男「むにゃ……」

カパッ

小人「あ、男くん寝てるんだー」
小人「あ、ホントだ！宿題終わってないのに寝てるー！」
小人「起しちゃえ起しちゃえ！」

わー
どやどやどやどや
べしべし

男「っぶお！なんじゃ！何！？」
男「……うん？虫か何かだったのかな……」

パタン



あとは頼んだ！

薬物は
ダメ、ゼッタイ。

俺「うふふふふ」

俺「あははははは」

俺「えへっ　えへへへへっ」

誰も書いてくれなそうなので自炊


男「最近さ」
女「んー？」
男「した覚えがないのに事が済んでることがあるんだよね」
女「……え……」
男「……ん、ああ違う。気づいたらベッドとかそういう話じゃなくて！」
女「あ、あー、だよね！そうだよね！流石にね！」
男「でだ。気づいたら部屋が片付いてたり気づいたら課題が出来上がってたり……」
女「気づいたらエロ本が机の上に？」
男「そうそう……違う違う。なんだ、やっぱりおかんの仕業かね……ってかおかんなら普通気づくだろ」
女「じゃあ何？よくある妖精だか小人あたりが気まぐれにやってくれてるんじゃないの？」
男「おいおい。童話じゃあるまいし。ははは」
女「ははは」

男「最近爪の中から物音がするんだ」
女「……病院行ってきたら？」

パカシ

小人「もひゃ！」
小人「もひゃひゃひゃひゃひゃ！」
小人「あい！今日は男君の部屋の模様替えをします！」
小人「寝てる隙にちゃくちゃくっとやっちゃいましょう！」

ちゃくちゃくちゃく
ちゃくちゃくちゃく

小人「あ、エロ本発見。ベタに机の上ですかね」
小人「なんだかアブノーマルなのが多そうだねー」
小人「『俺は性に偏見を持たない！』って高らかに話してたねー」
小人「気でも狂ったんじゃねーの？」

ちゃくちゃくちゃく
ちゃくちゃくちゃく

小人「あい、できましたー」
小人「朝までかかったねー」
小人「おい、そろそろ目覚まし鳴るぞ！とっとと爪ん中戻れ！」
小人「もひゃひゃひゃひゃ！！」

パタン

かわいい
>>1がんばって

ギャリリリリリリリ！！

男「ぶあ、むうあー……

リン

あー朝か……ん？」
男「俺目覚まし時計なんて買った覚えないぞ？」
男「……あれ、ここどこ……女の部屋……？気づいたらベッ……！？」
男「やっちまった……？」
母「男ーあんた学校……何この部屋？模様替えでもしたの？趣味悪ー」
男「誰の趣味が悪いだと！？じゃない、これやったのおかんじゃないよな？」
母「何で私がアンタの部屋の模様替えしなくちゃならないのよ。ほら、小倉トースト作ってあるわよ」
男「お前それパンに小豆のっけただけじゃねーか……部屋についてはまた帰ってきてから考えるか……」

女「はあ？アンタやっぱり病院……」
男「正直それを真面目に考えたくなる話なんだが流石に……」
女「朝起きたら部屋の模様替えが済んでましたーだなんて幻覚でも見たんじゃないの」
男「いや、でも確かに俺のじゃない目覚まし時計も止めたしおかんの証言もあるし……」
女「……よし、わかった。今日の帰りアンタん家行くわ。いいわよね？」
男「別にいいが……何か解決案でも？」
女「……帰り道ホームセンターでゴキジェットあたり買っていきましょうか」
男「お前信じてないだろ……」

男「指マシンガン！」ﾊﾟｶｯ

小人「わー！」

女「わああああ！？」

女「あ、もし本当に小人の類の仕業なら部屋に帰ったら元通りになってるかもよ？気まぐれに」
男「……だといいんだがなあ」

女「ぶっ……くっくくっ……！」
男「おまっ！？それはあんまりだ！？」
女「だって私だってこんな部屋にしたことないわよ……ぶっはっは！」
男「お前……これもしかして自力で戻さないといけないのか？」
女「えー、いいじゃんこのままでーかわいい……あっひゃひゃ！ひー！」
男「だー！もういい、何か飲み物持ってくる！そこに座って待ってろ客人！」
女「あっはっは、はーいごめんねー」

女「しっかしこれはひどいわね……女でもこんな部屋作れないわよホントに」
女「……む。男ったらエロ本出しっぱなし……」
女「『マイクロフィリア100選……』なんじゃこりゃ」

