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元スレ上条「女の子と仲良くなりたい……」
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上条『しかし、まいったぜ。よりによって今日なんてな』
白井「あら、お姉様が起きていないとお弁当以外に不都合でも?」
上条『今日は弁当抜きでいいから、俺の宿題を手伝ってもらおうと思ってたんだけど。前も手伝ってもらったし』
白井「宿題……そういう教育方針もあるそうですわね」
上条『ほら出ましたよ、お嬢様発言が。とにかく、今日提出しなきゃいけない宿題が全然分からなくて、俺一人じゃどうも
白井「あなたねぇ……高校生が中学生に教えてもらうなんて、プライドとかありませんの?」
上条『上条さん、小さいことにはこだわらない男ですから』
白井「やれやれですの……それなら無理にでもお姉様を起こした方が良いのでは?」
上条『いや、いいよ。寝かせてやってくれ』
白井「それでは、宿題とやらはどうするんですの」
上条『忘れたって言っとくよ。後で補習を受けるくらいで済むだろ』
白井「………………」
白井「……情けない男ですわね」
上条『自分でもそう思うよ。何回目の補習かもう分からねえ』
白井「そういう意味ではありませんの。あなたがそうやって不利益を被れば、一番悲しむのはお姉様ですのよ?」
上条『え……?』
白井「お姉様は一途な方ですから。あなたがそれを提出できなければ、それは自分のせいだと考えるに決まってますの」
上条『う……た、確かに考えそうだ……』
白井「相手のことを気遣っているフリをしてその実相手を苦しめていることに、気付いておられて?」
上条『で、でも』
白井「お姉様のことを案じればこそ、あなたは身動きがとれなくなる。男と女とは面倒なものですの」
上条『………………』
白井「……ですが、現状を打開する案が一つだけございますわ」
上条『な、なに!? そ、それが本当なら、教えてくれ! いや教えてください、白井黒子様!』
白井「……はぁ。では今から速攻で、例の自販機のある公園まで来なさいな」
上条「これは?」
白井「x=24、y=60。高校生にもなって、二変数の方程式も解けないんですの?」
上条「面目ないです……」
白井「……そろそろ、お姉様も起きたでしょうか。お姉様も大変ですわね、こんな男が彼氏では……」
上条「え? 別に彼氏ってわけじゃないんだが」
白井「……は?」
上条「美琴は、女友達だよ。上条さんにそんな簡単に彼女ができるわけないでしょう」
白井「………………」
上条「ありがとう白井、助かったよ」
白井「勘違いなさらぬよう。お姉様の安眠妨害は、わたくしにとっても望ましいことではないというだけの話で」
上条「いや、それだけじゃない。白井は、俺が自分のことしか考えてないって気付かせてくれたじゃないか」
白井「……そ、それしきのこと、礼には及びませんのよ」
上条「白井は頼りになるな。今度もし何かあったら、白井に相談するよ」ニコッ
白井「なっ……! ま、まあ時間があれば、それくらいなら……」
上条「その代わりといっちゃなんだけど、俺の力が必要になったら呼んでくれ。力仕事でも何でもするから」
白井「あら、そんなことを言っていいんですの? 無理難題を押し付けるかもしれませんのよ?」
上条「そこは上条さん、白井のために頑張っちゃいますよ」
白井「…………っ」ドキッ
上条「じゃあ、一応番号教えとくよ。いらなかったら後で消してくれ」
白井「い、いえ……ありがたく頂戴致しますの……」
上条「はい、データ転送完了っと」
白井「では、私からも」
上条「え? 白井の番号も教えてくれるのか?」
白井「交友関係が一方的なのは、好きではありませんの」
上条「ははっ、白井らしいな」
白井「お姉様にもそう言われますわ」
上条「……ふと思ったんだけど」
白井「はい?」
上条「俺と白井は、友達なのかな」
白井「んなっ……」
白井「そ、そうですわね……友達の定義にもよりけりですけれど」
上条「白井的にはどうなんだ?」
白井「少なくともわたくしは、あなたに無理難題を押し付けるために番号を交換したわけではありませんの」
上条「さっきと言ってることが違うんだが……」
白井「それは例えばの話ですの! お互いの連絡先を知っているというのは、なんと言うか……暇な時に、軽くメールとか」
上条「……それはつまり、俺は用事が無くても、白井にメールしていいってことか?」
白井「え、ええ……そ、そうなりますわね。そういう関係は、もう友達と言って差し支えない、と黒子は思いますの」
上条「じゃあ、白井は俺の友達だな! これからよろしくな、白井!」
白井「よ……よろしく、ですの……」カァッ
上条(やった、二人目の女友達ができたぜ!)
