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新ジャンル「黒ずきんちゃん」
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黒ずきん「痛い……いたいよぉ……」
猟師「へっへっへ、痛いかァ。いま楽にしてやるからなァ!」
黒ずきん「………?」
(猟銃で黒ずきんの眉間を狙い、一気に引き鉄を引く)
ズダーン!!!!!!!!
猟師「………」
(猟師の頭が吹き飛んでいた。頭を失った猟師はそのまま倒れ伏す)
赤ずきん・緑ずきん「――――――――――――――!!」
緑ずきん「い、今のは……」
赤ずきん「魔女の魔法よ……そうとしか言えない」
緑ずきん「黒ずきんを狙っていた猟師の銃口が……」
赤ずきん「猟師の後頭部に出現した……。空間を歪めたのね」
緑ずきん「そんな無茶苦茶な……」
赤ずきん「でも……、ただの銃撃さえ避けたということは、普通の武器でも勝てるということ」
緑ずきん「しかし、いくら魔女といっても中身は子供の黒ずきんよ? 銃口が怖くてとっさに防いだだけかも……」
赤ずきん「……つまり、声を掛けて真正面から撃ったのは失敗だったかもしれないと……」
緑ずきん「ええ……」
(赤ずきん、顔を歪めて舌打ちする)
赤ずきん「猟師め……思った以上に役に立たない奴……!」
緑ずきん「やはり、感付かれないように死角から撃つしか……」
赤ずきん「おそらく、接近戦は不可能ね……。全ての攻撃は察知された瞬間に自分に返って来る」
緑ずきん「………」
猟師「へっへっへ、痛いかァ。いま楽にしてやるからなァ!」
黒ずきん「………?」
(猟銃で黒ずきんの眉間を狙い、一気に引き鉄を引く)
ズダーン!!!!!!!!
猟師「………」
(猟師の頭が吹き飛んでいた。頭を失った猟師はそのまま倒れ伏す)
赤ずきん・緑ずきん「――――――――――――――!!」
緑ずきん「い、今のは……」
赤ずきん「魔女の魔法よ……そうとしか言えない」
緑ずきん「黒ずきんを狙っていた猟師の銃口が……」
赤ずきん「猟師の後頭部に出現した……。空間を歪めたのね」
緑ずきん「そんな無茶苦茶な……」
赤ずきん「でも……、ただの銃撃さえ避けたということは、普通の武器でも勝てるということ」
緑ずきん「しかし、いくら魔女といっても中身は子供の黒ずきんよ? 銃口が怖くてとっさに防いだだけかも……」
赤ずきん「……つまり、声を掛けて真正面から撃ったのは失敗だったかもしれないと……」
緑ずきん「ええ……」
(赤ずきん、顔を歪めて舌打ちする)
赤ずきん「猟師め……思った以上に役に立たない奴……!」
緑ずきん「やはり、感付かれないように死角から撃つしか……」
赤ずきん「おそらく、接近戦は不可能ね……。全ての攻撃は察知された瞬間に自分に返って来る」
緑ずきん「………」
母「いいかい黒ずきん、狼に気をつけて道草を食わずにおばあちゃんのおうちにいくのよ」
黒「わかってるわよ、簡単だわ」
母「ああ、心配だわ…赤ずきんが風邪で寝込んでさえいなければ」
黒「ふん、私だってお使いくらいできるわよ!馬鹿にしないで!」
母「またこの子は乱暴な口を聞いて!赤ずきんとは大違いだわ!」
黒「うるさい!じゃあ行くわ!」
黒「はぁ、ママにあんなこと言うつもりじゃなかったのにな…」
青年「やあ黒ずきん珍しいね、お使いかい?」
黒「あ…青年さん、ええそうよ」
青年「僕も散歩をしていたところなんだ、付き合うよ」
黒「ひ、ひとりでいけるわ!」
青年「駄目かい?」
黒「だめじゃ…ないけどゴニョゴニョ」
青年「よかった」
黒「あ、あなたは親切にしてくれるから特別!」
青年「フフフ、じゃあ行こうか」
黒「…何よその手は?」
青年「かご、重いだろう持ってあげよう」
黒「いいわよ…ってああ!それとこっちの手は?もう荷物はないわ」
青年「手を繋ごう、ここから先は道が荒い、黒ずきん転ばないように」
黒「///べ、別に平気だから」
青年「いいからいいから」
続く
黒「わかってるわよ、簡単だわ」
母「ああ、心配だわ…赤ずきんが風邪で寝込んでさえいなければ」
黒「ふん、私だってお使いくらいできるわよ!馬鹿にしないで!」
母「またこの子は乱暴な口を聞いて!赤ずきんとは大違いだわ!」
黒「うるさい!じゃあ行くわ!」
黒「はぁ、ママにあんなこと言うつもりじゃなかったのにな…」
青年「やあ黒ずきん珍しいね、お使いかい?」
黒「あ…青年さん、ええそうよ」
青年「僕も散歩をしていたところなんだ、付き合うよ」
黒「ひ、ひとりでいけるわ!」
青年「駄目かい?」
黒「だめじゃ…ないけどゴニョゴニョ」
青年「よかった」
黒「あ、あなたは親切にしてくれるから特別!」
青年「フフフ、じゃあ行こうか」
黒「…何よその手は?」
青年「かご、重いだろう持ってあげよう」
黒「いいわよ…ってああ!それとこっちの手は?もう荷物はないわ」
青年「手を繋ごう、ここから先は道が荒い、黒ずきん転ばないように」
黒「///べ、別に平気だから」
青年「いいからいいから」
続く
黒ずきん「誰か……いる…の…………?」
赤ずきん・緑ずきん「……!」
赤ずきん「仕方がない。苦手ではあるけど、この聖銃は自分で狙って自分で撃つわ。ひとまず二手に分かれるわよ」
緑ずきん「そうね。そうしましょう」
赤ずきん「私に命を預けなさい。あなたは黒ずきんを銃撃で牽制して。感づかれたらわざと外しなさい、でないと(たぶん)自分に当たるわよ!」
緑ずきん「何よ(たぶん)って……」
赤ずきん「そのへんの実験台も兼ねて死になさいって言ってんのよ!」
緑ずきん「……口の減らない女ね……」
(咳き込み大きな血の塊を吐きながら黒ずきんが呟く)
黒ずきん「……はぁ、はぁ、……痛い、熱い、寒い、苦しい…………」
魔女「あらあら、もう終わり? 此処で壊れちゃうなら、あとは私が使わせてもらうけど」
(黒ずきんの頭の中で、力の源である魔女が妖しく囁く)
黒ずきん「……だ………め……狼さんを……助けないと……」
魔女「ふーん、狼を生き返らせる気? 十分可能なことだけど」
