の歴史では確実に生きていた時間帯に古泉は死んだ。特殊な時間断裂は、その歴史すらも
歪めてしまったのだろうか。自分があの世界に帰れない事以上に、元のSOS団に永遠にならない事
の方が・・・衝撃である。
268 = 102 :
キョン「・・・・・・。」
SOS団のサイトを更新する。不思議な話を集めるだけでは無く、こちらからも
活動報告を上げる形でサイトを運営しているのだ。だが、今のその活動に意味は
無い。只の、義務でしか無いのだ。
みくる「キョ、キョン君。お茶飲みますか?」
キョン「あ、すみません朝比奈さん。一つ貰います。」
みくる「えぇ。・・・元気出して下さいね、おまじないをかけておきましょう。」
そう言って微笑みながら、みくるはポットからお湯を注ぎ始めた。キョンは立ち上がると、
サイトを閉じ伸びをする。視線を部屋の隅にやれば、そこには長門が座っていて、本を読んで
いた。難しそうな分厚い本だ・・・題名など、想像もしたくない。
ハルヒはまだ見えない。朝倉は家の用事だと言って今日は休みだ。
そして勿論、この部屋に居る男は・・・・・・彼一人である。
みくる「お茶を、どうぞ。」
269 = 102 :
ハルヒ「キョンッ!!!」
キョン「お、ハルヒ。遅かったな。」ズズー
ハルヒ「呑気にお茶なんて啜っていないで、ちょっと手伝いなさいよ!どうせ
あんた、ここ数日そんな感じでボケーッとしてるんでしょう?なら暇
よね暇でしょ忙しいなんて言わせないわ!」
キョン「・・・何だよ、急に。何かまた厄介事か?」
ハルヒ「あんたにだけは言われたく無いわよ!それより、これよこれ!あんた、
これ分かる?」
キョン「数学か、生憎だが俺の脳みそにはピンと来ないな。お前の宿題か?」
ハルヒ「違うわよ、私の家の近所に住む子が居てね、その子の宿題なのよ。まぁ、
あんたに分かる訳も無いわよね。ねぇ、みくるちゃん、有希、これ分かる?」
みくる「うぇっ!?そ、そんな難しいの分かりませんよぉ。」
長門「・・・分かる。」
ハルヒ「本当!?お願い、この答え教えて!」
長門「・・・でも、それは宿題で・・・」
ハルヒ「良いのよ、別にあの子に教える訳じゃなくて、単に競争なの!あの子とどっちが
早く解けるかっていうね!!!」
キョン「・・・でも、それじゃお前ズr「シャラップ、黙りなさい凡人確定。」
271 :
これ長いじゃん...糞SSじゃないの??
↓
ん?
↓
おw
↓
やべぇwおもしれぇ!
こんな流れだった。すごい良SS。がんばれ
272 = 102 :
朝倉「やっほー、ごめんごめん。遅くなっちゃったわねー。」
キョン「お前も持ち込み企画か、今度は何のゲームだ・・・バケツ?・・・カメか。」
朝倉「えぇ、この文芸部室で買えないかしら?やっぱり、湿気とか問題ある?私の
知り合いの人がねー、高校の音楽室で飼っていたんだけど、そのカメが子供を
産んだのよね。それで、私も一匹欲しいなっていって貰ってきたのよ。ねぇ
トンちゃん2号!」
キョン「ネーミングセンス無いな、お前。」
朝倉「五月蝿いわよ、全く。それより、どこかに置く場所無いかしらね・・・あら涼宮さん、
何してるの?」
ハルヒ「あ、朝倉さん!見てよこれ凄いわ、有希凄いのよ!こんなに難しい問題を、あっと
いう間に解いちゃった!!!」
朝倉「へぇ、ちょっと見せてよ。・・・うっわぁ、何この計算式。」
長門「・・・昔タイムマシンを本気で作ろうとして、その時に物理を勉強したから出来た。」
キョン「長門は凄いなぁ。」
ハルヒ「・・・な、私だって凄いわよっ!?この間書いた論文、読んでみる!?難しくてキョンの
頭なんかパーンよパーン!!!」
273 = 102 :
朝倉「論文?何の?」
ハルヒ「まぁ、それは見てからのお楽しみって奴よ。一応ここ文芸部な訳だし、
何か皆で小説でも書いてみるのも面白いと思ってね!その手本!!」
キョン「それで論文か?お前はやっぱり、少しズレているなぁ。どれ、見せてみろ」
ハルヒ「腰を抜かさないでよね、キョン!!!」
