元スレオタク「密かに憧れていた委員長がアダルト雑誌を立ち読みしようとしてる」
SS+覧 / PC版 /みんなの評価 : ○
101 = 94 :
―翌日 教室―
オタク(昨日のことが夢みたいだったな。あれから結局、家のトイレ使えないし。僕って相当キモイよな……)
委員長「おはよう」
オタク「お、おはようございます」
委員長「(昨日はありがとう)」ボソッ
オタク「え……」
委員長「ふふっ」
「おはよー」
委員長「あ、おっはよー」
「昨日のドラマ、みたー? 主役ちょーイケメンだったよね」
委員長「みたみたー。確かにイケメンだったね」
「あんな人、どっかにいないかなぁ」
委員長「居ても付き合えないよ」
オタク「……」
オタク(遠くにいるような感じだった委員長が少しだけ身近にいる気がしてきた)
102 = 94 :
―数日後 夜 自宅―
オタク「んー……。そろそろ寝ようかな」
オタク「……」
オタク(明日、委員長くるのかな。あのケースに入った成年誌を読みに)
オタク(また5日ぐらいはトイレ使えなくなるな、僕)
ピンポーン
オタク「ん? こんな時間に誰だろう」
母『はいはーい』
オタク「宅急便かな」
母『ちょっとー、あんたにお客さんよー』
オタク「は?」
オタク(誰だ……。僕に友達なんていないけど)
母『すっごい美人な女の子がいるけど、もしかしてあの子が彼女なの? きゃー、お母さん、鼻がたかいわぁ』
オタク「な……!? ちがう!! 多分、プリントを持ってきてくれたクラスの委員長だよ!!」
母『そうなの?』
103 = 94 :
委員長「あ、ごめんなさい。こんな夜分に」
オタク「ど、どうしたの?」
母「どうぞ、上がってください」
委員長「い、いえ!! すぐに用事は終わりますので!!」
母「そう?」
オタク「あの……」
委員長「……」スッ
オタク(なんだ……? この紙袋……)
委員長「また、明日。えっと、お昼の1時ぐらいにお邪魔してもいい?」
オタク「え? うん。勿論、いいけど」
委員長「それじゃ、また明日」
オタク「あ、この中身って……」
委員長「……買っちゃった」
オタク「まさか……」
委員長「露出調教アカデミー……」モジモジ
104 = 94 :
オタク「おぉぉぉ……。って、お金は……?」
委員長「貴方に借りていた1000円と、今月のお小遣いをちょっとだけ足したの」
オタク(あぁ……なるほどなぁ……。だから1000円札はそのまま持って行ったんだ)
委員長「あと、はい。今月の返済分」
オタク「うん、確かに100円貰いました」
委員長「……どうしても買いたかったの」
オタク「し、知ってる知ってる。これ、仕舞っておかないと。ケースもってくるよ」
委員長「いいよ。仕舞うのは明日で」
オタク「い、いや、でも」
委員長「鍵、持ってきてないし」
オタク「えぇぇ!? だ、だめだよ!! もしも僕が、その、あの……」
オタク(欲望に負けて触ったらとか言えるわけないじゃないか!!!)