男「女ーカルピスでいいか……おい、何で俺のエロ本抱いて寝てやがる」
男「見た目明らかに女の子の部屋のベッドに女の子が寝ている……すごい居心地悪いんですけど」

パカ

小人「わいじーん！」
男「……！？」
小人「あ」

小人「あとがつかえてるぞ！」
小人「おせおせー！」
小人「わー！？」
男「ぎゃー！？」
小人「見たことない人間がいる！」
小人「女の子が寝てる部屋に男！？」
小人「痴漢か？痴漢か？」
男「え、何？え？」
小人「変態だー！」
小人「変態だー！」
小人「逃げろー！」
男「あ、ちょっ、おい待て！」

むんず

小人「捕まったー！」
小人「ぬみゃぬみゃぬみゃー！」

どやどやどや
ぱたん。

小人「あー！？」
男「……おい？お前は……何だ？」

小人「小人ですけど」
男「ふんぞり返られてもな……何で女の爪から出てきた？」
小人「そりゃあ、爪に住んでますから」
男「住んで……ってどういうことだおい？」
小人「どういうことも何もそのままでー……」

ぱかし

小人「まだ捕まってるかー？」
小人「事情聴取ー」
小人「今日の晩御飯は久々にカレーだぞーう！」
小人「じゅる……あの、離して貰っていいです？」
男「話すか！ていうかやっぱり爪から出てきた！もう意味がわからん！」
小人「えいや！下スマッシュ！」
男「へぶ！？」
小人「ぬみゃみゃ！ごめんね！」

ぱたん。

下スマッシュ……





金的？

女「う、あ。しまった寝てた……」
女「女の子の部屋なのにベッドは男の臭いする……うふ」
女「男ー？ごめん私寝て……」

小人「うん？」
小人「もひゃ！女がいる！男の部屋に女がいる！」
小人「なんだこいつプレイボーイだったのか」
女「ぎゃあ！？」

女「あ、あん、たら何！？小人！？」
小人「見たらわかるでしょー」
小人「もしかして見るの初めてだったり？」
小人「まさかまさか！」
女「……うええ。マジかよ……私までラリってきたかな」
小人「失礼な！触ってみ！触ってみ！」
女「え、う」

もにゅぽん

女「……触れちゃったじゃないの。こっちのがむしろ嫌な感じだわ」
小人「ま、そういうことだから」
小人「そうさそうさー」
小人「さて、ちょっと寝ててくれるかな！」

ぱわわわわわ

女「え、何……眠」

ばたん。もひゃひゃ。

たけしの膝から出てきたおっさん思い出した

スマブラで下スマッシュ使わないのは弱い証拠

男「ふぐっ、おい男ならCボタンなしだろ……ハッ」
男「女は依然として寝てるのか……あ」
男「部屋が戻ってる……！おい女、部屋が元に戻ったぞ！」
女「ハニャハラヘッタミターイ……ハッ。あ、おはよ男……」
男「部屋が元通りになってる！」
女「あ、ホントだ。小人さんが直してくれたんだろうね」
男「……なあ女？」
女「むーん？」
男「お前の爪なんか変じゃない？大丈夫？」
女「なに？私の爪がどうか……あんたの爪こそ大丈夫！？」
男「……」
女「……」
男「ばっか大丈夫に決まってんだろ！爪から……小人なんて……」
女「小人……爪から……？」
男「女も見たのか？」
女「うん。何かもひゃもひゃ言ってた。あとちょっと性格悪そうだった」
男「なんだそりゃ……俺がみたのはぬみゃぬみゃ言ってたな……なんだったんだろう」
女「夢オチ……か」
男「おい、それマジでオチるんだろうな？」

遅いな
気をつけないと落ちるかもしれないぞ

男「ほれ女、できたぞー」
女「わーい、久々の男のご飯だ！カレーだけど！」
男「何だかカレーを作らなきゃいけない気がしてね」
女「男も座んな。食べましょう食べましょう」
男「いただきまーす」
女「いただきまーす」
小人「いただきまーす」
女「はふ、あ、やっぱおいしー。トロトロのカボチャがたまらんね」
男「おお我ながら上出来……あ、辛かったら卵もあるよ」
小人「からいーたまごちょうだいー」
男「はい卵……ってもう無視できねえ！何普通にカレー食ってやがる！？」
女「あれ、私まだ寝てるのかな……夢の中で夢って気づけると嬉しいわよね。うふふ」
小人「残念ながらマジモノです。しかと見よ！」
女「あ、ホウレンソウ美味し……」
小人「え、ほんと？どれどれ……」
男「ストップ！ちょっと待て！色々と待て！」
小人「もぎゅ？」
男「可愛らしく小首かしげてもダメ！お前変！何だこの野郎！？」
小人「小人ですけど」
男「それじゃ説明不足なんだよ！何で爪から出てきた！？おとぎ話のそれなのか！？ていうか何で存在してるんだよ！？」
小人「……それってとってもファンタジィ？」
男「……ああ」