キョン「・・・ほぉ、結構面白いんじゃないか?少なくとも、長門とかはこういうの
好みそうだな。ほら。」
長門「・・・見せて。」
ハルヒ「ほらちょっと凄いでしょう!?まだまだ未完成で穴だらけ、虫食い穴みたいな
理論だけれどね!」
朝倉「へぇ~涼宮さん字が綺麗ねぇ。」
みくる「私にも見せて下さいよぉ~。」
キョン「・・・・・・フフッ。」
キョンに、いつ振りかの笑顔が生まれた。微笑ましい光景を前に、少し心が軽くなった・・・
その時。
274 = 102 :
ふと、頭の中に波紋が広がる。それは、
朝比奈みくるの入れた、お茶の表面であり。
難しい本を読む長門の、瞳の光であり。
朝倉涼子が連れて来た、可愛らしいカメの泳ぐ様であり。
どうしてだか分からないが、涼宮ハルヒの論文もそんなイメージだ。
キョン「・・・・・・くっ・・・。」
ハルヒ「・・・キョン?」
朝倉「キョン君?」
長門「・・・・・・・・・・・ぁっ!」
みくる「きゃっ!!!」
キョンは倒れ伏し、そのまま「かき消す様にその場から消えた」。
ある、夏も近い・・・・・・七月七日の事である。
275 :
キョム「チリーン」
276 = 102 :
キョン「・・・・・・つぅ、ここは一体どこだ?外・・・?暗いし、何がどうなって・・・。」
キョン「・・・学校の校庭・・・・・うぅ・・・・・・。」
???「・・・ちょっとあんた、早く入りなさいよ!」
???「待て、俺はそんな、校門を飛び越えたりする真似は出来ないんだよ!」
キョン「・・・っ!?隠れた方が良さ気だな。」
???「ほら、ここに石灰があるわね。あんた、これ持って運動場で待ちなさい!私は
あの壇上に立って指示するから!」
???「お前は楽な方かよ・・・」
???「何を言っているの!?私は頭脳であんたは手足!役割分担よ、ほらさっさと持って
行きなさい、ありったけね!!!」
キョン「・・・何だか、随分と横暴な奴だな・・・。おっと、バレるバレる・・・。」
???「・・・ねぇ、今何か居なかった?」
???「猫だろ、ほら持ったぞ。早く行こうぜ。」
???「あんたが指示してどうするのよ!もう・・・ほら行くわよ!早く!!!」タタタタタタタタタッ・・・・・・
???「やれやれ・・・3年前から横暴な奴だ。」キコキコキコキコ・・・・・・
キョン「・・・3年前、あぁ、そうだ・・・俺にはやらなければならない事があるんだっ!えぇと、
あぁ、でも・・・・・・」
キョン「俺は一体、誰なんだ?」
277 = 102 :
キョン「何がどうなっている・・・この胸の焦燥感は何だ!?時間は・・・夜8時過ぎか。
7月7日で、ここは・・・多分、中学校かな?・・・場所も分かる。でも、俺が
誰だか分からない・・・・・・全く、何がどうなっていやがる!」
???「・・・やっぱり、あそこ何か居るわよ。ちょっと見てきてよ・・・」
???「別に、何も居ないだろう?それよりほら、早く指示しろよ。次はどこに線を・・・」
キョン「危ないな。何故だか知らんが、あいつらに見つかったらとんでもない事になる
気がする。」
キョン「・・・とにかく、こっから離れよう。ここに居るだけでは解決しそうに無いしな。」
キョン「迷ったああああぁぁぁ・・・・・・。何処だよここはぁ~・・・。」
???「あの~・・・」
キョン「うわぁっ、さっきの人!違います別に私は怪しい人じゃないんです!さようなら!!
アデュー!!!」
???「えっ!?あ、待って下さいねぇ、ちょっと!!!」
278 = 102 :
???「ねぇ、ちょっと!待って!!」
キョン「うおおおおおおおおおおおおおおおっごめんなさい違うんです別に不法侵入したあなたを見た
訳では!」
???「不法侵入って何!?ボク何かした!?」
キョン「・・・・・・・・・ボク?」クルッ
キョン「・・・あぁ、何だ・・・格好が似てるから分からなかった、君男の子か?」
???「うぅ・・・酷いですよ・・・。」
キョン「す、すまんすまん、泣かないでくれ・・・えぇと、俺は・・・お、俺はジョン!ジョン・スミスだ!!
