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元スレヲタ「初音ミクを嫁にしてみた」
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ミクが実在した人物だったら悲しいな。中東の自爆したミクのやつだったりしたら……
ヲタ「……もしもし! 高橋!」
友「……なんだよ、今仕事中で……」
ヲタ「ミクが! ミクが壊れた!! ミクが!!」
友「お、おい、落ち着けよ。壊れただって? お前まさか危ないAI入れたんじゃ……」
ヲタ「あ、その、まあ、そうだな……、ど、どうしたらいい!?」
友「どうしたらってお前、修理に出すしかないだろ。つーか俺はアンドロイドの専門家じゃないぞ。
ただのブン屋だ」
ヲタ「修理……修理……それってエラい金掛かるよな……?」
友「そりゃそうだろうな。エラい修理費を出せない人間は普通買わんだろ……」
ヲタ「だよ……な……あーマジどうしよう……」
友「だからやめとけって言ったのに……。あーそうだ、アンドロイド修理業者なら
メーカーに出すよりは安いんじゃないか?」
ヲタ「修理業者? そ、そんなのがあるのか!?」
友「ああ、違法AIを入れたアンドロイドは保証が効かないから、専門業者に依頼する
ユーザーが多いみたいだな。記事書いた時にそういうのも調べた」
ヲタ「そ、それどこにあるんだ!? なあ!?」
友「いくつかあるらしいが……ネットで調べた方がいいんじゃないのか?」
ヲタ「そ、そうだな。ありがとうよ!」
友「ああ、直るといいな。じゃあな」
業者……業者……アンドロイド修理の業者……。
検索してみると、隣町に一件あるらしい。持ち込みOKらしいが……。
営業時間7時までか……今6時半だし、間に合うだろうか……。
ヲタ「これ、もっていくの大変だな……」
取り敢えずおんぶして……ああ、寝てる人間を無理やりおんぶするようなもんだから
すごくやりにくいぜ……。
ヲタ「よっと……ぐぐぐ……なんとか背負えた」
だが問題は階段だ……。
ヲタ「手すりに捕まって一歩づつ……ぐっ……これはキツイ」
体鍛えておくんだった……ぐぐ……足踏み外したら大変な事になる……ぐぐ……。
ヲタ「はあっ……はあっ……やったぞ……」
なんとか一階まで下ろしたが、さすがに隣町まで背負っていく体力はない。
電話でタクシーを呼ぶことにする。
ヲタ「すいません、○○町4丁目のメルトってお店までお願いします」
運転手「はいはい……えっ?」
ヲタ「いやあのこれは……ちょっとした人形で……死体とかじゃないです」
運転手「あ、はい……○○町ね、了解……」
運転手はぐったりしたミクを見て驚いてる様子だったが、まあアンドロイドを
街に連れ歩く人間もよくいるし、大丈夫だろう……。
運転手「着きましたけど」
ヲタ「ど、どうも……」
お金を払って、座席に座らせていたミクを再び背負う。店はまだあいているようだ、よかった……。
それにしても心配なのは、修理代金だ。メーカー修理よりは安いらしいがその相場がよくわからない。
持ってきたのは全財産の30万円……足りなかったらどうしよう……。
>>163
いまだにフロッピー使ってる俺に文句をつける気か
いまだにフロッピー使ってる俺に文句をつける気か
ヲタ「す、すいませーん!」
店の中に入って声を掛けてみると、奥から口ひげを蓄えた喫茶店のマスターといった風貌の
中年男性が出てきた。
店主「故障か? とりあえずそこのイスにおいといてくれ」
ヲタ「あ、はい」
ミクをイスに座らせ、店内を見回す。アキバのパーツ屋って感じだな……。
置いてるものは全部アンドロイド関連の品っぽいけど。
店主「これ純正? 違うよな?」
ヲタ「あ、はい……」
店主「じゃあ、これに入ってるAIの具体的な内容とか、あとまあ色々書いて」
ヲタ「わ、わかりました……」
>>164
そこまでしなくても大丈夫だよ
そこまでしなくても大丈夫だよ
AIの内容……っていわれてもな、ネットのよくわからない場所で落としたとしか……
あとは……使用頻度とか……故障した時の状況とか……それと……なになに……
修理に際し、アンドロイドの衣服を脱がせたりボディに触れる事がありますが、
それに関しユーザーは一切異議申し立てしない事を誓います……。
ああ、そういうの気にする客が多いんだろうな。
ヲタ「か、書きました」
店主「おう。んじゃちょっと見てみっからな。これでも飲んどいて」
と熱くも冷たくもない缶コーヒーを渡される。
ヲタ「ど、どうも」
台車で奥の作業場に運ばれていくミク。直りますように……安くすみますように!
95割がゆとりで埋め尽くされてる今の糞VIPでよく書く気になったな
ヲタ「……」
10分ぐらい経ったとき、奥から店主が血相を変えた顔で飛び出し、俺に迫ってきた。
ヲタ「え、え、」
店主「おい!」
ヲタ「は、はい!」
胸ぐら掴まれてるんですけど……俺一応客なんですけど……。
店主「あんた、あのAIどこで手に入れた?」
ヲタ「どこでってその……書いたとおりですけど……ネットをさ迷ってたら
見つけて……あ、あのAIがどうかしたんですか?」
そのうちリンレンやルカとかも出てきて……
アンドロイドだけで家庭作れそうだな
アンドロイドだけで家庭作れそうだな
店主「あんなもん普通のアンドロイドに突っ込んだら壊れるに決まってるだろ!
