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    元スレモバP「フリーハグだァッ!! ぐへへへへ」

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    51 = 1 :



    「……」

    藍子「……」

    未央「……」

    「……」ソワソワ


    (ポジパ+俺で輪になって手をつないでいる)

    (なんかの儀式っぽい)

    52 = 1 :



    「」チラッ

    「?」

    (……茜、手がめっちゃ熱いな)

    (しかも、がっつり握り返してきてる)

    (どうしよう、手汗かかないか心配だ……)


    「」チラッ

    藍子「?」

    (……藍子の手は、小さいな)

    (こっちは茜と比べると控えめで)

    (お手してるみたいな優しい握手だ)


    未央「……」ジー

    (対面の未央は――)

    未央「……! ……!」パクパク

    (なんか口パクしてきてる)

    (……悪口言われてる気がする)

    53 = 1 :


    「……」

    藍子「……」

    未央「……」

    「……」


    「……」

    (確かに、ただ握手するだけでも効果はあるかもな)

    (この状況、最初は違和感しかなかったけど)

    (慣れてくると、藍子や茜と"繋がってる"感が強くなってきた)

    (直接手をつないでいるわけじゃないけど)

    (未央とも通じ合えている気がする……)

    (握手のパワー、すごい)

    (なんていうか)

    (肩から力が抜けていく)

    (そうか、これが)

    54 = 1 :



    (ゆる)


    (ふわ――)

    55 = 1 :



    ――――
    ――

    56 = 1 :



    ガバッ


    「はっ!」

    57 = 1 :


    ちひろ「起きましたか」

    「お、俺は一体……」

    ちひろ「びっくりしましたよ」

    ちひろ「Pさん、いきなり寝ちゃうんですから」

    「寝た?」

    「あれ? ポジパの三人は?」

    ちひろ「もうとっくに仕事に行きましたよ」

    ちひろ「まったく、大変だったんですからね」

    「……状況が把握できない」

    58 = 1 :


    ちひろ「みんなで手をつないでいたじゃないですか」

    「それは覚えてます」

    ちひろ「そしたらPさんが船をこぎ始めたんですよ」

    ちひろ「電車で寝てる人みたいに首をかっくんかっくんし始めて」

    ちひろ「三人ともそれ見て笑ってましたよ」

    「なんてこった」

    「あまりにゆるふわな空間だったもんだから……」

    ちひろ「それだけならよかったんですけどね」

    ちひろ「Pさん、終いには倒れ込んじゃったんですよ」

    ちひろ「未央ちゃんに覆いかぶさるようにしてね」

    「へ?」

    59 = 1 :


    ――――――――――――――――――――――――――

    未央「ほらほらPさんっ! 寝るなら仮眠室でね!」

    「うむ……む」

    未央「ほら立って! 歩ける?」

    「ゆるふわだ……ゆるふわ」フラフラ

    未央「あーあ、うわごと言っちゃってるよ」

    藍子「だ、大丈夫でしょうか」

    「私、肩をかしますよっ!」

    未央「Pさんでっかいからなー……茜ちんより私がやった方がよさそう」

    未央「Pさん、腕こっち回して! できる?」

    「……」

    未央「Pさ――」

    フラッ

    藍子「あ」

    「あ」

    未央「え」

    ガバッ

    未央「へ?」

    「……」

    ギュッ

    未央「ちょ」

    「……」

    「……未央」ボソ

    未央「」

    ――――――――――――――――――――――――――

    60 = 1 :


    「やばい」

    「鳥肌立った、やばいやつじゃないですかそれ」

    ちひろ「ほんとですよ」

    ちひろ「具体的には言いませんけど」

    ちひろ「有らん限りの罵詈雑言を吐いてましたよ、未央ちゃん」

    「次会ったとき土下座確定ですね」

    「誠心誠意、謝罪いたします……」

    ちひろ「そうしてください」

    「でも、仮眠室にいるってことは」

    「なんだかんだ、ここまで運んでくれたんですね」

    ちひろ「三人で頑張ってました」

    ちひろ「未央ちゃんもぷんすかいいながら協力してましたよ」

    ちひろ「ぽこぽこPさんの肩をたたいてましたけどね」

    「優しいかよ」

    「今度何かおごってやることにします」

    ちひろ「そうしてください」

    61 = 1 :


    「とはいえ、意識を失うとは」

    「とんだ不覚を打ちました」

    「アイドルの精神的ケアがどうのと言ってましたけど」

    「本人がこんなになってちゃ世話無いですね」

    ちひろ「フリーハグと銘打っておきながら」

    ちひろ「ハグされる側が癒されちゃってますからね」

    「面目ねえことです」

    「でも、次こそは汚名返上してやりますよ」

    ちひろ「……まだやるんですか?」

    「このままじゃ終われないでしょう」

    「だって、まだキュートのアイドルが来てないんですよ!」

    ちひろ「は?」

    「キュートのアイドルが来るまでは……」

    「キュートのアイドルのハグをもらわぬことには」

    「終わるに終われませんよ!」

    「頼む、頼むぞー! きてくれー!」

    ちひろ「……」

    「なにか?」

    ちひろ「いえ」

    62 = 1 :



