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    元スレ絹旗「超不幸です……」

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    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 : ★★★×5
    タグ : - 麦野 + - + - とある科学の超電磁砲 + - とある魔術の禁書目録 + - アイテム + - カノンノ + - ザンギエフ + - フレンダ + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    1 :

    少しばかり書いていこうかなと思います。
    一応全巻目は通してありますが、能力や設定等は少し都合のいいように変換しています。
    また、かませ役ですがオリキャラも出ているのでご容赦のほどを。

    2 = 1 :

    絹旗「はっ、はっ、はっ、はっ……」

     絹旗最愛は、学園都市の暗部組織、『アイテム』の一員である。
     その彼女は今、路地裏を駆けていた。
     さながら、狩られる獲物のように。

    絹旗「っ、まだ超追ってきてるんですかっ!?」

     絹旗は後ろを振り返り、それを確認する。
     と、その瞬間に、パシュン、と発砲音が聞こえ、絹旗のすぐ横を銃弾が掠める。

    絹旗「――――っ!」

     再び、加速。

    ??「はっ、『アイテム』の大能力者って言っても、やっぱりこの程度なんだなっ!」

     絹旗は答えない。
     その代わりと言わんばかりに、路地裏に転がっているゴミ箱を投げつけた。
     それは簡単に小物透人に弾き飛ばされ、幾度となく繰り返された鬼ごっこが再開される。

    3 = 1 :

     絹旗最愛は、いつもはこんなに一方的にやられる人物ではない。
     彼女の能力は『窒素装甲』。
     空気のおよそ七十%を占める窒素を身体の周りに張り巡らせ、強力なシールドを展開する能力。
     暗闇の五月計画によって学園都市第一位、一方通行の『自分だけの現実』を植え付けられた彼女の能力だ。
     近戦では、ほぼ無敵の能力。
     そんな絹旗が、強大な能力をもってしても逃亡しているには一つの理由がある。
     勿論のこと、それは小物の能力。

    絹旗(『物質変換』――相性の超悪い能力ですねっ!)

     『物質変換』。レベルは彼女と同じ大能力。
     その能力は、自分の最大半径一キロにある物質を、他のもの、或いは他の性質に変えてしまう能力。
     身体能力の向上などは見込めないが、対能力者戦において、それは莫大な威力を発揮する。
     『超電磁砲』を例にしてみよう。
     『物質変換』により、電気の性質である磁力や痺れさせるという性質を変えてしまえば、彼女の電撃はほぼ無力と化す。
     この場合、『電気』ではなく、『窒素』が変わっている。
     曰く、『窒素によく似た性質の何か』へと。

    小物「どうしたぁっ、とっとと俺を殺してみろよぉっ!」

     小物が背後で喚く。
     しかし、絹旗にはそれに対応する暇が無い。逃げるだけで精一杯だ。
     その歯がゆさに、思わず唇を噛む。

    4 = 1 :

    絹旗(麦野とかいれば、超あっという間なんですけど……)

     生憎にも、同じ『アイテム』のメンバーは、他の仕事に駆り出されている。
     結果、手の空いていた絹旗にこの仕事が回ってきたというわけだ。
     ――暗部組織、『チーム』のメンバーが暴走し、自分以外を殺害したから、その彼の殺害を命じる、と。

    絹旗(ったくもう、こんなことは、他の組織に超やらせとけばよかったんですよ!)

     しかしながら、回ってきたものは仕方がない。
     『アイテム』の一人、フレンダの口癖を借りるのなら――『結局、絹旗は運がなかったってわけよ』、ということになる。
     つまるところ、絹旗最愛は。

    絹旗「ああもう……超不幸です……!」

     ――不幸、なのであった。

    5 = 1 :

    小物「ひゃっはーっ、とっとと終わらせてやるよっ!!」

     その声に振り向いてみれば、今度こそその銃口は絹旗を捉えていた。
     絹旗の額に、冷や汗が垂れる。
     思考がおかしな方向へと飛び、回避行動すら起こせない。

    絹旗(――え、私、こんなところで……超死ぬんですか?)