黒ずきん「教え……て………。魔女というのは…………どれほど……の…力を……使える…の……………?」
魔女「……そんなこと知ってどうするつもり? ろくに体も動かせないくせに。そうね……とりあえず」
(魔女の意思で黒ずきんの両腕が上がり、それに合わせて周囲の火の点いた松明が浮遊する)
赤ずきん・緑ずきん「……!」
赤ずきん「仕方がない。苦手ではあるけど、この聖銃は自分で狙って自分で撃つわ。ひとまず二手に分かれるわよ」
緑ずきん「そうね。そうしましょう」
赤ずきん「私に命を預けなさい。あなたは黒ずきんを銃撃で牽制して。感づかれたらわざと外しなさい、でないと(たぶん)自分に当たるわよ!」
緑ずきん「何よ(たぶん)って……」
赤ずきん「そのへんの実験台も兼ねて死になさいって言ってんのよ!」
緑ずきん「……口の減らない女ね……」
(咳き込み大きな血の塊を吐きながら黒ずきんが呟く)
黒ずきん「……はぁ、はぁ、……痛い、熱い、寒い、苦しい…………」
魔女「あらあら、もう終わり? 此処で壊れちゃうなら、あとは私が使わせてもらうけど」
(黒ずきんの頭の中で、力の源である魔女が妖しく囁く)
黒ずきん「……だ………め……狼さんを……助けないと……」
魔女「ふーん、狼を生き返らせる気? 十分可能なことだけど」
黒ずきん「教え……て………。魔女というのは…………どれほど……の…力を……使える…の……………?」
魔女「……そんなこと知ってどうするつもり? ろくに体も動かせないくせに。そうね……とりあえず」
(魔女の意思で黒ずきんの両腕が上がり、それに合わせて周囲の火の点いた松明が浮遊する)
トム「いいか、マイク! 火を付けた爆薬に近づくんじゃないぞ!」
マイク「すまないトム、オレはどうやら童話を愛するリーディングガイだったらしい」
トム「気にしてないさ、マイク。さあ今度こそ!」
マイク「やっと俺たちにも運が向いてきたぜ! そら、導火線ファイア!」
バチバチバチ
トム「よし、マイク離れるんだ! 爆風に巻き込まれるとあの世だぜ!」
マイク「あ……」
爆薬「うわぁぁん、怖かったよぉ」
マイク「もう大丈夫だ、狼はやっつけたからな」
トム「マイク! 爆薬に近づくんじゃない!」
ばごおおおおおおおおおおおおおおん!
トム「何やってんだマーーーーーーーイク!!!!!」
マイク「すまないトム、オレはどうやら童話を愛するリーディングガイだったらしい」
トム「気にしてないさ、マイク。さあ今度こそ!」
マイク「やっと俺たちにも運が向いてきたぜ! そら、導火線ファイア!」
バチバチバチ
トム「よし、マイク離れるんだ! 爆風に巻き込まれるとあの世だぜ!」
マイク「あ……」
爆薬「うわぁぁん、怖かったよぉ」
マイク「もう大丈夫だ、狼はやっつけたからな」
トム「マイク! 爆薬に近づくんじゃない!」
ばごおおおおおおおおおおおおおおん!
トム「何やってんだマーーーーーーーイク!!!!!」
赤ずきん(……さっきから黒ずきんは何を呟いているのかしら? まるで誰かと話しているような……)
緑ずきん「赤ずきん! 松明が!」
赤ずきん「見りゃわかるわよ! 退避よ退避!」
魔女「こんなものかしら」
(黒ずきんの右腕が振られ、松明の炎が大きな一つの火球となり、前方の森を焼き払う)
黒ずきん「ち……違う………物を壊したりするのじゃなくて…………」
魔女「あら? てっきり私は緑ずきんに復讐したいものかと思っていたけど」
黒ずきん「たしかに、狼さんが殺されちゃったのは憎い……許すことはできないけど……」
魔女「けど、何よ?」
黒ずきん「できることなら……やり直したい………みんなが仲良く、狼さんも殺されない……」
魔女「……空間歪曲ができるなら時間歪曲もできるはず、と言いたいのかしら」
黒ずきん「えへへ……やっぱり……………駄目…なのかな………」
魔女「かなり条件が厳しくなるけど、不可能ではないわ。私としては協力したくないけど」
黒ずきん「できる……の………?」
緑ずきん「赤ずきん! 松明が!」
赤ずきん「見りゃわかるわよ! 退避よ退避!」
魔女「こんなものかしら」
(黒ずきんの右腕が振られ、松明の炎が大きな一つの火球となり、前方の森を焼き払う)
黒ずきん「ち……違う………物を壊したりするのじゃなくて…………」
魔女「あら? てっきり私は緑ずきんに復讐したいものかと思っていたけど」
黒ずきん「たしかに、狼さんが殺されちゃったのは憎い……許すことはできないけど……」
魔女「けど、何よ?」
黒ずきん「できることなら……やり直したい………みんなが仲良く、狼さんも殺されない……」
魔女「……空間歪曲ができるなら時間歪曲もできるはず、と言いたいのかしら」
黒ずきん「えへへ……やっぱり……………駄目…なのかな………」
魔女「かなり条件が厳しくなるけど、不可能ではないわ。私としては協力したくないけど」
黒ずきん「できる……の………?」
新ジャンル「炭鉱夫と爆薬」
アメリカンジョークなマイク自重www
アメリカンジョークなマイク自重www
(緑ずきんの銃撃が黒ずきんの左脚付近の土を抉る)
緑ずきん(……外した!? たしかに狙ったのに、軌道を逸らされた?!)
魔女「うざったいわねぇ……」
(立った姿勢から、黒ずきんの左掌が地面を撫でるように振られる。一陣の風が土埃を巻き上げ、黒ずきんの姿を隠す)
赤ずきん「……防御に徹する気? セコいわね……」
緑ずきん「ちょっと! 防御どころじゃない……砂嵐じゃないの!」
赤ずきん「攻撃の糸口が掴めないわね……」
黒ずきん「やめ……て…………二人を……傷つけないで…………」
魔女「あなたもよくよくお人好しねぇ……。赤ずきんもあなたを魔女と知って邪険にしてたというのに」
黒ずきん「自分が魔女と………わかった以上……………仕方のない…こと……だよ…………」
魔女「………」
黒ずきん「教えて………平和な……日常…を取り戻す………には……………どうすれば………」
魔女「……あなたが死ぬことね」
緑ずきん(……外した!? たしかに狙ったのに、軌道を逸らされた?!)