    ガチャッ


    「お」


    仁奈・薫・千枝「「「ただいまーっ!!」」 でごぜーますよ!」


    「わ?」

    63 = 1 :


    「年少組か」

    「意外なところだ」

    「せんせぇ、ただいまーっ!」

    「はいお帰り」

    「三人とも、仕事終わり?」

    仁奈「そうでごぜーます!」

    仁奈「いっぱいほめてもらったですよ!」

    千枝「えへへっ、"良かったよ"って言ってもらえましたっ」

    「ほおー」

    「だいぶ好印象だな」

    「先方にお世話になりましたメール送っとかなきゃな」

    仁奈「ぷろでゅーさーもほめてくだせー!」

    「もちろん褒めるぞ」

    「だが今日はちょっと趣向を変えてだな」

    「こういうキャンペーンをやってるんだ、今」サッ

    仁奈「んー?」

    「なぁにーこれーっ?」

    千枝「えっと……」

    千枝「"ふりーはぐ"、であってますか?」

    「えっ」

    「千枝読めるの」

    千枝「あの、意味は分からないんですけど……」

    「すっご」

    64 = 1 :


    仁奈「ふりーはぐって、なんだー?」

    「要するにな」

    「ぎゅーってすることだ」

    「俺は今日だけ、ぎゅーってし放題なんだ」

    「えっ!」

    「せんせぇにぎゅーってしてもらえるの!」

    仁奈「ほんとでごぜーますか!!」

    千枝「……!」

    「もちろんだ」

    「ぎゅーだけじゃない」

    「なでなでだってしてやるぜ」

    「たかいたかいだって、お手の物だ」

    「わあー! やったーっ!!」

    仁奈「ひょえー! ふとっぱらだ-!」

    65 = 1 :


    「さあ、もう言葉はいらないだろう!」

    「全力で来い、二人とも!!」

    「俺の全身全霊をもって受け止めてやる!」

    「いっくよー! せんせぇっ!」

    仁奈「とつげきー! でごぜーますよ!!」


    ダダダダッ


    ドカーン


    「ウワー!!」


    バターン


    千枝「あわわ、P、Pさんっ!?」

    66 = 1 :


    「やられたー」

    仁奈「あははっ、ぷろでゅーさーにぶらさがってるですよー!」

    「せんせぇせんせぇ! かおるもやるー!」

    「よーしっ、薫はこっちの腕にぶらさがるといい」

    「いいかーゆらすぞーほれほれー」ユッサユッサ

    仁奈「ひゃー!」

    「こんどは回るぞーほらほらー」クルクル

    「わぁー! 目が回るー!」

    仁奈「ぐーるぐるでごぜーます!」

    「せんせぇ! もっとやってー!」

    「ふふふ」

    「好評なようでなによりだ……ん?」

    千枝「……」ジー

    「……」

    67 = 1 :


    千枝「……あ、あの、Pさん」

    千枝「その……千枝……えと……」

    「……千枝」

    「フリーハグはな」

    「"誰でも"ウェルカムなんだ」

    千枝「えっ?」

    「老若男女問わず、誰だってハグしていいのさ」

    「人種国籍を超えて、誰もが愛と平和を叫ぶことができる」

    「それがフリーハグの精神だからな」

    「もちろん、千枝だって例外じゃない」

    千枝「……!」

    「千枝ちゃんも、いっしょにやろー!」

    仁奈「あったけー気持ちに、なるですよー!」

    「俺の心配ならいらないぞ」

    「三人同時にだって、へっちゃらだ」

    「なぜなら俺は、みんなのプロデューサーだからな!」

    千枝「……はいっ!」

    千枝「Pさん、千枝、ちょっと大胆になります!」

    「しゃあ!」

    「どんと来い!」

    68 = 1 :



    千枝「いきますっ! Pさんっ!」

    千枝「千枝のこと、受け止めてくださいっ――!」



    69 = 1 :




    70 = 1 :



    ――――
    ――

    71 = 1 :



    「――終わりよければ、すべてよし」

    「最後のは、文句ないんじゃないですか?」

    「みんな、満足してくれたみたいですしね」


    72 = 1 :



    ちひろ「……まあ、そうですね」

    ちひろ「Pさんの言う"温もり"とやら、わかった気がしますよ」

    「ああいうのがやりたかったんですよね」

    「それまでは振り回されてばっかりだったけど」

    「最後の最後であったけえ気持ちになれました」

    「年少組には感謝しなくちゃいけませんね」

    ちひろ「企画倒れにならなくてすみましたしね」

    ちひろ「結局、キュートのアイドルは誰一人来ませんでしたけどね」

    「……」

    「そればかりが心残りだ……」

    「後一日くらい延長しようかな」

    ちひろ「今度はもう許可しませんよ」

    ちひろ「本当に今日だけの特別でしたからね」

    「ええー」

    「せっかくこんなプラカード作ったのに……」

    73 = 1 :