     どうしてだろう。
     私は、学園都市に希望を持っていたはずなのに。
     『置き去り』にされ、実験のモルモットにされて。
     それに運良く生き残っていても、学園都市の裏、暗部に落とされて、人を殺して。
     振り返り、絹旗は思う。

    絹旗(……私は、超おかしな道を進んでいたみたいですね)

     言うならば、こうだろう。
     不幸、と。
     神様の加護から漏れた、不運だ、と。

    絹旗(――神様、もしいるなら、一つだけ超お願いします)

     一つだけ、願う。

    絹旗(超、くそ食らえ)

    6 :

     正しく、その通りに。
     神様は、その『奇跡』を狂わされたのだろう。
     ―― 一つの、右手によって。

     バキンッ!と。
     何かが破壊されたような音が路地裏に響いた。

     銃が弾ける。
     その銃弾は――窒素の壁によって、阻まれた

    絹旗「――っ!」

    絹旗(な、超どうして!?)

     絹旗にとっては幸運以外の何者でも無いというのに、突如の出来事によって反撃に移れないでいた。
     小物にとっても同様。
     自分の能力が、自分が解くという意志がなかったのに、解除されたのだから。
     それは、あまりにも不自然な出来事。
     例えるなら、固体が気体に昇華するのを、無理矢理固体に戻されたかのような。

    ??「……なにしてんだよ、てめぇ」

     声がした。
     それは、絹旗の、小物の更に後ろから。

    7 :

    地の文有るっていいよな

    8 = 6 :

    >>7
    ですねぇ、けどやっぱり、時間が数倍にもなってしまうのが難点……


    小物「っ、なっ、なんだてめぇっ!」

     小物は素早く振り返り、その影に向かって銃口を向けた。
     その影は、それに臆しない。

    ??「俺か?俺が誰かなんて、そんなのどうでもいいだろうが!」

    ??「問題は、俺が誰かなんてことじゃねぇ!てめぇがその女の子に何をしようとしてたかってことだ!」

     ツンツンヘアーで、一見なんの特徴のないように見える高校生。
     彼の名前は――上条当麻。またの名を、『幻想殺し』。
     あらゆる異能、神様の奇跡ですら軽々と打ち破る能力を所持する少年。
     そんなことを知る由もない二人は、彼が何らかの能力を使って相手の能力を解除したものだと思う。
     レベル4を超える能力といえば――真っ先に思い浮かぶのはレベル5で。
     学園都市230万人の内、七人しかいない化け物で。
     実際には、世界に一人しか存在しないはずの、『天災』なわけだが。

    小物「っ……て、てめぇ……っ」

    上条「答えろよ、三下」

     上条当麻は、問う。
     その響きに、確たるものを持ちながら。

    上条「てめぇはそれで、何をしようとしてたんだ!」

    9 :

    相手の能力、空気を全て有害に変換すればかなりのチート能力じゃない

    10 = 6 :

     普通、道行く一般人には見知らぬ女の子を助ける義理はない。
     むしろ、見ても見ぬ振りをするのが普通だろう。
     しかし、上条はそれをしない。
     その根底にあるのは、自分が不幸の辛さを知っているからだろうか。
     そして――
     その何をしたか分からない、危機を救ってくれた上条を見て。
     絹旗は――ヒーローだと思った。
     今までずっと、学園都市で不幸をかぶり続けていた自分をすくってくれる、見てくれる。
     本当に、闇を照らす、光のような救世主だ、と。

    上条「……いいぜ、答えないなら、それでもいい」

     上条は一歩、小物へと踏み出す。
     人の不幸を、その右手で削り取っていくように。

    上条「何をしていようが、その女の子に何をしようとしていようが……そんなものはもうどうでもいい」

     上条は、ただ拳を握り締める。

    上条「ただ……」

     小物は、ただそれだけで恐怖する。

    上条「てめぇが、その女の子に対して、自分の思うままに行くと思ってんなら……!」

     絹旗は、ただそれに見惚れる。

    上条「まずは、その幻想をぶち殺す!!」

    11 = 6 :

    >>9
    あー……それなら、普通レベル5で……
    色々条件があるのですが、書くのを忘れていました……orz


    小物「ひっ――――」

     小物はその武器を捨てる。
     レベル5に、基本銃は通用しない。
     一番下の第七位でさえ真正面からくらっても生きているほどだ。
     ならば、信じられるのはその自分の能力のみ。
     油断しているのか、相手は能力ではなく肉弾戦で挑んでくるようだ。

    小物(相手の肉体を――発泡スチロールのような脆さに、変換する!)