委員長「それじゃあ、明日ね」
オタク「ああぁ……」
オタク(ど、どうしよう……こんなの渡されても困るんだけどな……)
105 = 94 :
母「ホントに帰っちゃったの?」
オタク「うん」
母「そう。けど、すっごい美人ね。いいじゃない。がんばって」
オタク「いやいや、そんな関係でもないから」
オタク(成年誌を預かり、預けるだけの関係だし)
母「で、あの子は何を持ってきたの?」
オタク「貸していた漫画」
母「あんたが読むような漫画って女の子も読むのね」
オタク「うるさいって」
母「いやー、真面目そうだし、良い子そうよね。お母さん、安心しちゃったわ」
オタク(真面目だし、良い子だけど、成年誌を預けにくるんだよなぁ)
母「どうしたの?」
オタク「べ、別に」
母「変な子」
オタク(とりあえず、この成年誌はどこか奥底に眠らそう。明日まで触れちゃいけないんだ。絶対に)
106 = 94 :
―翌日―
オタク「……」
オタク(一切、手を触れることなく今日を迎えることが出来たぞ……!! 頑張ったな、僕)
ピンポーン
オタク「き、きた……! はーい」
委員長「こんにちは」
オタク「ど、どうぞ」
委員長「お邪魔します。お母さんは?」
オタク「今日も外出してて」
委員長「そう……。昨日、一応のご挨拶はできたけど、きちんとしたかったな」
オタク「気にしなくていいよ」
委員長「気にするよ。実際、迷惑かけちゃってるもん」
オタク「そんなこと……。飲み物、用意するね」
委員長「お構いなく」
オタク(やっぱり動悸が激しくなる……。慣れないよな、二回目程度じゃ)
107 = 94 :
オタク「お待たせ。麦茶だけど」
委員長「ありがとう」
オタク「ちょっと、待って。すぐに取るから」
委員長「ん?」
オタク「はい、これ」
委員長「あ……。どんな内容だった? 興奮した?」
オタク「よ、読んでないし、触ってもないから!」
委員長「そっか」
オタク(はぁ……。まだ信頼はされてないのか)
委員長「先に読んでもいい?」
オタク「ど、どうぞ、どうぞ」
委員長「それじゃあ、遠慮なく」ゴソゴソ
委員長「おぉー!」
オタク(昨日より目がキラキラしてる気がするなぁ。やっぱり委員長って変な趣味があるんじゃあ……)
委員長「あのぉ……お手洗い、借りてもいい……?」
108 = 94 :
オタク「う、うん」
委員長「ありがとう」テテテッ
オタク「はぁー……」
オタク(ソシャゲしとこ。今日、イベントの日なんだよなぁ)
オタク「……」ポチッポチッ
オタク(委員長、僕の家にきたらトイレに行くけど、何してるんだろうな)
オタク(僕にはよくわからないや)ポチポチッ
コンコン
オタク「は、はい」
委員長「……」ガチャ
オタク「ど、どうしたの」
オタク(かなり早いな)
委員長「近くに公衆トレイってある?」
オタク「は? な、なんで?」
委員長「3ページ目で、その、もう、多分、これは我慢できないなって思って……」モジモジ
109 = 94 :
オタク(我慢……!? 何が我慢できないんだ……!? というか前回は我慢したの!?)
委員長「……」モジモジ
オタク「あの、えっと……あるけど……その成年誌、持っていくんだよね……」
委員長「……うん」
オタク「それは、やめておいたほうが」
委員長「どうして?」
オタク「知ってる人に見られたら、どうするの」
委員長「雑誌は隠していくし」
オタク「けど、やめたほうが。変態がいるかもしれない」
オタク(なんで僕は必死に止めようとしているんだろう)
委員長「襲われるかもしれないってこと」
オタク「公衆トイレは何があるかわからないっていうし」
委員長「そっか……」
オタク「気にせずうちのトイレを使ってよ」
委員長「……うん」テテテッ
110 = 94 :
オタク「ふぅー……」
オタク(委員長、もしかして僕が想像しているようなことはしていないのか)
オタク(まぁ、冷静に考えて他人の、それも異性の家でするなんてとんだ変態だもんな)
オタク(委員長は、変態じゃないし。多分、きっと、おそらく)
コンコン
オタク「はい?」
委員長「ダメ!!」
オタク「な、なにがですか」
委員長「この内容、ヤバすぎ! 私一人で読んでたら、絶対に我慢できない!!」
オタク「そ、そうなんですか」
委員長「くっ……こうなったら、恥ずかしいけど……死ぬほど恥ずかしいけど……これしかない……」
オタク「え? え?」
委員長「見ていて欲しい」
オタク「何をですか」
委員長「私が露出調教アカデミーを読んでいるところを見ていて」
111 = 94 :
オタク「は!? ちょ、それは……さすがに……!!」
委員長「お願い。誰かに監視されていないと、自分を抑えられないと思うから」
オタク「ま、待ってよ。それは委員長が恥ずかしいだけじゃないか」
委員長「いいの。思えば、こうしているだけでも女の子としては失格だし」
オタク(それは……たしかに……)
委員長「それにこれも私の罰だから。読んでいるところを見られても仕方ないよ」
オタク「自分から読んでいくのはどうなんだろう」
委員長「お願いします。見ていて」
オタク(委員長は決してふざけているわけじゃない。真剣なんだ。だったら、僕もそれに応えないと……)
オタク「わ、わかった。見ます」
委員長「ありがとう。それじゃあ……」ペラッ
オタク(マジで読み始めたぞ)
委員長「……」
オタク(女の子が成年誌を読む光景……。すごい非現実的だぁ……)
委員長「おぉ……」
112 = 94 :
委員長「……」ペラッ
オタク(この状況、なんだろう。憧れの人がアダルト雑誌を熟読しているとか、リア充の人はどう対応するんだろう)
オタク『委員長?』
委員長『なに?』
オタク『その雑誌に描いてあることを――』
オタク(やめろ!! そんな想像してどうする!! 委員長はそんな変態じゃないだろ!!)