そうして男と女と小人の御話は始まるのです。まる。

>>17
書き溜めてないので……馬車馬のように書きます


小人「もひゃひゃ！ごちそうさま！」
女「ごちそうさまー」
男「おそまつさまでした。……結局小人はわんさか増えてくるしカレーで良かったな」
小人「そりゃそうですよ。僕らがカレー食べたかったんだもの」
男「……ん？今お前すごい怖いこと言わなかったか？」
小人「んーん？」
女「にしても妙ちくりんなもの飼う(?)ことになっちゃったわねー……ていうか何で私にもいるのよ」
小人「ぬみゃ。どうせなら大勢いた方が面白いかと思って……」
女「がー。そんな理由で爪に住まないでほしいもんだわ……」
男「俺らは主人公だからいいけど周りの人間には絶対迷惑かけるなよお前ら」
小人「そのあたりはもちろん心得てますとも。ちょちょいのちょいですとも」
男「おい、絶対何かしでかすだろその言い方！？」
小人「いいえ？別に？」
男「こいつ……」
女「男、男！」
男「んあ」
女「じゃーん。小人ガード！」
男「お前盛大に料理ミスった天然ヒロインみたいな指なってんぞ……でも確かにそれなら出入りできないかも」

ぬみゃみゃみゃみゃ
ぱかし

女「うぎゃああ！足の方から出てくんな！」
小人「ひどいことをしたのはそっちでしょー！」
男「……足ふさいだらちょっと怖いことになりそうだな」

女「ハムナプトラ的な」
男「そう、ハムナプトラ的な」
小人「ぼーん！とひとやぶり！」
男「マジで怖いからやめて」


女「怖いから今日は男の家に泊まるわ」
小人「なんだ、やっぱりそういうアレでこうなのかい」
男「いや、別に……？昔からこういう付き合いってだけだよ」
女「というわけでお風呂いただくわ」
男「あ、うん。どうぞ。もう沸いてると思うよ」
小人「ドキドキ？ドキドキ？」
男「今更しねえ」
女「ふーん？」


かぽーん

女「だー……もう何なのよ……疲れた」
小人「おぼぼぼぼ！！おぼっ！あびゅー！」
女「え、何！？」
小人「びょろろ！びょろろうううる！！」
女「え、え！？ちょっと！お湯駄目なの！？」
小人「ぜー。ぜー。はい……」
女「先言いなさいよ……ていうかついて来なきゃよかったのに……」
小人「言うても住家ここだから」
女「面倒臭い奴らね」

女「男ーお風呂御馳走様ー」
男「ういうい……おい、さっきの気に障ったなら悪かったからバスタオル一丁はよしてくれ」
女「何よ、いーじゃない別に。勝手知ったる男の家なんだから」
男「おいおい……あ、下着その棚んとこね」
小人「おたがいさまじゃないか」

女「あ、そうだ男。こいつらお湯駄目なの知ってる？」
男「へえ。なんか妙な弱点……水もダメなのか？さっき皿洗ってる時にはなんともなかったけど……」
小人「爪、ふやけるの良くないです」
男「ああ……そういうことか。雨漏り的な」
小人「というより潜在的にふやけるのが苦手」
女「それじゃ小人っていうよりは爪の精ね……何も御利益なさそう」
小人「失礼な！効能ちゃんとある！」
男「効能て。爪の垢煎じて飲んだら風邪が治ったりしそうだな」
小人「爪の垢……おいてめー！」
男「おい当たりかよ。それはそれでひでーよ」

