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    元スレハルヒ「ねえキョン、バトルロワイアルって知ってる?」

    SS覧 / PC版 /
    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 : ★★★
    タグ : - けいおん! + - スネーク + - バトルロワイヤル + - ポケモン + - ミニハルヒ + - ヤンデレ + - レールガン + - 佐々木 + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    202 = 157 :

    もしもしだと行間開いてても開いてなくてもさして変わんないんだけどね

    205 = 183 :

    あげぃ

    206 = 198 :

    あけ

    207 = 198 :

    >>1が帰ってくるまで保守がてらしりとりしようぜ!

     
    りんご

    208 :

    ゴマすり

    209 = 114 :

    りんびょう

    210 :

    うり

    211 = 157 :

    りす

    213 :

    プーバラン

    214 :

    キョン縛られてたんじゃねーの?

    215 = 213 :

    あっ


    ごめん五年ROMる

    217 :

    ナーバス

    218 :

    内藤

    219 = 180 :

    ウガンダ

    220 :

    ダム

    221 = 216 :

    無駄

    222 = 117 :

    無駄

    223 :

    無駄

    224 :

    無駄

    226 = 223 :

    リンダリンダ

    227 :

    完結頼む保守

    228 = 131 :

    そろそろくるー?

    229 = 115 :

    帰ってきました。保守ありがとう!
    書けたとこまで投下します。

    230 = 114 :

    逃げたか…
    得意の用事か?
    いやいや、18時から書き溜め中か?
    ブリーチみてるのか?

    231 = 115 :

    気づけばもう日が高く昇っていた。
    時間を気にする余裕など当然今の俺にはなかった。

    俺はもう頭がおかしくなってしまったのだろうか。
    あの時俺は谷口を本気で殴り殺す気でいた。
    脳内はどこを殴ればこいつが死ぬかを考えるのでいっぱいだった。
    なるべく醜く、原型を留めぬほどぶち壊してやりたいと思っていた。
    ハルヒが必死になって止めていなかったら、それは実現していただろう。

    「キョン、あたし、あの……ありがとう。助けてくれて」

    やめてくれよ。
    なんでお礼なんて言われなくちゃならない。
    元はと言えば俺が悪いんじゃないか。甘かった。
    俺は谷口を信用しきっていた。だから隙を見せた。頭を殴られて縛り付けられた。
    そのせいでハルヒは俺の命を保証する代わりに自分の体を差し出すことになった。
    全部俺のせいだ。

    「……自惚れてんじゃないわよ! なによ、悲劇の主人公ぶって。
    あたしはあたしのしたいことをしたまでよ。だから元気出しなさい」

    ハルヒがアヒル口で怒鳴った。
    男は叱られるのが好きというが、あれは本当なのかもしれない。
    素直にされるよりよっぽど俺の精神は落ち着いた。
    ふいにハルヒにどうしようもない感情を持ったが、それを止めたのは近くのスピーカーから流れるノイズの音だった。

    232 = 112 :

    おかえりー支援

    233 = 115 :

    『はーい、お昼の定時放送の時間です。って言っても、禁止エリアどうこうがないから死亡者を伝えるだけなんだけど。
    鶴屋さん、国木田君、谷口君。今のところ死んだのはこの三人ね。
    ちょっとペース遅いんじゃないかしら。あと十二時間で五人殺すように頑張って。
    たぶん夕方の六時ころになったらまた放送を入れると思うわ』

    『あ、そうそう、脱出なんて考えない方がいいよ。だいたい卑怯なのよ、正規の方法以外でここから
    抜け出そうなんて。私はそういうやり方、気に入らない。
    だからこっちが本当に危険性ありと判断したら、容赦なく首輪を爆発させるからね。それじゃあ、また』

    彼女が一方的に話すだけ話して放送は終わった。
    脱出云々は恐らく俺達に言っているのだろう。
    まだ長門が生きているようだし、ばれないように上手くやっているか、あるいは何も思いついていないかの
    どちらかなのだろう。
    長門は元気でやっているだろうか。俺は意識を遠くに投げようとした。

    「キョン……」

    やめてくれ。

    「三人も、死んだの? 谷口も―――」

    もう言わないでくれ。

    「ねえ、キョン!」

    俺は何も知らない!
    知らない知らない知らない知らない。
    考えたくない。
    人を殺したなんてもう考えたくない。

    235 = 115 :

    もうやめてくれ!

