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    元スレ新ジャンル「無気力カウンセラー」

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    1 :

    あとは任せた!

    2 :

    「あのカウンセリング受けに来たんですけど」

    「カウンセリング」

    「はい」

    「はぁ」

    「はぁ、って。カウンセラーさんですよね」

    「うん」

    「カウンセリングしてくれるんですよね」

    「はぁ」

    「いやだからはぁって」

    「じゃあやります、体調はすぐれませんか」

    「すぐれないこと前提ですか。すぐれません」

    「そうですか、はいおしまい、おだいじに」

    「はぁ」

    3 = 2 :

    「あの、今のでおしまいですか」

    「うん」

    「なにか分かりましたか」

    「ううん」

    「ダメじゃないですか」

    「ダメじゃないです、わたしは一生懸命やりました」

    「えっ」

    「ではさようなら、今日はもう閉めます」

    「いやまだお昼の11時じゃ」

    「眠いもん」ピシャ

    4 = 2 :

    「明日もやってるのか」

    「よし出なおそう」


    「また仕事をさぼってしまった」

    「じこけんお」

    「また明日からがんばろう」

    「そのためにお昼寝しよう」

    「ぐうぐう」

    6 = 2 :

    次の日

    「カウンセラーさんカウンセラーさん」ドンドン

    「ちっ、さっきからどんどんうるさいなあ」

    ガラガラ

    「あ」

    「今やってませーん」

    「まだ10時前ですよ」

    「営業開始は10時すぎからです」

    「でも昨日は11時に閉めてましたよね」

    「うん、眠いもん」ガラガラー

    「あっ」

    ピシャン

    7 = 2 :

    「また閉められてしまった」

    「ここホントにカウンセリング施設なのかな」

    「うーん、しかたない今日は帰ろう」


    「よし、うるさいの帰った」

    「はっ」

    「今日こそがんばるつもりだったのに」

    「でもまだ明日があるし、大丈夫か」

    「よしファミコンでもしよう」

    8 :

    「僕は生きていてもいいんでしょうか…」

    「なぁに?」

    「どうして僕が生きているのかわからないんです。どうせ、僕が生きられるのは数十年だし、働いてもいいことはないし、彼女はできない、仕事はできない、貯金はできない、でもう、死にたいんです…」

    「はぁ…ちょっと、失礼」ヨッコラセ

    「せせせせせ、先生!?どうしてベッドに!っていうかどうしてベッドがここに!?ま、まさか…」ゴクリ

    「あ、私もう寝るから、ったく、もう…最近の若者は…」ゴソゴソ

    「…先生だって十分若いじゃないですか、仕事と僕を放棄しないでください!」

    「うるさいなー、じゃあ、この状態で話聞いてあげるから、ほれ、何でも言いなさい」

    「だからですねー、僕は本当に生きているのが・・・」カクカクシカジカ

    5分経過
    「だからー、って先生寝てる・・・」

    「グゴー」zzZ


    こうですか知りません

    9 = 2 :

    次の日

    「カウンセラーさーん、10時ですよ、開けてください」ドンドン

    「また来たの?」ガラガラ

    「だってぼくまだちゃんとしたカウンセリング受けてません」

    「あれ、そうだっけ」

    「ええそうですとも」

    「じゃあ特別にやってあげようか」

    「特別もなにも、そのつもりで来てるんですって」

    「むっ、なんだその口の利き方は」

    「えっ」

    「今日はもうやめる。明日は土曜日だからおやすみね、もう来ないでね」ガラガラ

    「そんな」

    ピシャン

    10 = 2 :

    次の日

    「今日はおやすみだって言ってたけど、ホントなのかな」

    「よし行くだけ行ってみよう」




    「やってなかった。そりゃそうか」

    「疲れたな、マンガでも読もう」


    「ははははは」ペラッ

    (明日はちゃんと行って、話を聞いてもらおう)

    11 = 2 :

    次の日

    「カウンセラーさん、朝ですよ」コンコン

    シーン

    「おかしいな。今日もおやすみなのかな」

    ワンワン

    「ん?犬?どこから?」


    「ワンワン」

    「どーどー」

    「あ、カウンセラーさん」

    「え?」クルッ

    「何してるんです、仕事は」

    「こ、この犬のカウンセリングしてるんだよ、だから今仕事中」

    「ワンワン」

    「犬のカウンセリングって」

    12 = 2 :