オタク(いや、普通の女の子よりは変態かもしれないけど、僕が思っているほど変態じゃないことは確実だろ!!)
委員長「……」チラッ
オタク(うっ……。こっち見た……!?)
委員長「うぅ……」サッ
オタク(顔を隠した。やっぱり相当恥ずかしいんだろうなぁ)
オタク「い、委員長? 恥ずかしいなら、トイレで……」
委員長「いいの。気を遣わないで、貴方は私のことを見ていて」
オタク「は、はい」
113 = 94 :
委員長「ふぅー……」パタンッ
オタク「よ、読み終わった?」
委員長「……」コクッ
オタク「よ、よかったね」
委員長「あの……」モジモジ
オタク「な、なに?」
委員長「きょうは……もう……帰ってもいい……?」
オタク「え? あ、うん。今日も忙しいんだね」
委員長「来週、今日のお礼はするから!! ごめんなさい!!」
オタク「いいってば、お礼なんて」
委員長「そ、それじゃあ、また明日!!」
オタク「はい」
委員長「うぅ……バイバイ……」タタタッ
オタク「バ、バイバイ……」
オタク(すごい慌てようだったなぁ……)
114 = 94 :
オタク「って、鍵……」
オタク(まぁ、いいか。紙袋にいれておけば、お母さんに見られることもないし)
オタク「……」
オタク(よくよく考えれば、女の子が男の目の前で成年誌を読み始めるなんて奇怪な行動をするかな)
オタク「やっぱりこれは、僕を嵌めようとしている女子グループの計略なのでは……」
オタク「……」
オタク(わけないか。委員長がちょっとだけ、一般的な女子学生よりもほんの少し、平均より僅かに変わった子ってだけだ)
オタク(この雑誌、委員長は一人で買ったんだよなぁ。良く買えたよな)
オタク(一度買えたから、二度目からはそこまで抵抗なかったのかもなぁ)
オタク(僕もそうだったしな)
オタク「片付けよう」
オタク「……」ゴソゴソ
オタク(成年誌読んでるときの委員長、メチャクチャ顔が真っ赤だったな)
オタク(恥ずかしいならやらなきゃいいのに、とは思うけど、見れて嬉しかったのも事実だ)
オタク(僕、変態かもしれないな……)
115 :
ホント最高やな・・・!
116 :
―翌日 教室―
「はよー」
委員長「おはよー」
「早いねー」
委員長「日直だからね」
オタク「……」
オタク(あ、委員長。あ、挨拶しておこうかな)
オタク「お、おはようございます」
委員長「……!」
オタク(あれ……? 聞こえなかったのかな)
オタク「お、おはようございます」
委員長「……」プイッ
オタク「……!?」
オタク(無視された……!? 今、僕、無視された……!?)
オタク(な、なにかしたっけ……。ああ、したな。成年誌読んでいるところを凝視してたな……僕……。いや、でも見ていて欲しいって言われたんだし……)
117 = 116 :
―授業中―
教師「ここでこれを代入することにより――」
オタク「……」
オタク(昨日、言われるままにしたのがダメだったのかな。委員長、本当は止めてほしかったのかもしれないな)
オタク(完全に終わった……。いや、別に何かが始まっていたわけでもないけどさ)
委員長「……」カキカキ
オタク(またこうして委員長と遠くから見つめるだけの毎日に戻ったんだな。でも、僕みたいな奴が委員長と週末を二度も過ごせたことは誇りに思うことにしよう)
オタク「はぁ……」
委員長「……」チラッ
オタク「え……」
委員長「……!」プイッ
オタク(い、いま、こっち見た?)