    俺は叫んだ。この手で友達を殺した紛れもない事実が、どこまでも追いかけてくる。
    多分俺一人だったらとっくに発狂していただろう。
    ハルヒは冷静に俺が殺人犯でないという理論を組み始めていた。
    ぶつぶつと独り言が聞こえる。

    「おかしいわよ……違うわ。だって、あんたを引きずってってあの家から逃げたとき、
    あいつまだ息をしてたもの。キョンはあいつのナイフを取り上げた後、それ放り投げてずっと
    素手で殴ってた。それは覚えてる?」

    俺は何も覚えていなかった。
    どうして手かせを外せたのかも、ナイフ相手に立ち向かったかも、
    逃げた最中のことも思い出せない。気づいたらこの小さな診療所のベッドで横になっていた。

    ただ鮮明に覚えているのはこの手で谷口を何度も殴ったことだけだ。

    「あいつ……でもそんなはず……ああもう!」

    ハルヒが弾けるように立ち上がった。座っていたパイプ椅子が後ろに吹っ飛んでいった。
    ハルヒは俺にずい、と顔を近づけて言った。

    「あたしが確かめてくるわ! いい、あたしが戻ってくるまで大人しくしてるのよ!」

    ちょっと待て、と起きあがろうすると体が悲鳴をあげた。
    ハルヒを止める言葉を探そうとしている間に、猪突猛進の団長様はドアを勢いよく開けて出て行ってしまった。

    237 = 115 :

    外は危ないから大人しくしてろよ、そう言えなかったのはそれがあまりに白々しい嘘だったからだ。
    ハルヒは嘘には鋭い。きっと俺の本心をそこから汲み取ってしまうだろう。

    俺は一人でいるのがひどく心細いだけだ。
    ハルヒにそばにいてほしかった。
    ハルヒの駆けだす背中を見て、もうこれが最後に見るこいつの姿なんじゃないかと思うと
    不安でどうしようもなかった。
    俺もついていきたいのに古泉にやられた首の傷、谷口にやられた額の傷、そしてそいつを殴った時に
    傷ついた両手、そして極度の疲れがそれを許さなかった。

    俺はベッドで一人横になり、ただただ孤独と戦っていた。
    自分が殺人犯かもしれないことに震えながら。
    もしかしたらハルヒはもう俺の元に戻ってこないかもしれない。
    殺人犯と一緒にいたいなんて思う奴なんていない。

    全身が震えた。布団を被っても体の芯の冷たさが解れることはない。
    目を閉じて、ハルヒが帰ってくるのを待つしかなかった。

    239 = 115 :


    わからないわ。人間って。
    有機生命体の中では最も優秀であると言っていいだろうけど、一つの内面に矛盾を多く孕んでいる。

    朝倉涼子は海岸を歩いている。
    太陽の光がきらきらと海面に反射して眩しい。海水は透きとおったエメラルドグリーンだ。
    沖縄の近くの孤島なのかもしれない、と朝倉は思った。
    こっちと比べ物にならないほど沖縄の海は美しいのだと、以前クラスメイト達が話していたからだ。

    『涼子ちゃん行ったことないの? あ、でも修学旅行があるから行けるよね!』

    『もうめっちゃ楽しみだよねえ、涼子ちゃんと二年でも同じクラスになれるといいなあ』

    クラスメイトの屈託のない笑顔。
    自分は五月にはその存在を抹消されていたため、叶わぬ夢になってしまったが。
    また体が異変を起こし始める。
    心臓を細い針で刺されるような、そういう類の痛み。

