私的良スレ書庫
不明な単語は2ch用語を / 要望・削除依頼は掲示板へ。不適切な画像報告もこちらへどうぞ。 / 管理情報はtwitterでログインするとレス評価できます。 登録ユーザには一部の画像が表示されますので、問題のある画像や記述を含むレスに「禁」ボタンを押してください。
元スレ古ジャンル「乗り物にて」
新ジャンル スレッド一覧へ / 新ジャンル とは? / 携帯版 / dat(gz)で取得 / トップメニューみんなの評価 :
レスフィルター : (試験中)
運手「いやいや。間違わんて、この時間に乗ってくるのは姉ちゃんくらい」
淑女「私くらいって……いやでも、それは……無い、と思いますよ」
冷静になって考えてみれば不思議である。
適当に相槌を打って「はい、ごめんなさい」で済む問題だったのだ。
何を考えて、私は運転手に食って掛かっていたのだろう。
運手「んー……あ。この先まで行く高校生が一人居るね、そういえば」
淑女「私くらいって……いやでも、それは……無い、と思いますよ」
冷静になって考えてみれば不思議である。
適当に相槌を打って「はい、ごめんなさい」で済む問題だったのだ。
何を考えて、私は運転手に食って掛かっていたのだろう。
運手「んー……あ。この先まで行く高校生が一人居るね、そういえば」
淑女「あ、そうですよね? 多分、それ私の友達ですよ」
無闇に突かなければ、
運手「んーでも……ここ暫く見てないよ? あの子」
まだ、蛇に噛まれずに済んだのかもしれない。
運手「姉ちゃんがまた顔出すようなって……あー、直後だったかな?」
淑女「え?」
運手「いや、あの子と姉ちゃんが仲良いのは分かるよ?」
運手「でもさすがにね、ほら、別客が居ん時になーあの独り言はちょっと」
気付けば、バネで弾かれたように走り出していた。
「ちょ、ちょっと姉ちゃん! アァこれだから若ぃンはッ!」という怒号が追い掛けて来る。
恐怖よりも、訳が分からないという気持ちの方が強かった。
では、あのパンフレットは何だったのだろう?
「あれからスイパラに行ったんです」と笑っていた彼女は?
受験の相談を受けたのは? お祓いは成功したんじゃなかったの?
無闇に突かなければ、
運手「んーでも……ここ暫く見てないよ? あの子」
まだ、蛇に噛まれずに済んだのかもしれない。
運手「姉ちゃんがまた顔出すようなって……あー、直後だったかな?」
淑女「え?」
運手「いや、あの子と姉ちゃんが仲良いのは分かるよ?」
運手「でもさすがにね、ほら、別客が居ん時になーあの独り言はちょっと」
気付けば、バネで弾かれたように走り出していた。
「ちょ、ちょっと姉ちゃん! アァこれだから若ぃンはッ!」という怒号が追い掛けて来る。
恐怖よりも、訳が分からないという気持ちの方が強かった。
では、あのパンフレットは何だったのだろう?
「あれからスイパラに行ったんです」と笑っていた彼女は?
受験の相談を受けたのは? お祓いは成功したんじゃなかったの?
淑女「……お祓い?」
すんなりと、その単語が出てきた事には別段驚きはしなかった。
記憶を掘り起こして羅列していただけなら、当然、出てくるべき言葉である。
しかし余りに嵌り過ぎていて、薄ら寒くなってくる。
元々、私は怪談話は不得手なのだ。
その筈だったのだが、私は彼女に会うたびに怪談話をしていた気がしてくる。
私が彼女に引っ張られていたのは、
本当に彼女の魅力に惹かれたからなのだろうか。
淑女「……無い無い。あんなにはっきりしたモノなんて居る訳無い」
「モノなんて」と言葉を濁したのは最後の抵抗だ。
口にすると認めてしまった気になってしまう。それだけは嫌だった。
すんなりと、その単語が出てきた事には別段驚きはしなかった。
記憶を掘り起こして羅列していただけなら、当然、出てくるべき言葉である。
しかし余りに嵌り過ぎていて、薄ら寒くなってくる。
元々、私は怪談話は不得手なのだ。
その筈だったのだが、私は彼女に会うたびに怪談話をしていた気がしてくる。
私が彼女に引っ張られていたのは、
本当に彼女の魅力に惹かれたからなのだろうか。
淑女「……無い無い。あんなにはっきりしたモノなんて居る訳無い」
「モノなんて」と言葉を濁したのは最後の抵抗だ。
口にすると認めてしまった気になってしまう。それだけは嫌だった。
気付くと家のすぐ近くまで来ていた。
「もう少しだけ走れば、安全な家に逃げ込める」と、脚に鞭を打って走る。
淑女「あともう少し!」
あと二十メートル位だろう。
足元から不快な感覚が登ってくるが、そんな事に構っては入られない。
「家にさえ入れば安全だろう」と、馬鹿の一つ覚えのように反芻する。
しかし、怪談話には暗黙のルールがある。
「最後まで油断してはいけませんよ」という至極当前の心構えだ。
「もう少しだけ走れば、安全な家に逃げ込める」と、脚に鞭を打って走る。
淑女「あともう少し!」
あと二十メートル位だろう。
足元から不快な感覚が登ってくるが、そんな事に構っては入られない。
「家にさえ入れば安全だろう」と、馬鹿の一つ覚えのように反芻する。
しかし、怪談話には暗黙のルールがある。
「最後まで油断してはいけませんよ」という至極当前の心構えだ。