    ちひろ「それじゃ、私はそろそろ」

    「あっはい」

    「お疲れさまです」

    ちひろ「戸締まりだけはきちんとしてくださいね」

    ちひろ「電気はどうします?」

    「消しちゃっていいですよ」

    「机に明かりついてるんで、大丈夫です」

    ちひろ「わかりました」

    ちひろ「それじゃあ、失礼しますね」

    「……」ジー

    ちひろ「……なんですか?」

    「ちひろさん、このフリーハグですが」

    「これ別に、アイドル限定ってわけではないんですよ」

    ちひろ「そうですか」

    ちひろ「では」


    ガチャ


    バタン


    「つれねえ」

    74 = 1 :



    ――


    カタカタ…


    カタカタ…


    「なんやかんやあっても」

    「最後は一人か」

    「そんなもんよね」

    「よっしゃ、さっさと終わらせて――」


    ガチャッ


    「?」

    「ちひろさん?」

    「忘れ物でも――」


    ??「――振り向かないで」

    ??「そのまま、前だけ見てて」


    「」

    「凛、か」

    75 = 1 :


    「当たり、すごいね」

    「声だけでわかるんだ」

    「そりゃお前」

    「何年この仕事やってると……」

    「ってそうじゃない」

    「なんでここに凛がいるんだ」

    「加蓮と奈緒がうるさくてさ」

    「私はいいって言ってるのに」

    「行かなきゃ絶対後悔する、なんて言うんだよね」

    「……」

    「今日一日、限定だったよね」

    「……まだ、大丈夫?」

    「……もちろん」

    「お好きなように、どうぞ」

    76 = 1 :


    「動かないでね、プロデューサー」

    「本当にそのまま、前だけ見ていればいいから」

    「うん」

    「……」

    「それじゃ」

    「いくよ」


    フワッ


    ギュッ


    「……」

    (まさか、後ろからとは)

    (ぜんぜん想像してなかった)

    (こういうの、なんつったっけ)

    (あー、そうだ)

    ("あすなろ抱き"、だこれ)

    「……大丈夫?」

    「うん、大丈夫」

    77 = 1 :



    「……」

    「……」


    (凛の顔が、すぐ横にある)

    (長い髪に隠れて、表情は見えない)

    (いい匂いがする)

    (首に回された、凛の腕)

    (結構、力強い)

    (……)

    (静かだ)

    (互いの吐息すらも、聞こえてきそうだ)

    78 = 1 :



    「……」

    「……」


    ギュー


    79 = 1 :



    「……プロデューサー」

    「うん?」

    「私たちが行った後、どうだった?」

    「他にも誰か、やってくれる人いた?」

    「……うん、まあ」

    「ぼちぼちだったよ」

    「何、それ」

    「年少組には好評だったけどな」

    「それくらいさ」

    「まともにやってくれたのは、そんなにだな」

    「……ふーん」

    「そうなんだ」


    ギュー


    (露骨に力入れてきたな)

    80 = 1 :


    「……聞いていい?」

    「どうぞ」

    「なんで、こんなことしようとしたの?」

    「……なんでだろな」

    「半分は下心だろうな」

    「現役アイドルからハグもらえたら、うれしいだろ?」

    「そう?」

    「そうさ」

    「今も?」

    「今も」

    「……そっか」

    「残り、半分は?」

    81 = 1 :


    「後は、三割くらいウケ狙いだよな」

    「セクハラだのいわれるのも、想定内だったし」

    「ちょっと面白いかなってさ」

    「……」

    「後は?」

    「残りは、そうだな」

    「他は全部、純粋な気持ちからだよ」

    「"温もり"なんつーもんが本当にあるかは怪しいところだけど」

    「もしハグすることで、少しでも誰かの救いになるのなら」

    「やってみるのも悪くないなって思ってな」

    「……」

    「効果は、あった?」

    「……」

    82 = 1 :



    (真っ暗な事務所の中)

    (俺と凛だけがぼんやり照らされている)

    (辺りは静寂)

    (物音一つしない)

    (二人だけの空間)

    (だけど、不思議と寂しさはない)

    (まあ、これはきっと、そういうことなんだろうな)


    「効果は、あったよ」

    「なんとなく、だけどな」

    83 = 1 :




    「――なんとなく、優しい気持ちになれた気がするよ」




    終わり

    84 = 1 :



    PCSにおかれましては、皆様の脳内で補完していただきたく……


    html依頼してきます

    85 :

    なんだよこの気持ちは
    すごく言葉に表せない幸せな気持ちだ
    おつおつ

    86 :


      心

      か

    87 :


    安らぎを感じた

    88 :

    そ、そこまでやってくれるのか……PCS(脳内

    89 :

    オチはまゆかと思ってたから意外な展開

    90 :

    蘭子アーニャ楓幸子「須賀Pとハグしたかった」

    千川ちひろの大便「」チーン

    須賀P「げ下痢弁が死んでる」

    「死体終了所に運びますね」

    西條P「ちひろ何てアイテムケチるBBAだろ」

    本田未央と前川みくが被りました須賀Pは如何しますか

    91 :

    スレタイからの落差しゅごいね…乙乙

    92 :

    アイドルのデレはこれくらいが好みかも


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