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    元スレ古ジャンル「乗り物にて」

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    101 : 以下、名無しにか - 2009/04/29(水) 12:18:05.86 ID:OO+rjTIN0 (+95,+30,-102)
    運手「いやいや。間違わんて、この時間に乗ってくるのは姉ちゃんくらい」

    「私くらいって……いやでも、それは……無い、と思いますよ」

     冷静になって考えてみれば不思議である。
     適当に相槌を打って「はい、ごめんなさい」で済む問題だったのだ。
     何を考えて、私は運転手に食って掛かっていたのだろう。

    運手「んー……あ。この先まで行く高校生が一人居るね、そういえば」
    104 : 以下、名無しにか - 2009/04/29(水) 12:36:43.13 ID:OO+rjTIN0 (+95,+30,-256)
    「あ、そうですよね? 多分、それ私の友達ですよ」

     無闇に突かなければ、

    運手「んーでも……ここ暫く見てないよ? あの子」

     まだ、蛇に噛まれずに済んだのかもしれない。

    運手「姉ちゃんがまた顔出すようなって……あー、直後だったかな?」

    「え?」

    運手「いや、あの子と姉ちゃんが仲良いのは分かるよ?」

    運手「でもさすがにね、ほら、別客が居ん時になーあの独り言はちょっと」

     気付けば、バネで弾かれたように走り出していた。
     「ちょ、ちょっと姉ちゃん! アァこれだから若ぃンはッ!」という怒号が追い掛けて来る。
     恐怖よりも、訳が分からないという気持ちの方が強かった。

     では、あのパンフレットは何だったのだろう?
     「あれからスイパラに行ったんです」と笑っていた彼女は?
     受験の相談を受けたのは? お祓いは成功したんじゃなかったの?
    105 : 以下、名無しにか - 2009/04/29(水) 12:44:20.70 ID:OO+rjTIN0 (+95,+30,-155)
    「……お祓い?」

     すんなりと、その単語が出てきた事には別段驚きはしなかった。
     記憶を掘り起こして羅列していただけなら、当然、出てくるべき言葉である。

     しかし余りに嵌り過ぎていて、薄ら寒くなってくる。
     元々、私は怪談話は不得手なのだ。
     その筈だったのだが、私は彼女に会うたびに怪談話をしていた気がしてくる。

     私が彼女に引っ張られていたのは、
     本当に彼女の魅力に惹かれたからなのだろうか。

    「……無い無い。あんなにはっきりしたモノなんて居る訳無い」

     「モノなんて」と言葉を濁したのは最後の抵抗だ。
     口にすると認めてしまった気になってしまう。それだけは嫌だった。
    106 : 以下、名無しにか - 2009/04/29(水) 12:51:44.19 ID:NfR/eZ5q0 (+24,+29,-2)
    予想外すぎる展開・・・
    支援
    107 : 以下、名無しにか - 2009/04/29(水) 13:03:35.53 ID:OO+rjTIN0 (+93,+30,-177)
     気付くと家のすぐ近くまで来ていた。
     「もう少しだけ走れば、安全な家に逃げ込める」と、脚に鞭を打って走る。

    「あともう少し!」

     あと二十メートル位だろう。
     足元から不快な感覚が登ってくるが、そんな事に構っては入られない。
     「家にさえ入れば安全だろう」と、馬鹿の一つ覚えのように反芻する。

     しかし、怪談話には暗黙のルールがある。
     「最後まで油断してはいけませんよ」という至極当前の心構えだ。
    108 : 以下、名無しにか - 2009/04/29(水) 13:11:24.38 ID:OO+rjTIN0 (+95,+30,-153)
     以前、彼女と怪談話をした時には笑っていた。
     「その場に居合わせたとすれば、彼らとは逆の行動をする」
     そんな風に思っていたからだ。

     これはどうも、自分が主人公になるまで分からなかったが、

    「あ、あれ……家の前、何か……?」

     怖い物見たさという好奇心には、
     逆らいようも無く、

    「……黒のパーカー……違う? あれは……」



     引き摺り込まれてしまうらしい。



    「高校の……制服?」
    109 : 以下、名無しにか - 2009/04/29(水) 13:18:29.15 ID:OO+rjTIN0 (+95,+30,-128)
    「あ、淑女さん!」

     家の玄関前からまったく動こうとせずに、彼女は声を上げた。
     遠目から、彼女は足元を見つめて立っているように見える。
     しかしその明朗快活な声色は、紛れも無い彼女の物で、余計に不気味だった。

    「いやーなんか散歩してたら淑女さんの家を見つけちゃいましてー」

     彼女は顔を上げようとしない。
     首だけが下を向いたまま、こちらに身体を向けている。

    「でもまだ電気が着いてないから、ちょっと待ってみたんですよー」

     彼女は動かない。
     私の本能が嫌がっているのか、自然と足が後ずさりを始めた。
    111 : 以下、名無しにか - 2009/04/29(水) 13:24:22.03 ID:OO+rjTIN0 (+95,+30,-189)
    「痛っ……」

     焼けるような激痛が顔を顰めさせる。
     足元を見ると破れたストッキングから、黒くなった生足が覘いていた。

     よく見ると両足の靴が脱げてしまっている。
     心臓に呼応するように痛む足、走っている途中に感じた不快感はこれだったのだ。

    「あー淑女さん! 足怪我してるじゃないですかー!」

     私は思わず顔を見上げた。
     彼女の声が、思いのほか近くに聞こえたからだ。

    「あれ……」

     しかし、彼女は玄関前から動いていない。
     まったく、一歩も動いていないように見えたが、

    「駄目ですよ! そんなに動いちゃっ!」

     声だけが近い。
     そう、これではまるで、

    「鬼に見つかっちゃったら」

     すぐ後ろから聞こえているみたいではないか。

    「どうやって逃げるつもりなんですかァ?」
    112 : 以下、名無しにか - 2009/04/29(水) 13:27:39.17 ID:OO+rjTIN0 (+87,+29,-7)
    突発終わりでした
    頑張って付き合ってくれた方ありがとう
    書き溜めしなかった俺が悪いごめんなさい
    113 : 以下、名無しにか - 2009/04/29(水) 13:38:15.53 ID:ZJrYD7fI0 (-14,+23,+1)
    >>112 ヌルポ
    114 : 以下、名無しにか - 2009/04/29(水) 13:44:49.25 ID:NfR/eZ5q0 (+35,+29,-10)
    ええええ、ここで終わりなのかw
    いやでも面白かった、引き込まれてたわ
    乙!
    116 : 以下、名無しにか - 2009/04/29(水) 14:09:50.90 ID:OO+rjTIN0 (+82,+29,-23)
    >>113
    他のスレまで出張していじめるのは勘弁してやれ

    >>114
    ないない、ありがとう

    >>115
    俺の顔が今まさにそれ何やってんだ俺十二時間も
    117 : 以下、名無しにか - 2009/04/29(水) 14:18:28.65 ID:u1md9AZYO (+19,+29,-2)
    今見終わった
    >>1
    119 : 以下、名無しにか - 2009/04/29(水) 14:50:02.68 ID:OO+rjTIN0 (+35,-14,-1)
    すまんageる
    121 : 以下、名無しにか - 2009/04/29(水) 15:13:52.51 ID:OO+rjTIN0 (+89,+29,-19)
    誰も書かないか……
    ageてごめん見てくれた人ありがとう
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