    「きみは何してるの」

    「何って、カウンセリング受けに来たに決まってるでしょ」

    「決まってないよ、だって神様が決めたわけじゃないんだし」

    「とにかくぼくは、カウンセリング受けたいんです」

    「しつこいね」

    「しつこくて結構です」

    「めんどくさい人だなあ」ボソッ

    「え?」

    「なんでもない、なんでもないよ」

    「結局、今日はやってるんですか。やってないんですか」

    「やってる。いや、やっぱりやってない」

    「どっちですか」

    「この犬が今日最後のお客さんだもん」

    「ワンワン」

    13 = 2 :

    「ワンワン」タタタ

    「ああ行っちゃった。じゃこれで今日はおしまい」

    「はぁ」

    「どうしたの、早く帰りなよ、今帰れば笑っていいとも増刊号に間に合うよ」

    「ぼくのカウンセリングはしてくれないんですね」

    「今日はね」

    「明日はしてくれるんですか?」

    「気分しだいだよ」

    「はぁ」

    「はぁ」

    「真似しないでください」

    「真似じゃないよ、素だよ」

    「じゃ、今日は帰ります。明日も来ますからね」

    「来なくていいよ、ばいばい」

    14 :

    無気力の意味を誤解しているようだが

    15 = 2 :

    次の日

    「今日こそカウンセリングを受けに来ました」

    「はぁ」

    「よくやるね」

    「そうですね、あなたがカウンセリングしてくるまでやりますよ」

    「うん、そのことなんだけど」

    ペラ

    「なんですかこれ」

    「あっちにあるスーパーのちらし」

    「ちらしがどうかしたんですか」

    「今日は特売の日なんだよ」

    「それがどうかしたんですか」

    「○で囲ってあるやつを買って来てくれたら、カウンセリングするよ」

    16 = 2 :

    「えっ」

    「もちろんお金はわたしが出すよ」

    「それってつまり、おつかいですか」

    「そんなかんじ」

    「うーん」

    「分かりました、行きます」

    「じゃあ任せたよ、一つでも買い逃したものがあったらダメだよ」

    「そんなぁ」

    「はいお財布」スッ

    「じゃあ、とりあえず、行ってきます」

    「うん」

    17 :

    書き溜めだとよく外れるんだよ仕方ない

    18 = 2 :

    スーパー

    「これと、これと、これと」ポイポイ

    「あとは」

    「たまご1パック60円、お一人様一つ限り」

    「うーん、腐ってたりしないかな」


    「よし、全部手に入った」

    「あとはお会計を済ませるだけだ」

    店員「エコバックはお持ちですか?」

    「はい?」

    店員「エコバックはお持ちですか」

    「持ってない、です」

    店員「持ってませんか、でしたらこの袋が一枚5円で買えるんですけど」

    「あ、じゃあそれで」

    店員「かしこまりました」

    19 = 2 :

    スタスタ

    「礼儀正しい店員さんだったな」

    「そういえば、あんなふうに人としっかり話をしたのは久しぶりだ」

    「いや、ちょっと待って」

    「どうしてぼくは、初対面のカウンセラーさんに、あんなに簡単に話しかけられたんだろう」

    「ぼくらしくないなぁ」

    スタスタ

    20 = 2 :

    「カウンセラーさん、買って来ましたよ」

    ガラッ

    「あ、うん」

    「今のスーパーって、袋が有料なんですね」

    「うわぁ」

    「どうしたんですか」

    「まさかホントに買ってくるなんて」

    「え?」

    「わたしならお金持って帰っちゃうのに」

    「え?」

    「きみは正直者だね、だけどときどき損しそう」

    ガチャ

    「あがっていいよ、特別だよ」

    21 :

    こわい

    22 = 2 :

    「お、おじゃまします」

    「ホントは、入れる気なかったんだよ」

    「じゃあ、どうして」

    「たまご一パック60円、よく買えたね、人がたくさんいたでしょ」

    「ええでも、なんとかなりました」

    「わたしは怖いから、買いに行けない」

    「怖い?なにが怖いんです?」

    「なんでもない、なんでもないよ」

    24 = 2 :

    「ここはカウンセラーさんの家なんですか」

    「家ってわけじゃないけど、ここがわたしのねどこ」

    「寝床ですか。あの扉の向こうで、いつもカウンセリングやってるんですか」

    「やってない」

    「え?」

    「やってないよ。カウンセリング」

    「え、でも、カウンセラーなんですよね?」

    「うん」

    「どっちなんですか」

    「カウンセリングしないカウンセラーだよ、そばを打たないそば屋と同じだよ」

    「それって、おかしいじゃないですか」

    「おかしいかなあ。変かなあ」

    「おかしいですよ、変ですよ」

    25 = 2 :