小人「ちなみに爪の垢を煎じて飲むって実際飲んでどうこうって話じゃねーかんなー！」
男「お前のそういうのを小爪を拾うって言ったりするんだ」

女「ねえ男」
男「ん、どした？」
女「……ちょっと寝るの怖くない？」
男「ちょっとどころじゃねーよ……次はどんな部屋にされたもんか」
小人「何かリクエストあるか？」
男「ねーよ。強いて言うならもうちょっと小洒落た部屋がいいよ。板張で窓際にソファのある……」
女「要求たらったらじゃないの」
小人「面白みのない男だな。やるなら大胆に！」
男「大胆って何だよ。まさか部屋の真中に川通すとか言うんじゃねーだろうな」
小人「あ、いいねそれ」
男「墓穴った！？」
女「……ホントはちょっとやってみたかったんじゃないの？」
男「……１日くらいならいいかな」
小人「できるかしら……」
女「ま、明日になってのお楽しみってことで。明日も早いんだからとっとと寝るわよ」
男「怖いって言ってなかったっけ？まあいいや、おやすみ……」
小人「僕らも準備しますかな……」

どやどやどや
ぱたん。

なにか某ラノベに通じるものを感じる

2～3mmの小人なら分かるけど爪が便器の蓋みたいにパカッと開いて中から３ｃｍほどの小人が20体ほどゾロゾロと
出てきた体の部位は萎んでいて小人が戻るとぐちゃぐちゃと体の形が元に戻る
その間不思議と痛みはない、しかし小人が一人でも欠けてしまうと小人一人あたりの体積が体から消えて激痛を伴う

こんな話で良ければ書く

男「無尽蔵に増えて、色々出来て、変。はて、どこかで……」
小人「気のせい」

男「おはおう」
女「おはよう。タイプミスそのままでも会話的に違和感なさ気ね」
男「バラさないでいただきたい。……ハッ、部屋はどうなってる！？」
女「……変わってないわね」
男「そのようだな。良かったよかった……これで小人もいなくなってて全部元通りならもっと……」

ズゴゴゴゴゴ
ばしょしょしょしょ！

男「ううわ！何だ、さっきからすごい揺れて……」
女「地震……とはまた違う感じよね。もっと大ぶりというか……」
男「……ふふーん？」
女「……ははーん？」

どだただた！
がらぴしゃ！

男「馬鹿野郎が！何で家が川に流されてるんだ！」
女「昨日あんたがあんなこというからでしょ……」
男「部屋の真ん中に川が通ってたらちょっといいかもって言っただけだ！」
女「誇大解釈は小人の本分よ」
男「なんだかもう達観してらっしゃるね。朝ごはん食べる？」
女「食べる食べる。小倉トーストがいいな」

あははうふふ。

>>25
小人ウェイト高めですな。是非お願いしたい


小人「……という夢を見たのさ」
男「なら水浸しになった階下をなんとかしてこい」


先生「男ー、男ー？あれ、あいつサボりかー？」

ガララ

男「すいません……今着きました」
女「同じく……ｎ」
先生「おいおい、大丈夫かお前ら。随分げっそりしてるみたいじゃないか」
男「まあ。いえ。気にせずどうぞ……」
先生「気にするなと言われてもな……そのちんまいのは何だ」
小人「ちんまい？我々のことか！」
男「だろうよ。もう学校でまで出てくんな。すっこんでろ」
先生「……疲れてるのかな。虫か何かが違って見えたんだろ。はい、垣内ー」
女「まあ普通信じないわよね」
男「目の前でうろちょろ動いてるのにか」
小人「君らが変」
男「どの口からそんな言葉が出てくるんだ？」

フーコン一家オチ

ちょっ、ちょっと疲れたので休憩いいですか……

ふん、保守だ

ごめんなさい
限界です
寝ます……

な

保守。

ねむ

やっぱ落ちるか

あ

ほ

ほしゅ

ほ

小人さん「爪の下の方に、アーチ状のラインが入ってますよね？」

男「うん」

小人さん「あの空間に住んでいます」

男「そういう場所だったんだ、アレ！？」

小人さん「あそこなら爪と一緒にうっかりつまれてしまうおそれもありませんから」

怪小人「ｷｬｼｬｱｱｱｱｱｱｱｱ!!!!!!!!」
男「うわ妖怪ッ！」


　　　ぺちっ


怪小人「ぐっちゃり」


小人さん「あーあ。殺ってしまいましたね」
男「なんだよ。こいつもお前らの仲間なの？」
小人さん「靴擦れなどで変形した足の小指には、こういう形の歪んだ爪小人が住んでいるのです」
男「ちょっ！？　こいつ、俺の中に住んでたの？　イヤー！！」　ﾌﾞﾙﾌﾞﾙ
小人さん「爪をそのままにしておくと、また産まれますよ？」
男「やだよ！　こんなきもいの、もう出てきてほしくないよ！」
小人さん「爪を治すか、いっそのこと、思い切って足の小指を切り落とすしかありませんね……」
男「そんなことするぐらいなら放っとくわっ」
小人さん「性根も歪んでいるので、夜な夜なあなたを殺そうと出てきますよ？」
男「お前らは夜な夜な出てきて俺を守っちゃくれないのかよ！？」
小人さん「……」