君の名前は何だい?」
???「ジョン?・・・外国の人なの?ボクは・・・」
キョン「あぁ、いや、まぁそんな所だな!別に怪しい者では無いさ。よしよし、泣き止んでくれ。泣き止んだら、
俺の事は黙ってそのまま見逃してくれ。」
???「・・・ボクは、古泉。古泉、一樹だよ。」
279 = 190 :
この時間にはキョンが三人いるのか
280 = 102 :
キョン「古泉君か、そうか、あまり遅くならない内に帰れよ!お母さんも心配しているぞ!」
古泉「・・・・・・心配なんか、していないよ。」
キョン「はぇ?」
古泉「お母さんも、お父さんも・・・ボクの事ばんか、じんぱい・・・しれ・・・くれないよ・・・」グスッ、ヒック
キョン(地雷踏んだか・・・)「お、おおおおおおおおおおおおおお兄さんにはどうしようも無いなそそりゃ。」
古泉「・・・・・・うん。それもそうだね、じゃぁねジョンさん。」
キョン「あぁ、じゃぁな・・・・・・何だ、この胸のざわめきは・・・。」
キョン「・・・・・・古泉君、ちょっと待ってくれないか?実はお兄さん、今とっても困っていてな。ちょっと手を
貸してくれないか?」
古泉「!お金なら貸さないよ!?どうせ返してくれないんだ!そのまま取るんだ、不良なんだ!!!」ダッ
キョン「ちょ、ちょっと待ってくれ!古泉君!?いや、マジで違うから・・・」
ググ・・・・・・ グラグラグラグラグラッ!!!!!
281 = 102 :
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ・・・
キョン「何だこの揺れは・・・地面が揺れてないのに、何かが揺れている様に感じる・・・
あっ、あぁっ!!!??古泉君っ!?」
古泉「うわ・・・うわああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああっ!!!!!!」ズズズブッ・・・・・・ズズズズズ・・・・・・・・・
キョン「何だありゃ・・・体が消えて、いや何かに飲まれて・・・・・・・・・クソッ、待ってろ!今助けて
やるからな!!!」
古泉「うわ・・・わああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!」
パキューーーーーーーーーーンッ ・・・・・----ィィィイイイインッ!!!!! どてっ!
キョン「痛っ!」
古泉「うわっ!!!」
キョン「・・・・・・やばい、目が見えない。入る時のあの光、何だ一体!?」
古泉「ぼ、ボクは目を瞑っていたから、何が何だか・・・・・・。何、これ・・・これは何っ!?」
キョン「えっ!?何?何だ!?」------------------------ォォォォォォオオオオオオオオン・・・・・・・・・。
古泉「青い・・・・・・・・・巨人?」
282 :
おい何だこの良作SSは
283 = 102 :
キョン「うわぁっ!何だ!何か居る!!何か感じるぞ俺は!!!」
古泉「・・・涼宮ハルヒのストレスが実体化した存在・・・この灰色の世界は、彼女の力によって
作られる、・・・そして少しずつ広がって、やがて世界を覆い・・・入れ替える!?」
キョン「この状況が分かるのか!?」
古泉「何でか知らないけれど・・・頭の中に浮かぶんだ!分かるんだ!ボクの中に・・・変な力が
あるって!」
-----------------ォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!!!
古泉「う、うわぁあぁぁっ!!!」
キョン「うぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああばばばばばばばばばばっ!!!!!」
青い巨人の腕が振るわれ、遠くにあるビルが成す術も無く崩れ落ちていく。よく見れば、周囲は一面灰色の
奇妙な町並みであり、明かりを漏らす家屋は一軒も無い。
また、巨人の拳が落ちた。家が崩壊し、瓦礫がこちらに飛んでくる。
古泉「えぇ・・・えぇと!」
古泉少年が、全身に力を込める。赤い渦が足元から生まれ、やがて彼の体を包み込む・・・少々小さな、赤い
球体となった。瓦礫がぶつかる。球体はそれを貫き、更に細かくなった瓦礫を周囲に弾き飛ばした。
キョン「おぉ・・・何が起きているか分からないが、何だか凄い事になっているのは分かるぞ!」
青い巨人が、その赤い光を目に止めた。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・足を大きく、振り上げる。
284 :
超支援!!
面白すぎるぜ!!