オタク(今まで授業中に目が合ったことなんてなかったのに……)
オタク(嫌われているわけじゃないのかな……)
委員長「……」カキカキ
118 = 116 :
教師「それでは本日はここまで。ああ、そうだ。先週の課題、集めておいてくれるか」
「あー! 忘れてたー」
「そんなのあったっけー」
教師「ちゃんと言っただろ。忘れたやつは覚悟してろ」
委員長「私が集めて職員室に持っていきます」
教師「いいのか? 悪いが頼む。提出は放課後でも構わないから」
委員長「忘れた人は放課後までにやれば大丈夫だって」
「ちょっと貸してくれー!」
教師「大声で言うなよ。それじゃあ、頼んだ」
委員長「はい」
オタク「……」
オタク(課題か。僕みたいなぼっちは忘れたら終わりだ。見せてくれるような人、いないもんな)
オタク(フッフッフ。ちゃんとやってきてるんだ)
委員長「……」
オタク(あれ? 委員長、またこっち見た? 気の所為かな)
119 = 116 :
―放課後―
委員長「課題の提出、忘れないように」
「まにあったー」
「おねがいしまーす」
委員長「はぁーい」
オタク「あ、あの……これ……おねがいします……」
委員長「待って」
オタク「は、はい?」
委員長「あとで一緒に職員室まで集めた課題を運んでくれる?」
オタク「え? あ、はい」
委員長「ありがとう。みなさん、提出しましたかー」
オタク(な、なんだろう……どうして……)
不良「はやく終わってくれよ。部活に遅刻するだろうが」
委員長「大丈夫みたいね。それじゃあ、掃除当番の人以外は帰ってよし」
「バイバーイ」
120 = 116 :
委員長「これ、もってくれる?」
オタク「う、うん」
オタク(って、これだけの量なら二人で持つ意味がないような)
オタク「僕が全部、持つよ」
委員長「……」
オタク「……」
オタク(無視……!? この距離で……!? なんで!?)
委員長「このあと、時間ある?」
オタク「あ、あるけど」
委員長「少し、付き合って」
オタク「あ、はい」
委員長「……」
オタク(なんか冷たい。委員長って誰にでも温和で優しかったはずなのに)
オタク(誰が委員長を変えちゃったんだ)
オタク(……僕か?)
121 = 116 :
―空き教室―
委員長「入って」
オタク「お、おじゃまします」
オタク(職員室を出て真っ直ぐここまで来たけど、何があるんだ……)
委員長「ねえ」
オタク「は、い?」
委員長「正直、答えて欲しいことがあるわ」
オタク「なんでしょうか……?」
オタク(雰囲気が違うぞ……? なんだか怖い……)
委員長「……」
オタク「……」
委員長「……っ」
オタク「ど、どうしたの?」
委員長「男の子から見て、成年誌を読んでいるところ見られて、あの、その、こ、興奮する女の子って、どう思う……?」
オタク「は?」
122 = 116 :
委員長「どう思うの?」
オタク「ど、どう思うと言われても」
委員長「流石に気持ち悪いって思ったでしょ……。今度こそ完璧に変態だし……」
オタク「ちょっとまって。急にどうしたの?」
委員長「昨日、貴方に監視されながらあの本を読んでいて、なんか、胸がドキドキしっぱなしで……」
委員長「体温をぐんぐん上がるし……顔なんてめちゃくちゃ熱くなるし……」
委員長「本の内容もすっごく良いし!!」
オタク(委員長がどういう女の子なのかここに来て分からなくなってきたぞ!!)