     上条は腕を振りかぶる。
     眼前に、その拳が迫る。
     小物は、激しい感情の中、勝った、と刹那、思う。

     しかし、やはり。

     その『希望』は、彼の宣言した通りに、殺される。

    小物「――――――――」

    上条「うぉおおおおおおおおおおおおおっっ!!」

     上条は全力で腕を振り抜き。
     小物は数メートル向こうにいる絹旗までも超えて。
     地面に、落ちた。

    12 = 6 :

     絹旗は、能力が使えるようになったことも忘れて、一部始終を見入っていた。
     助けに現れた救世主。
     こんなものがいるんだ、と絹旗は無意識以下で思う。

    上条「ふぅ……銃持ってるって思ったときはどうなるかと思ったけど……案外なんとかなるもんだな」

     絹旗はその言葉がおかしくて、つい笑ってしまう。
     怖いのなら、どうして挑むのか。
     上条はそう問われたら、そういう性質だから、と答えるしか無いのだろう。

    上条「って……どうしてお嬢さんは笑ってるのでせう?」

    絹旗「くくっ……だって、超……おかしいんですもん……」

     たすけてくれて失礼だと思いつつも、笑う。
     上条はそれを見て、安心だと判断したのか……手元を見る。
     そして、絶叫。

    上条「あぁ――――っ!!買い物袋、表においてきちまった――――っ!!」

    上条「やばいっ!今日飯作れなかったら俺がインデックスの飯になっちまうっ!!」

    絹旗「え、あの……」

     絹旗は上条に声をかけようとするが、慌てる上条にその声は届いていない。

    13 :

           

    14 = 6 :

    上条「ああもう――っ!不幸だぁあああああああああっ!!」

    絹旗「ちょっ……超待ってくださ……っ!!」

     結局、上条は絹旗の様子に気づかずに、きた道を駆け戻っていく。
     そこに残されたのは、絹旗と気絶している小物のみ。

    絹旗「……あ、そうだ。超電話」

     絹旗は『アイテム』の下部組織に連絡し、小物の身柄を確保して、回収することを告げる。
     電話を切り、名乗らなかった少年に対して、思いを馳せる。

    絹旗「全く……超あの高校生は、なんだったんでしょうか……」

     つい、と地面を辿ると、そこには一つの物が落ちていた。
     それは、生徒手帳。
     先程の少年が落としていったのであろう、絹旗はそれを拾い、中身を確認する。

    絹旗「……上条、当麻…………」

     それを声に出しただけで、胸が熱くなった……気がした。
     これはこれからくる下部組織に預け、他の経由で返してもいいが……
     絹旗は、それをポケットに仕舞う。

    絹旗「……今度、お礼と一緒に、超返しに行きましょう」

     淡い、僅かな気持ちの変化と共に、つぶやくのだった。

    15 = 6 :

    とりあえず、書き溜めは超終了なわけなんですが。
    需要、あります?

    16 = 13 :

    このテンポ…書き溜め…!

    17 :

    あるに決まってるだろうが書いて下さいおねがいします

    18 = 13 :

    ありまくりなので早く書いてください

    19 :

    今夜は超寝ないつもりです超書いてくださいね

    20 :

    ありまくりさ

    支援

    21 = 6 :

    では、超もう一つだけ質問で。

    1、地の文あり(超テンポ遅くなる)

    2、地の文なし(よくあるSS)

    どっちがいいです?

    22 = 13 :

    貴方の超したい方でいいです贅沢は言いません

    23 :

    続き頼んます





    限定条件有りみたいがやっぱりチートだな

    24 :

    必ず完結させるというのなら気の済むように書いてほしいが

    25 = 6 :

     上条当麻は、不幸である。
     ベランダから落ちてきたシスターに居候されるし、記憶喪失してすぐに錬金術師と戦わされたりもする。
     よく合うお嬢様校である常盤台中学のレベル5にもよくからまれる。
     これを不幸といわずして、なんというのか。

     ……もう一度いうが、上条当麻は不幸である。

    クジの人「当たりーっ、三等賞ーっ!!」

     カランカランとけたたましいほどにベルが鳴り響き、上条はそれを眺めつつ、呆然としながらつぶやく。

    上条「……へ?」

     ……再三いうが、上条当麻は不幸である。

    26 = 23 :

    スレストがこの頃酷いからsageとかないと
    スレスト喰らうかもよ
    支援

    27 = 6 :

    >>24
    私は書く物は超完結させるつもりで書いてます。
    何日かかるかは別として。最大で一週間以内には超終わらせます。


     上条当麻は思わず身構えてしまう。
     以前にもこんなことがあったような、なかったような、気がする。
     これはパラレルワールドなので言ってしまうが、以前イタリアに行った時もこんなのだった。

    上条(うわーっ!絶対不幸がくるーっ!!)