魔女「うざったいわねぇ……」
(立った姿勢から、黒ずきんの左掌が地面を撫でるように振られる。一陣の風が土埃を巻き上げ、黒ずきんの姿を隠す)
赤ずきん「……防御に徹する気? セコいわね……」
緑ずきん「ちょっと! 防御どころじゃない……砂嵐じゃないの!」
赤ずきん「攻撃の糸口が掴めないわね……」
黒ずきん「やめ……て…………二人を……傷つけないで…………」
魔女「あなたもよくよくお人好しねぇ……。赤ずきんもあなたを魔女と知って邪険にしてたというのに」
黒ずきん「自分が魔女と………わかった以上……………仕方のない…こと……だよ…………」
魔女「………」
黒ずきん「教えて………平和な……日常…を取り戻す………には……………どうすれば………」
魔女「……あなたが死ぬことね」
青年「黒ずきん、君はいつも悲しそうな顔をしているね」
黒「そんなことないわ」
青年「僕で良かったら聞かせてくれないかな」
黒「あなたには関係ないわ!」
青年「そうだね、でも気になるんだ」
黒「青年さん…私のことはいいから、聞きたいことがあるの」
青年「なんだい?」
黒「青年さんこそなんで私に優しくしてくれるの、私みたいな嫌われ者に」
青年「フフ、なんでだろうね僕にもわからないな」
黒「ふん、別にいいけど…!おばあちゃんのおうちについたわ、じゃあね青年さん」
青年「ああ、またね」
ば「なんだね赤ずきんかと思ったら黒ずきん!いったい何をしにきたんだ」
黒「おつかいのパイを…」
ば「ふん!変な物でも入れたんじゃないかね」
黒「失礼な、私がそんなこと!」
ば「わかったもんじゃないよ、さあ用が済んだならさっさと出ていきな!」
黒「言われなくても!もう二度と来ないわ!」
黒「はぁ、また喧嘩になっちゃったな」
続く
黒「そんなことないわ」
青年「僕で良かったら聞かせてくれないかな」
黒「あなたには関係ないわ!」
青年「そうだね、でも気になるんだ」
黒「青年さん…私のことはいいから、聞きたいことがあるの」
青年「なんだい?」
黒「青年さんこそなんで私に優しくしてくれるの、私みたいな嫌われ者に」
青年「フフ、なんでだろうね僕にもわからないな」
黒「ふん、別にいいけど…!おばあちゃんのおうちについたわ、じゃあね青年さん」
青年「ああ、またね」
ば「なんだね赤ずきんかと思ったら黒ずきん!いったい何をしにきたんだ」
黒「おつかいのパイを…」
ば「ふん!変な物でも入れたんじゃないかね」
黒「失礼な、私がそんなこと!」
ば「わかったもんじゃないよ、さあ用が済んだならさっさと出ていきな!」
黒「言われなくても!もう二度と来ないわ!」
黒「はぁ、また喧嘩になっちゃったな」
続く
魔女「生命を犠牲にして使う魔法……こんなクサいシチュエーション、最悪だわ。もっと派手に暴れたかったのに」
黒ずきん「………」
魔女「時間を巻き戻しても、あなたの居場所は無いわよ。肉体を失い、数十年大地に繋ぎとめられるけどいい?」
黒ずきん「そう………それで………元の……」
魔女「……驚かないのね。なんか悔しいわ」
黒ずきん「予感…………して………いたの………。私さえ…………いなければ……」
魔女「すべて丸く収まるって言うの? 自己犠牲が過ぎるんじゃないの?」
黒ずきん「きっと………あなたの…悪い気にあてられて…………みんなおかしく…なってしまったんだわ………」
魔女「……死に損ないが生意気言ってくれるじゃないの。まあ、当たらずとも遠からずだけど」
黒ずきん「たとえ………魂だけになっても…………みんなの…笑顔を…………」
魔女「はあ……痛みで脳味噌イっちゃったの? それがあなたの望みなら、やってやれないこともないけど、狼の無事は保証できないわよ」
黒ずきん「大丈夫………狼さんは………私が守る…から…………」
魔女「ふん……勝手になさい。次の痛みに耐えたらあなた抜きの元の日常よ。耐えられなきゃ……たぶん地獄ね」
黒ずきん「うん…………わたし………耐えてみせる…………」
魔女「……恐らく赤ずきんの切札は銀の聖銃。緑ずきんのはすべて逸らしてあげるから、安心して一番強い痛みに専念なさい」
黒ずきん「………」
魔女「時間を巻き戻しても、あなたの居場所は無いわよ。肉体を失い、数十年大地に繋ぎとめられるけどいい?」
黒ずきん「そう………それで………元の……」
魔女「……驚かないのね。なんか悔しいわ」
黒ずきん「予感…………して………いたの………。私さえ…………いなければ……」
魔女「すべて丸く収まるって言うの? 自己犠牲が過ぎるんじゃないの?」
黒ずきん「きっと………あなたの…悪い気にあてられて…………みんなおかしく…なってしまったんだわ………」
魔女「……死に損ないが生意気言ってくれるじゃないの。まあ、当たらずとも遠からずだけど」
黒ずきん「たとえ………魂だけになっても…………みんなの…笑顔を…………」
魔女「はあ……痛みで脳味噌イっちゃったの? それがあなたの望みなら、やってやれないこともないけど、狼の無事は保証できないわよ」
黒ずきん「大丈夫………狼さんは………私が守る…から…………」
魔女「ふん……勝手になさい。次の痛みに耐えたらあなた抜きの元の日常よ。耐えられなきゃ……たぶん地獄ね」
黒ずきん「うん…………わたし………耐えてみせる…………」
魔女「……恐らく赤ずきんの切札は銀の聖銃。緑ずきんのはすべて逸らしてあげるから、安心して一番強い痛みに専念なさい」
緑ずきん「砂嵐が晴れるわ!」
赤ずきん「一撃で決めるわよ! 死ぬ気で黒ずきんの注意を逸らしなさい!」
緑ずきん「あなたこそ、しっかり聖銃狙いなさいよね!」
赤ずきん「こっちもギリギリよ……砂で眼が……」
緑ずきん「何ですって!? 当たらなきゃせっかくの聖銃も意味ないじゃない!」
赤ずきん「当たるんじゃないわ……当てるのよ! 命懸けで接近して心臓をブチ抜いてやるわ! だから!」