285 = 247 :
古泉頑張れ
286 = 102 :
古泉「わあああああああっ!わああああっ!!わああああああああああっ!!!」
古泉少年は、その足から必至に逃げ惑う。どうも巨人はその赤い点のみを見ているらしく、
更に近くに居るキョンには気づきもしない。しかし瓦礫は容赦なく飛び散り、やはり彼も
また、危険な状態にあるのだった。
キョン「うぉっ!また何か・・・近くに落ちてきた感じがするぞ!?うおっ!!!」ドシャァンッ
瞳は未だ暗闇になれず、まだ全快には数分かかる見通しだ。
古泉「うわぁっ、やだっ!助けてーーーーーーーーっ!誰かっ!!助けてーーーーーーーーーーーーっ!!!
お姉ちゃーーーーーーーーーん!新川さーーーーーーーーーーーーーーーーーーーんっ!!!」
キョン「あ、新川!?・・・・・・聞いた事がある名前だな・・・って古泉君、結構ピンチじゃないのかアレ!?」
例え目は利かずとも、風の流れとうねりで感じられる。敵は数十メートルもあろうかという巨大な化物で、
少なくとも四足歩行では無さそうだ。そして古泉少年の声の位置から、彼は逃げ惑いつつも・・・逃げられない事が
分かる。
古泉「な、何だよ!この壁!!!」
・・・いわゆる、それは「世界の果て」だ。ゲームなどではお馴染みの、設計が成されていない故に入る事が出来ない
透明な壁。しかしこの世界のそれは灰色に輝く不気味な壁で、それも少しずつ広がっていた。
古泉「わっ、嫌だ、助けて・・・嫌だ、嫌だあああああああっ!!!」
古泉少年を包む赤い球が薄れる。少年の体から力が抜けるのと、それは同調している様だった。巨人の拳が振り上げ
られ、それが近くの建物をかする。現実世界ではきっと、誰かの家に相当するのだろう。
その家の瓦礫は、遠くに居る彼を救いに来た筈の男に、真っ直ぐと向かっていった。
287 = 131 :
今北
入部届で長門復活と思ったが違ったか
288 = 102 :
キョン「グヘァッ!!!」
瓦礫は男の後頭部に当たり、そのまま体を押し倒す。死んではいないが、限りなく死に近い状態だ。
古泉少年は、その姿をしっかりと眼に映してしまう。
古泉「あ・・・あぁ・・・・・・」
世界の壁と、青い巨人に挟まれて。古泉少年は、その体から完全に力を抜いてしまった。
古泉「えっ・・・あっ・・・・・・うわあああああああああああああああああお姉ちゃーーーーーーーーーーんっ!!!」
高度数十メートルの高さから、古泉少年の細く軽い体が落ちる。巨人はその姿を追いすらしない・・・赤く光らない
球体は、基本目に入らないのだ。破壊願望に任せて、適当に拳を振り落とす。・・・その先には、空中落下中の古泉
少年が居た。
古泉「あぁ・・・・・・。」
古泉少年は考える、この落下する刹那の間に。両親に見捨てられ、頼りの姉代わりと叔父さんは近くにいない。
訳の分からない少女の訳の分からない空間で、このまま巨人に潰されて蛙の様に死ぬのか。
古泉「あぁ・・・・・・」
地面に叩きつけられるその間際、視界の隅に入ったのはジョン・スミスと名乗る謎の男だ。瓦礫に頭を打ちつけて、
血を流して倒れている。その体は動かず、巨人が弾き飛ばした別の瓦礫が今正に彼の体を押し潰そうとしていた。
古泉「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・っああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!」
289 :
ショ泉頑張れ!