    「わたしがエラーを起こすのも、時間の問題だったのかもね」

    しゃがみ込んで冷たい海水に掌を浸した。
    海の向こうには地平線が広がっている。その上を政府の巡視艦が四隻ほど滑っている。
    最後に色々見て回るのも面白いかもしれない。
    朝倉は地図を広げた。
    生きていようとさえ思えば、まだ十二時間は生きていられる。
    自然と顔の筋肉が緩む。
    足取りがいつもより軽いものに思える。

    彼女は感じたことのない昂揚感を覚えつつ、また海岸を歩きはじめる。

    240 = 115 :


    さっきは殺されてもおかしくなかったのに、よく生きていたものだ。
    僕も悪運が強くなったんだろうか。

    古泉一樹は念入りに日本刀を磨き上げていた。
    と言っても血や油を拭って、近くの金物屋で見つけた砥石を適当に刃にあてがっただけなのだが。
    それにしてもバット一本も断ち切れないなんて、
    日本刀一本ではせいぜい二、三人くらいしか殺せないと何かの雑学雑誌だか漫画だかで
    読んだのは事実だったようだ。
    まさかこんな形で知ることになるとはね。

    古泉は自嘲ぎみに笑った。
    三年前超能力に目覚め、機関に入ってから様々な種類の笑みを彼は会得してきた。
    そして彼は何枚もの皮を被ってきた。
    素を出せ、と言われたらきっと困ってしまう。
    もう元の面がどんな風だったか思い出せないのだ。
    普通だったら絶対に体験できないようなスペクタクルな日常だ。退屈という言葉とは無縁だった。
    だが平凡な高校生活が失われてしまったことは事実だった。

    それが良かったことだったのか否かは今考えるべき事項ではない。
    首を振った。はあ、こんなのいつもずっと思い続けてきたことじゃないか。

    242 = 115 :

    彼は涼宮ハルヒに会えただろうか?
    こんなに狭い会場で探知機まで持っていればすでに接触できていてもおかしくない。
    彼が素直に閉鎖空間を抜け出すときに使った手段を実行してくれればいいのだが。
    しかし―――そうしても元の世界へ再改変されるという保証はない。
    それどころか成功する可能性は低いと古泉は考えている。
    でなかったら当然自分は彼を手伝っていただろう。
    鶴屋さんを殺すこともなかったはずだ。

    次々とあふれ出るifをやり過ごす。
    いや人殺しは自分だけじゃない、他にも二人死んでいるんだ、と思うことでなんとか解消してみせた。
    谷口と国木田。彼の友達だ。それに鶴屋さんで、見事に副団員から死んでいっているわけだ。
    これは彼女の願望によるものなのか。それだと筋が通る。
    表では思っていないだろうが、潜在意識で線引きしているに違いない。
    それは仕方のないことだろうと思う。

    それじゃあ今僕が生きているのも涼宮ハルヒのお陰なのか。感謝しなくては。
    古泉は苦笑いに似た表情を浮かべた。全ての感情が笑顔となって表に出てしまうのは、
    もう直しがたい癖のようなものだった。

    243 = 227 :

    スッキリしたし支援!

    244 = 115 :


    あたしは狂ってなんかない、今、ちゃんとした目標があるんだから。

    朝比奈みくるはサブマシンガンを構えつつ、ゆっくりと歩を進めていた。
    MP5Kという武器らしい。ドイツ製で取り扱いがし易いのだと説明書には書いてあった。
    それでもさっき撃った時の反動は、元々運動音痴で力もない彼女には制御しづらいものだった。
    よくわからないが、アタリ中のアタリ武器なのは確かだ。