緑ずきん「死ぬ気で牽制しろっての? 賭けとしては分が悪すぎるわ」
赤ずきん「打つ手なしとは言わせないわよ……。どうするのよ」
緑ずきん「死角から聖銃を撃つ。狙うのは私。引き金を引くのはあなた。当初の予定通りよ」
赤ずきん「……あなたに乗せられたみたいで気に入らないけど、こちらの方が成功率が高そうね」
緑ずきん「失敗したら、一緒に死にましょうね」
(微笑みかける緑ずきんに、心なし頬を赤らめてプイと横を向く赤ずきん)
赤ずきん「まったく……それが嫌だから二手に分かれたっていうのに……」
緑ずきん「右手で狙って、私は左手の拳銃で牽制するわ。合図をしたら引き金を引いて。わかったわね」
赤ずきん「……わかったわ。『命を預けて』なんて言っといて結局一蓮托生なんて……」
緑ずきん「愚痴っぽいわねぇ……勝つにしろ負けるにしろ、あとで決着をつけましょう」
赤ずきん「ふん……あなたなんてさっきの催眠術があれば瞬殺なんだから! 今は眼をやられてるから使えないけど!」
緑ずきん(最初からそれで黒ずきん殺りなさいよ……この抜作)
赤ずきん「一撃で決めるわよ! 死ぬ気で黒ずきんの注意を逸らしなさい!」
緑ずきん「あなたこそ、しっかり聖銃狙いなさいよね!」
赤ずきん「こっちもギリギリよ……砂で眼が……」
緑ずきん「何ですって!? 当たらなきゃせっかくの聖銃も意味ないじゃない!」
赤ずきん「当たるんじゃないわ……当てるのよ! 命懸けで接近して心臓をブチ抜いてやるわ! だから!」
緑ずきん「死ぬ気で牽制しろっての? 賭けとしては分が悪すぎるわ」
赤ずきん「打つ手なしとは言わせないわよ……。どうするのよ」
緑ずきん「死角から聖銃を撃つ。狙うのは私。引き金を引くのはあなた。当初の予定通りよ」
赤ずきん「……あなたに乗せられたみたいで気に入らないけど、こちらの方が成功率が高そうね」
緑ずきん「失敗したら、一緒に死にましょうね」
(微笑みかける緑ずきんに、心なし頬を赤らめてプイと横を向く赤ずきん)
赤ずきん「まったく……それが嫌だから二手に分かれたっていうのに……」
緑ずきん「右手で狙って、私は左手の拳銃で牽制するわ。合図をしたら引き金を引いて。わかったわね」
赤ずきん「……わかったわ。『命を預けて』なんて言っといて結局一蓮托生なんて……」
緑ずきん「愚痴っぽいわねぇ……勝つにしろ負けるにしろ、あとで決着をつけましょう」
赤ずきん「ふん……あなたなんてさっきの催眠術があれば瞬殺なんだから! 今は眼をやられてるから使えないけど!」
緑ずきん(最初からそれで黒ずきん殺りなさいよ……この抜作)
黒「狼さんや魔女さんや青年さんとはちゃんとお話できるのにな…クスン」
青年「やあ、黒ずきんおかえり」
黒「せ、青年さん?待っててくれたの…?」
青年「うん、一人で歩くのも寂しいからね」
黒「ふん、別に頼んだ訳じゃないんだからね!」
青年「ほら、黒ずきんこれをあげるよ」
黒「わぁ…!きれいなお花、いいの?」
青年「うん、君にあげようと摘んだんだから」
黒「あ、ありがとう…ゴニョゴニョ」
青年「ありがとうは笑顔でいうものだよ、たまには笑ってごらんよ黒ずきん」
黒「そんな急に笑えないわよ」
青年「うーん、どうすればいいかな」
黒「こんど会うまで笑顔の練習でもしておくわ」
青年「そうかい、楽しみにしているよ」
黒「それじゃあ青年さん、また明日」
続く
青年「やあ、黒ずきんおかえり」
黒「せ、青年さん?待っててくれたの…?」
青年「うん、一人で歩くのも寂しいからね」
黒「ふん、別に頼んだ訳じゃないんだからね!」
青年「ほら、黒ずきんこれをあげるよ」
黒「わぁ…!きれいなお花、いいの?」
青年「うん、君にあげようと摘んだんだから」
黒「あ、ありがとう…ゴニョゴニョ」
青年「ありがとうは笑顔でいうものだよ、たまには笑ってごらんよ黒ずきん」
黒「そんな急に笑えないわよ」
青年「うーん、どうすればいいかな」
黒「こんど会うまで笑顔の練習でもしておくわ」
青年「そうかい、楽しみにしているよ」
黒「それじゃあ青年さん、また明日」
続く
黒ずきん「はぁ、はぁ……。もうすぐ会えるよ……狼さん………」
魔女「本当にいいの? あれほど赤ずきんたちと仲良くしたがっていたというのに」
黒ずきん「無理…だよ………。きっと…どこか別の世界で………赤ずきんと……仲良くしている別の…黒ずきんの………かわりに……わたしが…不幸を背負わなければ………」
魔女「………」
黒ずきん「これは………きっと……………必要な……こと…なの……………………」
魔女「………」
黒ずきん「わたしの…中の……魔女さん………………短い…間……だったけど…………ありが……と…………」
(砂嵐が完全に晴れ、傷つき、虫の息の黒ずきんが見える)
緑ずきん「見えたわ。撃ちながら移動するから、しっかりついてきなさいよね!」
赤ずきん「言われなくてもわかってるわよ!」
魔女「本当にいいの? あれほど赤ずきんたちと仲良くしたがっていたというのに」
黒ずきん「無理…だよ………。きっと…どこか別の世界で………赤ずきんと……仲良くしている別の…黒ずきんの………かわりに……わたしが…不幸を背負わなければ………」
魔女「………」
黒ずきん「これは………きっと……………必要な……こと…なの……………………」
魔女「………」
黒ずきん「わたしの…中の……魔女さん………………短い…間……だったけど…………ありが……と…………」
(砂嵐が完全に晴れ、傷つき、虫の息の黒ずきんが見える)
緑ずきん「見えたわ。撃ちながら移動するから、しっかりついてきなさいよね!」
赤ずきん「言われなくてもわかってるわよ!」
(黒ずきんの足元を狙って緑ずきんが左手の銃を連射する。銃弾はことごとく外れて大地を穿つ)
緑ずきん(やっぱり……! 何かが弾道を曲げている!)