委員長「私って、異常なのかな」
オタク「え、えーと……」
オタク(露出モノをチョイスするあたり、やっぱり羞恥心を刺激されることに何かしらあるのかもしれないな)
委員長「家に帰ったあとでも暫くは体も火照ったままだったし、治まるまで時間がかかるほど私はあの日、感情が昂っていたし」
オタク「そういうこと、男子の前で言わない方が……」
委員長「だからね、ゆっくり考えたの。やっぱりもう貴方の家には行かない方がいいかなって……」
オタク「ま、前にも言ったはずだけど、そんなことで気持ち悪いとは思わないし、寧ろ、それは委員長の魅力になるよ」
123 = 116 :
委員長「恥ずかしいところを見られて興奮するなんて、まるっきり露出狂じゃない」
オタク(なるほど。そういう解釈になるんだ)
委員長「私は、恥ずかしい姿を見られて悦んでなんかいないのに……」
委員長「ただ、成年誌が読みたいっていう欲求があっただけなのに……」
委員長「魅力なの?」
オタク「たぶん……」
委員長「……とことん優しいね」
オタク「正直、その、誰だって変態的な部分はあると思うんですけど」
委員長「貴方にも?」
オタク「あ、あるよ」
委員長「言える?」
オタク「それは……」
委員長「ごめん。言えるわけないよね、そんなこと。ありがとう、話せて少しだけ楽になれたかも」
オタク「な、なにも力にはなれてないけど」
委員長「ううん。こんな話をできるのも、聞いてくれるのも、貴方だけだから」
124 :
読むだけじゃ満足できなくなるのはまだかな
125 :
まだか…待ってるぞ
126 :
同じく待ってます。
127 :
残念
128 :
このジャンルすごい好きなんだけど一応無知シチュに含まれるのかな
それとも調教物?
129 :
もったいない
130 :
まだかな
131 :
ここで終わるのはもったいなさ過ぎる・・・
132 :
オタク(僕だけ……。僕だけだなんて、まるで委員長を独占しているみたいで……幸福感が……)
委員長「それじゃあ、次の日曜日も……お邪魔してもいい……? 成年誌、読みに……」
オタク(委員長はただ僕の家に成年誌を読みにくるだけだけど)
オタク「も、勿論だよ。僕、基本的に暇だし、休みの日だってすることないし、待ってるから」
委員長「うれしい……」
オタク(露出アカデミーを読めることに嬉しがる女の子……。まぁ、嬉しがっているし、これでいいか)
委員長「そろそろ帰らないと。ごめんね、引き留めちゃって」
オタク「き、気にしないってば」
委員長「そうだ! 今度、一緒に……あ、ううん……なんでもない……」
オタク「え? な、なに?」
委員長「いいの。そもそも、もうお金ないし……」
オタク(まさか……)
オタク「ええと、また何か買いたい雑誌でもあるの?」
委員長「もー! いわないでー! こんなの女の子から誘うことじゃないでしょ!!」
オタク(今更なんだよなぁ……)
133 = 132 :
数日後 日曜日
オタク(ドキドキするなぁ。最近、日曜日はいつも緊張してるな僕)
オタク(もうそろそろかな……)
ピンポーン
オタク「き、きた……!」
オタク「は、はぁい」ガチャ
委員長「こんにちは」
オタク「い、いらっしゃい。どうぞ」
委員長「お邪魔します」
オタク「お、お茶でいい?」
委員長「お構いなく」
オタク(やっぱり慣れないなぁ)
委員長「今日も、見ていてくれる? 私が、読んでいるところ……」
オタク「み、見る見る」
オタク(なんだ、この会話は?)
134 = 132 :
委員長「目を逸らさないでね」
オタク「は、はい」
委員長「……」ペラッ
オタク(しっかり、見ていないと)
委員長「うぅ……」
オタク(早速、顔真っ赤になってるなぁ……)
委員長「……っ」モジモジ
オタク(目を逸らすなと言われたし、ここで視線を外す方がいけないことになる)
委員長「うぅぅ……」
オタク(委員長、辛そう。でも、僕だって結構恥ずかしいですから)
委員長「あの……」
オタク「は、はい?」
委員長「これって、貴方の目の前で裸になるより恥ずかしいことかな?」
オタク(どっちだろう。難しい問題だなぁ)
委員長「わたし、このままエスカレートしないか不安になってきちゃった……」
135 = 132 :
オタク「エスカレートって?」
委員長「この漫画にあるの」ペラッ
オタク「み、見せなくていいから!」
委員長「あ、ごめん。ええと、最初は下着を身につけないで夜の街を歩くだけだったのに、それだけじゃ満足できなくなって、昼にも出歩くようになってね」
委員長「次は衣服を身につけないで夜の街を歩いて、最後にはお昼に裸で町中に繰り出すようになるってストーリーなんだけど」
オタク「そ、その話、最後はどうなるの?」
委員長「ええと、主人公の女性が警察に捕まって終わっちゃうの」
オタク(すごい……! 本番のシーンがないとか、本当に露出特化の雑誌なんだ……!!)