馬鹿ヤロー!!」
ヲタ「ひっ! あ、すす、すいません!!」
なんで怒鳴られるんだよ……だから俺は客だって……。
店主「ありゃあ擬似脳AIだ。スパコンクラスの装置じゃねえとマトモに動作しねえ。
そこらのアンドロイドのCPUじゃ、そのうち焼きついてオダブツだぞ」
ヲタ「そそ、そうなんですか……? あの、疑似脳AIって……?」
店主「人間の人格を元に作られてる、自律思考可能な特別なAIだ。まだプロトタイプだがな」
>>168
5年くらい前にSS書いてたときは10レスくらいしたらサルってばっかだったけど、今は基準変わったのかな
5年くらい前にSS書いてたときは10レスくらいしたらサルってばっかだったけど、今は基準変わったのかな
>>174
大人しくROMってた方がいいよ
大人しくROMってた方がいいよ
ヲタ「あ、あのAIはそんなものだったんですか……じゃあ、このまま入れておくと
危険なんですよね? 消去したほうがいいです……よね?」
店主「……」
ヲタ「あの……?」
店主「いや、あんたが面倒見ろ」
ヲタ「え、ええ?」
ぶっ壊れるとか言っておきながら、何言い出すんだこのオッサン。
店主「リミッターを付け加えて今のシステムの可動範囲に収まるようにしてやる。
だからあのままのAIで使っておけ」
いやいやいや、そんな事言われても……ていうか消去できるならしてくれたほうが……
ヲタ「いやその、また故障したら不安ですし、その……」
店主「あんたがどういう使い方してるかは知らんが、虐待はしてねーだろ?
ボディ見りゃわかる。あんた、あのAIに愛着とかねーのか」
愛着って言われても……。
……初日の嫌な思い出がだな……、まあ、それ以後のあいつはちょっと可愛いと
思ったし、悪い奴じゃないっていうか、そんな風に感じはしたけど……。
店主「ちょっと付いて来い」
ヲタ「え、あの?」
店主に促されて付いていった先は店の倉庫。一体なんなんだ。
店主「見ろ」
ヲタ「え……うわっ!」
死体が山のように……と見えたものは、沢山のアンドロイド。
腕や足がないもの、頭部がないもの、皮膚が切り裂かれているもの、焼け焦げているもの。
凄惨な光景に、目眩と吐き気を覚える。
ヲタ「うっ……」
店主「ここに来る客は、普通のAIじゃ満足できねえ変態が多くてな。虐待なんて当たり前の
ようにやりやがる。そしてボロボロになるまで酷使して、ポイだ」
ヲタ「……」
店主「俺の嫁だの、愛してるだの言っておきながら、結局アンドロイドの事を
『人格の無い人形』としか見てねえんだ。だからこういう事ができる」
ヲタ「……」
店主「あんたはどうすんだ、消すか? あの子のAIを」
俺は……俺は……。
ヲタ「……俺、ミクに謝ります。実はその……壊れた原因は……俺がミクを叩いて、
泣かせて……だから」
俺は、ミクの事、このアンドロイト達の持ち主と同じような目で見てたんだな……。
店主「ああ、それがいい。あんまり悲しませんじゃねえぞ」
ヲタ「はい……」
店主「じゃ、修理の続きしてくるわ。店内で待っててくれ」
店主はそう言ってポケットから熱くも冷たくもない缶コーヒーを手渡してくれた。
ヲタ「……」
なんだか胸がもやもやする。俺は、あいつとこれからどう接したらいいのか……。
一時間ほど後、店主が奥から出てきた。
店主「おまっとさん、直してやったぜ。おい、ご主人様が待ってるぜ」
ミク「は……はい!」
ミクが歩いて奥の部屋から出てくる。良かった……ちゃんと直ってるみたいだ。
ヲタ「あ、あの……その代金は……」
ずいぶん掛かっただろうな……足りなかったら……ローンとか出来るかな。
店主「あんたコーヒー2本飲んだろ。300円」
ヲタ「え、いやあのコーヒーじゃなくて修理代金は……?」
店主「いらねーよ。奢りだ。コーヒー代は別だがな」
ヲタ「え、え? 奢りってそんな」
店主「ほら、気が変わらねーうちに帰った帰った」
なんだかよくわからないが、修理代をタダにしてくれるらしい。でも、どうして……?
ヲタ「え、あ、ありがとうございます! じゃ、じゃあ300円……」
店主「おう。大事にすんだぞ。そいつの事」
ヲタ「は、はい……。帰ろうか。ミク」
ミク「はい、マスター。おじさま、直していただいてありがとうございます!」
ヲタ「ありがとうございます!」
そうして二人で店を出た。ミクも歩けるしバスで帰るかな……。
って、器用に歩くな、こいつ……。
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