赤ずきん「何をしているの! 止まって振り向かれたらおしまいよ!」
緑ずきん「……何でもないわよ! 口より先にあなたは足を動かしなさい!」
(連射と銃弾の再装填をしながら黒ずきんの周囲を旋回する)
緑ずきん(言えるわけがない……『銀の銃弾も逸らされるかもしれない』なんて……。それに、今から作戦変更は不可能に近い……)
赤ずきん「あなたが何を迷ってるか知らないけど……」
緑ずきん「………」
赤ずきん「私は、私と、この銃と、あなた――緑ずきんを信じるわ」
緑ずきん「……さりげなく私を最後に置きましたね……」
赤ずきん「眼がちゃんと見えてればあなたなんか捨て駒の一つなんだから、この順位は妥当よ」
緑ずきん「……ふん。いちいち癇に障る……。そろそろ背中――心臓に確実に当てられる位置よ」
緑ずきん(おかしい……。逃げるか、向かってくるかすると思ったのに、振り向きもしない……)
赤ずきん「……どうしたの? まだ迷っているの?」
緑ずきん「いや……黒ずきんの様子がおかしい……まるで動かないのよ。まさかもう死んでるとかないでしょうね」
赤ずきん「この国の伝承では、魔女は銀の銃弾で撃たれて灰になって死ぬとあるわ。肉体を維持したまま立往生なんて気持ち悪い真似するわけがないわ」
黒ずきん「赤ずきん……緑ずきん………そこに……………いる…の…………?」
赤ずきん・緑ずきん「……!!」
緑ずきん(やっぱり……! 何かが弾道を曲げている!)
赤ずきん「何をしているの! 止まって振り向かれたらおしまいよ!」
緑ずきん「……何でもないわよ! 口より先にあなたは足を動かしなさい!」
(連射と銃弾の再装填をしながら黒ずきんの周囲を旋回する)
緑ずきん(言えるわけがない……『銀の銃弾も逸らされるかもしれない』なんて……。それに、今から作戦変更は不可能に近い……)
赤ずきん「あなたが何を迷ってるか知らないけど……」
緑ずきん「………」
赤ずきん「私は、私と、この銃と、あなた――緑ずきんを信じるわ」
緑ずきん「……さりげなく私を最後に置きましたね……」
赤ずきん「眼がちゃんと見えてればあなたなんか捨て駒の一つなんだから、この順位は妥当よ」
緑ずきん「……ふん。いちいち癇に障る……。そろそろ背中――心臓に確実に当てられる位置よ」
緑ずきん(おかしい……。逃げるか、向かってくるかすると思ったのに、振り向きもしない……)
赤ずきん「……どうしたの? まだ迷っているの?」
緑ずきん「いや……黒ずきんの様子がおかしい……まるで動かないのよ。まさかもう死んでるとかないでしょうね」
赤ずきん「この国の伝承では、魔女は銀の銃弾で撃たれて灰になって死ぬとあるわ。肉体を維持したまま立往生なんて気持ち悪い真似するわけがないわ」
黒ずきん「赤ずきん……緑ずきん………そこに……………いる…の…………?」
赤ずきん・緑ずきん「……!!」
赤ずきん「動かないで! 動いたら特製の銀の銃弾をお見舞いするわよ! 動かなくても撃つけど!」
緑ずきん「察知されちゃったじゃないの……。どーすんのよ……」
赤ずきん「こーなりゃヤケだわ。乾坤一擲の勝負に……」
黒ずきん「聞いて………赤ずきん…………。わたし………もう眼が見えないの………体もほとんど……動かせない…………」
赤ずきん「はっ、ざまァないわね。このままくたばってくれれば嬉しいんだけど」
黒ずきん「話が……したいの…………もっと…近くに…………」
緑ずきん「罠よ! 赤ずきん耳を貸しちゃ駄目!」
魔女「さっきから鬱陶しいわねぇあなた。ちょっとそこで眠ってなさいな」
緑ずきん(何だ……? 黒ずきんの声音がちょっと変わったような……。……っ!)
(黒ずきんの背中越しに衝撃波が発せられ、緑ずきんを弾き飛ばす)
赤ずきん「緑ずきんっ! あなた……よくも緑ずきんを……ッ」
黒ずきん「ごめん…なさい…………。でも…気絶…してる……だけだから………」
赤ずきん「黙りなさい! くっ……眼がちゃんと見えていれば、この距離からでも心臓を撃ち抜いてやるのに!」
黒ずきん「眼が……見えないの…………?」
赤ずきん「あなたの御蔭でね! ちょっと霞む程度よ! このくらい、あなたを殺すのに差し支えたりしないんだから!」
黒ずきん「……ごめん……な……さい…………。でも…もっと……謝らなくちゃ……いけないことが………。だから…………もっと……近くに…………。あなたを…………傷つけたり…は…………しない………か…ら……」
緑ずきん「察知されちゃったじゃないの……。どーすんのよ……」
赤ずきん「こーなりゃヤケだわ。乾坤一擲の勝負に……」
黒ずきん「聞いて………赤ずきん…………。わたし………もう眼が見えないの………体もほとんど……動かせない…………」
赤ずきん「はっ、ざまァないわね。このままくたばってくれれば嬉しいんだけど」
黒ずきん「話が……したいの…………もっと…近くに…………」
緑ずきん「罠よ! 赤ずきん耳を貸しちゃ駄目!」
魔女「さっきから鬱陶しいわねぇあなた。ちょっとそこで眠ってなさいな」
緑ずきん(何だ……? 黒ずきんの声音がちょっと変わったような……。……っ!)