委員長「私もこうなるのかな。こうしているだけじゃ満足できなくなって、そのうち……警察に……」
委員長「そうなると、お母さんや妹に迷惑を……かけることに……」
オタク(委員長と同じ理由で悩む女子高生って全国にどれぐらいいるんだろう)
オタク「成年誌を読むってだけだし、エスカレートしてもたかが知れているような」
委員長「最初は立ち読みしようとしているところだけだったのに、いつの間にかこうして男の子の家で、成年誌読んじゃってるんだよ。このままいったら……」
委員長「公園や駅前とか人通りの多いところで読み始めるかもしてないじゃない!」
オタク(多分、警察は動かないと思うけど、変な人は寄ってくるだろうから止めないと)
136 = 132 :
委員長「考えただけでも……ゾクゾクする……」
オタク「えぇ……」
委員長「い、いや!! そうなったら怖すぎて寒気がするって意味だから!!」
オタク「そ、そうなんだ。よかった」
委員長「はぁ……。もし、そうなりそうだったら私の事止めてね」
オタク「う、うん。それは、止めたい」
委員長「こうしているだけで満足できればいいんだけどなぁ……」
オタク(是非ともそうして欲しいけど、この状況に慣れて来たらどうなるんだろう。エスカレートするのかな、やっぱり)
オタク(百歩、いや、千歩譲って委員長が外で成年誌を読む行為に嵌っちゃうのは許容するとして、本当に露出狂になっちゃったら、擁護のしようがない)
オタク(というか、流石に僕も露出狂と化した委員長を見て、今の気持ちを保つ自信はあんまりない)
オタク(なんとか現状で満足してくれるように工夫しないと……)
委員長「自分が怖い……」ペラッ
委員長「おぉぉ……そういう露出もあるんだ……」
オタク(要は現状に慣れてしまうと次の段階に進んでしまうかもしれないってことだから……)
オタク(僕のほうから新しいものを用意する、というのはどうだろう?)
137 = 132 :
委員長「今日もありがとう。たくさん、ドキドキしたわ」
オタク「それはよかった」
委員長「それじゃあ、また明日ね」
オタク「う、うん」
委員長「お邪魔しました」
オタク「バイバイ」
委員長「バイバーイ」
オタク「ふぅ……」
オタク(委員長、新しい雑誌を欲しがっているみたいだし、きっと成年誌二冊だけじゃ物足りないんだろうな)
オタク(かといって、僕が何冊も用意したらそれはそれでキモいし、なにより委員長は嫌がるはずだ)
委員長『私、こんなことをしてほしくて頼んだわけじゃない!』
オタク「ぐらいのことは言いそうだもんな」
オタク「となれば、あれしかない」
オタク「早速、調べてみよう」
138 = 132 :
翌日 学校
委員長「おはよう」
「おはよー」
オタク「……」
委員長「おはよう」
オタク「あ、お、おはよう」
委員長「ねえねえ、今日の体育ってなにするんだっけ」
「バレーボールって言ってたような」
オタク(こ、声をかけてもいいのかな……。いや、だめか……)
委員長「ん? なに?」
オタク「え!? いや、なにも……」
委員長「そう?」
「最近、ホントあの子と良く絡むよね」
委員長「いつも通りだよ」
「うそだー」
139 = 132 :
放課後
オタク(やっぱり話しかけることはできなかったな。委員長の周りにはいつも誰かいるもんな。ムリムリ)
オタク(当日まで秘密にしておこうか……)
委員長「ごめんね、また誘ってー」
「いいよいいよ」
委員長「早く帰らないと」タタタッ
オタク「あ……あの……」
委員長「なに?」
オタク(しまった……。思わず、声をかけちゃった)
委員長「どうかした?」
オタク「あ、その、次の……日曜日……」
委員長「都合、悪い?」
オタク「う、ううん。むしろ、来てほしいんだ。み、見せたいものが……あるから……」
委員長「見せたいものって?」
オタク「い、委員長が喜ぶものを用意してみようかなって思って……」
140 = 132 :
委員長「なにそれ? どういうこと? もしかして、何か買ったの?」
オタク「違うよ。全部、ネットで……」
委員長「ネット……!」