    「お客さんは来ないんですか」

    「来るよ。特にきみがよく来る」

    「他にはいないんですか」

    「たまに来るよ。たまーにね」

    「どうしてるんですか」

    「みんな、でたらめな理由で追い返すよ」

    「あれをぼく以外にもやってるんですか?冗談ですよね?」

    「冗談じゃないよ」

    「嘘ですよね?」

    「嘘じゃないよ」

    27 = 2 :

    「はぁ」

    「きみは、仕事してるの。いや、してないね、毎日ここに来るんだもんね」

    「前は新聞配達のアルバイトしてたんですけど、今は無職です、ニートです」

    「プータローなんだね」

    「そうとも言うかなあ」

    「アルバイト、辞めたの」

    「辞めたって言うか、辞めることを余儀なくされちゃって」

    「どうして?」

    「これ…」スッ

    「うわー」

    「バイクで事故起こしちゃって、左腕が使えなくなっちゃったんです。今でも跡が残ってますよね」

    「それで辞めたんだね」

    「はい」

    28 = 2 :

    「じゃあ、家族とかは」

    「今一人暮らししてるんで、家族は実家にいます」

    「アルバイト辞めちゃって、お金は大丈夫なの?」

    「いちおう、まだ蓄えはあります。まぁ親の仕送りを取っておいただけなんですけど」

    「ふぅん。じゃあ、年はいくつなの」

    「今年で22です」

    「じゃあわたしの一つ上だね」

    「20歳?見えないなぁ」

    「仮にもレディに失礼だね」

    「すみません」

    「最後にもう一つ聞くよ」

    「はい」

    「きみの名前は?」

    「男、です」

    30 = 14 :

    ここまで無気力要素なし

    31 = 2 :

    「はい、お疲れさま。カウンセリングおしまい」

    「え、今のカウンセリングだったんですか」

    「間違えた、プロファイリングだ」

    「それって、少し違う気がします。犯罪者にやるやつじゃなかったかな」

    「なんでもいいんだよ」

    「はぁ」

    「それじゃ、今日はもう帰っていいよ」

    「あ、いや、あの」

    「なに?もうこっちから聞くことはないんだけどね」

    「じゃあ、ぼくから質問していいですか」

    「うーん」

    「めんどくさいから、3つ、までね」

    32 = 2 :

    「3つですか」

    「うん」

    「えっと、あなたの名前はなんですか」

    「答えなきゃダメ?」

    「ぼくだって教えたじゃないですか。それにカウンセラーさんじゃそっけないでしょ」

    「また来るつもりなんだね」

    「ええまぁ」

    「いいよ。わたしの名前は、女」

    「女さんですか」

    「うん。あと2つね」

    「女さんは、いつからカウンセラーをやってるんですか」

    「いつから?」

    「はい」

    「パス」

    「え?」

    33 = 2 :

    「今の質問はパスするよ、いいでしょ。はい3つ目どうぞ」

    「え?え?」

    「最後の質問は?」

    「それじゃあ、えっと」

    「女さんはどうしてカウンセラーになっ」

    「パス2」

    「また、パスですか」

    「うん。ないしょだよ」

    「パスって言うと冷たい感じしますけど、ないしょ、だと柔らかい感じがして、許せちゃいますね」

    「きみだけじゃないかな」

    35 = 2 :

    「今のでぼくからの質問はおわりですか?」

    「だってもう3つ聞いたでしょ」

    「名前しか分かりませんでした」

    「そうやって言うと残念なかんじがするけど」

    「名前が分かりました、って言うといいかんじになるよ」

    「あなただけですよ」

    「そうかなあ」

    36 = 2 :

    スタスタ

    「結局カウンセリングらしいカウンセリングは受けられなかったな」

    「明日は月曜日か」

    「月曜日かあ」

    「ぼくには分からないけど、やっぱりみんな月曜日は嫌いなのかな」

    「でも月曜日がないと、1週間は始まらないのになあ」


    「はぁ」

    「久しぶりにたくさんおはなししたら、疲れちゃったな」

    「ちょっとだけ寝よう、ちょっとだけ」

    「おやすみー」

    37 = 2 :

    次の日

    「今日はどうしようか」

    「なんだかだるいし、行くのやめようかな」

    「でもカウンセリングは継続しなきゃダメって言うしなぁ」

    「いやでも、カウンセリングは受けてないんだっか」

    「どうしようかな」

    38 :

    どっちがカウンセラーかわからない話?