(黒ずきんの背中越しに衝撃波が発せられ、緑ずきんを弾き飛ばす)
赤ずきん「緑ずきんっ! あなた……よくも緑ずきんを……ッ」
黒ずきん「ごめん…なさい…………。でも…気絶…してる……だけだから………」
赤ずきん「黙りなさい! くっ……眼がちゃんと見えていれば、この距離からでも心臓を撃ち抜いてやるのに!」
黒ずきん「眼が……見えないの…………?」
赤ずきん「あなたの御蔭でね! ちょっと霞む程度よ! このくらい、あなたを殺すのに差し支えたりしないんだから!」
黒ずきん「……ごめん……な……さい…………。でも…もっと……謝らなくちゃ……いけないことが………。だから…………もっと……近くに…………。あなたを…………傷つけたり…は…………しない………か…ら……」
夜
狼「お、黒ずきん…クンクン」
黒「狼さんこんばんは、どうかしたの?」
狼「何だか慣れない匂いがするな」
黒「きっとこのお花だわ」
狼「綺麗な花だな」
黒「そうだねー、エヘヘ」
狼「なんだ、妙に今日は嬉しそうだな何かあったのか?」
黒「べ、別に何もないわ!」
狼「ふーん、…まあいいけど」
次の日
狼「ふぁー、いい朝だぜ!…黒ずきんは今日も野宿か
あの花よっぽど気に入ってたんだな、持ったまま寝てらぁ…」
黒「ふぁ…あ、朝か…」
狼「少し萎れてきてるな、あの花。そういや崖の端の方に綺麗な花があったよな」
黒「お花…枯れてきちゃったな」
狼「…取ってきてやるか」
続く
狼「お、黒ずきん…クンクン」
黒「狼さんこんばんは、どうかしたの?」
狼「何だか慣れない匂いがするな」
黒「きっとこのお花だわ」
狼「綺麗な花だな」
黒「そうだねー、エヘヘ」
狼「なんだ、妙に今日は嬉しそうだな何かあったのか?」
黒「べ、別に何もないわ!」
狼「ふーん、…まあいいけど」
次の日
狼「ふぁー、いい朝だぜ!…黒ずきんは今日も野宿か
あの花よっぽど気に入ってたんだな、持ったまま寝てらぁ…」
黒「ふぁ…あ、朝か…」
狼「少し萎れてきてるな、あの花。そういや崖の端の方に綺麗な花があったよな」
黒「お花…枯れてきちゃったな」
狼「…取ってきてやるか」
続く
赤ずきん「………」
(静々と、しかし油断なく歩み寄る赤ずきん。黒ずきんの背後を取る)
赤ずきん「この辺でいいかしら。心臓を狙ってるから、おかしな真似をしたらすぐに灰にしてやるわよ」
黒ずきん「うん………」
赤ずきん「で、話とか謝ることって何よ? 『生まれてきてごめんなさい』とか下らないこと言ったらブチ殺すわよ?」
黒ずきん「………わたしの…所為で………みんなを苛立たせて…しまって、……ごめんなさ…い………。……本当は………村を出て行けば…よかったんだろうけど……、わたし……、どうしても………みんなと…仲良くしたくて………」
赤ずきん「………」
黒ずきん「わたし…………不器用…だから……うまく…いかない……けど………、時間をかければ…きっと……仲良くなれると思って……」
赤ずきん「……無理よ。魔女と仲良くできるわけないでしょう」
黒ずきん「そう……、無理…だったの………。知らなかった…の………。まさか……自分が…魔女…………だったなんて……。」
赤ずきん「………」
黒ずきん「……でも、魔女だって……わたしに…教えなかったのも…………、魔女の…噂を……流さなかったのも………、赤ずきんなりの…気遣い……、優しさ…だったんだよね…………」
赤ずきん(え……そんなこと考えもしなかったわよ……。騒ぎを大きくせず、内輪で始末をつけようとしただけなのに……。でも本当のこと言って逆上させたらヤバいから……黙っておきましょう)
黒ずきん「ごめんなさい……早く…村を出ていた………なら、これほどの……大騒ぎに…は……ならなかった……だろうし……、赤ずきん…たちの……手を…煩わせることも……なかっただろうの…に……」
赤ずきん「……どうしてよ」
黒ずきん「…………?」
赤ずきん「どうして自分を責めるのよ?! あんたが悪いのに、こっちが悪者みたいじゃない!」
黒ずきん「赤ずきんは…………悪く…ない……よ……。わたしは……魔女…だから…………」
赤ずきん「そうよ! 私は悪くない! あなたがっ! あなたさえ魔女でなければ! 仲良くできたのに……ッ!」
赤ずきん(あれ……? 私なにを……)
黒ずきん「………」
赤ずきん「母と祖母はあなたを魔女と確信してたから、二人の前では仲良くできなかったの……。私の腰巾着のあの子達も、私が黒ずきんと仲良くしないよう監視するために二人がつけた、仮初の友人よ」
黒ずきん「……それは…本当………なの…………?」
赤ずきん「ほ……本当よ! でも、どうしても監視を外せないから、諦めてあなたを強引に村から追い出そうとしたのよ。……緑ずきんに脅させてね」
赤ずきん(くっ……なんという嘘を……。言っていて我ながら心が痛むわ……。……本当は……仲良く……したかった……?)
黒ずきん「そう……だったの……」
赤ずきん「ま、まさか崖から落ちるなんて思わなかったのよ! あと魔女として覚醒するとかも! この銃だってたまたま持っていただけなんだからね! か、勘違いしないでよね!」
赤ずきん(ああー! もう何を言っているのかわからない!)
黒ずきん「………もう……いい…………」
赤ずきん(バレた―――――――――!?)
(静々と、しかし油断なく歩み寄る赤ずきん。黒ずきんの背後を取る)
赤ずきん「この辺でいいかしら。心臓を狙ってるから、おかしな真似をしたらすぐに灰にしてやるわよ」
黒ずきん「うん………」
赤ずきん「で、話とか謝ることって何よ? 『生まれてきてごめんなさい』とか下らないこと言ったらブチ殺すわよ?」
黒ずきん「………わたしの…所為で………みんなを苛立たせて…しまって、……ごめんなさ…い………。……本当は………村を出て行けば…よかったんだろうけど……、わたし……、どうしても………みんなと…仲良くしたくて………」
赤ずきん「………」
黒ずきん「わたし…………不器用…だから……うまく…いかない……けど………、時間をかければ…きっと……仲良くなれると思って……」
赤ずきん「……無理よ。魔女と仲良くできるわけないでしょう」
黒ずきん「そう……、無理…だったの………。知らなかった…の………。まさか……自分が…魔女…………だったなんて……。」
赤ずきん「………」
黒ずきん「……でも、魔女だって……わたしに…教えなかったのも…………、魔女の…噂を……流さなかったのも………、赤ずきんなりの…気遣い……、優しさ…だったんだよね…………」
赤ずきん(え……そんなこと考えもしなかったわよ……。騒ぎを大きくせず、内輪で始末をつけようとしただけなのに……。でも本当のこと言って逆上させたらヤバいから……黙っておきましょう)
黒ずきん「ごめんなさい……早く…村を出ていた………なら、これほどの……大騒ぎに…は……ならなかった……だろうし……、赤ずきん…たちの……手を…煩わせることも……なかっただろうの…に……」
赤ずきん「……どうしてよ」
黒ずきん「…………?」
赤ずきん「どうして自分を責めるのよ?! あんたが悪いのに、こっちが悪者みたいじゃない!」
黒ずきん「赤ずきんは…………悪く…ない……よ……。わたしは……魔女…だから…………」
赤ずきん「そうよ! 私は悪くない! あなたがっ! あなたさえ魔女でなければ! 仲良くできたのに……ッ!」
赤ずきん(あれ……? 私なにを……)
黒ずきん「………」
赤ずきん「母と祖母はあなたを魔女と確信してたから、二人の前では仲良くできなかったの……。私の腰巾着のあの子達も、私が黒ずきんと仲良くしないよう監視するために二人がつけた、仮初の友人よ」
黒ずきん「……それは…本当………なの…………?」
赤ずきん「ほ……本当よ! でも、どうしても監視を外せないから、諦めてあなたを強引に村から追い出そうとしたのよ。……緑ずきんに脅させてね」
赤ずきん(くっ……なんという嘘を……。言っていて我ながら心が痛むわ……。……本当は……仲良く……したかった……?)