    上条(……しかし!上条さんはいろんな不幸をかぶってきたんだ、今更どんな不幸がきてもへこたれませんっ!!)

     ……などと、さとってしまうほどに不幸まみれの上条だった。

    28 = 6 :

    クジの人「はい、三等賞は映画のチケットねー」

    上条「あ、はい、ども……」

     ……映画?
     上条はなんとなくレベルの低い幸運に対して首を傾げる。
     これから不幸に繋がる理由が、全く理解できないからだ。

    上条「って、うわ、これ今日までじゃんっ!」

     受け取ったものの期限をみて、上条は愕然とする。
     本日の、0時まで。しかし、0時までなら何度でも使用可能。

    上条「急すぎるっての!ああでも、せっかくもらったもんだ、使わなきゃ損だし……」

    上条「……仕方がない、インデックスは子萌先生に預かってもらうことにしよう」

     上条にとって、映画のほうが優先だと判断したらしい。
     よーし、今日は夜まで見通すぞー、と張り切りながら、映画館のある方向へと消えていく。

    29 :

    面白ェ 支援するぜ

    30 = 6 :

     その映画館前では、絹旗最愛が宣伝のポスターを見ながら何をみようか迷っているところだった。

    絹旗「んー……これといって、超パッ、とするものはないですねー」

     腰に手を当てて、前かがみにポスターを隅々まで凝視する。
     傍から見ていると、彼女の下着が見えてしまいそうで仕方がないのだが、絹旗は全くそれを気にしない。
     それは彼女が、パンツが見えそうでギリギリ見えない角度を熟知しているためだ。

    絹旗「……はぁ。超仕方がないですね、今日は帰りましょうかね……」

     と、姿勢をただし、踵を返したところで。
     後ろにたって、まずはじめにどれを見ようか悩んでいた上条に正面衝突しそうになった。

    絹旗「うわっ、とっと……」

    上条「おっと、だいじょう――」

     絹旗は下がって、体制を立て直そうとして。
     上条はつかんで、倒れないように引き寄せようとして。
     むに、と。
     上条の手が何かを掴んだ。
     それは、柔らかく、ほんのり暖かく……

    上条「………………」

    絹旗「………………」

     絹旗最愛の、胸だった。

    31 = 24 :

    >>27
    いいぜ・・・てめぇが何が何でも完結させるってのなら・・・
    応援します

    32 = 6 :

    上条「すいませんでした―――――――――――っ!!!!?」

     素早く離れて、土下座への移行は素早い。
     その道を極めた、と言ってもいいだろう。
     とうの絹旗は、まだ呆然としたまま現実には戻ってこられずに、目を見開いている。

    絹旗「……なっ、なっ、なっ…………」

     上条は内心やっちまった――!と思いつつも制裁がこないことを不思議に思い、顔をあげる。
     そこには、白色の天国があった。
     
     絹旗はようやく、そこで我に返り、上条が自分のそれを見ていることに気づき――

    絹旗「お前コロス超コロス!!」

    上条「やややや、やっぱり……不幸だぁ――――――――っ!!」

     上条当麻は、やっぱり不幸だった。

    33 :

    規制解除キタァァァァァ支援

    そして寝る

    34 = 6 :

     ……暫くして。
     絹旗は、上条がいつの日の路地裏で自分をたすけてくれた人だと気づいた。
     しかしながらそれでも、胸を揉まれたことと下着を見られた事は別だ。
     上条を目の前に土下座させ、足蹴にしている。
     上条にとって幸運なのは、周りに絹旗と映画館の人以外、見ている人がいないことだろうか。

    絹旗(超、変態ですね、上条当麻……!)