以前、彼女と怪談話をした時には笑っていた。
「その場に居合わせたとすれば、彼らとは逆の行動をする」
そんな風に思っていたからだ。
これはどうも、自分が主人公になるまで分からなかったが、
淑女「あ、あれ……家の前、何か……?」
怖い物見たさという好奇心には、
逆らいようも無く、
淑女「……黒のパーカー……違う? あれは……」
引き摺り込まれてしまうらしい。
淑女「高校の……制服?」
「その場に居合わせたとすれば、彼らとは逆の行動をする」
そんな風に思っていたからだ。
これはどうも、自分が主人公になるまで分からなかったが、
淑女「あ、あれ……家の前、何か……?」
怖い物見たさという好奇心には、
逆らいようも無く、
淑女「……黒のパーカー……違う? あれは……」
引き摺り込まれてしまうらしい。
淑女「高校の……制服?」
少女「あ、淑女さん!」
家の玄関前からまったく動こうとせずに、彼女は声を上げた。
遠目から、彼女は足元を見つめて立っているように見える。
しかしその明朗快活な声色は、紛れも無い彼女の物で、余計に不気味だった。
少女「いやーなんか散歩してたら淑女さんの家を見つけちゃいましてー」
彼女は顔を上げようとしない。
首だけが下を向いたまま、こちらに身体を向けている。
少女「でもまだ電気が着いてないから、ちょっと待ってみたんですよー」
彼女は動かない。
私の本能が嫌がっているのか、自然と足が後ずさりを始めた。
家の玄関前からまったく動こうとせずに、彼女は声を上げた。
遠目から、彼女は足元を見つめて立っているように見える。
しかしその明朗快活な声色は、紛れも無い彼女の物で、余計に不気味だった。
少女「いやーなんか散歩してたら淑女さんの家を見つけちゃいましてー」
彼女は顔を上げようとしない。
首だけが下を向いたまま、こちらに身体を向けている。
少女「でもまだ電気が着いてないから、ちょっと待ってみたんですよー」
彼女は動かない。
私の本能が嫌がっているのか、自然と足が後ずさりを始めた。
淑女「痛っ……」
焼けるような激痛が顔を顰めさせる。
足元を見ると破れたストッキングから、黒くなった生足が覘いていた。
よく見ると両足の靴が脱げてしまっている。
心臓に呼応するように痛む足、走っている途中に感じた不快感はこれだったのだ。
少女「あー淑女さん! 足怪我してるじゃないですかー!」
私は思わず顔を見上げた。
彼女の声が、思いのほか近くに聞こえたからだ。
淑女「あれ……」
しかし、彼女は玄関前から動いていない。
まったく、一歩も動いていないように見えたが、
少女「駄目ですよ! そんなに動いちゃっ!」
声だけが近い。
そう、これではまるで、
少女「鬼に見つかっちゃったら」
すぐ後ろから聞こえているみたいではないか。
男性「どうやって逃げるつもりなんですかァ?」
焼けるような激痛が顔を顰めさせる。
足元を見ると破れたストッキングから、黒くなった生足が覘いていた。
よく見ると両足の靴が脱げてしまっている。
心臓に呼応するように痛む足、走っている途中に感じた不快感はこれだったのだ。
少女「あー淑女さん! 足怪我してるじゃないですかー!」
私は思わず顔を見上げた。
彼女の声が、思いのほか近くに聞こえたからだ。
淑女「あれ……」
しかし、彼女は玄関前から動いていない。
まったく、一歩も動いていないように見えたが、
少女「駄目ですよ! そんなに動いちゃっ!」
声だけが近い。
そう、これではまるで、
少女「鬼に見つかっちゃったら」
すぐ後ろから聞こえているみたいではないか。
男性「どうやって逃げるつもりなんですかァ?」
突発終わりでした
頑張って付き合ってくれた方ありがとう
書き溜めしなかった俺が悪いごめんなさい
頑張って付き合ってくれた方ありがとう
書き溜めしなかった俺が悪いごめんなさい
>>112 ヌルポ
ええええ、ここで終わりなのかw
いやでも面白かった、引き込まれてたわ
乙!
いやでも面白かった、引き込まれてたわ
乙!
今見終わった
>>1乙
>>1乙
類似してるかもしれないスレッド
- 新ジャンル「しりとり」 (85) - [68%] - 2010/5/14 22:45 ▲
- 新ジャンル「ドジっぽい」 (148) - [66%] - 2008/7/14 23:00
- 新ジャンル「ゆめにっき」 (63) - [66%] - 2008/12/6 3:45 ▲
- 新ジャンル「触れない」 (64) - [65%] - 2008/8/26 19:00 △
- 新ジャンル「まんぼう」 (1001) - [65%] - 2008/1/18 7:47 ★
- 新ジャンル「いろがみ」 (410) - [65%] - 2008/8/1 11:15 ○
- 新ジャンル「ともだち」 (166) - [65%] - 2009/2/9 16:45
- 新ジャンル「妹がぼっち」 (274) - [63%] - 2010/5/14 7:00 ☆
- 新ジャンル「始まらない」 (109) - [63%] - 2009/1/9 12:00 ▲
- 新ジャンル「グズれカス」 (101) - [63%] - 2008/11/1 3:30 △
トップメニューへ / →のくす牧場書庫について