オタク「うん。今日も、探してみるし、日曜までには結構な数になるとは思う」
委員長「そう……なんだ……。私のために」
オタク「あ、あの二冊だけじゃ、いつかは飽きるかなって」
委員長「……」
オタク(あ、あれ? 怒ってる? だ、だめだったのか……)
委員長「……私、急いでるから」
オタク「あ、はい」
委員長「それじゃあ」タタタッ
オタク「……」
オタク(反応、悪かったなぁ……こういうことじゃなかったのか……)
オタク(冷静に考えればキモイよなぁ。普通、用意されて喜ぶって言えばアクセサリーや小物とかだもんな)
オタク(ネットでかき集めたネタなんて、嬉しくないよなぁ……)
141 = 132 :
夜 自室
オタク「……」カチッカチッ
オタク(何やってるんだ、僕。こんなこと意味ないし、やめよう)
オタク「そうだよなぁ。自分から探すのと、他人が探したものを見るのは違うもんな」
オタク「委員長、完璧に不機嫌だったな……。あぁ……失敗したなぁ……」
ピンポーン
オタク「こんな時間になんだろう?」
母『ちょっとー』
オタク「な、なに?」
母「例の女の子よ」
オタク「え!?」
母「やっぱりカノジョなんでしょ? このこのー。自慢の息子めー」
オタク「ち、ちがう!!」
母「ほら、出てあげなさい。あと、泊めちゃダメよ?」
オタク「泊めるわけないだろ!」
142 = 132 :
オタク「は、はい」ガチャ
委員長「夜分……遅く、ごめんなさい……」
オタク「ど、どうしたの……こんな時間に……」
委員長「……とって」
オタク「え?」
委員長「責任、とって」
オタク「せ、せきにん……って……」
委員長「……」モジモジ
オタク(責任……!? 責任ってなんの責任……!? もしかして……!! いや!! 僕は委員長と何もしてないぞ!! ただ委員長が成年誌を読んでいるところを見ていただけだぞ!!)
委員長「貴方がおかしなことを言うから、塾で全然集中できなくて……ずっと頭の中で色んなことがグルグルまわってて……」
オタク「え? え?」
委員長「もしかして、あんなこと? それとも、こんなこと?みたいにどんどん妄想がおおきくなって……」
委員長「だから、責任とってください」
オタク(どう取ればいいんですか……)
委員長「日曜日まで我慢できないのっ」
143 = 132 :
自室
オタク「ええと、実は、ネットでこういうの集めてみようかなって……」カチカチッ
委員長「おぉ……。露出……体験……」
オタク「絵とか写真はないけど、結構過激な内容も多いから」
委員長「うぉぉ……」
オタク(すごい食いついてる……)
オタク「文章ならプリントアウトして本やノートの間に挟んでいれば問題ないしし」
委員長「……!!」
オタク「あ、その、漫画とかのほうがよかった?」
委員長「ううん!! こ、これ! こっちがいい!! リアル感あるし!! 素敵!!」
オタク(い、今まで見たこともないほど喜んでる……)
委員長「さすが、インターネット……こ、こんなにも濃い内容のが無料で見られるなんて……」
委員長「写真や絵がない分、想像をかき立てられるし」
委員長「ありがとう! とっても嬉しい!」
オタク(満面の笑みを浮かべる委員長が見られて、嬉しいような悲しいような……)
144 = 132 :
オタク「……」
委員長「はっ……!? ご、ごめんなさい! 私ってば……な、なにいって……」
オタク「い、いいよ。気にしないから」
委員長「気にして!」
オタク「ご、ごめん」
委員長「嬉しいだなんて……何を口走って……はぁ……」
オタク「ところで……」
委員長「な、なに?」
オタク「流石にこれだけの量があるし、絵とか写真じゃないから読むのも時間かかるでしょ」
委員長「そっか、日曜日の時間だけじゃ足りない……」
オタク「良いところまで読んで帰らなくちゃいけなくなったら辛いし」
委員長「悶々としちゃう……けど、それはそれで……」
オタク「だから、好きなだけプリントアウトしていってもいいから」
委員長「……ホントに?」
オタク「うん。持って帰っても問題集のテキストだっていえば誤魔化せるはずだしね」