黒ずきん「そう……だったの……」
赤ずきん「ま、まさか崖から落ちるなんて思わなかったのよ! あと魔女として覚醒するとかも! この銃だってたまたま持っていただけなんだからね! か、勘違いしないでよね!」
赤ずきん(ああー! もう何を言っているのかわからない!)
黒ずきん「………もう……いい…………」
赤ずきん(バレた―――――――――!?)
黒ずきん「いいの……もう…………。わたし…は……みんなに……迷惑…を……掛けてしまった………し、こんな体で………生きて…いても……苦しいだけ……。お願い……殺して……。わたしを殺して…………」
赤ずきん「ちょっと! 魔女なんでしょ! 傷くらいなんとかしなさいよ!」
黒ずきん「うん……でも……」
赤ずきん「知ってるのよ! 魔女ってのは強くて、賢くて、なんでもできるって! なんでも……!」
黒ずきん「そう…みたい……。遠くの…声を………聴いたり……、……人の…心を………読んだり……」
赤ずきん「――――――――――――――ッ」
(総身が粟立つ赤ずきん)
赤ずきん(ヤバい、マジでバレてる……! どうする!? どうする私!? 撃つか? 撃っちゃうか?)
黒ずきん「でも……嬉しいの……。嘘でも……わたしに……はじめて……優しい…声を………かけてくれた…………これで……仲直り…………」
赤ずきん「こ、こら! 勝手に納得しないでよ! 私が歪んだ性格直さなきゃ、本当の仲直りにならないじゃないのよ!」
黒ずきん「もう……本当に…時間がない……の………。あなた…に………優しさがない…わけじゃない………ことは…わかったから……」
赤ずきん「なっ……言いたいことはわかるけど腹の立つ言い回し……」
黒ずきん「その…優しさ……を………別の…世界の……自分…に……分けて……あげ…て……」
赤ずきん「何を言ってるのよ!? 意味が全然わからないわよ!」
黒ずきん「………」
赤ずきん「ちょっと、ちょっと、返事をしなさいよ! あなたが底抜けのいい子で、私が悪い子のままじゃ非常に後味が悪いのよ! 返事をしなさいったら!」
(黒ずきん、仰向けに倒れる。赤ずきんは思わず駆け寄る。彼女の聖銃を持った右手を黒ずきんが掴み、胸の――心臓の真上に置く)
黒ずきん「こ…こ…………」
(顔をくしゃくしゃにして、涙を滴らせて歯噛みする赤ずきん)
赤ずきん「……あなたのこと、一生忘れないわ……。私をこんなにも虚仮にした最悪の女として、記憶に刻み付けてやるわ!」
黒ずきん「ありがとう……」
ズドンッッッッッ!
赤ずきん「ちょっと! 魔女なんでしょ! 傷くらいなんとかしなさいよ!」
黒ずきん「うん……でも……」
赤ずきん「知ってるのよ! 魔女ってのは強くて、賢くて、なんでもできるって! なんでも……!」
黒ずきん「そう…みたい……。遠くの…声を………聴いたり……、……人の…心を………読んだり……」
赤ずきん「――――――――――――――ッ」
(総身が粟立つ赤ずきん)
赤ずきん(ヤバい、マジでバレてる……! どうする!? どうする私!? 撃つか? 撃っちゃうか?)
黒ずきん「でも……嬉しいの……。嘘でも……わたしに……はじめて……優しい…声を………かけてくれた…………これで……仲直り…………」
赤ずきん「こ、こら! 勝手に納得しないでよ! 私が歪んだ性格直さなきゃ、本当の仲直りにならないじゃないのよ!」
黒ずきん「もう……本当に…時間がない……の………。あなた…に………優しさがない…わけじゃない………ことは…わかったから……」
赤ずきん「なっ……言いたいことはわかるけど腹の立つ言い回し……」
黒ずきん「その…優しさ……を………別の…世界の……自分…に……分けて……あげ…て……」
赤ずきん「何を言ってるのよ!? 意味が全然わからないわよ!」
黒ずきん「………」
赤ずきん「ちょっと、ちょっと、返事をしなさいよ! あなたが底抜けのいい子で、私が悪い子のままじゃ非常に後味が悪いのよ! 返事をしなさいったら!」
(黒ずきん、仰向けに倒れる。赤ずきんは思わず駆け寄る。彼女の聖銃を持った右手を黒ずきんが掴み、胸の――心臓の真上に置く)
黒ずきん「こ…こ…………」
(顔をくしゃくしゃにして、涙を滴らせて歯噛みする赤ずきん)
赤ずきん「……あなたのこと、一生忘れないわ……。私をこんなにも虚仮にした最悪の女として、記憶に刻み付けてやるわ!」
黒ずきん「ありがとう……」
ズドンッッッッッ!
赤ずきん「はぁ、はぁ……」
(崖下の空気を震わせる轟音に、気絶していた緑ずきんが眼を覚ます。背中越しに赤ずきんに声をかける)
緑ずきん「赤ずきん、無事なのッ?!」
赤ずきん「……平気よ。黒ずきんは仕留めたわ」
緑ずきん「よかった……。怪我はない? 応急手当とか……」
赤ずきん「いらない。私は帰るから、片付けの指揮とか全部頼むわね」
緑ずきん「ちょっとは手伝いなさいよ! って……」
(顔を隠すように覆って駆けてゆく赤ずきん)
緑ずきん「眼、大丈夫なのかな……。それにしても、変な赤ずきん……。あら?」
(黒ずきんの灰が、わずかに湿っていることに気づく)
緑ずきん(……涙?)