    それなのに、せっかく涼宮ハルヒを見つけたのに、みすみす逃してしまうなんて。
    やっぱり。
    やっぱりあたしは。
    また自己嫌悪にとりつかれる。

    とろくさい自分が大嫌いだった。
    涼宮ハルヒのように溌剌とも振る舞えないし、長門有希のように淡々と意志を貫くこともできない。
    鶴屋さんのような達観した明るさも身につけられない。
    ただ馬鹿みたいな格好をして、へらへら笑ってお茶を淹れて、何かが起きても何もできない、
    いつもぐずぐず泣いているだけの存在。

    “女”を売り物にしているといつも思う。
    胸元を露出したコスチュームや、気弱ですぐに涙を見せてしまうところが。
    男子生徒の性的ないやらしい目つきの中を毎日生きている自分が本当に嫌だった。
    どうしようもなく汚らわしいと感じる。

    だからもう全てにケリをつけたかった。
    全部終わりにしてしまいたかった。
    あの人にも会いたかった。

    涼宮ハルヒに及ぶところは一つもなかったが、今は彼女をこの武器で殺すことはできる。
    それがみくるの唯一の強みだった。

    245 = 198 :

    黒い

    246 = 115 :


    長門有希は展望台の窓から外を眺めている。

    南には、断崖絶壁の向こうに海が続いていた。
    東には、不均衡な集落が見えた。
    北には、高い山があった。
    西には、灯台がそびえ立っていた。

    長門は海を見続けている。
    風の音もさざ波の音も自身の呼吸音も聞こえない空間の中で、ただ彼を待っている。

    249 = 115 :

    「喜びなさいキョン! あんたはあいつを殺してないわ」

    ハルヒは部屋に駆けこむなりそう叫んだ。
    夢と現実の狭間をさまよっていた意識が一気に引き戻される。
    俺はハルヒの言葉より、ハルヒの存在を受け入れるのに必死だった。
    戻ってきてくれた。

    「はー、本当によかった……キョンが殺人犯なんかにならなくて」

    ハルヒの声は弾んでいたものの表情はどこか暗かった。わざわざ死体を見に行ったんだから当然だろう。
    俺は痛む体をなんとか起こした。
    さっきよりはよっぽどマシだった。ハルヒが適当に渡してきた薬が効いているのかもしれない。

    「どうしてわかるんだよ」

    「だって、谷口の首、もうめちゃくちゃだったのよ。原形とどめてないっていうか……もう思い出したくないわね。
    キョンはあんなことしてないでしょ、あんたは無罪なのよ!」

    首。また首か。
    俺の顔を見てハルヒが眉をひそめた。

    「なに、何か心当たりがあるの?」

    「朝倉だよ」

    250 = 115 :

    「朝倉?」

    「あいつは国木田も殺してる」

    「じゃあっ、じゃあ鶴屋さんを殺したのは?」

    それはわからない。が、朝倉だと考えればまだ心は休まる。
    ジェノサイドを繰り広げているのがあいつ一人だけだと考えた方が精神衛生上いいじゃないか。
    俺は鶴屋さんを思い出した。
    あの人はすべてを悟っている人だ。鶴屋さんが退場したのなら俺もそれに従うべきだろうか。

    「ちょっとキョン、なに考えてるのよ」

    ネクタイを引っ張られた。痛っ、怪我人になにしやがる。

    「あんた何か暗いこと考えてんじゃないの? 
    後ろ向きなこと、言ったり思ったりしたら、あたし、絶対に許さないからね」

    そう言って俺の目をのぞき込んだ。
    俺は理性が思考回路を機能させる前に、ハルヒを抱きしめていた。
    もう耐えきれなかった。
    ハルヒはびくりと体を震わせたが、すぐに俺の背中に手を回してくれた。
    この時間が永遠に続けばいい。
    プログラム? 世界の改変? 知るか。
    俺とハルヒが抱きしめあう。
    それだけでいいのに。こうしていられれば俺は他に何も望まない。本当だ。
    俺はいつかは終わってしまう抱擁を恐れながら、ハルヒの体温を感じていた。

    「キョン、あたし―――」


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