~ 夜 上条さんの部屋 ~
御坂『ご、ごめんね当麻! 今日、お弁当用意できなくって……』
上条「気にすんなよ。疲れてたんだろ?」
御坂『う、うん……でも、せっかく電話までしてもらったのに。私、当麻に迷惑かけちゃった……』
上条「おいおい、お互い迷惑をかけても、それを笑って許せるのが友達ってやつだろ?」
御坂『でも……』
上条「でももへったくれもねぇ。それより、明日こそは楽しみにしてるぜ」
御坂『う、うん、それは任せて! 汚名返上してみせるから!』
上条「そ、そこまで気合を入れなくてもいいと上条さんは思うのですが」
上条(美琴って、確かに一途って感じだよな。ちょっと重い、って気もするけど……)
~ 翌日 ~
上条「……相変わらず授業がつまんねぇ」
上条「誰かにメールでも送って暇潰しするか……」ピッピッ
上条「……あ、白井……白井黒子、か……」
上条「昨日の今日だけど、たぶん大丈夫だよな」
上条「『授業中だけど、メールしてみた。教師の話が眠い』と……」
ヴヴヴヴ
白井「ん、メールですの? 授業中ですのに」
白井「……上条さん、ですの……」
白井「……そういえばわたくし、殿方からメールをいただいたのは初めてかもしれませんの」
白井「ど、どう返せばいいんですの、こういう時……」
白井『わたくしもたまに眠くなりますわ。授業どころではなくなるので非常に困りますの』
上条『白井は風紀委員なんだし、授業中に寝れないだろ?』
白井『そうでもありませんの。前日の疲れが残っていると、お恥ずかしながら稀に……』
上条『白井も俺と同じ人間みたいで安心した。完璧超人なんていないんだな』
白井『それに、教師も教師ですの。たまにアルファ波が出てるとしか思えない人がいますの』
上条『言えてる。戦場に送り込めば平和的解決ができるんじゃないか?』
白井『それは名案ですわね。ジャッジメントの仕事に使えるかもしれませんの』
上条『是非試して欲しい』
白井「ふふっ……上条さんったら」
女の子が好きって言うのはあくまでポーズで、
本当は男の人が苦手でどう接していいかわからないから興味がないように装う黒子かわいいよ黒子
本当は男の人が苦手でどう接していいかわからないから興味がないように装う黒子かわいいよ黒子
~ 一週間後 ~
御坂「それじゃ、お先にね」
白井「行ってらっしゃいませ」
ガチャン
白井「……楽しそうですわね、お姉様」
白井「さて、わたくしもそろそろ登校の準備をしないと」
白井「と、その前に」
白井「『おはようございます。今日もいい天気ですわね。今、お姉様が部屋を出ましたの』……」
上条「『俺は、今日は早く起きたから、もう公園にいる。でも暇すぎる』っと……」
上条「白井も最近、頻繁にメールをくれるようになったな。いつの間にか履歴が美琴と白井だらけになってるし」
??「……誰かと思えば、あなたは」
上条「え?」
御坂妹「こんなところで会うとは奇遇ですね、とミサカは不思議に思いながら率直な感想を述べます」
上条「えっ、御坂? 着くのが早すぎ……いや、妹の方か」
御坂妹「はい。朝から公園で一人ぼっちで何をしているのですか、とミサカは単刀直入にお尋ねします」
上条「美琴を待ってるんだよ。待ち合わせなんだ」
御坂妹「美琴とはオリジナルの御坂美琴ということでよろしいでしょうか、とミサカは分かりきったことを質問します」
上条「分かってるなら訊くなよ……」
御坂妹「あなたと彼女は仲がよろしいのですか、とミサカはあなたの交友関係に口を出してみます」
上条「ああ、友達だよ」
御坂妹「友達?」
上条「そう。人によって定義は違うらしいけど、電話したりメールしたりすんの。美琴は弁当も作ってきてくれるけど」
御坂妹「それは一般的に言う恋人関係なのではないかと、ミサカはあなたの状況を聞きながら邪推をしてみます」
上条「違う違う。なんでみんなそう思うんだ?」
御坂妹「……オリジナルはオリジナルで大変なんだ、とミサカは彼女を哀れみながら溜息をつきます」
御坂妹「ところで、友達の話に戻りますが」
上条「ああ」
御坂妹「友達とはなりたくてなるんじゃない、なってしまうのが友達、という記述をインターネットで見たことがあります」