(家までの道の途中で、小石につまずき転倒する赤ずきん。流すまいと必死に湛えていた涙が零れてしまう)
赤ずきん「くっ……。なんであんな女のために涙を流すのよ! 黒ずきんのくせに! 黒ずきんのくせに!」
(土に己が拳を何度も何度も打ちつける。拳から血が滴る)
赤ずきん「……ただいま」
母「お帰り赤ずきん。魔女退治は……」
赤ずきん「やりおおせたわ。今日は疲れたから、もう一人にして。晩御飯もいらないから」
母「そ、そう……」
(自分の部屋で拳の治療と目の洗浄をおこなう赤ずきん。水を張った盥に映る自分の顔が、今際の黒ずきんの顔に見えて狼狽する)
赤ずきん(……何よ! このくらいの悲しい出来事なんて、簡単に乗り越えてやるんだから!)
(崖下の空気を震わせる轟音に、気絶していた緑ずきんが眼を覚ます。背中越しに赤ずきんに声をかける)
緑ずきん「赤ずきん、無事なのッ?!」
赤ずきん「……平気よ。黒ずきんは仕留めたわ」
緑ずきん「よかった……。怪我はない? 応急手当とか……」
赤ずきん「いらない。私は帰るから、片付けの指揮とか全部頼むわね」
緑ずきん「ちょっとは手伝いなさいよ! って……」
(顔を隠すように覆って駆けてゆく赤ずきん)
緑ずきん「眼、大丈夫なのかな……。それにしても、変な赤ずきん……。あら?」
(黒ずきんの灰が、わずかに湿っていることに気づく)
緑ずきん(……涙?)
(家までの道の途中で、小石につまずき転倒する赤ずきん。流すまいと必死に湛えていた涙が零れてしまう)
赤ずきん「くっ……。なんであんな女のために涙を流すのよ! 黒ずきんのくせに! 黒ずきんのくせに!」
(土に己が拳を何度も何度も打ちつける。拳から血が滴る)
赤ずきん「……ただいま」
母「お帰り赤ずきん。魔女退治は……」
赤ずきん「やりおおせたわ。今日は疲れたから、もう一人にして。晩御飯もいらないから」
母「そ、そう……」
(自分の部屋で拳の治療と目の洗浄をおこなう赤ずきん。水を張った盥に映る自分の顔が、今際の黒ずきんの顔に見えて狼狽する)
赤ずきん(……何よ! このくらいの悲しい出来事なんて、簡単に乗り越えてやるんだから!)
その後……。
郷土の英雄・聖女と讃えられた赤ずきんは塞ぎがちな生活を続けたが、生死を共にした緑ずきんがこれを支えた。
二人とも他家に嫁ぐということもなく、主人と従者として、仲睦まじく暮らしたという。
黒ずきん終焉の地である崖に築かれた陵墓「頭巾塚」には、彼女たち二人のほか訪れる者は一人もいない。
一方、黒ずきんによって無理矢理巻き戻された世界では……。
黄ずきん「やあ、赤ずきんに狼じゃないか。ちょうどカレーができたとこなんだ。ちょっと食べていってよ」
赤ずきん「あら、じゃあご馳走になろうかしら」
狼「なんだい? 俺も飯に誘ってくれるのか? 珍しいな」
緑ずきん「赤ずきんじゃないの。悪いけど、先にいただいてるわよ」
赤ずきん「あっ、ズルいわよ。私もいただきまーす」
狼「おうおう、俺にも食わせろよ」
黄ずきん「たっぷりあるけど、一晩寝かせた二日目のカレー食べたいから食べ過ぎないでね」
緑ずきん「意地汚いわねぇ……」
赤ずきん「何? この肉。なんか珍しい……あまり食べたことのないような味だけど」
狼「ほんとだ。なんだこりゃ?」
黄ずきん「あー、それ? 狼。今日は狼カレー」
狼「な、なんだってー」
赤ずきん「あーあ、走って逃げていっちゃったわよ。仲良くしたかったのに」
緑ずきん「私も射撃の練習相手として付き合ってもらいたかったのになー」
黄ずきん「はー今度は人肉カレーにトライしたいなー」
黒ずきん(霊体)「はぁ、だめだ……みんなちょっとおかしいままだ……。でも、わたしがちゃんと守るからね! 狼さん!」
~fin~
郷土の英雄・聖女と讃えられた赤ずきんは塞ぎがちな生活を続けたが、生死を共にした緑ずきんがこれを支えた。
二人とも他家に嫁ぐということもなく、主人と従者として、仲睦まじく暮らしたという。
黒ずきん終焉の地である崖に築かれた陵墓「頭巾塚」には、彼女たち二人のほか訪れる者は一人もいない。
一方、黒ずきんによって無理矢理巻き戻された世界では……。
黄ずきん「やあ、赤ずきんに狼じゃないか。ちょうどカレーができたとこなんだ。ちょっと食べていってよ」
赤ずきん「あら、じゃあご馳走になろうかしら」
狼「なんだい? 俺も飯に誘ってくれるのか? 珍しいな」
緑ずきん「赤ずきんじゃないの。悪いけど、先にいただいてるわよ」
赤ずきん「あっ、ズルいわよ。私もいただきまーす」
狼「おうおう、俺にも食わせろよ」
黄ずきん「たっぷりあるけど、一晩寝かせた二日目のカレー食べたいから食べ過ぎないでね」
緑ずきん「意地汚いわねぇ……」
赤ずきん「何? この肉。なんか珍しい……あまり食べたことのないような味だけど」
狼「ほんとだ。なんだこりゃ?」
黄ずきん「あー、それ? 狼。今日は狼カレー」
狼「な、なんだってー」
赤ずきん「あーあ、走って逃げていっちゃったわよ。仲良くしたかったのに」
緑ずきん「私も射撃の練習相手として付き合ってもらいたかったのになー」
黄ずきん「はー今度は人肉カレーにトライしたいなー」
黒ずきん(霊体)「はぁ、だめだ……みんなちょっとおかしいままだ……。でも、わたしがちゃんと守るからね! 狼さん!」
~fin~
これでスッキリだぜ
みんな支援してくれてありがとう。書いてて楽しかったぜ
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