     お礼をいおうとしていた私が超馬鹿みたいです、と心底憤慨する。
     そして怒っている素振りをみせていても何もしない絹旗に対して上条は、交渉の余地ありと思ったのか顔を上げようとして、

    絹旗「超見るなっ!!」

    上条「そげぶっ!」

     再び地面に顔面をぶつける。
     数秒おき、上条はこのままの態勢でネゴシエートすることにする。

    上条「ひ、姫……」

    絹旗「……超なんですか」

    上条「こ、これを…………」

    35 :

    結局…私の出番はない訳よ……

    36 :

    久々に絹旗キター
    麦野んも出してつかぁさい

    37 = 6 :

     上条がとりだすのは、先程当てた映画の無料チケット。
     映画館にいるということは、即ち映画を見に来たと言うことであって、これを上げれば喜ぶと思ったからだ。
     思った通り、絹旗はそれを見て、一瞬目を光らせる。

    絹旗「そ、それはっ……!」

    上条「きょ、今日のところは……これで、矛を収めてくれませんか……?」

     年下に許しを求めるのは男としてどうかと思うが、インデックスや美琴に何度もしている今、そんなことはいってられない。
     反応はよく、絹旗はそれを受け取って、上条の頭から足を放して数歩下がる。

    絹旗「……ふっ、ふん、今日はこれで超勘弁してあげますよっ!」

    上条「ははーっ、ありがたき幸せーっ……!」

     正直、これだけで済んで上条は本当に幸せだったと思う。
     いつもならマッハ三のレールガンを撃たれたり、頭をかまれたりしているわけだから。
     だから、これぐらいならまだまだ幸運――

    絹旗「けどっ!もう一つだけ、超条件がありますっ!!」

     ビシッ、と絹旗は上条を指差し、告げる。

    絹旗「貴方も一緒に、超映画見てもらいますよっ!」

     映画を観る→無料券はあげた→つまり自服→お金がなくなる→食べ物が買えなくなる→インデックスに噛まれる。
     一瞬で一連の流れを想像し、先程幸せを垣間見ただけ、上条は深く絶望して。
     そして、やはり、呟く。

    上条「不幸だ……」

    38 = 6 :

    >>35-36
    『アイテム』は超私の善意で一応出してあげるつもりではいます。


    ……というか、なんで超こんな時間に立てたんでしょう……
    超眠いです……

    39 = 13 :

    なにぃ?
    聞こえんなあ

    40 :

    >>38
    つ旦

    茶で眠気覚まして頑張れ

    41 :

    もしもしえん

    42 = 6 :

    貴方達、超鬼ですっ!
    ……仕方ありませんねっ、二時までなら書いてあげますよっ!


    上条「うっわー、ひろー……って俺たち以外誰もいねぇ!」

     上条の言うとおり、上映会場には彼らを除く誰一人として存在しなかった。

    絹旗「超当たり前ですよ。どれだけC級の映画だと超思ってるんですか」

    絹旗「わたしだって、この券がなければ帰っていた所ですよ」

     ひらひらと、上条から譲り受けた券を見せつけるように降る。
     それを見て上条は気を見てわかるぐらいに落ち込ませた。

    上条「千五百円……卵……貴重なタンパク源…………」

    絹旗「ああもう、超うるさいですねっ!わかりました、少しぐらいならお金超払ってあげますからっ!」

    上条「うそっ、いいのか!?」

     絹旗の言葉に、まるで生き返ったかのように目を煌めかせる上条。
     それに多少引きつつも、答える。

    絹旗「……ええ、私だってひとりで見るのが超寂しかっただけですから、そのぐらいは払ってあげますよ」

    上条「おぉーっ……!」

     上条は感動に打ち震え、絹旗は呆れたように彼を見る。

    43 = 6 :

     そして、絹旗は視線を会場へと移して――
     突如、くねくねしだした。
     上条は何が起こったんだ!?と驚愕の視線で見ているが、やはり絹旗は気にすることが無い。

    絹旗「ああん☆」

    絹旗「ここだけの単独上映で、客は私だけ。つまり、この作品の素晴らしさを超理解できるのは私だけ!」

    絹旗「まぁ確かに超見逃そうともしていましたけど、この無料券はきっと私だけに楽しんでくれという神のお導き!!」

    絹旗「そしてっ、今だけはこの映画の監督サマの伝えたいこと超独り占めぇえええええええええええっ!!!」

     そうして暫く光悦の表情でくねくねした後、先程の状態に戻り、会場の席へと足を踏み出す。
     上条はそれに戸惑いつつも絹旗のあとを追って、隣に座った。

    絹旗「~♪」

     パタパタと楽しそうに足をパタつかせる絹旗は、暗部組織の人間とは思えないほど年相当に見える。
     先程とはまるでうって変わった様子にやはり戸惑いつつも、

    上条(ま、楽しそうならいいか)

     と、上条は持ち前のスルー力で映画が始まるまでぼーっとすることにする。

    44 = 6 :

     映画上映。開始三分。
     ぼーっと眺めている上条でもわかる。
     これは、駄作だ。
     映画に素人の上条でも理解できるほどの出来の悪さで、こんなので本当によかったのか、という気分に駆られる。
     ふと横の絹旗を見ると、

    絹旗「………………」

     真剣な表情で映画を見遣っていた。
     それに驚き、上条はその理由を考える。

    上条(……そういえば、さっき監督のいいたいことを独り占め、とかいってたな……)

    上条(つまり……あれか?素人の俺には、この映画の良さはわからないってか!?)