    39 = 2 :

    「カウンセラーさん」コンコン

    「じゃなかった。女さん」コンコン

    ガチャ

    「今日はおそかったね」

    「行こうかどうか悩んでたんです」

    「それで結局、来ちゃったんだ」

    「はい、ここまできたら来ないわけにいきませんよ」

    「変なとこで意地張ってるんだね」

    「今日こそカウンセリングを受けたいんです」

    「やだ。わたしカウンセリングできないよ、昨日言ったでしょ」

    「でも、プロファイリングはしてくれたじゃないですか」

    「プロファイリングって犯罪者にやるやつじゃないっけ?」

    「それ、昨日ぼくが言ったことですよね」

    「そうだね」

    「入っていいよ」

    40 = 2 :

    「今日もカウンセリングはやらないよ」

    「分かりました」

    「でも、すぐに帰っちゃうのはさすがにかわいそうだから、いっしょに遊ぼうよ」

    「何をするんですか?」

    「これ」コトッ

    「トランプですか」

    「ばば抜きやろう。わたしに勝ったら、ちょっとだけカウンセリングしてもいいよ」

    「ホントですか」

    「そのかわり、負けたらまたおつかいに行ってきて」

    「分かりました、やりましょう」

    41 = 2 :

    「負けた」

    「きみ弱いね、びっくりするほど弱いね、おもしろくないなぁ」

    「えっと、おつかいですよね」

    「うん。あのね、わたしジュースが飲みたいの」

    「ジュースですね、買ってきます」

    「はい、お金」カサッ

    「あの、ジュース買うのに千円札はちょっと」

    「きみも好きなの買っていいよ」

    「ホントですか」

    「一つだけだよ。二つ買うならあとは自分で出してね」

    42 = 2 :

    コンビニ

    「ジュースか。何がいいかな」

    「これにしよう」スッ

    「ぼくはこれを飲もう」スッ

    「あとは」


    「ばば抜き、大富豪、ブラックジャック、ポーカー、神経衰弱、七並べ、あとは何があったかな」

    コンコン

    「はいはい」ガチャ

    「買ってきました」

    「ごくろうさま」

    44 = 2 :

    「何買ってきたの」

    「カフェオレといちごオレです」

    「どっちがわたしの?」

    「好きなほう取ってってください」

    「好きなほう」

    「はい」

    「じゃあ半分こしよう」

    「これを半分こ?」

    「わたしどっちも飲みたい。だから二人でちょっとずつ飲もう」

    「はぁ」

    45 = 2 :

    「あれ、まだ何か入ってる」

    「チーズケーキです。これはちゃんと自腹で買いました」

    「一箱に二つ入ってるんだね」

    「はい」

    「これも」

    「分けて食べましょう」

    「さいそくしたみたいで、申し訳ないね」

    46 :

    「すみません、相談の予約をしていた男ですが」
    「はあ……ああ、まあ、じゃあ、どうぞ」
    「(なんだこの死にそうな声……)失礼します」
    「えー……あ、はじめまして、女です」
    「はじめまして。今日はよろしくお願いします」
    「んー……じゃ、早速はじめましょうか。生まれてこの方やる気が出ないんですけど、どうしたらいいですか?」
    「そっちが相談する役!?」

    47 = 2 :

    「ケーキおいしい」パクパク

    「そうですか。買ってよかったです」

    「これ食べたら、もう一回トランプやろう」

    「いいですよ」

    「でもたぶんきみは勝てないよ、弱いもん」

    「やってみなきゃわかりませんよ」

    「やる前から決まってるんだよ」

    「はぁ」

    48 = 2 :

    「負けた」

    「ホントに弱いね。五連敗なんてそうそうあったものじゃないよ」

    「うっ」

    「でももうおつかいはいいや。ありがとう、楽しかったよ」

    「あ、はい、えっと」

    「お昼寝の時間だから、お引き取り願えますか」

    「分かりました」

    「ばいばい」

    「さよなら」

    49 = 2 :

    次の日

    「女さん」

    「おはよう」ガチャ

    「ついにノックしなくても出てくるようになったんですね」

    「もうそろそろ来るころだと思ったよ」

    「今日は何するんです?カウンセリングしてくれるんですか」

    「カウンセリングはしないって」

    「そうですか」

    「とりあえず入ってよ、中は寒いよ」

    「ありがとうございます」


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