小人さん「えー……」
男「何だその露骨に嫌そうな顔はッ！？」

おいなんでまだ残ってる…

ありがとうございます
携帯からですがちょいちょい投下したいと思います

小人さん「爪の間の黒い汚れってあるでしょう？」

男「洗ってるうちに自然ととれるよね」

小人さん「我ら爪小人の大切なおやつです」

男「マジで？」

小人さん「たまに補給しておいていただけるとありがたい」

男「でも見た目がアレだし……」

小人さん「そこまでまじまじとあなたを見るような人なんて、職質の機会を窺う警官ぐらいなもんですよ」

男「……おまえは俺に嫌がらせしに出てきたのか？」

小人さん「あなたを見つめてくれる彼女なんか間違ってもできやしませんから、気にしなくて大丈夫です」

男「だめ押しせんでいいッ！　さっさと爪の中に帰れッ！！」

男「いたっ……」



男「あー。爪の下にささくれが……お薬塗っとこ」

声『あいやしばらく！』

男「その声は……爪野郎……」

声『ちょっと爪の中でエアロビしすぎて酸素が足りなくなったんで穴を開けただけです。ふさがないで！』

男「…………怒らないから、ちょーっとそこから出てきなさぁい？」

声『爪の方に穴を開けると、あなたが手を洗ったりしたときとか、うちが洪水になりますからね』

男「出てこいっていってんだよ！」

小人さん「生爪の間に竹串を挟む行為ってあるじゃないですか」

男「やめて！　聞いただけで痛い！！」

小人さん「あんなもんで我々を始末できると思ったら大間違いですよ！」

男「あれは拷問のためにやってるんであって、お前らを退治するためにやってんじゃないの！」

小人「どぅわーぎゃいぎゃい」
男「でもこれ授業中暇にならなくていいな｣
小人「おめーのせき、ねーがら」
男「セリフ被ってるからやめろ」


男「あ痛、深爪った」
小人「ありゃりゃ」
男「絆創膏でも貼っとくか……」
小人「もひゃあ！」
男「うわ、なんだ！いいだろ人差し指塞がるくらい！」
小人「人差し指は特に大切」
男「そ……そうなの？」
小人「台所やら洗面所は人差し指」
男「さいですか……」

小人さん「できればハナクソは耳掻きとかでほじっていただけませんか？」

男「優雅なのかアホなのかわからんことさせんといて」

小人さん「せっかく部屋でくつろいでても、
　　　　　　天井にいきなりぬちゃっとしたグロテスクな世界が見えちゃあ気分台無しなんですよ」

男「無理して人の爪の中になんか住まなくてイインダヨー？」

小人さん「我々はこの件について、弁護士を立ててあなたと争う準備があります」

男「出てけッ！」

小人さん「大家といえど、そうそう簡単に住民を追い出せると思わないことです」

男「俺はお前らに家賃も敷金も納めてもらった覚えがないッ！」

小人「親指は居間、中指薬指は個室、小指はごうm、おっと」
男「なにそれこわい」
小人「ちなみに地下にはスポーツジムもあります」
男「地下……ああ足の方かって人の足に娯楽施設をつくるな！」


小人「ネイルアートも僕らの天敵」
女「え、ああ。駄目なの？」
小人「息苦しくなる。酸欠なる。」
女「わからないでもないけど……」
小人「女ちゃんはそゆことしないからいいよ」
女「……悪かったわね色気のカケラもなくて」

　パチパチ

男「よし、爪切り、終わり」

アテナ『……人の子よ。その爪を土に植えるのです』

男「はッ！？　いま、女神の神託が！　さっそく植えなきゃ！」







古老「こうして植えられた爪から生えてきた小人たちが相争い、
　　　生き残った五人を忠実な部下として従え、男はその地に王国を築いたということじゃ……」

若者「どっかで聞いたような話だ……」