    上条(くそう……燃えてきたぞこのやろう、上条当麻をなめるんじゃねぇ、全部まるっと、いいところを見ぬいてやるっ!!)

     そうして見てみると、上条には全てが輝いて見えた。
     ぐだぐだそうに見えて、必死にカメラを回し、必死に演技している人たち。
     それは、まるで文化祭のもののよう。
     だけれど、それはやはりプロの意地で、最後まで必死に通そうとしている。

    上条(……すげぇ)

     上条は見入る。
     そして、思う。
     隣の奴の見ている世界は、これなんだ、と。
     とても素晴らしい世界だ、と。

    45 = 23 :

    浜面と同じ落ちか

    46 = 6 :

     映画のマナー違反だと思いつつも、それに気づかせてくれたことに対してお礼をいおうと、再び横を向く。
     すると、さっきとは違い、ぐだー、とシートに身体を預けている絹旗がそこにいた。

    絹旗「だぁー。超つまんねー」

     がくん、と上条は何も無いところでずっこけそうになる。
     そして叫ぶ。

    上条「なっ、なんだよそれっ!!俺がさっき感じた、この映画の素晴らしさはなんだったんですかっ!?」

    絹旗「はぁ?超なんですか、それ。私ですら分からないこの映画のよさが、貴方に超わかるわけないじゃないですか」

    絹旗「それに、ほら。もうオチが見え見えですよ。ひとりずつ消えるように死んでいって、最後は制覇されエンド。次は唯一いる女性ですね。殺したいオーラがびんびんです」

    上条「なっ!?し、しなないねっ!唯一いる女性は、主人公っぽい男性と一緒に生き残るに決まってるねっ!!」

    絹旗「じゃあ賭けましょう。私は死ぬにポップコーンLサイズ」

    上条「上等だっ!上条さんの鑑定眼、見せてやるっ!!」

     売り言葉に買い言葉、絹旗の賭けに上条はまんまとのり、
     その十分も立たないうちに、唯一の女性は退場。

    絹旗「超ぽっぷこーんげっとー」

    上条「くそう……くそう……っ!」

     結局、ぐだぐだなまま映画鑑賞は終了した。

    47 = 6 :

     絹旗最愛は、結果的にいえば、楽しかった。
     麦野沈利、フレンダ、滝壺理后とは趣味が合わず、今までこういったB級C級の映画は一人で見ていたから。
     だから、楽しかった。
     映画の内容はともかくとして、二人で先の展開を言い争い、賭けをして、一喜一憂するのが。
     結果は、勿論絹旗の圧勝だったわけだが。
     ……そして、零時を越して、映画鑑賞会が終了したのと同時に彼女が感じたのは……虚しさ、だった。
     そのため、だろう。
     映画館を出て、すぐのところで、こういってしまったのは。

    絹旗「……超ありがとうございました。楽しかったです」

     正直に言えば、名残惜しく。
     しかし、それほど親しい仲でもないため、そんなことも言えない。
     絹旗は、そんなもどかしさを感じて止まなかった。
     しかし。
     上条は、それを知ってか知らずか、簡単にそんな垣根を乗り越える。

    上条「ああ、俺も楽しかった。だから、また今度一緒にみような」

     それは、絹旗が楽しく感じて、寂しく感じて、そして至った一番言いたかった言葉。
     それを聞いて、絹旗はやはり、と思う。
     この高校生、上条当麻は――私にできないいことを、簡単に成し遂げてしまう、と。

    48 = 6 :

    上条「じゃあな」

     上条は去る。
     立ち止まっている絹旗を置いて。
     交わることのなかった平行線が、再び元に戻っていく。
     それを見かねて、絹旗は、去りゆく上条の背中に向かって、叫びを放った。

    絹旗「超さようならっ!上条当麻っ!!」

    絹旗「また、会いましょうっ!!」

     上条は少しだけ絹旗の方を仰ぎ。
     そして、小さく、笑った気がした。

    50 :

    このヒロイン超可愛いですね


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