290 = 102 :
・・・これは、実に陳腐な話しだ。よくある、少年漫画のつまらないストーリー。だが、
古泉「させない、させない、させない!!!殺させるもんか化物めえええええええええええええええええええっ!!!」
少年は、大好きな人々と・・・命の恩人の為に、立ち上がる物である。
『『『ゥゥウウウウウウウウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!!!』』』
そして、巨人はその全てを迎え撃つ。
赤く小さな球体が、その青い巨大な拳に突き刺さった。しかし拳は振りぬかれ、そのまま地面へと深く、深く
沈み込んでいく。
灰色の世界が、この世界に初めて生まれた世界の危機が、大きな轟きをあげて揺れた。灰色の土煙と青い巨人が
叫ぶ中、赤い光はどうしてもその姿を見る事が出来なかった。
291 = 102 :
キョン「う~ん・・・うん?」
キョンが目覚める。と同時に口一杯に灰色の何かが詰まっており、それが酷く無味乾燥な味で
ある事に顔をしかめ・・・そして、
キョン「・・・古泉!古泉はどこだっ!?」
キョン。時空振動。3年前の七夕に、そして閉鎖空間。そして、あの弱々しい古泉少年。
彼の脳裏に、いくつかの記憶が戻る。未だ完全では無いが、しかし十分な記憶。
キョン「古泉ーーーーーーーーーッ!!!どこだぁーーーーーーーーーーっ!!!」
・・・ピシ、パキパキピシッ・・・・・・
キョン「これは・・・閉鎖空間の崩壊・・・っ!古泉は勝ったのか!!!!!」
灰色の世界の空が割れ、星が瞬く夜空が覗く何とも不思議な光景を前に、キョンをひと時の
静寂を感じた。世界の危機は少年の前に敗れ去り、無様に足元へと崩れ落ちていく。・・・やがて。
灰色の煙が収まり、世界が完全に元通りとなった時・・・・・・。
キョン「古泉!」
赤い少年の姿が、そこにはあった。赤い球体は存在しないのに・・・少年の体は、赤く染まっている。
キョン「古泉、古泉っ!?」
キョンの脳裏に浮かぶのは、新川の悲しそうな顔である。
「・・・・・・あの子は、3年前に死んだんだ・・・交通事故でな。」
292 :
キョンは今メイド服を着てるのか?
293 = 102 :
キョン「交通事故・・・交通事故って、こういう事かよっ!」
世界の危機を救った少年に対して、キョンは何も出来ない。少年の体はどんどん
赤く、そして黒く・・・肌は冷たく、青白くなっていく。
キョン「畜生・・・畜生!!!何も・・・また何も出来ないのか!!!!!」
これが本当の、世界の終わりか。そう、思わざるを得ない。助けを呼ぼうにも、彼は
今携帯電話を持たない。大声で叫ぼうにも、喉がかすれて助けも呼べない。体は全身
痛く、まともに動けない。
キョン「クソックソックソッ!!!・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・俺の事はどうでも良い
から・・・神様、この・・・・・・俺の友人だけでも、助けてくれ・・・っ!!!」
涙を浮かべ、天に懇願する。しかし神は、・・・・・・何も、答えてはくれなかった。
・・・・・・ョン君、キョン君!
295 :
流れ的に着てるだろ
296 = 247 :
メイド服着てる変体お兄さんを助けるために命を懸けた古泉いいやつすぎるだろ
297 = 102 :
???「キョン君、聞こえますか?私です、朝比奈です!!大きい方ですよ!!!」
キョン「・・・えっ・・・朝比奈さん!?何処に居るんですか!?古泉が、古泉が死にそうなんです!」
朝比奈「えぇ、分かっています。落ち着いて聞いて下さいキョン君。今、私はそこに居ません。声だけ
そちらに送っています。これはTPDDの持つ機能の一つ、「時空跳躍指令」による物です。」
キョン「な・・・こっちにはいない!?そんな・・・・・・」
朝比奈「キョン君、大丈夫。少しの間、キョン君の体を借りるわよ。・・・説明は後でするから、ごめんね!」
キョン「えっ!?ちょっ朝比奈さ・・・・・・」
調整員「・・・ジャック完了、これより古泉一樹の治療任務にあたります!」
朝比奈「治療班、準備して!」
治療員「はいっ!!!総員配置に付け・・・これが未来の命運を決めるのだ!!!」
・・・・・・未来の技術について、少し説明しなければなるまい。TPDDは正式名称「時間平面破壊装置」、いわゆるタイムマシンにあたる。
これにより朝比奈さん(大)その他未来人は過去へ未来へと行ける訳だが、その機能は一つとは限らないのだ。・・・・・・つまり、時間を
移動したり空間座標を調節する他にもう一つ、未来人が取るべき行動である「禁則事項」という奴だ。
禁則事項は厄介で、とても人間一人の努力で守りきれる物ではない。精密なコンピュータで計算した事象全てを完璧に守らなければなら
ないのだ。だから、ジャックするのだ。制御するのだ、人間の頭脳を・・・言葉を、行動を、「未来に居る人間が」!
朝比奈「一度は言ってみたい台詞なんですよねキョン君・・・『未来の技術をなめないで頂戴』!」
298 :
おのわこおなやんんあんつ
299 :
凄く熱い展開だな
300 = 195 :
とても>>1の内容からは想像できない壮大な話になってきたな
みんなの評価 : ★★★
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