145 = 132 :
委員長「こんなにたくさん刷ってもらって、ごめんね」
オタク「い、いいよ。それぐらいなら」
オタク(A4用紙30枚分は相当な量だけど、バレないよね)
委員長「帰ったら読まないと……!」
オタク(一晩で読むつもりですか)
母「帰るの?」
委員長「すみません。こんな時間に、ご迷惑をおかけしました」
母「気にしないで。これからもうちの子をよろしくね」
委員長「とんでもありません。いつもお世話になっているのは私のほうです」
母「あらあら。性格まで良いなんて、うちの子にはもったいないわねぇ」
オタク「う、うるさいなぁ。もういいだろ」
委員長「今日は、本当にありがとう。また明日ね」
オタク「お、送っていくよ」
委員長「いいから! いきなり来ちゃった私が悪いんだし」
オタク「ううん。送らせてほしい」
146 = 132 :
―外―
委員長「良かったのに」
オタク「夜は危ないし」
委員長「……」
オタク「ところで、それ、一晩で読んじゃうつもり?」
委員長「貴方の言う通り、これならノートと一緒に並べておけば一見すると勉強しているように見えるもの。成年誌は堂々と読めないけど、これは読めるわ」
オタク「あんまり夜更かしすると体に悪いからほどほどにね」
委員長「……エッチ」
オタク「えぇぇ!? あ、そ、そういうつもりで……いったわけじゃ……!!」
委員長「冗談、じょーだん。ふふっ」
オタク「び、びっくりしたぁ」
委員長「今日のお礼は必ずさせてね」
オタク「そんな……プリントアウトしただけだし……」
委員長「次の日曜日も遊びに行ってもいい?」
オタク「聞かなくてもいいってば」
147 = 132 :
―翌日 学校―
オタク(日曜日に向けて、資料集めてみないと。ただ過激すぎるのは避けないと。本当にエスカレートされても困るし)
「おっはよー!!」
委員長「おはよう……ふわぁ……」
「どうしたの、眠そうだね」
委員長「うん……」
「珍しく夜更かし?」
委員長「うん……後悔してる……」
オタク(夜更かし……したんだ……)
「深夜に映画とかやってたっけ」
委員長「ううん……面白い……本を……」
「どんな本?」
委員長「……ひみつ」
「えー。おしえてよー」
オタク(露出体験を書き綴ったモノなんて、誰も言えるわけない……)
148 = 132 :
―授業中―
先生「で、このとき明治政府が行った――」
委員長「……」ペラッ
オタク(真剣に、真面目に授業を受けている委員長が昨日の夜、僕の家にきてネットの露出体験に大興奮していたなんて誰が想像するだろう)
オタク(発覚したら一日でクラスどころか学校中に広まりそう)
委員長「……」カキカキ
オタク(まぁ、そんな一面があるなんて誰にもわかるわけ――)
委員長「……」モジモジ
オタク(ん? 委員長の様子がおかしい……?)
委員長「……」ペラッ
オタク(よく見たら教科書の上にプリントが……。今日はまだ配布プリントないけど……)
委員長「……」モジモジ
オタク(ま、まさか……いや……でも……)
委員長「うぅ……」
オタク(読んでる……!? まさか……授業中に昨日渡したプリントを……読んでるの……!?)
149 = 132 :
―放課後 空き教室―
オタク「来てくれるかな……」
委員長「……」
オタク「あ……。急に呼び出してごめん」
委員長「靴箱の手紙、読んだ……」
オタク「あの……」
委員長「……」
オタク「渡したのは僕だけど、流石に学校に持ってきちゃまずいと思うんだけど」
委員長「ごめんなさい……」
オタク「あれは家で楽しんでもらうためであって……」
委員長「ど、どうしても続きが……気になって……。知人宅に下着をつけないで遊びにいく女性の話が……その……おもしろくて……」
オタク「お、面白かったんだ」
委員長「どんな気持ちなんだろう……って……」
オタク(知ってどうするんだろう)
委員長「ごめんなさい……」
150 :
下着レスも時間の問題か
みんなの評価 : ○
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