上条「……それで?」
御坂妹「つまり、友達とは気が付いたらできているものではないのでしょうか、とミサカはさも自分が経験したかのように述べてみます」
上条「お前、友達いないのか」
御坂妹「私は研究所や研究関連の人としか話したことがなく、およそ友達と呼べる人はいなかった、とミサカは自分の不幸を自慢してみます」
上条「……確かにあの状況だと、美琴や一方通行に友達になれってのは難しいよな」
御坂妹「研究以外の知り合いで私と話をしてくれるのは、現状ただ一人しかいない、とミサカは憂いながら再び溜息をつきます」
上条「ただ一人……って、俺?」
御坂妹「他に誰がいるのですか、とミサカは首をかしげながら疑問の表情を浮かべてみます」
上条「上条さんみたいなコミュ力の無い男には、あまり関わらない方がいいと思いますよ?」
御坂妹「それを決めるのは私自身です、とミサカは自分の決断に誇りを持って述べます」
上条「……物好きだな」
御坂妹「量産型の私に生き甲斐を与えてくれるような、あなたに言われたくはありません、とミサカは見事なカウンターで返してみます」
上条「ちょっと思ったんだけどさ」
御坂妹「なんでしょうか」
上条「もし俺がお前と仲良くなりたいと思ってて、お前もそう思ってたとしたら……それって、友達なんじゃないか?」
御坂妹「私とあなたは、電話もメールもやり取りしていませんが」
上条「でも、なってしまうのが友達なんだろ。電話やメールなんて、その後に付いてくるものじゃないのか?」
御坂妹「……一理ある、とミサカは驚きながら感嘆の言葉を述べてみます」
上条「だろ?」
御坂妹「……私は、2万体もの量産型の1つに過ぎません。そんな私と、友達になってくれますか……とミサカは」
上条「だから、もう友達だって」
御坂妹「…………ありがとうございます、とミサカは素直に感謝の言葉を述べてみます」
上条「携帯持ってるか?」
御坂妹「所持していますがほとんど使用していないので文鎮程度の役割しかありません、とミサカは宝の持ち腐れを表現してみます」
上条「貸してくれ。お前の携帯に俺の番号入れとく」
御坂妹「では、私の番号もあなたの携帯電話に入れて欲しい、とミサカはあなたと対等の関係であることを希望します」
上条「そういえば、なんでお前もこんな時間に公園にいるんだ?」
御坂妹「理由はありません。強いて言うなら、私だけの生き方を模索するために散歩をしていた、とミサカは曖昧な答えを返します」
上条「そうか。何か見つかったか?」
御坂妹「はい。風変わりで型破りですが……」
上条「?」
御坂妹「私にとって大切な、最初の友達を得ることができました、とミサカはそっぽを向きながら、恥ずかしい台詞を述べてみます……」
上条「……そ、そうかよ。そりゃ良かったな」
御坂妹「はい、とても」
御坂妹「……あ、来ました」
上条「え」
御坂「お待たせ、当……麻……?」
上条「ああ、美琴。今日は遅かったな?」
御坂妹「………………」
御坂「……な……」
上条「え?」
御坂妹「………………」
御坂「なんでアンタが、ここにいんのよッ!!」
上条「!?」
御坂妹「……偶然会っただけと、ミサカは」
御坂「なんで……なんでアンタが、当麻と一緒にいるのよ!」
上条「お、おい美琴……」
御坂「どういうことなの当麻! 当麻は、私を待ってたんじゃないの!?」
上条「落ち着け美琴! 本当に偶然会っただけなんだ!」
御坂妹「はい。ミサカも同意します」
御坂「ハァ、ハァ……」
上条「な?」
御坂「……ほ、ホント……? 隠れて会ってたとかじゃなくて……?」
上条「あ、ああ、もちろんだ」
御坂妹「………………」
上条(ど、どうしたんだ美琴のヤツ……俺が御坂妹と会ってただけで、そんなに取り乱して……)
御坂「そ、それなら……」
上条「?」
御坂「証拠、見せてよ……」
上条「しょ、証拠?」
御坂「隠れて会ってない、待ち合わせもしてないっていうなら……」
御坂「当麻の携帯に……コイツの番号とか、入ってるわけ、ないよね……?」
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